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第49話
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夏休み初日の午前9時、俺は昨日と変わらず学校に登校して授業を受けていた。
俺は自分が通っている高校の夏休みがどんなものか、高一の時に経験していたのにもかかわらず、昨日まで夏休みが始まることが嬉しくてすっかり忘れていた。
うちの高校は公立の進学校なので夏休みの前半までは基本全員参加の夏期講習があった。それなら後半は遊べるのかというと、後半は2学期にある文化祭の準備などが始まるので、後半は後半で遊んでいる時間はあまりなかった。
そのため、夏休みが始まる前に考えていたバイトを始める計画は頓挫しそうになっていた。それ以外にも、夏休みにカジワラとナツキとハナザワさん、それぞれと一緒にいる時間を確保しなくちゃいけないことも頓挫しそうな理由の一つだった。
なので、バイトを始めることを諦めるわけではないが、ナツキとハナザワさん、この2人とのデートはあまりお金がかからないデートコースを検討するしかないかと考えていた。数少ない救いは夏期講習が午前中で終わることと土日はないことだ。
午前中の授業が終わり、やっとカジワラたちと漫画の話ができると思っていると、担任の木下が「文化祭の実行委員を決めなくちゃいけない。男子と女子からそれぞれ1人、誰か立候補はいるか?」とホームルーム中に聞いてきた。
カジワラが立候補するなら俺も立候補するつもりでいたが、カジワラはどちらかと言うと文化祭とかに積極的に参加するような性格ではなかったので、きっと立候補しないだろうと思いながらカジワラの方を見ると、あまり関心がなさそうな顔をしながら少しうつむいていた。
男子は伊東が、女子は内藤がすぐに立候補してくれたので、むりやり誰かを選ばなくて済んで安堵している奴は俺以外にもいるだろうと感じていた。文化祭実行委員も決まったし、ホームルームも終わりかな?と思っていると、担任の木下が、「再来週までにはクラスの出し物を決めなくちゃいけないから、明日からは授業が終わったら、その話し合いをするぞ!何をやりたいか考えておいてくれ!」とクラス全員に伝えてホームルームが終わった。
お昼を食べ終えた後、いつもの4人で漫画の話をするだろうと思っていたが、話の内容は文化祭の出し物の話になった。
「俺は何かの展示とかがいいかな。そうすれば文化祭の日は他のクラスや部活の出し物を見に行くことができるしな。文化祭を楽しむなら、その方が絶対いいよ!」
俺が自分の意見を自信満々に3人に伝えると、ハタケが、「えー!そんなのつまらないよ!自分たちも積極的に参加した方が楽しいと思うから、やっぱりここは漫画でも定番な劇とかメイド喫茶とかを私はやりたいな!」と反論してきた。
俺はため息をついてからハタケの意見に対して、「ハタケ。確かにそういう楽しみ方もあるけど、うちのクラス、部活に所属している奴らが多いってことは分かってるか?クラスの出し物に専念できる人数は少ないから、劇やメイド喫茶なんて多くの人員が必要な出し物はできないと思うぞ。」と厳しい見解を述べた。
ハタケはそれでも諦めきれないのか、カジワラの方を見て、「レーちゃんはどう思う?」と尋ねた。
カジワラは、「私はトツカくんの意見に賛成かな。積極的に参加するだけが文化祭じゃないからね。さらに言えば、できれば何かの展示会とかもしたくないかな。」と親友であるハタケの意見にきっぱりとNOを突き付けた。
親友の賛同を得られず、ハタケは助けを求めるようにキョウヘイの方を見た。キョウヘイは最初は困ったような顔をしていたが、次に意を決した表情になり、「ハタケ。メイド喫茶はちょっと無理な気がするな。確かうちの学校って文化祭で飲食の提供は禁止していたからね。衛生管理上の問題から仕方ないと思うけどね。でも劇だったら、登場人物が少ない朗読劇とかに替えれば何とかなるかもね。台本を読みながらできるから、劇ほど練習もいらないだろうしね。」とハタケの意見にできるだけ配慮した意見を述べた。
