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しおりを挟む冷たい水の中に、何度も頭を浸けられる。水が冷たすぎて、耳や頬の感覚も無くなってきた。
(やめて!冷たい――!!)
冬の夜。冷たい空気が体をも突き刺し、痛みを覚える。心まで凍えるとはこのことだ。
「――――!」
あいなは目を覚ました。内容は思い出せないが、とてつもなく恐ろしい夢を見ていた気がする。全身は汗でぐっしょり濡れていた。ぼんやり天井を眺めていると、じょじょに意識がはっきりしてくる。室内には柔らかいオレンジ色の光が差していた。
(もう夕方?)
プールで倒れ、ルイスに横抱きにされたことを思い出す。自分の格好に気付き、あいなは頬を赤らめた。
(水着にバスローブ。ルイスさんが着せてくれたんだ…!また迷惑かけちゃったな。後でお礼言わなきゃ。)
悪い夢の余韻(よいん)が薄れてくると、昨日起こった様々な出来事が頭を占めた。
ルイスに告白されたことや彼との抱擁(ほうよう)、シャルとのキス。
(こんなこと、秋葉(あきは)にも話せないよっ。)
思い出すたびに恥ずかしく、それなのに嫌ではなく、胸が熱い。恋愛トークが大好きだったはずなのに、そういったことには奥手なあいなだった。
眠ったおかげか、少しだけ興奮は収まっている。冷静になった頭で城に戻ってからのことを考えた。
(あのメイドさんに、ルイスさんとのことは誤解だって話すつもりだったけど、もう、そんなこと言えなくなっちゃったな……。)
メイドに敵視されるに充分な原因があるということに納得するしかなかった。一方的に嫌われるのは悲しいが、こればかりは仕方がないのかもしれない。
(理解するしかないんだよね……。秋葉は、昔からずっとこんな思いをしていたんだ……。)
今回の件で、あいなは初めて親友の苦悩を体感した気がした。
(話聞いて共感して同情して、秋葉の悩み全て分かってるつもりでいたけど、私は全然分かってなかったよ。)
今回のことで感じた胸の痛みは忘れない。あいなは強くそう思った。
とはいえ、シャルやルイスにメイドの件を正直に話そうとは思えない。このまま隠し通そう。
「起きたか?」
「シャル……!」
ぼんやりした顔で考え事をしていると、シャルが入ってきた。シャルは、ルイスやハロルドと交代で眠るあいなの様子を見に来ていたらしい。
こうして顔を合わせるのはキス以来である。あいなは硬直し、あからさまに目をそらした。
「入ってくるな!バカ!」
シャルとのキスは決して嫌ではなかったのに、顔を見たとたん突っぱねるようなことを口にしてしまう。シャルは優雅な動作で静かにベッド端(はじ)に座った。
(何でそんなに落ち着いてられるの!?こっちなんてどうしたらいいのか分からないのに~!)
シャルの座る方とは逆の方に視線をやり、あいなは両手で強くシーツを握りしめた。右手の薬指にはめたエトリアの指輪は、青く綺麗な輝きを見せている。
「顔見せてほしい。あいな」
「誰が見せるか!そっち向いたらまた変なことされそうだし」
「悪かったよ……」
ここまでムキになるつもりはなかったのに、意外にもしおらしいシャルを前にしたら、あいなはさらに意地を張りたくなってしまった。
(謝られたかったわけじゃない……!)
