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第50話
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次の日、夏期講習が終わると文化祭の出し物についての話し合いが始まった。
伊東と内藤が進行役になってクラスのみんなから意見を聞いたが、誰一人として手を挙げなかった。
何かの展示で済ませようと思っていた俺が思うのもなんだが、このクラスの奴らは積極性に欠けてるんじゃないかと思った。だが、そう思っている俺も誰も意見を言わない中で手を挙げて発言する勇気はなく、結局この日の話し合いは何も決まらずに終わってしまった。
放課後、いつもの4人で集まったが、この日も漫画の話をせずに文化祭の出し物について話し合った。
「何も決まらなかったな。」
「そうだねぇ。」
「ていうか、セイとハタケは自分の意見を言わなくて良かったのか?」
「あ!そうそう。トツカくんとミーちゃんはやりたいことがあったんじゃないの?」
キョウヘイとカジワラが気付かなくていいことに気付き、俺とハタケに尋ねてきた。
「いや、別に俺は積極的に何かの展示を薦めたい訳ではないから。誰かが何か提案したら、こんなのもあるよって提案してもいいかなぐらいの気持ちだから。俺よりもハタケだろ。意見を言わなきゃいけないのは。」
「あ!トツカくんズルい!トツカくんはただ単に誰も意見を言わなかったから、自分が最初に意見を言うのをためらっただけでしょ!」
「そう言うハタケもためらったんだろう?人のこと言えないと思うけどな!」
「ちょっと待った!俺から言い出したことでもめてるのは分かるけど、ちょっと待ってくれないか?」
俺とハタケがちょっと言い争いを始めたら、原因を作ったキョウヘイが止めに入った。
「なんだよ、キョウヘイ!邪魔すんなよ!」
俺は原因を作ったキョウヘイの言うことを聞くのが何だか癪に障ったので、せっかく止めに入ってくれたキョウヘイに強めに当たってしまった。
「そうだよ!元はと言えば、イチノミヤくんが言ったことから始まったんだよ!」
カジワラも同じ気持ちなのかキョウヘイに強めに当たっていた。
「それは悪いと思ってるよ!だから2人ともごめん!喧嘩の原因を作った俺が提案するのはおかしいと思うけど、2人が言い争いをしなくていい良い方法があるので聞いてくれないか?」
「なんだよ?良い方法って?」
「そうだね。一応聞いておこうか。」
「それは明日も文化祭の出し物について話し合いがあると思うから、その時にセイとハタケどちらが先に自分の意見を提案することができるかで争えばいいんじゃないかな?これならセイとハタケの意見をクラスのみんなに聞いてもらえるし、どちらが意気地なしか分かるし良い方法だと思わないか?」
「……うーん。確かにそれなら俺たちが揉めてる原因は解決できるな。でも……。」
「そうだね。原因は解決できるね。でも……。」
俺とハタケはキョウヘイの提案にある程度納得したが、一部納得できない点があった。
「キョウヘイ……。」
「イチノミヤくん……。」
「ん?どうした?」
「俺たちがいつお互いのことを意気地なしって言ったんだよ!言ってないだろ!」
「そうだよ!言いそうになったけど、まだ言う前だったよ!私もトツカくんも言ってないことを言わないでよ!」
「あれ?そうだっけか?2人ともごめん!てっきり、もう言ったものだと思ってた。」
キョウヘイという本当の敵に気付いた俺とハタケは、その後もキョウヘイのことを責め続けた。
いつもの4人での話が終わった後は図書室へ行きハナザワさんの隣の席でハナザワさんのお薦めの本を読んだ。図書室が閉まるとハナザワさんと昇降口へ向かった。昇降口へ向かう間、お互いのクラスの文化祭の出し物について話をした。
ハナザワさんのクラスもこの日の話し合いでは出し物が決まらなかったらしい。ただし、うちのクラスと違うのはハナザワさんのクラスは出し物の案が割と出たらしく1つに決められなかったらしい。
「へー。それはちょっと羨ましいな。うちのクラスは誰も出し物の案を出さなかったから、ハナザワさんのクラスとは逆の意味で決まらなかったよ。」
「そうなんですか?昨日は何かの展示を提案するみたいなことをおっしゃってましたが、それは提案しなかったんですか?」
「え?……それはね……俺の何かの展示という案は積極的にやりたいことではないから、誰かが何か提案したら提案しなくてもいいかなと様子を見てたんだ。結局誰も何も提案しなかったから、明日の話し合いでは提案してみようと思ってるよ。」
キョウヘイと同じことを言われたので、一瞬ドキッとして言葉が出なかったが、すぐにキョウヘイの時と同じような言い訳を言った。ハナザワさんは俺の言い訳を聞くと何も言わずに右手の親指と人差し指を顎に当てて何かを考えるような仕草をした。
ちょっとおかしかったかな?クラスメートの誰も提案しないのをただ見ていたバカだって思われたかな?
