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「どうしてあなたがこんなにも苦しまなくてはならないのですか?出来るものなら私が代わってあげたい。あいな様…!」
ルイスは治癒魔法を止め、あいなの頬にそっと手のひらを添える。リバイバルによって忘れたはずの恋心が再燃するのを感じながら……。
移魂《いこん》の儀を無事に終えエトリアの指輪は元に戻ったのに、あいなは助からなかった。リバイバル発動のタイミングは最適だったし、遅すぎたということもない。なのになぜ。
「あいな、目を開けろ!俺達はまだ始まってすらいないんだぞ!?」
あいなの返事はない。穏やかな顔で眠ったように倒れる彼女の姿は、血の赤が映(は)え奇妙なほどに美しかった。
あいなを見つめる三人の胸には、彼女との日々が鮮明に流れていた。
涙をこぼし、シャルは叫ぶ。
「こんなはずじゃなかった!」
あいなはエスペランサの想いに打ち勝てなかった。言葉の上では強く言い返していたけれど、あいなはエスペランサ以上に深い心の傷を負っていた。
これまでの生活でその傷は埋(う)もれて見えなくなっていたが、エスペランサの強い情念に煽(あお)られ、過去を剥(む)き出しにされたのである。
(今、私は幸せだけど、それでも、私を産んでくれたママと一緒に居たかった。離れたくなんかなかった。ママがいなくて、ずっと悲しかった)
シャルの魔法でエスペランサの魂を貫いた時、同時にあいなの肉体も助かるはずだったのだが、シャルの魔法に込められた無限の愛を、あいなは否定した。何をしても胸の傷が塞(ふさ)がらず死を迎えることになってしまったのはそのためだ。
(今までの恋が片想いで済んで、本当はホッとしてた。恋する相手に素の自分を受け入れられたいと思いながら、そんな相手いるわけないって感じてたし。シャルからプロポーズされた時、嬉しかったけど恐かった。ママのように、シャルも私を嫌になって見捨てるかもしれないって思ってしまって……)
そんな時、ルイスからアプローチされて、あいなはシャルから逃げるための言い訳を作った。
(ルイスのことは好きだけど、友達としてだった)
ルイスがエルザとの結婚を決めた時、なぜあんなに動揺し彼の前で涙を流してしまったのか。どうして二人の結婚を祝う気持ちになれなかったのか――。あの時には分からなかったが、今ならよく分かる。
(私はルイスのことが好きだった。ルイスと友達になりたい、お互いを支え合う関係になりたいと強く思ってた。そんなルイスに、本当に幸せになってほしかった。ルイスはいつも私やシャルのことばかり優先して自分のことは後回しだから……)
そんなルイスが、恋愛感情以外の理由でエルザとの結婚を決めたのが悲しかったのだ。
(私のことを好きって言った後でエルザさんと結婚するなんて、ルイスは絶対無理してると思った。余計な口出しかもしれない、ルイスの気持ちに応えてあげられなかった私がこんなこと言うのはダメなのかもしれない、でも、ルイスには心から好きって思う人と幸せになってほしかった。妥協や他人の幸せのためじゃなく、自分が本当に納得できる相手を選んで、結婚はそれから決めてほしかった)
あいなの顔から、どんどん血の気が無くなっていく。
意識が無くなる間際まで、あいなは何度も心の中で「ごめんね」を繰り返した。
(不器用で、無神経で、鈍感で、ごめんね。皆とすごした時間は、ずっと宝物だよ――)
「あいな!俺達は夫婦だ。何があっても俺はお前のそばにいる!!だから目を開けてくれ……。お願いだ…!」
あいなに触れているルイスとハロルドを退(の)けてシャルは彼女の上体を抱き起こし、強く抱きしめた。あいなの胸から流れる血が、シャルの着ていた衣装に染み写る。
ルイスはあいなとお揃(そろ)いのネックレスを握りしめ、ハロルドは静かに涙を流した。あいなの胸の傷は不思議な力で開かれたままになっているので、医術では治療不可能だと誰もが理解していた。