ハタケはキョウヘイの意見は納得できたみたいで、「そうだね。うん。メイド喫茶は諦める。朗読劇を明日提案してみるよ。」と言った。
ハタケをあまり落胆させずに納得させてくれたキョウヘイには感謝しかなかった。
いつもの4人での話が終わった後、図書室に行こうとしたが、ハナザワさんからスマホにメッセージが来ているのに気付き見てみると、「今日はちょっと話したいことがあるので、第3特別教室に来てくれませんか?」とあったので、第3特別教室に向かった。
ハナザワさんの話というのは予想していた通り文化祭のことについてだった。
「文化祭の出し物、食べ物系をやろうと思っていた人が多かったんです。特に男子が。でも、飲食の提供はダメだって先生に言われたので、食べ物系以外を考えなくちゃいけないんですけど、何をやればいいのか思いつかないんです。トツカ先輩は去年の文化祭何をやりましたか?参考に教えてもらえませんか?」
「俺が1年の時は15分ぐらいのオリジナルの短編映画みたいなのを撮って、それを教室で上映してたかな。目立ちたがりの奴は映画に出演したし、俺みたいに目立ちたくない奴は裏方で参加できたから、それほど悪くなかったよ。」
「そうですか。短編映画ですか。参考になります。ところで正直に疑問に思うことなんですけど、食べ物系をやれないのに部活に所属している人たちって何の出し物をやったりするんですか?軽音楽部や演劇部は分かりますけど、運動部は出店みたいなものをやれなかったらやることなんてない気がするんですけど。」
「うん。俺も去年はそう思っていたけど、野球部はストラックアウトや実際に打席に立ってもらって投げた球を打ってもらったりしてたし、サッカー部はPK体験やリフティングできた回数でお菓子をプレゼントしたりしてたし、バスケ部はフリースロー体験や1on1をやったりしてたし、運動部もそれぞれ特色のある出し物をやる気になったらやれるんだよ。まあ、本当は出店とかをやりたい人も多いだろうけどね。」
「そうなんですね。私は考えが足りなかったみたいですね。なんか運動部の人たちに申し訳ないです。」
そう言って、ハナザワさんはしゅんとしてしまったので、俺は、「俺も去年は同じこと思ってたし、1年生のハナザワさんがそう思うのは仕方ないよ。それに漫画なんかの創作物だと現実よりすごい出し物をやったりするものもあるから、俺なんか高校の文化祭なら、もっとすごいことができるんじゃないかと勘違いしてたしね。それに比べたらハナザワさんの考えなんて普通だよ。」と元気づけた。
ハナザワさんは俺のフォローを聞いて少し元気を取り戻した様子で、「そう……ですかね?トツカ先輩がそう言ってくれるなら、そう思うことにします!ありがとうございました。ところで、トツカ先輩は今年の出し物は何を提案するつもりですか?」と聞いてきた。
「俺は何かの展示会みたいなものを提案しようと思っているけど。自分のクラスの出し物で誰かを楽しませるのもいいけど、他のクラスの出し物を楽しむのも文化祭の楽しみ方の1つかなと思うしさ。」
「なるほど。参考になります。」
ハナザワさんは非積極的な俺の考えを本当に参考にしようとしているみたいで、俺は申し訳ない気持ちになった。
「トツカ先輩のクラスの出し物は絶対見に行きますから!」
「う、うん。俺もハナザワさんのクラスの出し物見に行くから。」
ハナザワさんと文化祭の出し物の話をしているうちに、バレー部の活動が終わる時間になったので、ハナザワさんとは昇降口で別れた。
昇降口でナツキと合流して、一緒に帰宅した。帰宅する間の会話はやっぱり文化祭の話だった。
「ナツキはバレー部の出し物の方を重点的にやるんだろ?」
「うん。そのつもり。でも、バレー部の出し物はそれほど準備がいらないから、クラスの出し物の準備は手伝うよ。セイは文化祭のクラスの出し物、何か提案する?」
「俺は何かの展示会を提案するつもりだけど。」
「えー!面白くなーい!」
「そんなこと言うなら、ナツキは何を提案するつもりなんだ?」
「私はバレー部の出し物をやるから、クラスの出し物には口を出さないつもり。」
「うわっ!ズルッ!」
「ズルくないよ!自分があまり参加しない出し物に口を出す方がおかしいでしょ!」
「それはそうだけど。今の意見は会話の流れ的にズルい気がする。」
