腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶

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どうしようもないくらい好き

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「奈穂子は彼にどうやって想いを伝えたの?」

「はい?」

私の質問に、奈穂子はすっとんきょうな声を出す。

「模範解答示してよ。」

「そういうの、模範解答ないでしょ?」

片肘を付きながら、呆れた目で私を見てくる。

「日菜子だって前の彼氏とどうやって付き合い出したのよ?」

「うーん、告白されてはいって返事して…。それからどうしたんだっけ?忘れちゃった。」

思い出そうとするも、全然思い出せない。
たぶんその時は心臓が破裂しそうなくらいドキドキしたはずなのに。

「ほらね、そんなもんなのよ。早く好きって言っちゃいなさいよ。」

奈穂子は急かすように手をヒラヒラとさせる。
そんな簡単に言われましても。

「タイミングがつかめない。」

「タイミングなんていらないでしょ。なんの脈絡もなく好きって言ったって構わないわよ。」

「変な子じゃん。」

「日菜子もともと変な子だから大丈夫。」

「フォローになってないよ。」

「それに、好きな気持ちが溢れちゃったら、嫌でも口から出てくるんじゃない?」

好きな気持ちが溢れちゃったら…かぁ。
もう、溢れんばかりなんだよね。
きっかけさえあればポロポロ溢れてしまいそうだ。

「ふふ、それにしても、日菜子そうとう王子様のことが好きなんだね。この前飲んだときとは大違い。」

確かに、あの時は自分の気持ちに悩んでいた。
でも今は違う。

「いいことだよー。」

そう言って、奈穂子は満足げに笑った。
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