目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸

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シャルロットはエリックと部屋で絵本を読んでいた。


────コンコン


「失礼します。奥様、レイチェル様がいらっしゃいました。いかがなさいますか?」


「…そう。わかったわ。応接室にお通ししてちょうだい。私もすぐに行くわ。」


「かしこまりました。」


「リック、少し待っててくれる?」


「大丈夫だよ!」


「良い子ね。」


シャルロットはエリックの額にキスをして、レイチェルの待つ応接室へ向かった。


……遂にこのときがきたのね。





「お待たせしてごめんなさいね。」


レイチェル……容姿は庇護力を掻き立てられるような可愛らしさね。


レイチェルはソファーに座っていた。


「……相変わらず平凡ね。」


「レイチェルさんに比べるとそうなりますね。…今日はどのようなご用件で?」


「…あなた、記憶なくなったって聞いたけど戻ったの?」


「…いえ。」


「記憶をなくして、公爵夫人が務まると思ってるの?早く離縁しなさいよ。ハロルドお兄様だってあなたのことを少しも好きじゃないのよ?記憶までなくして何の役にも立たないんだから早く出ていきなさいよ!」


「…ハルは私のことを好きだ「なんであなたが愛称で呼んでるのよ!!」


レイチェルはシャルロットを睨んだ。


「……お互いに愛し合っていますので。ハルは私に一目惚れして結婚したと言って「嘘よ!!」


レイチェルは声を荒らげ、勢いよく立ち上がった。


「………。」


「ハロルドお兄様がそんなこと言うわけないでしょ!女嫌いの口下手な男よ?あなたに言うわけないじゃない!…ハロルドお兄様は私のことが好きなのよ!!!!私と結婚するはずだったの!」


「…よくわかりませんが、結婚したのは私です。」


「…あんた、本当は転生者なんでしょ?シナリオと全然違うじゃない!!本当はあんたがハロルドお兄様に愛されている私を憎んで私の毒殺を企てるはずなのに!!どうしてよ!なんで逆になってるのよ!メイドに頼んで殺そうとしたのになんで生きてんのよ!!!」







「レイチェル、どういうこと…?」


レイチェルは声のする方をみて驚愕する。
そこには、義母とハロルド、そしてテオドールが立っていた。


「……どうしてここにハロルドお兄様が…?領地に行っていたんじゃ……。」


「母には、事情を話し、おまえに俺がそっちに行くことを伝えてもらったんだ。俺がいないときを狙って以前からシャルに会いに来ていたことを知っている。シャルが倒れてからは、ほぼ家をあけていなかった。領地に行くとなったら数日は家をあけるからな。そこを狙っておまえが来ると考えた。」


「レイチェル…なんて馬鹿なことを……私が姪だからと甘やかしすぎたわね。婚約もあなたがまだ嫌だというからこの歳まで待っていたけれど……。」


「………ハロルドお兄様がいいの!結婚はハロルドお兄様がいいの!その女がいなかったら結婚していたのは私なのに!!!!」 


「いや、おまえのことは何とも思っていない。昔から苦手だ。シャルと出会ってなくてもおまえとは結婚しない、シャルだから結婚したんだ。」


「なんでよ!!!私はこの世界のヒロインよ??」



「それと……シャルは確かに毒を飲んだが、テオドールがおまえに渡したのは睡眠薬だ。」  





「………は?」


レイチェルの素っ頓狂な声が部屋に響いた。
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