Blue bird

タンビスキー

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つかの間の幸せ

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時折コールボーイ達の感声が聞こえる。
その店の名はコールボーイズ。見目麗しいコールボーイの青年達が連日人相の悪いオーナーのもと働いている。



十数年前、「おめでとうございます元気な男の子ですよ」日本語を話す人が殆どいない病院で一人の看護師が母親に言葉をかけた…もちろん日本語ではない言葉で。
「可愛い」
看護師の腕に抱かれていた我が子の顔を見た母親はそう言いその顔をほころばせた。
その後、母親の腕に抱かれた赤ん坊は両親にタクトウと言う名前を付けられた後、タクトと言うあだ名で呼ばれながら育てられ始めた。
数年後、タクトには弟が出来タクトが生まれた家庭はひときわ明るくなった。そんな矢先、タクト達は大黒柱だった父親を不慮の事故で亡くした。
「今日から俺が父さんの屋台で働いて母さんとコウを養うから」
父親の遺体の前でタクトはそう言い不安げな母親の涙を誘った。
その時、見目麗しい十五歳の少年になっていたタクトはその後、言葉通り父親の屋台で働き始め病弱な母親と幼い弟を養い始めた。
数年後、ああ、もっと稼げる仕事して母さん達に贅沢させてあげたいな…。
終業後、その日の売り上げを数えたタクトはその甘いマスクに浮かない表情を浮かべた。
その時、タクトが住んでいる街を一望出来る丘に一人の男が現れた。
「…しけた街だな…」
街を一瞥した男はその前科がありそうな顔にある口を開いた。
数時間後、前科がありそうな顔の男はタクトが住んでいる家の近所にある酒場にいた。
「マスターバーボン」
男はカウンター席に座るとマスターに理解出来る言葉でそう言い酒を注文した。
その時、男の周りにはタクトの事を知る複数人の人がいて人々は何気なくタクトの話をし続けていた。
「ちょっとアンタ、タクト見習って働きなさいよっっ」
「ウッセーブス」
「キーッッ」
「ケンカは外でやんなっっ」
「…ああ今日もタクト可愛かったな~」
「…何?アンタ男もイける口なの?」
「エ…」
その時、人々がしていた会話を聞きタクトの存在を知った男は自信の顎に手を当てた。
使えるかもしれないな…。
その後、男はタクトの話をしていた人に話しかけタクトの職場がある場所をそれとなく尋ねた。
後日、タクトが切り盛りしてい屋台から少し離れた場所に一人の男が現れた。
「…使える…」
その時タクトの美貌を見た男はそう言いその人相が悪い顔に不敵な笑みを浮かべた。



「いい匂いだね」
「!どうも、ラーメンいかがですか?」
その時、屋台で売り上げを増やす方法を考えていたタクトは人相が悪い男に話しかけれると視線を男に移した。それからタクトは男にラーメンを注文され男と雑談しながらラーメンを作り始めた。
数分後、イイ人だなー。数分前から男に若いのに家族の為に頑張っている事やラーメンの味を褒められたタクトは男に好感を持ってしまっていた。
「君なら日本にイけばもっと稼げるのに…」
「エ…」
その時、男に言われた言葉に心を動かされたタクトは後日、男と共に来日した。

「ウワー」
日本の街を一目見た瞬間、タクトはそう言いその目を輝かせた。
その時、タクトの側にいた人相の悪い男はその顔に不敵な笑みを浮かべていた。
数時間後、タクトはコールボーイズの中で言葉を失っていた。
「ここは今日から君が働く職場だよ」
タクトを来日させた男ことコールボーイズのオーナーは事も無げにそう言いタクトを驚かせた。
「…騙したのかっっ」ゲイではなく家族を養う為、働き詰めで男と寝た事は勿論、恋愛すらした事のなかったタクトは男を信じたことを悔やみながらそう言いその目に悔し涙を浮かべた。
刹那、男が豹変した。
「お前を来日されるのにいくらかかったと思ってんだっっ」
その時、タクトはその顔に怯えた表情を浮かべ震え始めた。
「…ちゃんと働けばカネは払うし家族とも時々電話で話さしてやるから」
タクトの怯えた表情を見た後、男はそう言いタクトに家族と自分の為そこで働く決心をさせた。
その後、タクトはコールボーイの青年に日本語や男を悦ばせる方法を教えられ片言の日本語を話すコールボーイの青年になった。