「あははは!まあ、どんな出し物になっても見に行くからね。」
「ああ。俺も見に行くよ。」
そんな話をしてるうちに家に着いたので、別れの挨拶をして、それぞれの家に入った。
俺は自分が通っている高校の夏休みがどんなものか、高一の時に経験していたのにもかかわらず、昨日まで夏休みが始まることが嬉しくてすっかり忘れていた。
うちの高校は公立の進学校なので夏休みの前半までは基本全員参加の夏期講習があった。それなら後半は遊べるのかというと、後半は2学期にある文化祭の準備などが始まるので、後半は後半で遊んでいる時間はあまりなかった。
そのため、夏休みが始まる前に考えていたバイトを始める計画は頓挫しそうになっていた。それ以外にも、夏休みにカジワラとナツキとハナザワさん、それぞれと一緒にいる時間を確保しなくちゃいけないことも頓挫しそうな理由の一つだった。
なので、バイトを始めることを諦めるわけではないが、ナツキとハナザワさん、この2人とのデートはあまりお金がかからないデートコースを検討するしかないかと考えていた。数少ない救いは夏期講習が午前中で終わることと土日はないことだ。
午前中の授業が終わり、やっとカジワラたちと漫画の話ができると思っていると、担任の木下が「文化祭の実行委員を決めなくちゃいけない。男子と女子からそれぞれ1人、誰か立候補はいるか?」とホームルーム中に聞いてきた。
カジワラが立候補するなら俺も立候補するつもりでいたが、カジワラはどちらかと言うと文化祭とかに積極的に参加するような性格ではなかったので、きっと立候補しないだろうと思いながらカジワラの方を見ると、あまり関心がなさそうな顔をしながら少しうつむいていた。
男子は伊東が、女子は内藤がすぐに立候補してくれたので、むりやり誰かを選ばなくて済んで安堵している奴は俺以外にもいるだろうと感じていた。文化祭実行委員も決まったし、ホームルームも終わりかな?と思っていると、担任の木下が、「再来週までにはクラスの出し物を決めなくちゃいけないから、明日からは授業が終わったら、その話し合いをするぞ!何をやりたいか考えておいてくれ!」とクラス全員に伝えてホームルームが終わった。
お昼を食べ終えた後、いつもの4人で漫画の話をするだろうと思っていたが、話の内容は文化祭の出し物の話になった。
「俺は何かの展示とかがいいかな。そうすれば文化祭の日は他のクラスや部活の出し物を見に行くことができるしな。文化祭を楽しむなら、その方が絶対いいよ!」
俺が自分の意見を自信満々に3人に伝えると、ハタケが、「えー!そんなのつまらないよ!自分たちも積極的に参加した方が楽しいと思うから、やっぱりここは漫画でも定番な劇とかメイド喫茶とかを私はやりたいな!」と反論してきた。
俺はため息をついてからハタケの意見に対して、「ハタケ。確かにそういう楽しみ方もあるけど、うちのクラス、部活に所属している奴らが多いってことは分かってるか?クラスの出し物に専念できる人数は少ないから、劇やメイド喫茶なんて多くの人員が必要な出し物はできないと思うぞ。」と厳しい見解を述べた。
ハタケはそれでも諦めきれないのか、カジワラの方を見て、「レーちゃんはどう思う?」と尋ねた。
カジワラは、「私はトツカくんの意見に賛成かな。積極的に参加するだけが文化祭じゃないからね。さらに言えば、できれば何かの展示会とかもしたくないかな。」と親友であるハタケの意見にきっぱりとNOを突き付けた。
親友の賛同を得られず、ハタケは助けを求めるようにキョウヘイの方を見た。キョウヘイは最初は困ったような顔をしていたが、次に意を決した表情になり、「ハタケ。メイド喫茶はちょっと無理な気がするな。確かうちの学校って文化祭で飲食の提供は禁止していたからね。衛生管理上の問題から仕方ないと思うけどね。でも劇だったら、登場人物が少ない朗読劇とかに替えれば何とかなるかもね。台本を読みながらできるから、劇ほど練習もいらないだろうしね。」とハタケの意見にできるだけ配慮した意見を述べた。
ハタケはキョウヘイの意見は納得できたみたいで、「そうだね。うん。メイド喫茶は諦める。朗読劇を明日提案してみるよ。」と言った。
ハタケをあまり落胆させずに納得させてくれたキョウヘイには感謝しかなかった。