シャルはあいなを強く抱きしめたまま、その存在が消えないよう強く祈る。
「俺の持ってるもの、全て失くしてもいい。あいなのことだけは、俺から奪わないでくれ!」
今は亡きエスペランサに向けた言葉だった。
『よく頑張りましたね』
「……っ!」
シャルの頭の中にエトリアの声が響く。もう決して聞けはしないと思っていた祖先の声。
「エトリア様!?」
『指輪が再生したおかげで、再び私の意思をあなたに飛ばすことが出来ています。よくやりましたね。エスペランサを救ってくれて本当にありがとうございます』
目を見張り、ルイスとハロルドはシャルの様子に注目する。ハロルドは小声でルイスに説明した。
「シャルはさっきも、指輪の魔力を通じてエトリア様と会話していたみたいだよ」
「指輪にそのような効果が?」
驚きつつも、その現象にわずかな希望を感じ、ルイスはシャルを見守った。
『シャル。あなたの魔法はただの攻撃手段ではなく、他にはないあたたかさがあった。その強さと深い愛情でエスペランサの魂を浄化することが出来たのです』
「なのになぜ、あいなはこんな状態になってしまったのですか!?」
『あなたの想いの強さがあいなさんを苦しめている……。エスペランサの魂がその体から抜けたと同時に、あいなさんは心の中に大きな砦(とりで)を築いてしまったようなのです』
「砦、ですか!?」
『中庭の泉に行きなさい』
エトリアの泉にあいなを助ける切り札がある。エトリアはそう告げた。
『あいなさんを想うあなた達の心が泉に共鳴した時、彼女の心の砦に対面する機会が得られるでしょう。砦を崩せるかどうかはあなた次第ですよ。シャル』
エトリアの声が消えてすぐ、シャルはルイスとハロルドに告げた。
「エトリアの泉に向かう。悪いが、二人ともあいなのことを頼む!」
「エトリア様は何とおっしゃっていたのですか?」
「泉に俺達の想いを示せば彼女を救えるかもしれない、と」
「それなら僕達も行くよ」
ハロルドは微笑した。
「エトリア様は『あなた達の想い』と言ったんでしょう?あいなを想う人は多ければ多いほどいいんじゃない?効果が強くなりそうで」
ハロルドはルイスの方を向いたが、ルイスは躊躇(ためら)った。
「同行したいのはやまやまですが、このような状態のあいな様を置いてはいけません」
「それなら問題ない」
出入口には、よく見知った者達の姿があった。ヴィクトリアとクロエ、そして、エルザである。
「どうしてお前達がここに!?」
シャルが驚くと、ヴィクトリアとクロエは呆れたように笑った。シャル達は気付いていなかったが、この場所が崩壊したことで城内の人々はひどく混乱しているらしい。
「シャル、今日が自分の誕生日だってこと忘れてない?」
「騒ぎを聞き付けて来てみればこんな所に居るなんて……。あなたのパーティー、もうすぐ始まるわよ」
よく見れば、二人はパーティーに相応しい華やかな格好をしていた。
「そうだったな……。すっかり頭から飛んでいた。にしても、なぜエルザまで?」
シャルの疑問はもっともだった。エルザとは婚約話が成立しなかった経緯がある。ルイスの財産をエルザの一族に譲渡し両家の関係は穏やかになったが、とはいえ、他者から見たらシャルの誕生日パーティーに出席するエルザは見世物(みせもの)以外のなにものでもない。面白おかしく噂を立てられることは必至(ひっし)。シャルはそれを心配した。
「無理して参加することはないぞ。俺もこんな状態だから出られるかどうか分からないし……」
「私は大丈夫です。もとより人目は気にしていませんから」
エルザは、シャルの耳元で彼にだけ聞こえる声で説明する。
「本日、カロス様に招待を受けました。近頃ルイスが思い詰めた様子なので心配だから顔を見に来てほしいとお願いされたのです」
「国王様がなぜそんなことを…?」
