俺は彼女が死ぬ3年前に戻った

青井陸

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俺がリアンナと初めて出会ったのは7歳の春。
両親の古くからの友人の子が誕生日を迎えるため、家族で祝いに行った。
その主役がリアンナで5歳の誕生日。
リアンナの母、ルーラさんは里帰り出産をしたが産後体調を崩し今までリアンナと実家で過ごしていたらしい。
本来ならば、もっと早くにこうやって毎年リアンナの誕生会を開いてあげたかったみたい、と母から聞いた。

リアンナは人見知りらしく、主役だというのにルーラさんの後ろに隠れていた。
俺は隠れているリアンナに近づき屈んで挨拶をした。

「初めまして、リアンナさん。僕はユーリ。誕生日おめでとう。何が好きかわからなかったんだけど、母から可愛い女の子と聞いていたので花屋で一番可愛かった花のプレゼント」

母からリアンナの容姿、性格を聞いて母と花屋に行き選んだのはピンクのスイートピー。花に詳しくない俺は一番可愛いと思ったこのスイートピーを花束にしてもらいリアンナに渡した。

「わあ…!!可愛いお花!ユーリ…さん、ありがとう!」

俺に心から喜んでいるような可愛い笑顔を向けたリアンナ。
その笑顔に俺は顔を赤くし胸の鼓動が早くした。

今思うとあれは、俺の一目惚れだった。

それからというもの、母がルーラさんに会いに行くときは俺もついて行ったし、反対のときはリアンナが一緒に遊びに来た。

人見知りだったリアンナは、会う回数を重ねるといつも俺のあとをついてきて庭でピクニックをしたり、本を読んだりと楽しい時間を過ごしていた。
その頃には、俺はリアンナのことをリーと呼び、リーからはユーリと呼ばれていた。

リーがいつものように遊びに来て帰ったある日、俺は母に「どうしたらリーとずっといられるの?」と聞いた。母は「お母さんとお父さんみたいになればいいのよ」と言い、「ルーラに連絡しなくては」と、自室に行きルーラさんに手紙を送っていた。

ルーラさんが体調を崩したため、リーにはなかなか会えずにいたが手紙のやりといをしていた。

そして会えたのは、2年後の俺が9歳のとき。
母の助言のおかげで、俺とリーは婚約をした。



◇◇◇◇◇



「ユーリ!聞いてくれよ!!別館にすげー可愛い子がいた!あれは1年生だと思う。初めて見た子だったな」

慌ただしく教室に入ってきた友人のハンスが、俺のところへ来た。


この国では、11歳から学園に通うことができる。
14歳までの小学部は男校舎が本館、女校舎は別館と呼ぶ校舎で男女別で過ごし
18歳までの大学部は男女同一学級の校舎で学ぶことになっている。


「また別館を覗きに行ったのか?そのうち先生に見つかるぞ」

校舎も別なため、男女の交流が殆どない。
「彼女がほしい」と口を開けば言っているハンスは、こっそり別館を覗きに行っている。

「でもな、ユーリ。俺は女の子とお近づきになりたい!大学部まで男女別なんて嫌だ。でもまぁ、ユーリはいいよな。婚約者がいるしな。しかも幼馴染だぞ?羨ましいかぎりだ」

リーは、学園に馴染めただろうか、友人はできただろうか。リーは人見知りだからな。

「で、その婚約者ちゃんも1年生だったよな?」

そういえば最近会ってないな…

「おい、ユーリ!聞いてるのか?」

「え、何か言ってたか?」

リーのことを考えていてハンスの話を聞いていなかった。

「まあいいや。ユーリも彼女のことが気になるだろ?明日ユーリの彼女、見に行こうぜ!さっき見た可愛い子ちゃんもまたいるといいな~」

俺が遠慮しておくと言っても聞かず、明日俺も別館をみに行くことになった。

どうか先生に見つかりませんように…。
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