捨てられた彼女は敏腕弁護士に甘く包囲される

あさの紅茶

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12.結婚のご挨拶

03

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お会計の際、穂高さんはレジの横のカウンターで販売されている贈答用の一番高い品物を躊躇なく購入した。

「これ、祖父母にってことですよね?」

「そうだけど」

「さすがにちょっと高くないですか?」

「これじゃ満足してもらえないかな? 莉子と挨拶に行くときは高級な手土産を持って来いって言われてるんだけど。別の店も行く?」

「そうじゃなくて、もーおじいちゃんったらそんなこと穂高さんに言ってただなんて。本当にごめんなさい」

「大事な孫娘だからね。こんなんじゃ全然足りないと思うよ」

「かいかぶりすぎです」

「それくらい、みんな莉子のことが好きなんだよ」

ぽんぽんと頭を優しく撫でられる。その眼差しはとても柔らかくて、ありがたい気持ちに胸がくすぐったくなる。

「私も買っていいですか?」

「うん?」

「穂高さんのご両親にご挨拶させてください」

「ありがとう。とても喜ぶと思うよ」

そうしてまた微笑んでくれた。穂高さんの笑顔は私に安心感をくれる。思えばずっと前から、穂高さんは私に笑顔と癒しをくれていた。ソレイユに来てくれると嬉しくて、優しさに包みこまれる気持ちになっていたんだった。ずっとずっと、見守ってくれていたのかな?

「穂高さん、ありがとうございます」

心からの感謝の気持を伝える。ありがとうだけじゃ足りないし、薄っぺらいかもしれないけれど、これから少しずつ恩返しができたらいいなと思う。それは穂高さんだけじゃなくて、祖父母にも千景さんにも、私に関わってくれたすべての人に感謝の気持ちを伝えられるといいんだけど。

「あっ」

「どうした?」

「いえ、私は恵まれているなと思って……」

「そうやって思えるのが莉子のいいところだね」

「褒めすぎです」

急に恥ずかしくなって目を逸らす。穂高さんは荷物を持ってくれ、「さあ行こうか」と私の手を取り歩き出した。躊躇いなく繋いでくれる手が嬉しい。

ソレイユを守りたいってずっと思っていた。それが最優先事項だと、信じて疑わなかった。だけどそうじゃない。ソレイユも大事だけど、私はまわりの人を笑顔にしたい。そこがソレイユじゃなくても、きっといいんだ。それに今、気づけた。
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