エルザはルイスに想いを寄せている。仮にカロスがそれを知っているとはいえ、こうしてパーティーに招待してまでエルザを巻き込む理由がシャルには分からなかった。
もっと詳しく聞きたい所だが、今はそれ以上話している余裕がない。
「シャル、話は後にしてあいなさんのことを何とかしなさいよ!助ける手段があるんでしょう?」
クロエが近寄ってきて、自分のドレスが汚れるのも気にせず血まみれなあいなの肩を抱いた。反対側からヴィクトリアがそれを手伝う。
「シャル。ここは俺達に任せていい。彼女は医務室に運ぶ」
「悪いが、任せる!ありがとう!」
シャルが儀式の間を出ると、ルイスとハロルドもそれに続いた。
「ご一緒させてください。私も多少魔法を使えるので、何かお役に立てたらと思うのです。お願いします」
エルザはルイスを見つめ、三人に頭を下げる。シャルとルイスは少し躊躇(ためら)ったが、ハロルドは快くうなずきエルザに手招きをした。
「エルザ姫も一緒に行こ!助(すけ)っ人(と)は多い方が助かるし」
「ありがとうございます!」
シャル、ルイス、ハロルド、そしてエルザが中庭の泉にたどり着くと、シャルの指輪が大きな光を放った。
丸くて優しい青色の光が指輪を中心に視界全体に広がると、エトリアの泉から激しい水音と共に水が引いていく。
「これは……!」
シャルをはじめ、一同は目を見開いた。水の引いた泉の中央から地下に続く階段が出現したのである。
「ここを下れば、あいなを助けることが出来るのか?」
「このような構造になっていたなんて……。伝承のある場所、泉の役割はそれだけではなかったようですね」
「みたいだな。行こう……!」
地下への階段を数十段降りると、石造りの閉鎖的な空間に行き着いた。天井から青い光が差し込んでいるおかげで視界ははっきりしているが、薄暗さがありどことなく気味が悪い。ひんやりした室内の空気も、一同に異様な緊張感を感じさせる原因になった。
「他に道はないみたいだな」
「隠し扉などもないのでしょうか?」
シャルとルイスは慎重な手つきで壁を調べたが何も起こらなかった。ハロルドとエルザも、それぞれ星読みの力や魔法を使って室内のことを調べたが何も手がかりは得られなかった。
こうしている間にもあいなは死に向かっている。シャル達の焦(あせ)りを嘲(あざ)笑うかのように、この空間は物音ひとつせずシンとしていた。
「このままこうしてても埒(らち)があかないね。外に出てもう一度泉を調べてみない?」
ハロルドが提案した時、それを止めるかのようなタイミングであいなが現れた。しかし、あいなの形をしているだけでその姿は半透明である。喜んだのも束(つか)の間、さきほどのことをシャルは思い出した。
「お前はあいなじゃない。アイツは今、医務室に運ばれているはずだからな」
もしかしたらまた偽者(にせもの)かもしれない。四人は警戒した。
「皆、そんな恐い顔しないで?今度こそ本物の私だよ」
「あいな様、ですね……。さきほどのように他者の魔力を感じません。間違いないです」
冷静な面持ちのままあいなに近付いたルイスは、半透明になった彼女の体にそっと視線をやる。
「私達はあなたを助けたい。そのためにここを訪れました。どうか、元のお体にお戻り下さい」
「ルイスはもう充分私を助けてくれたよ。ありがとう。もういいんだよ。今までたくさん無理させてごめんね。私のことは気にせず幸せになってほしい。ルイスはいつまでも大切な人だから」
困ったように笑うあいなを見て、ルイスの心臓は激しく痛んだ。彼女への想いはリバイバル発動の代償で失ったはずなのに、彼女と過ごしたあたたかく切ない時間を生々しく思い出してしまう。肌が、心が、彼女との時間をはっきり記憶していた。
「……これは!っ……!」
リバイバルで失ったものが体中に流れ込んでくる。深く愛し、それゆえに得た嫉妬や悲しみ、罪悪感、独占欲、愛しさを、ルイスは一瞬で思い出した。