数日後、「お疲れ様~」
シャワー室から出たタクトにコールボーイの青年が声をかけた。
「ア、昇」
昇は男やコールボーイの仕事が好きでコールボーイになった明るい青年でタクトに日本語や男を悦ばせる方法を教えた青年でもあった。
「今度の休みいつ?」
「…多分、今度ノ火曜日」
その時、タクトは以前昇に教えて貰った日本語で昇が言った言葉を理解した。
「そっかーじゃまた日本語教えてやるからすぐそこの公園で会おうぜ」
その後、タクトは昇と約束した日に約束した公園で会い日本語を教わった。
一カ月後、コールボーイズの前で一人の男が立ち止まった。
「ここか…」
書類を片手にスーツ姿でコールボーイズの外観を眺めている男は男にも女にも困らなそうな日本人離れした美貌の持ち主だった。

「!ぃらっしゃぃませ?」
その時、来店した日本人離れした男の美貌を見たコールボーイズの店員はその首をかしげながらその口を開いた。
「こんにちは僕は労働基準…」
その時、従業員の傍にいたコールボーイズのオーナーが顔色を変えた。
「仕事の邪魔です。帰って下さい」
…怪しい…。
オーナーに門前払いされた労働基準監督官の男は解りましたと言いその場を後にした。
数分後、街路樹や歩道橋がある。平凡な街中を数分前コールボーイズを訪れた労働基準監督官の男は颯爽と歩いていた。
刹那、労働基準監督官の男とすれ違った青年がアッと言う声を上げた。
「桐生さんっっ」
青年は足を止め桐生に視線を移すとそう言い桐生の足をとめた。
…誰だっけ?。
その時、足を止め青年に視線を移した桐生はその顔に冷や汗をかき始めた。

「お久しぶりです」
青年は桐生に駆け寄るとそう言いその顔に屈託のない笑顔を浮かべた。
「…」
「以前お世話になった脇屋です」
助かったー。
「あの時は本当に有難うございました…じゃっ」
「あ」
その時、桐生の前から風のように去って行った青年は以前、労働基準監督官である桐生に相談し桐生のおかげで残業代を払わない雇用者から残業代を得る事に成功した青年だった。
「誰だったんだろう…」
桐生は青年の背中を見送った後、そう呟いた。

数分後、桐生は量販店の中にいた。
「あ、伊達メガネと付け髭はどこですか?」
その時たまたま桐生の傍を通りかかった店員に桐生が話しかけた。
その後、桐生は店員に付け髭と伊達メガネがある場所を教えられ付け髭と伊達メガネを手にするとそれらを持ってレジのある場所に向かった。
翌日、桐生は自宅の洗面所にいた。そこで桐生は昨日量販店で購入した伊達メガネをかけた後、付け髭を装着した。
十数分後、桐生は以前労働基準監督官としてコールボーイズを訪れた時とは違うラフな格好でコールボーイズの前にいた。
バレませんように…。
桐生は固い表情をその顔に浮かべながらコールボーイズの出入り口についているドアノブに手を伸ばした。

