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生きていくということ その1
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教会を出て静也はあることに気づく。
貨幣の価値が分からないことに。
「あの、サラさん、お願いがあるんですが…」
意を決して頼んでみた。
「なんですか?」
「あの、お金の価値が分からないので…教えてほしいんですが…いいですか?」
と、言うとサラは
「しょうがないですね。エリナさんから聞いていた通り抜けていますが…それ以上ですね。」
と微笑みながら教えてくれた。
しかしその顔には隠し切れていない呆れ果てた表情が見えた。
簡潔にまとめると、
鉄貨=1ルター
銅貨=10ルター
銀貨=100ルター
金貨=1000ルター、となっている。
前日泊まった宿の料金は60ルターであった。
そして昨日門番のデカルトから買い取ってもらった魔物の核は90ルター。
実はこの買い取り額は本来の買い取り額の倍になっていた。
とはいうのも買い取られた魔石が安価なものだったのもある。
そう考えると、ダンには本当に助かったのだ。
しかし今の所持金は30ルターで宿無しに。
幸いまだ日が真上に届くか届かないかの時間帯だ。
討伐くらいならなんとかやれるだろうと考えサラと別れたのであった。
静也は関所へ到着すると魔物の討伐に向かいたいことを伝える。
関所へは夜までには戻ってくること、とデカルトに言われ、出るついでに仮の身分証を返した。
村の外へ出ると見渡す限りの平原。
まだ記憶の新しい森へ向かう。
命をかけた仕事なので常に警戒状態にする。傘を手に。
心臓の鼓動が高鳴っているのが自分でもわかるくらいに緊張していた。
そしてここで無機質なアナウンスが鳴る。
≪スキル<常時警戒・傘>を習得しました。≫
今ありがたいと思えるアナウンスだが後半の傘が引っかかるが後にする。
今は稼いで宿代を確保しないといけない。
村へ来る前に通った森とは違う場所についてしまった。
見るからにあの森とは違うのに気づく。
歩いて約3時間の森の周辺の草木は緑が濃くなっている。
空気もやや重苦しい。森からあふれる不気味な気でが空気が重く感じる。
しかし行けないわけではない。
見たことのない、踏み入ったことのないその地を冒険する。
傘を手に森を歩くこと10分、目の前にはあの多足動物、蜘蛛が現れた。
大きさも従来の蜘蛛でもない、人間と同じサイズだ。
前世から苦手な生き物ベスト5にランクインしているその一匹だ。
何の気なしに傘で思いっきり叩いた。
するとたたいたところが思いっきりえぐれて体内の液が噴出した。
驚いて思いっきり後ろへのけ反る。
気付いた時には死体は消えていた。
どこに行ったのかと周辺を見渡すが、あったのは噴出した蜘蛛の体液のみだった。
どこに行ったのか心配になった。
すると傘が開き蜘蛛の死体が傘の内側から現れ、落ちた。
流石の静也も気付いた。
傘の能力の一つ、討伐した魔物や魔獣は自動で傘に保管される。また保管された死骸は任意に取り出すことができる。
そして、スキルではなく傘の保有能力なのでスキルとして習得することができないことにも。
スキル<傘使い>の謎に近づけた気がした静也であった。
貨幣の価値が分からないことに。
「あの、サラさん、お願いがあるんですが…」
意を決して頼んでみた。
「なんですか?」
「あの、お金の価値が分からないので…教えてほしいんですが…いいですか?」
と、言うとサラは
「しょうがないですね。エリナさんから聞いていた通り抜けていますが…それ以上ですね。」
と微笑みながら教えてくれた。
しかしその顔には隠し切れていない呆れ果てた表情が見えた。
簡潔にまとめると、
鉄貨=1ルター
銅貨=10ルター
銀貨=100ルター
金貨=1000ルター、となっている。
前日泊まった宿の料金は60ルターであった。
そして昨日門番のデカルトから買い取ってもらった魔物の核は90ルター。
実はこの買い取り額は本来の買い取り額の倍になっていた。
とはいうのも買い取られた魔石が安価なものだったのもある。
そう考えると、ダンには本当に助かったのだ。
しかし今の所持金は30ルターで宿無しに。
幸いまだ日が真上に届くか届かないかの時間帯だ。
討伐くらいならなんとかやれるだろうと考えサラと別れたのであった。
静也は関所へ到着すると魔物の討伐に向かいたいことを伝える。
関所へは夜までには戻ってくること、とデカルトに言われ、出るついでに仮の身分証を返した。
村の外へ出ると見渡す限りの平原。
まだ記憶の新しい森へ向かう。
命をかけた仕事なので常に警戒状態にする。傘を手に。
心臓の鼓動が高鳴っているのが自分でもわかるくらいに緊張していた。
そしてここで無機質なアナウンスが鳴る。
≪スキル<常時警戒・傘>を習得しました。≫
今ありがたいと思えるアナウンスだが後半の傘が引っかかるが後にする。
今は稼いで宿代を確保しないといけない。
村へ来る前に通った森とは違う場所についてしまった。
見るからにあの森とは違うのに気づく。
歩いて約3時間の森の周辺の草木は緑が濃くなっている。
空気もやや重苦しい。森からあふれる不気味な気でが空気が重く感じる。
しかし行けないわけではない。
見たことのない、踏み入ったことのないその地を冒険する。
傘を手に森を歩くこと10分、目の前にはあの多足動物、蜘蛛が現れた。
大きさも従来の蜘蛛でもない、人間と同じサイズだ。
前世から苦手な生き物ベスト5にランクインしているその一匹だ。
何の気なしに傘で思いっきり叩いた。
するとたたいたところが思いっきりえぐれて体内の液が噴出した。
驚いて思いっきり後ろへのけ反る。
気付いた時には死体は消えていた。
どこに行ったのかと周辺を見渡すが、あったのは噴出した蜘蛛の体液のみだった。
どこに行ったのか心配になった。
すると傘が開き蜘蛛の死体が傘の内側から現れ、落ちた。
流石の静也も気付いた。
傘の能力の一つ、討伐した魔物や魔獣は自動で傘に保管される。また保管された死骸は任意に取り出すことができる。
そして、スキルではなく傘の保有能力なのでスキルとして習得することができないことにも。
スキル<傘使い>の謎に近づけた気がした静也であった。
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