だったら、シャルに何を求めているというのだろう。分からない。
シャルは、あいなの手に自分の手を静かに重ねた。彼の手があたたかくて、あいなはむしょうにホッとし、泣きたい気持ちになる。
「一方的にキスしたこと、謝る。本当にごめんな」
頬をうっすら赤くし、シャルは言った。
「お前が怒るのは当然だ。気が済むまで殴ってくれ」
「エトリアの指輪があるから殴れないし!」
「どうしたら許してくれる?」
「謝るくらいなら最初からするなっ」
勢いよくシャルの方を向き、あいなは眉をつり上げる。
「たしかに私達は結婚する!でも、私はもっとゆっくりじっくりシャルのこと知っていきたい。順番すっ飛ばしてああいうことするの邪道!ルール違反!わかった!?」
「そ、それだけか?」
もっと責め立てられると思っていたので、シャルは拍子抜けする。
「殴れるもんなら殴ってるよ。でも、エトリアの指輪がそうさせてくれない。だったら他の方法で解(わか)り合って解決するしかないじゃんっ!」
「っぷ…!ははは!」
あいならしい言い分。シャルは思わず吹き出した。
「そういうとこ、お前らしいな。すっごく好きだ!」
「だからっ!そういうこと簡単に言うなっ。恥ずかしい!」
顔を真っ赤にして目を三角にするあいなに、シャルはわざと意地悪な笑(え)みを見せた。
「何のための言語だ。気持ちを伝えるために使う……。人間の特権だろう?」
「くうう……!」
すっかり元通り。気まずくなることなく、そのうち二人は心から安堵(あんど)し、笑い合っていた。
(軽そうに見えるけど、まっすぐに思ったことを言ってくれる。私も、シャルのそういうところ、好きだよ。)
「夫婦げんかは犬も食わないって本当だね。あ、婚前だからまだ夫婦じゃないか」
「あいな様、おはようございます」
二人のはしゃぎ声を聞きつけて、ハロルドとルイスもやってきた。部屋の外で待機していたらしい。
「ごめんね、こんな時間まで寝ちゃって……。心配かけたよね。ルイスさんも、ここまで運んでくれて本当にありがとうございました」
ベッドに入ったままあいなが頭を下げると、二人は目を細めそれぞれこう言った。
「気にしないで?よく眠れたみたいで良かったよ」
「お顔の色もだいぶ良くなりましたし、安心しました」
「これからまた皆で温泉に入ろうって話してたところなんだ。あいなも行こうよ」
賑(にぎ)やかになった室内で、一同は笑顔を見せる。
楽しそうだね、いいよ。あいながそう言いかけた時、別の男性の声が響いた。
「彼女、病み上がりだろ?寝かせといた方がいいんじゃない?」
ハロルド達に続いて入ってきたその人物は、ハロルドと全く同じ容姿と声なのに、口調や顔つきは全くの別物だった。
「ハロルドが二人いる…!えっ、もしかして…!」
声をひっくり返し目を見開くあいなを見て、ハロルドはイタズラな笑みを浮かべ満足そうに声を高くした。
「いいね~その反応。期待通りのリアクションだよ。彼は僕の二人目の兄で、名前はヴィクトリア=バンクス。僕達、一卵性の双子なんだ」
「そうだったんだ!ハロルドに双子のお兄さんがいたなんてビックリしたよ。ヴィクトリアさん、よろしくお願いします。私は神蔵(かみくら)あいなといいます」
おずおずと挨拶するあいなを見て、ヴィクトリアは無表情のまま言った。
「知ってる。アンタ、シャルと結婚するんだろ。どうでもいいけど温泉はないんじゃない?」
そっけない話し方のヴィクトリアを前に、あいなは気後(きおく)れしつつも目を輝かせた。
(ハロルドと同じ顔なのに性格はだいぶ違うのかな?でも、気遣ってくれる優しいところはハロルドと同じだな。今まで周りに双子の子っていなかったから不思議な感じがする!)
「お前、ヴィクトリアのこと話してなかったのか?」
シャルがハロルドをジトッとした目で見る。
「だって、あいなの驚く顔が見たかったんだもの」
ルイスが口を挟んだ。
「ヴィクトリア様のおっしゃるように、あいな様は入浴をお控えになった方がよろしいかと思います」
「いえ、もう大丈夫です。かなり楽になりましたから」
「でしたら、良いのですが」
顔なじみのルイスが微笑むのを見てあいなはホッとした。悪い夢の余韻(よいん)が胸から消えないけれど、皆の話し声を聞いているうちに平気になってくる。
「あいなもこう言ってるし、皆で入ろうよ、温泉!」
ハロルドが仕切った。
「ヴィクトリアも一緒にどう?」
「遠慮する。眠い」
「そう。それなら、また今度ということで」
「気が向いたらな」
「部屋に戻るの?じゃあね」
「ああ」
ハロルドは扉の前でヴィクトリアを見送る。
シャルとルイスは顔を見合せた。
「初対面なのに、ヴィクトリアはあいなのこと心配してくれてたんだな。あいつが他人の心配するとこ、初めて見た」
「そうですね。こうして私達の前にお姿を見せて下さるのも何年かぶりのことでしたしね」