「立場も省(かえり)みず、私はあなたを好きになってしまいました。許して下さい……。そのせいで取り返しのつかないことになってしまいました。私が自分の気持ちを殺していられさえすればあなたが危険な目にあうこともなかったのに……!」
「そんな風に思ってないよ。謝らなきゃいけないのは私。私はずっと、ルイスの優しさに甘えてた。こうなったのも自業自得。ルイスの気持ちを、シャルに向き合えないことの言い訳にしてた。一番したらいけないことを、私はしたんだよ……」
苦しみに顔を歪めるあいなを抱きしめようとしたが、ルイスの両腕は空気を掴(つか)むだけだった。今目の前にいるあいなは霊体のような存在だったのである。
「あいな様は何も悪くありません!」
ルイスはその場で膝(ひざ)をつき、あいなに向かって頭を下げた。泣きたくなるのを必死に我慢して。
「私は全て分かっていました。あの夜あなたが私のために流して下さった涙の意味も、あなたの想いがシャル様に注がれているということも……!」
「そっか……。ルイスは、私ですら気付かなかったことを全て知ってたんだね」
「はい……。それでも私は、あなたと積み重ねる時間に都合の良い未来を映し、あなたの特別な存在になりたいと願ってしまったのです。早くに気持ちを殺しておけば、あいな様はそのような状態にならなかったかもしれない!」
「そんな悲しいこと言わないで?私は怒ってないしルイスを責めるつもりもないよ。だって、私はルイスといる時間に癒されていたから。どんな時もルイスがそばにいてくれたから私は笑っていられた。ルイスに愛されて幸せだった。心細くならずに済んだ。だから、ルイスには絶対に幸せになってほしい。もう、楽になっていいんだよ」
「あいな様……!?っ……」
ルイスはその場で胸を押さえて倒れ、気を失った。シャルとエルザはルイスに寄りそう。
「ルイス、しっかりしろ…!やっぱり、リバイバルの影響が!?」
「リバイバルとは?」
「そうか、エルザは知らないんだよな……。ルイスは自分の想いと引き替えにリバイバルという禁断魔法を使いエトリアの指輪を修復したんだ。これはその副作用かもしれない」
「そのようなことがあったのですね……。どうしたらいいのでしょう……」
エルザはその時、あることに気付いた。ルイスとあいなの胸元で光るネックレス。それを交互に見て寂しげにうつむく。
「あいなさんのつけている物と同じですね。愛らしい色をしています……。淡い桃色の石。ルイスが抱くあいなさんへの想いをそのまま映したかのようですね」
ネックレスのことはシャルも気付いていて、正直なところ嫉妬心が湧いた。しかし、ルイスとあいなが最後のデートの記念として買ったものに口を出すなど、やはりシャルには出来なかったのである。
「ルイス。あいなは死なせない。俺が必ず幸せにする。それが、ライバルとしての礼儀だよな…?だから、お前も目を覚ましてくれ……」
かろうじて、ルイスの呼吸はあった。ホッとしたがまだ安心はできない。
不安げにルイスを見守るシャルとエルザを横目に、ハロルドはあいなに近付いた。
「あいな。普段の体じゃないとはいえ、こんなところに一人で居たら寒くない?一緒に城内に戻ろうよ」
「ハロルド……」
あいなの瞳は悲しげに揺れる。ハロルドは懸命に語りかけた。
「君は僕を変えてくれた特別な友達だよ。また、バロニクス城に遊びにおいで?シャルやルイスも連れてきていいから。甘いものと一緒にお茶を飲んだり、プールで遊んだり、あいなの手料理囲んで楽しくお話したりして過ごそうよ」
「私……」
そんな風に歓迎される身分なのだろうか?揺れるあいなの気持ちを見透かし、ハロルドは穏やかに言葉をかけた。
「出生にどんな事情があったって君は君だよ。キラキラした星の持ち主で、強くて、ちょっと鈍くて、誰よりも優しい、友達想いで純粋な、そんな女の子でしょう?」
「ありがとう。私もハロルドのこと、大切な友達だし、昔からの幼なじみみたいに感じる。ただ……」
切なく笑い、あいなはハロルドに手のひらを翳(かざ)した。