俺がハナザワさんの発言をおそるおそる待っていると、ハナザワさんはパッと俺の方を見て、「トツカ先輩って優しいんですね。」と言ってきた。
「え?優しい?俺が?」
ハナザワさんの予想してない発言を聞いて、俺はそのまま聞き返してしまった。
「はい!トツカ先輩が何かの展示を提案してたら、それでいいかなと思った人たちが多かった場合、それに決まっていたかもしれないわけですし、クラスメートの人たちに余計な情報を与えずにやりたいことを提案するチャンスをあげたトツカ先輩は優しいですよ!」
ハナザワさんはそう言ってくれたが、俺はただ単に誰も何も言わない状況で何かを提案する度胸がなかっただけなので、俺を過大評価するハナザワさんの意見は聞いてて申し訳なく感じた。
しかし、それを否定する勇気もなかったので、俺は「あははは。そうかなぁ……。」とぎこちない笑顔を作ってハナザワさんの意見を受け入れていた。
そんな会話をしてるうちに昇降口に着いた。ハナザワさんと別れて自分の靴箱の所へ行って上履きから靴に履き替えてると、「セイ遅い!」と聞きなじみのある声が聞こえた。
声のした方を向くと、そこにはふくれっ面をしたナツキが立っていた。
「悪い悪い。ハナザワさんと話しながら来たから遅れたんだよ。普段は俺が待ってるんだし、ちょっと遅れたぐらいいいじゃんか?」
「まあ、そうだけど……。ところでハナザワさんは?」
「1年生の靴箱とは場所が違うから、さっき別れたけど。」
「ふ~ん?まあそれならいいけど、じゃあ帰ろっか?」
「ああ。」
いつの間にかナツキの機嫌がよくなっているので俺はホッとしていた。俺とナツキが昇降口を出ると、「トツカ先輩!」と俺を呼び止める声が聞こえた。声がした後ろを振り向くとハナザワさんが立っていた。
あまり時間を取るとナツキがまた機嫌が悪くなるかもしれないので、少しハラハラしていると、ハナザワさんは笑顔で、「また明日!」と挨拶してきた。俺は少しホッとして、「うん。また明日。」と挨拶を返すとハナザワさんはそれ以上何も言わずに下校していった。
「じゃあ帰ろうか?」と俺がナツキに言うと、ナツキは「うん。」と少し元気がないように答えた。
学校から帰宅している間、ナツキはほとんどなにも話しかけてこなかった。それが少し怖かったが俺も何も言わずに黙っていた。だけど家の近くまで来るとナツキが急に、「ズルい!」と叫んだ。
俺は訳が分からず、「何だよ?急に?」と聞き返すと、ナツキは俯いたまま、「ハナザワさんの方がセイと一緒にいる時間が長くてズルい!私は帰宅するときしかセイと一緒にいないのに!」と言ってきた。
「仕方ないじゃん。ナツキは部活があるんだからさ。」
「じゃあ、夏休みの間、部活休む!」
「バカなこと言うなよ!ナツキが良くても、バレー部の人たちが困るだろ!それにナツキが俺と一緒にいるために部活を休んだというのがバレたらバレー部の人たちに何て言われるか分からないぞ!休むのだけはやめておいた方がいい!」
「でも、それじゃあ……。」
「分かった。夏休みの間バレー部が1日も休みがないってことはないんだろ?今度バレー部が休みの日にはナツキと必ずデートするから!それならいいだろ?」
「……うん。分かった。それでいいよ。」
ナツキは渋々だが俺の提案に納得してくれたみたいだった。
「それじゃあ、また明日な。」
「うん。また明日。」
ナツキと別れの挨拶をすると俺とナツキはそれぞれの自宅に帰宅した。
伊東と内藤が進行役になってクラスのみんなから意見を聞いたが、誰一人として手を挙げなかった。
何かの展示で済ませようと思っていた俺が思うのもなんだが、このクラスの奴らは積極性に欠けてるんじゃないかと思った。だが、そう思っている俺も誰も意見を言わない中で手を挙げて発言する勇気はなく、結局この日の話し合いは何も決まらずに終わってしまった。
放課後、いつもの4人で集まったが、この日も漫画の話をせずに文化祭の出し物について話し合った。
「何も決まらなかったな。」
「そうだねぇ。」
