君は僕だけの

アラレ

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昔から嫌いだった


自分の名前が






「いーおちゃん、この問題教えて!」



「…」



「ごめんごめんごめん!!笑」

謝りつつも、完全におふざけスイッチが入っているらしいこいつの顔はしっかりにやけている






「え~、結希くんはこんな問題も分からないのー?」



「ねぇ!ごめんって!」





昔から嫌いだった




この女みたいな名前




「ねぇーー伊央ってばーーー!」


まぁ別に怒ってないんだけど

面白半分でほっといてみる





「だって可愛いじゃん、羨ましいの!

私いっつも男の子だと思われるし」




こいつはこいつで、自分の名前に不満があるらしい



「…俺は結希って名前がうらやましいよ」


「よし、こうなったらもう結婚しよう」


「結婚しても名前は変わらないよ」


だからなんでそんな男前なの








先生が名簿から答えるやつを指名するやつ


あれは俺らにとってのトラウマ





まぁ俺はまだ、呼ばれても吉高"さん"だからまだましかもしれない

結希は普通に月島"くん"だもんなぁ






(吉高くん!名前で呼んでもいい?)

(…あんまり名前好きじゃないから)

(ええ!私も!交換する?!)

(は?…)




「…ふっ」

「え、なに?」

「いや、思い出し笑い」


思えば最初からぶっとんでたな






(伊央くん!)

(…人前ではやめてよね)




昔から嫌いだった



自分の名前が







でも、君に呼ばれて



ちょっとだけ好きになった







「え~!何の思い出し笑い?!」

「結希が悪い」







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