君は僕だけの

アラレ

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13時50分

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「せんぱ~い、そっちあとどの位で終わりそうですか?」



現在、時刻はちょうど5時を回ったところ




「あと10分もあれば」


「そうですか!じゃあ私先に降りときますね♡」



そう言って美咲あおいは俺より先に出た






「おい、なになにお前と美咲ってそういう…?」


「はぁ…違うに決まってるでしょ」


その現場を目撃し、駆け寄ってきた同期を軽くあしらう





「だよなぁ、お前ああいうタイプ苦手だもんな」



うんうんと納得顔で去っていくそいつを一瞥し、またパソコンに視線を戻す









ああ、面倒臭い


あのドラマ、録画したっけ



…まぁいいや






どんなにはまってるドラマも、いっつも途中で見逃して、ちょっと落ち込むけど結局まぁいいやって見なくなって


週に1度のそれも続かないのに





君のことは毎日、6年も想い続けて


それでも飽きなくて、まぁいいやってならなくて






多分、俺史上初なんだけど



こんなの、君が知ったらどう思うだろうか





飽き性の俺らしくないって驚くだろうか


それとも、嬉しいって笑ってくれるだろうか

















「ごめん、行こうか」

「全然!」






「うわぁ、ほんとにタクシーで来たんだぁ!代行使えばいいのに」


「…やなんだよ知らないおっさん車に乗せるの、君もね」



「ああ!ひど~い!私は先輩の車好きですよ?女の乗った形跡が全くない感じが」



「うわぁ、女の人ってそういうの分かるから怖いよね」



「ふふっ行きましょ!歩いてすぐのところに行きつけの居酒屋があるんです!」


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