「ていうか、セイとハタケは自分の意見を言わなくて良かったのか?」
「あ!そうそう。トツカくんとミーちゃんはやりたいことがあったんじゃないの?」
キョウヘイとカジワラが気付かなくていいことに気付き、俺とハタケに尋ねてきた。
「いや、別に俺は積極的に何かの展示を薦めたい訳ではないから。誰かが何か提案したら、こんなのもあるよって提案してもいいかなぐらいの気持ちだから。俺よりもハタケだろ。意見を言わなきゃいけないのは。」
「あ!トツカくんズルい!トツカくんはただ単に誰も意見を言わなかったから、自分が最初に意見を言うのをためらっただけでしょ!」
「そう言うハタケもためらったんだろう?人のこと言えないと思うけどな!」
「ちょっと待った!俺から言い出したことでもめてるのは分かるけど、ちょっと待ってくれないか?」
俺とハタケがちょっと言い争いを始めたら、原因を作ったキョウヘイが止めに入った。
「なんだよ、キョウヘイ!邪魔すんなよ!」
俺は原因を作ったキョウヘイの言うことを聞くのが何だか癪に障ったので、せっかく止めに入ってくれたキョウヘイに強めに当たってしまった。
「そうだよ!元はと言えば、イチノミヤくんが言ったことから始まったんだよ!」
カジワラも同じ気持ちなのかキョウヘイに強めに当たっていた。
「それは悪いと思ってるよ!だから2人ともごめん!喧嘩の原因を作った俺が提案するのはおかしいと思うけど、2人が言い争いをしなくていい良い方法があるので聞いてくれないか?」
「なんだよ?良い方法って?」
「そうだね。一応聞いておこうか。」
「それは明日も文化祭の出し物について話し合いがあると思うから、その時にセイとハタケどちらが先に自分の意見を提案することができるかで争えばいいんじゃないかな?これならセイとハタケの意見をクラスのみんなに聞いてもらえるし、どちらが意気地なしか分かるし良い方法だと思わないか?」
「……うーん。確かにそれなら俺たちが揉めてる原因は解決できるな。でも……。」
「そうだね。原因は解決できるね。でも……。」
俺とハタケはキョウヘイの提案にある程度納得したが、一部納得できない点があった。
「キョウヘイ……。」
「イチノミヤくん……。」
「ん?どうした?」
「俺たちがいつお互いのことを意気地なしって言ったんだよ!言ってないだろ!」
「そうだよ!言いそうになったけど、まだ言う前だったよ!私もトツカくんも言ってないことを言わないでよ!」
「あれ?そうだっけか?2人ともごめん!てっきり、もう言ったものだと思ってた。」
キョウヘイという本当の敵に気付いた俺とハタケは、その後もキョウヘイのことを責め続けた。
いつもの4人での話が終わった後は図書室へ行きハナザワさんの隣の席でハナザワさんのお薦めの本を読んだ。図書室が閉まるとハナザワさんと昇降口へ向かった。昇降口へ向かう間、お互いのクラスの文化祭の出し物について話をした。
ハナザワさんのクラスもこの日の話し合いでは出し物が決まらなかったらしい。ただし、うちのクラスと違うのはハナザワさんのクラスは出し物の案が割と出たらしく1つに決められなかったらしい。
「へー。それはちょっと羨ましいな。うちのクラスは誰も出し物の案を出さなかったから、ハナザワさんのクラスとは逆の意味で決まらなかったよ。」
「そうなんですか?昨日は何かの展示を提案するみたいなことをおっしゃってましたが、それは提案しなかったんですか?」
「え?……それはね……俺の何かの展示という案は積極的にやりたいことではないから、誰かが何か提案したら提案しなくてもいいかなと様子を見てたんだ。結局誰も何も提案しなかったから、明日の話し合いでは提案してみようと思ってるよ。」
キョウヘイと同じことを言われたので、一瞬ドキッとして言葉が出なかったが、すぐにキョウヘイの時と同じような言い訳を言った。ハナザワさんは俺の言い訳を聞くと何も言わずに右手の親指と人差し指を顎に当てて何かを考えるような仕草をした。
ちょっとおかしかったかな?クラスメートの誰も提案しないのをただ見ていたバカだって思われたかな?