「私はそこまで言ってもらえる素晴らしい人間じゃない。自分の心を守るためにルイスの気持ちを利用してシャルを遠ざけた。ハロルドにもいつかひどいことをしてしまうかもしれない。だから……!」
「あいな……。それも君だよ。そんなことで僕は君を嫌いになんてならない。君は僕の星読みの力を認めてくれた最初の人なんだ。だから、僕もありのままの君を受け入れていくつもりだよ」
求めるように優しいハロルドの視線を、あいなは拒否した。
「ハロルドの力はすごいと思うし認めてる。でも、もう誰のことも傷付けたくないの……!」
「……あい、なっ……」
ルイスと同じく、ハロルドも胸を押さえてその場に倒れた。息はあるが、苦しげな表情で気を失っている。
「ハロルド!?」
シャルはあいなに問いかけた。
「あいな、お前がやってるのか?」
「……………」
シャルと目を合わせず、半透明のあいなは彼に背を向ける。
「何がそんなにお前を苦しめている?実の母親のことか?それとも、俺か?皆、お前を大切に思ってる。心を閉ざさず、話をしてほしい」
熱く語りかけるシャルの前に出て、エルザが口を開いた。貴族の中でも際立って美しいと評判のエルザの表情は穏やかだが、そこにはあいなを牽制(けんせい)する感情もわずかながら浮かんでいる。
「あいなさん。落ち着いて聞いて下さい。カロス様から聞きました。あなたは昔、孤児だったそうですね」
「……そうです。私はママに捨てられました」
「人には理解されづらいその孤独感が、あなたをあらぬ道へ追い込んでいる。そう見受けられます」
ルイスは治癒魔法を止め、あいなの頬にそっと手のひらを添える。リバイバルによって忘れたはずの恋心が再燃するのを感じながら……。
移魂《いこん》の儀を無事に終えエトリアの指輪は元に戻ったのに、あいなは助からなかった。リバイバル発動のタイミングは最適だったし、遅すぎたということもない。なのになぜ。
「あいな、目を開けろ!俺達はまだ始まってすらいないんだぞ!?」
あいなの返事はない。穏やかな顔で眠ったように倒れる彼女の姿は、血の赤が映(は)え奇妙なほどに美しかった。
あいなを見つめる三人の胸には、彼女との日々が鮮明に流れていた。
涙をこぼし、シャルは叫ぶ。
「こんなはずじゃなかった!」
あいなはエスペランサの想いに打ち勝てなかった。言葉の上では強く言い返していたけれど、あいなはエスペランサ以上に深い心の傷を負っていた。
これまでの生活でその傷は埋(う)もれて見えなくなっていたが、エスペランサの強い情念に煽(あお)られ、過去を剥(む)き出しにされたのである。
(今、私は幸せだけど、それでも、私を産んでくれたママと一緒に居たかった。離れたくなんかなかった。ママがいなくて、ずっと悲しかった)
シャルの魔法でエスペランサの魂を貫いた時、同時にあいなの肉体も助かるはずだったのだが、シャルの魔法に込められた無限の愛を、あいなは否定した。何をしても胸の傷が塞(ふさ)がらず死を迎えることになってしまったのはそのためだ。
(今までの恋が片想いで済んで、本当はホッとしてた。恋する相手に素の自分を受け入れられたいと思いながら、そんな相手いるわけないって感じてたし。シャルからプロポーズされた時、嬉しかったけど恐かった。ママのように、シャルも私を嫌になって見捨てるかもしれないって思ってしまって……)
そんな時、ルイスからアプローチされて、あいなはシャルから逃げるための言い訳を作った。
(ルイスのことは好きだけど、友達としてだった)
ルイスがエルザとの結婚を決めた時、なぜあんなに動揺し彼の前で涙を流してしまったのか。どうして二人の結婚を祝う気持ちになれなかったのか――。あの時には分からなかったが、今ならよく分かる。
(私はルイスのことが好きだった。ルイスと友達になりたい、お互いを支え合う関係になりたいと強く思ってた。そんなルイスに、本当に幸せになってほしかった。ルイスはいつも私やシャルのことばかり優先して自分のことは後回しだから……)
