捨てられた彼女は敏腕弁護士に甘く包囲される

あさの紅茶

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12.結婚のご挨拶

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目を開けるともう随分と明るくて、朝が来たんだなとぼんやり思った。そして視線が絡まる。

「わあっ!」

「おはよ、莉子」

穂高さんに覗き込まれていて、驚いて大きな声が出た。

「なっなっなっ!」

「何でって? 可愛いから寝顔を見てただけだよ」

朝から爽やかに笑う穂高さんは、今日も今日とて見目麗しく……。もう少し寝かせてなんて甘えた声を出していたとは思えないくらいに、シャキッとしている。

「体は大丈夫?」

「あ、はい……」

そういえばかすかに下半身が気怠いような……。ま、まあ、あんなにいっぱい攻められたし、しょうがないよね。……なんて不埒な考えで頭が埋め尽くされようとしていたら、「背中の痣と足の捻挫だよ」と見透かされたかのように笑われた。

「だっ、だだだだ大丈夫です!」

元気いっぱい答えると、また笑われた。
もう、私のバカバカ。
不埒な考えを必死に追いやる。

「報酬、もらってもいい?」

「報酬?」

「そう。今日一日、俺に付き合って」

「え……そんなのでいいんですか?」

だってそんなの、いくらだって付き合うのに。それに、昨晩のあれが報酬かとばかり……。

「なんか違うこと考えてた?」

「イエ、ナニモ」

「何を想像したの? 莉子のエッチ」

「してないです! もうっもうっ」

「ごめんごめん。可愛いから」

ははっと笑う穂高さんはいたずらっぽく笑うと、「おはようのキス」と言って柔らかな口づけをくれた。それだけで気分が上がってしまう私はなんて単純なんだろう。

「佐倉さんって和菓子と洋菓子どっちが好き?」

「祖父ですか? どちらも好きですよ。甘いものならなんでも食べます」

「そうか。今日、挨拶に行きたいけど、いい?」

「もちろんです。ちょうどお見舞いにも行きたいと思っていました」

祖父の入院に関して、祖母と分担してお世話をしようと思っていた。しばらくは大丈夫だという祖母に甘えて、まだ一度しか行っていない。ソレイユを休業したことも伝えないといけないし。穂高さんと結婚するために証人欄を書いてくれた。いろいろと迷惑をかけちゃったな……。

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