あいなは興味深げに二人の方を見る。
「そうだったんだ。ヴィクトリアさんとも仲良くできたらいいなぁ」
もちろん、それは友達として仲良くしたいという意味だったが、シャルは曲解(きょっかい)してしまう。
「お前はこれ以上他の男と仲良くするな。話がややこしくなる」
「おや。さっそく束縛なさるおつもりですか?」
「許容範囲内だろ」
「それをお決めになるのはあいな様ですよ。それに、シャル様はあいな様の意思を尊重するとおっしゃっていませんでしたか?」
「お前が言うな!」
「何のことでしょう?」
涼しい顔で、ルイスは言ってみせる。
「シャル様のおっしゃっていることは一貫(いっかん)性に欠けますので、指摘させていただいたまでですよ」
「本気で好きになったらこうなるんだ!好きな女を束縛したくない、ましてや嫉妬丸出しなんてもってのほかだっ!でも、限度がある!俺はこれでも婚約者だぞ?あいなはいつの間にかハロルドとも親交を深めているしな……。油断ならない」
「僕はライバルにはならないから安心して?それに、あいなには申し訳ないけどヴィクトリアは一人でいるのが好きなタイプだから僕達にはなじまないと思うよ。だからより安心でしょ、シャル」
三人のやり取りを聞いていたあいなが、明るい声でポツリと言った。
「シャルは、言うほど私のこと好きじゃないと思うな。だって、本気で好きだったら他の男を選んでもいいとか言わないはずだし……」
賑(にぎ)やかだった場が、水を打ったように静かになった。
キスをされた時から、あいなの胸はモヤモヤしていたのだった。厳密に言えば、キスの後でシャルに言われた言葉によって妙な気分になったと言っていい。
それは、記憶にないとはいえ悪い夢を見た直後だから生じる不快感だと思ったが、そうではないと、あいなは今、気付いてしまった。寝起きにシャルと顔を合わせた時突っぱねるようなセリフばかり吐いてしまったのはそういうこと。無意識から出た不安のサインだったのだ。
そんな自分の気持ちを、あいなは認めたくなかった。
(こんなの、私らしくない……。)
今までに経験した恋は全て片想いで終わってしまったけれど、告白する前まで誰かを好きでいる間はとても楽しかった。相手の好みや口癖(くちぐせ)に気付いてドキドキしたり、相手と少し会話できるだけで天にも昇る気持ちになったり。不安や不快感などとは無縁だった。それが、自分の恋愛スタイルだと思っていた。マイナス思考にならずプラスパワー全開になれるのが人を好きになる喜びだと信じていた。そんな自分が好きだった。
それなのに、シャルを相手にこんな風にピリピリするなんてらしくない。予想外の感情だった。
(それに、シャルとは流れで結婚することになっただけだし、まだ本格的に好きになったわけじゃないし!これから変わっていくんだし!こんな不安、見当違いもいいとこだよっ。)
あいなの葛藤(かっとう)はすでに始まっていた。本人以上にそれを敏感に感じ取ったシャルは、真面目な顔をしてあいなを見つめる。
「俺は本気だ…!結婚を受け入れてくれただけで幸せなんだ。だから、これ以上お前に気持ちを押し付けたくなくて、それでああ言ったんだ!」
「あははっ。シャル、必死だね」
笑って、ごまかす。あいなはニヤリと意地悪な顔を作ることで、自分の中に生まれた新しい一面に蓋(ふた)をした。
「冗談だよっ。言ってみただけ。大丈夫。シャルの気持ちは分かってるから」
「……そうか」
ざらついた後味を感じながら、シャルはそれきり言葉を飲み込む。
あいなの変化に気付いたルイスとハロルドもしばし思案する表情を見せたが、とある女性の陽気な声音に、しんみりした空気は消え去った。その代わり、一同は驚きに目を見開く。
「あなた達、温泉に行くんですって?私もご一緒していい?」
そこには、きらびやかなドレスに身を包む女性が立っていた。気の強さを隠さない顔。目鼻立ちがはっきりしている。胸元まで伸ばした栗色の髪を緩く巻いて、洗練された空気を放っている。しっかり化粧しているのに濃すぎるわけでもなく、元のパーツを生かしたメイクをしているようだ。彼女の焦げ茶色の瞳はパッチリ開き、一同を見つめている。
「クロエ様…!」
「どうした、こんなところに来るなんて」
ルイスとシャルが同時に口を開く。
突然現れた謎の女性改めクロエはツカツカとした足取りで室内に入ると、挑戦的な眼差(まなざ)しで舐めるようにシャルを見つめ、
「さっきそこでヴィクトリアに会って聞いたのよ。私も久しぶりにあなた達の顔が見たくなったの。嬉しいわ」
つつつと、しなやかな指先でクロエはシャルの胸元を触った。
「っ……!」
セクシャルな雰囲気を醸(かも)し出しながらそんなことをするクロエに、あいなは顔を赤くした。何とも言えない気持ちになる。
(色っぽい人……。クロエさんってシャルのことが好きなのかな!?)