そんなルイスが、恋愛感情以外の理由でエルザとの結婚を決めたのが悲しかったのだ。
(私のことを好きって言った後でエルザさんと結婚するなんて、ルイスは絶対無理してると思った。余計な口出しかもしれない、ルイスの気持ちに応えてあげられなかった私がこんなこと言うのはダメなのかもしれない、でも、ルイスには心から好きって思う人と幸せになってほしかった。妥協や他人の幸せのためじゃなく、自分が本当に納得できる相手を選んで、結婚はそれから決めてほしかった)
あいなの顔から、どんどん血の気が無くなっていく。
意識が無くなる間際まで、あいなは何度も心の中で「ごめんね」を繰り返した。
(不器用で、無神経で、鈍感で、ごめんね。皆とすごした時間は、ずっと宝物だよ――)
「あいな!俺達は夫婦だ。何があっても俺はお前のそばにいる!!だから目を開けてくれ……。お願いだ…!」
あいなに触れているルイスとハロルドを退(の)けてシャルは彼女の上体を抱き起こし、強く抱きしめた。あいなの胸から流れる血が、シャルの着ていた衣装に染み写る。
ルイスはあいなとお揃(そろ)いのネックレスを握りしめ、ハロルドは静かに涙を流した。あいなの胸の傷は不思議な力で開かれたままになっているので、医術では治療不可能だと誰もが理解していた。
シャルはあいなを強く抱きしめたまま、その存在が消えないよう強く祈る。
「俺の持ってるもの、全て失くしてもいい。あいなのことだけは、俺から奪わないでくれ!」
今は亡きエスペランサに向けた言葉だった。
『よく頑張りましたね』
「……っ!」
シャルの頭の中にエトリアの声が響く。もう決して聞けはしないと思っていた祖先の声。
「エトリア様!?」
『指輪が再生したおかげで、再び私の意思をあなたに飛ばすことが出来ています。よくやりましたね。エスペランサを救ってくれて本当にありがとうございます』
目を見張り、ルイスとハロルドはシャルの様子に注目する。ハロルドは小声でルイスに説明した。
「シャルはさっきも、指輪の魔力を通じてエトリア様と会話していたみたいだよ」
「指輪にそのような効果が?」
驚きつつも、その現象にわずかな希望を感じ、ルイスはシャルを見守った。
『シャル。あなたの魔法はただの攻撃手段ではなく、他にはないあたたかさがあった。その強さと深い愛情でエスペランサの魂を浄化することが出来たのです』
「なのになぜ、あいなはこんな状態になってしまったのですか!?」
『あなたの想いの強さがあいなさんを苦しめている……。エスペランサの魂がその体から抜けたと同時に、あいなさんは心の中に大きな砦(とりで)を築いてしまったようなのです』
「砦、ですか!?」
『中庭の泉に行きなさい』
エトリアの泉にあいなを助ける切り札がある。エトリアはそう告げた。
『あいなさんを想うあなた達の心が泉に共鳴した時、彼女の心の砦に対面する機会が得られるでしょう。砦を崩せるかどうかはあなた次第ですよ。シャル』
エトリアの声が消えてすぐ、シャルはルイスとハロルドに告げた。
「エトリアの泉に向かう。悪いが、二人ともあいなのことを頼む!」
「エトリア様は何とおっしゃっていたのですか?」
「泉に俺達の想いを示せば彼女を救えるかもしれない、と」
「それなら僕達も行くよ」
ハロルドは微笑した。
「エトリア様は『あなた達の想い』と言ったんでしょう?あいなを想う人は多ければ多いほどいいんじゃない?効果が強くなりそうで」
ハロルドはルイスの方を向いたが、ルイスは躊躇(ためら)った。
「同行したいのはやまやまですが、このような状態のあいな様を置いてはいけません」
「それなら問題ない」
出入口には、よく見知った者達の姿があった。ヴィクトリアとクロエ、そして、エルザである。
「どうしてお前達がここに!?」
シャルが驚くと、ヴィクトリアとクロエは呆れたように笑った。シャル達は気付いていなかったが、この場所が崩壊したことで城内の人々はひどく混乱しているらしい。