「いらっしゃいませ~」
その時、変装した桐生を見た従業員は以前桐生がそこを訪れた時いた店員と同じ男だった。が、桐生が以前監査に来た労働基準監督官と同じ人物だとは思わなかった。
…良かったー。
従業員に気付かれなかった事を知った後、桐生は密かに喜びその胸をなで下ろした。その後、桐生は客のフリをし続けながら店内に貼られているコールボーイ達の顔写真を見始めた。
……あの子なら教えてくれるかも知れないな…。
その時、タクトの浮かない表情が浮かんでいる顔写真を見た桐生はタクトの写真を指差しながら店員に声をかけた。
「あの子がイイ」
数分後、「ゴ指名有難ウ御座イマス」
タクトがいる部屋の前で桐生はその目を見開いていた。
アイツこんな狭いとこでこんな小さな子まで働かせてんのか…。
その時、タクトの桐生のそれより一回り小さい体を見た桐生は怒りを抑える為、自らの手に力を入れた。
?この人なんで震えてるんだろ…。
その時、桐生の震える拳を見たタクトはその首を傾げた。
…ま、いいや早く始めて早く終わらせよう…その方が辛くないから。
「失礼します」
タクトは慣れたくちぶりでそう言うと身に着けていたバスローブを脱ぎ桐生の股間に手を伸ばした。
「おっと」
その時、桐生はそう言いタクトの手首を掴んだ。
「!?」
タクトはその目を見開くとすぐ桐生の顔に視線を移した。桐生の行動はタクトを驚かせると同時にタクトの心を鷲掴みにした。
刹那、桐生はタクトの目を見ながらその顔に微笑を浮かべた。
その瞬間、タクトの心は桐生に奪われた。
「…君一日に何時間働いてる?」
「…!」
桐生は後ろ手で部屋のドアを閉めた後、タクトの耳元に唇を近付けそう言うとタクトの目に視線を移した。
その時、昇に教えられた日本語を使い桐生が口にした事を理解したタクトはその顔を曇らせた。
数日前、桐生を門前払いしたオーナーは労働基準法違反をしていた為、労働基準法違反の発覚を恐れタクトに労働時間などの情報を誰かに話したら一度に複数人の客の相手をさせるぞと言い脅した。
その時、タクトは今でも大変なのに一度に複数人の人の相手なんてしたら死んじゃう…と思った後、誰にも労働時間などの情報を話すまいと強く思った。
後日、桐生に数日前絶対に言わないと思った事を聞かれたタクトは絶対に言わないと言う意思を表明するかのように口を真一文字に結び首を横に振った。
その時、タクトの頑なな態度を目にした桐生は苦笑いした後、その口を開いた。
「仕方ないな…」
「?ア」
その時、桐生に肩を押されたタクトの華奢な体がタクトの背後にあるエアマットレスの上に倒れた。タクトは驚きのあまりM字開脚したような状態で固まっている。
「可愛い」
その時、タクトの股間にぶら下がっている小さな急所を一瞥した桐生はその顔に笑みを浮かべた。
刹那、自分が桐生に抱かれると言う事を悟ったタクトがその目を見開いた。
ウソだ…。
その時、自分はゲイではないと思い込んでいたタクトは桐生に抱かれると言う事を悟った瞬間、嬉しいと思った自分の心に驚愕した。その間、桐生は大好物を前にした空腹の肉食獣がするような目をしながらタクトの股間に顔を埋めタクトを混乱の渦に落とし翻弄し始めた。奉仕には慣れていたが奉仕される事には慣れていなかったタクトの体はあっという間に反応し感声を上げながら桐生の口内に愛欲の産物を放出した。現実とは思えないほど非現実的な出来事の連続にタクトは自分は今夢を見ているんじゃないか?と思い自分の頬に手を伸ばした。
「痛」
その時、自分で自分の頬をつねったタクトを見た桐生がその顔をほころばせた。
「君面白いね…」桐生はそう言いながらタクトの耳元に口元を近付けると「話してくれる気になった?」と言う言葉をささやいた。その時、完全に桐生に懐柔されると共に身も心も桐生の物になっていたタクトはハイと言う言葉を発した後、桐生の質問に答え始めた。
数分後、「有難う…これはお礼だよ」
タクトから聴きたい情報をすべて入手した桐生は時計を一瞥しまだ時間がある事を知るとそう言いタクトの急所と言う急所を刺激し始めた。
その時、タクトはその顔に嬉しそうな表情を浮かべながら感声を上げ始めた。



「アッ有難ウ御座イマシタ」
桐生が部屋を後にする時、タクトはそう言い桐生の背中が見えなくなるまで桐生の背中を涙目で見送った。
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