そういえば、前にシャルは言っていた。自分はモテると。
(もしかして、クロエさんも、シャルを好きな女性のうちの一人!?)
当のシャルはクロエの接触に動じることなく平然と彼女の手を振り払い、冷たい反応を示した。
「あいなに誤解されたくない。気安く触るな」
「あいな?ああ、あなたが……」
わざとらしく目をしばたかせ、クロエはあいなに手を差し出した。
「話は聞いているわ。あなたがシャルの婚約者の女性ね?よろしく。私はクロエ=リモネス。今年二十歳になったの。ヴィクトリアと婚約しているのよ」
「ヴィクトリアさんと…!?あ、はじめまして、私は神蔵(かみくら)あいなといいますっ。十八歳になります」
「そう。若いわね。どうりで可愛らしいと思った」
「そんな、私なんて全然です……。クロエさんには負けますよっ。綺麗ですね、モデルさんかと思いましたっ」
手を出しクロエと握手をしながら、あいなはホッとしていた。
(クロエさんはヴィクトリアさんと結婚するんだ。シャルの体触ったりしたのも友達だからだよね、きっと。よく考えたら、私もルイスさんと友情のハグしてたし……。)
あいなと手を離すと、クロエは凛々(りり)しい顔つきで言った。
「モデルに間違われるなんて光栄よ。私はバロニクス帝国に資金援助している貴族の一人娘なのよ。ヴィクトリアとの結婚も親同士が決めたこと。まあ、ヴィクトリアとはそれなりに仲良くやっているけどね」
はっきりした物言い。しかし、クロエが一瞬寂しげに目を伏せたのをあいなは見逃さなかった。自信に満ちた彼女に似合わないその表情が胸に引っかかって仕方なかった。
「そうなんですね。ヴィクトリアさんともさっき初めて会いました」
「そう……。彼、どうだった?」
「優しそうな人ですね」
「そうかしら」
何げない雑談。そのはずなのに、クロエにとってはそれ以上の意味を持つ深い会話だった。
「彼が何を考えているのか、私にはよく分からないわ。それに、優しさで言えばシャルの方が断然上よ」
「えっ……」
あいなの胸は緊張でドキリとした。クロエは意味ありげな視線でシャルとあいなを交互に見る。
「シャルと結婚できるなんて、あいなさんは幸せよ」
「……そう、ですよね」
あいなは困ったように笑った。
「幸せになろうと思います。でも、突然のことだったので実はまだほとんど実感できていなくて……」
「あら、そうなの?あなた達は異例の恋愛結婚だと聞いていたけど、その様子だとワケありのようね」
「俺の片想いだ。でも、あいなは納得してくれている」
あいなに代わりシャルが説明した。クロエはわずかに眉を動かし、あいなに近付く。
「ねえあいなさん。そんなに好きじゃないなら、シャルのこと私に譲って下さらない?」
「え?」
突然の申し出に、あいなは硬直し、実感した。クロエはシャルに気があると――。
クロエはクスリと笑うと、ひらりと身を翻(ひるがえ)した。
「真に受けないで?冗談よ。私はヴィクトリアと婚約してますもの。マリッジブルーとでもいうのかしらね。憂(う)さ晴らしをしてみたくなっただけですわ」
「クロエ様、ご冗談が過ぎます…!」
「まったくだ。あいなはお前の憂さ晴らしの道具じゃないぞ」
ルイスとシャルの反応もどこ吹く風で、クロエは部屋を去ろうとする。
「温泉、行かないの?」
「気が変わりましたわ。私は帰ります」
ハロルドの呼びかけにクロエはそっけなく返し出ていった。彼女の気配が遠ざかっても、あいなの胸には何かが沈殿(ちんでん)したままだった。
(クロエさんが怒るのは当たり前だ。私は、クロエさんほどシャルを好きじゃない。こんな気持ちで結婚するなんて……。)
静まり返った室内で、シャルとルイスはあいなに言った。
「気にするな。アイツは昔からああいうやつなんだ」
「そうです。あいな様は何も悪くありません」
「そうだよ。シャルがいいって言ってるんだから、クロエのことは気にしなくていいよ」
ハロルドも声をかけた。
「温泉、行こうよ。ゆっくり話したいこともあるし。ね?」
「うん……。ありがとう、皆」
微笑しつつ、あいなは心の中で思った。
(クロエさんの言ってたこと、冗談に聞こえなかった……。)
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