いつもの4人での話が終わった後、図書室に行こうとしたが、ハナザワさんからスマホにメッセージが来ているのに気付き見てみると、「今日はちょっと話したいことがあるので、第3特別教室に来てくれませんか?」とあったので、第3特別教室に向かった。
ハナザワさんの話というのは予想していた通り文化祭のことについてだった。
「文化祭の出し物、食べ物系をやろうと思っていた人が多かったんです。特に男子が。でも、飲食の提供はダメだって先生に言われたので、食べ物系以外を考えなくちゃいけないんですけど、何をやればいいのか思いつかないんです。トツカ先輩は去年の文化祭何をやりましたか?参考に教えてもらえませんか?」
「俺が1年の時は15分ぐらいのオリジナルの短編映画みたいなのを撮って、それを教室で上映してたかな。目立ちたがりの奴は映画に出演したし、俺みたいに目立ちたくない奴は裏方で参加できたから、それほど悪くなかったよ。」
「そうですか。短編映画ですか。参考になります。ところで正直に疑問に思うことなんですけど、食べ物系をやれないのに部活に所属している人たちって何の出し物をやったりするんですか?軽音楽部や演劇部は分かりますけど、運動部は出店みたいなものをやれなかったらやることなんてない気がするんですけど。」
「うん。俺も去年はそう思っていたけど、野球部はストラックアウトや実際に打席に立ってもらって投げた球を打ってもらったりしてたし、サッカー部はPK体験やリフティングできた回数でお菓子をプレゼントしたりしてたし、バスケ部はフリースロー体験や1on1をやったりしてたし、運動部もそれぞれ特色のある出し物をやる気になったらやれるんだよ。まあ、本当は出店とかをやりたい人も多いだろうけどね。」
「そうなんですね。私は考えが足りなかったみたいですね。なんか運動部の人たちに申し訳ないです。」
そう言って、ハナザワさんはしゅんとしてしまったので、俺は、「俺も去年は同じこと思ってたし、1年生のハナザワさんがそう思うのは仕方ないよ。それに漫画なんかの創作物だと現実よりすごい出し物をやったりするものもあるから、俺なんか高校の文化祭なら、もっとすごいことができるんじゃないかと勘違いしてたしね。それに比べたらハナザワさんの考えなんて普通だよ。」と元気づけた。
ハナザワさんは俺のフォローを聞いて少し元気を取り戻した様子で、「そう……ですかね?トツカ先輩がそう言ってくれるなら、そう思うことにします!ありがとうございました。ところで、トツカ先輩は今年の出し物は何を提案するつもりですか?」と聞いてきた。
「俺は何かの展示会みたいなものを提案しようと思っているけど。自分のクラスの出し物で誰かを楽しませるのもいいけど、他のクラスの出し物を楽しむのも文化祭の楽しみ方の1つかなと思うしさ。」
「なるほど。参考になります。」
ハナザワさんは非積極的な俺の考えを本当に参考にしようとしているみたいで、俺は申し訳ない気持ちになった。
「トツカ先輩のクラスの出し物は絶対見に行きますから!」
「う、うん。俺もハナザワさんのクラスの出し物見に行くから。」
ハナザワさんと文化祭の出し物の話をしているうちに、バレー部の活動が終わる時間になったので、ハナザワさんとは昇降口で別れた。
昇降口でナツキと合流して、一緒に帰宅した。帰宅する間の会話はやっぱり文化祭の話だった。
「ナツキはバレー部の出し物の方を重点的にやるんだろ?」
「うん。そのつもり。でも、バレー部の出し物はそれほど準備がいらないから、クラスの出し物の準備は手伝うよ。セイは文化祭のクラスの出し物、何か提案する?」
「俺は何かの展示会を提案するつもりだけど。」
「えー!面白くなーい!」
「そんなこと言うなら、ナツキは何を提案するつもりなんだ?」
「私はバレー部の出し物をやるから、クラスの出し物には口を出さないつもり。」
「うわっ!ズルッ!」
「ズルくないよ!自分があまり参加しない出し物に口を出す方がおかしいでしょ!」
「それはそうだけど。今の意見は会話の流れ的にズルい気がする。」
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