俺がハナザワさんの発言をおそるおそる待っていると、ハナザワさんはパッと俺の方を見て、「トツカ先輩って優しいんですね。」と言ってきた。
「え?優しい?俺が?」
ハナザワさんの予想してない発言を聞いて、俺はそのまま聞き返してしまった。
「はい!トツカ先輩が何かの展示を提案してたら、それでいいかなと思った人たちが多かった場合、それに決まっていたかもしれないわけですし、クラスメートの人たちに余計な情報を与えずにやりたいことを提案するチャンスをあげたトツカ先輩は優しいですよ!」
ハナザワさんはそう言ってくれたが、俺はただ単に誰も何も言わない状況で何かを提案する度胸がなかっただけなので、俺を過大評価するハナザワさんの意見は聞いてて申し訳なく感じた。
しかし、それを否定する勇気もなかったので、俺は「あははは。そうかなぁ……。」とぎこちない笑顔を作ってハナザワさんの意見を受け入れていた。
そんな会話をしてるうちに昇降口に着いた。ハナザワさんと別れて自分の靴箱の所へ行って上履きから靴に履き替えてると、「セイ遅い!」と聞きなじみのある声が聞こえた。
声のした方を向くと、そこにはふくれっ面をしたナツキが立っていた。
「悪い悪い。ハナザワさんと話しながら来たから遅れたんだよ。普段は俺が待ってるんだし、ちょっと遅れたぐらいいいじゃんか?」
「まあ、そうだけど……。ところでハナザワさんは?」
「1年生の靴箱とは場所が違うから、さっき別れたけど。」
「ふ~ん?まあそれならいいけど、じゃあ帰ろっか?」
「ああ。」
いつの間にかナツキの機嫌がよくなっているので俺はホッとしていた。俺とナツキが昇降口を出ると、「トツカ先輩!」と俺を呼び止める声が聞こえた。声がした後ろを振り向くとハナザワさんが立っていた。
あまり時間を取るとナツキがまた機嫌が悪くなるかもしれないので、少しハラハラしていると、ハナザワさんは笑顔で、「また明日!」と挨拶してきた。俺は少しホッとして、「うん。また明日。」と挨拶を返すとハナザワさんはそれ以上何も言わずに下校していった。
「じゃあ帰ろうか?」と俺がナツキに言うと、ナツキは「うん。」と少し元気がないように答えた。
学校から帰宅している間、ナツキはほとんどなにも話しかけてこなかった。それが少し怖かったが俺も何も言わずに黙っていた。だけど家の近くまで来るとナツキが急に、「ズルい!」と叫んだ。
俺は訳が分からず、「何だよ?急に?」と聞き返すと、ナツキは俯いたまま、「ハナザワさんの方がセイと一緒にいる時間が長くてズルい!私は帰宅するときしかセイと一緒にいないのに!」と言ってきた。
「仕方ないじゃん。ナツキは部活があるんだからさ。」
「じゃあ、夏休みの間、部活休む!」
「バカなこと言うなよ!ナツキが良くても、バレー部の人たちが困るだろ!それにナツキが俺と一緒にいるために部活を休んだというのがバレたらバレー部の人たちに何て言われるか分からないぞ!休むのだけはやめておいた方がいい!」
「でも、それじゃあ……。」
「分かった。夏休みの間バレー部が1日も休みがないってことはないんだろ?今度バレー部が休みの日にはナツキと必ずデートするから!それならいいだろ?」
「……うん。分かった。それでいいよ。」
ナツキは渋々だが俺の提案に納得してくれたみたいだった。
「それじゃあ、また明日な。」
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