「シャル、今日が自分の誕生日だってこと忘れてない?」
「騒ぎを聞き付けて来てみればこんな所に居るなんて……。あなたのパーティー、もうすぐ始まるわよ」
よく見れば、二人はパーティーに相応しい華やかな格好をしていた。
「そうだったな……。すっかり頭から飛んでいた。にしても、なぜエルザまで?」
シャルの疑問はもっともだった。エルザとは婚約話が成立しなかった経緯がある。ルイスの財産をエルザの一族に譲渡し両家の関係は穏やかになったが、とはいえ、他者から見たらシャルの誕生日パーティーに出席するエルザは見世物(みせもの)以外のなにものでもない。面白おかしく噂を立てられることは必至(ひっし)。シャルはそれを心配した。
「無理して参加することはないぞ。俺もこんな状態だから出られるかどうか分からないし……」
「私は大丈夫です。もとより人目は気にしていませんから」
エルザは、シャルの耳元で彼にだけ聞こえる声で説明する。
「本日、カロス様に招待を受けました。近頃ルイスが思い詰めた様子なので心配だから顔を見に来てほしいとお願いされたのです」
「国王様がなぜそんなことを…?」
エルザはルイスに想いを寄せている。仮にカロスがそれを知っているとはいえ、こうしてパーティーに招待してまでエルザを巻き込む理由がシャルには分からなかった。
もっと詳しく聞きたい所だが、今はそれ以上話している余裕がない。
「シャル、話は後にしてあいなさんのことを何とかしなさいよ!助ける手段があるんでしょう?」
クロエが近寄ってきて、自分のドレスが汚れるのも気にせず血まみれなあいなの肩を抱いた。反対側からヴィクトリアがそれを手伝う。
「シャル。ここは俺達に任せていい。彼女は医務室に運ぶ」
「悪いが、任せる!ありがとう!」
シャルが儀式の間を出ると、ルイスとハロルドもそれに続いた。
「ご一緒させてください。私も多少魔法を使えるので、何かお役に立てたらと思うのです。お願いします」
エルザはルイスを見つめ、三人に頭を下げる。シャルとルイスは少し躊躇(ためら)ったが、ハロルドは快くうなずきエルザに手招きをした。
「エルザ姫も一緒に行こ!助(すけ)っ人(と)は多い方が助かるし」
「ありがとうございます!」
シャル、ルイス、ハロルド、そしてエルザが中庭の泉にたどり着くと、シャルの指輪が大きな光を放った。
丸くて優しい青色の光が指輪を中心に視界全体に広がると、エトリアの泉から激しい水音と共に水が引いていく。
「これは……!」
シャルをはじめ、一同は目を見開いた。水の引いた泉の中央から地下に続く階段が出現したのである。
「ここを下れば、あいなを助けることが出来るのか?」
「このような構造になっていたなんて……。伝承のある場所、泉の役割はそれだけではなかったようですね」
「みたいだな。行こう……!」
地下への階段を数十段降りると、石造りの閉鎖的な空間に行き着いた。天井から青い光が差し込んでいるおかげで視界ははっきりしているが、薄暗さがありどことなく気味が悪い。ひんやりした室内の空気も、一同に異様な緊張感を感じさせる原因になった。
「他に道はないみたいだな」
「隠し扉などもないのでしょうか?」
シャルとルイスは慎重な手つきで壁を調べたが何も起こらなかった。ハロルドとエルザも、それぞれ星読みの力や魔法を使って室内のことを調べたが何も手がかりは得られなかった。
こうしている間にもあいなは死に向かっている。シャル達の焦(あせ)りを嘲(あざ)笑うかのように、この空間は物音ひとつせずシンとしていた。
「このままこうしてても埒(らち)があかないね。外に出てもう一度泉を調べてみない?」
ハロルドが提案した時、それを止めるかのようなタイミングであいなが現れた。しかし、あいなの形をしているだけでその姿は半透明である。喜んだのも束(つか)の間、さきほどのことをシャルは思い出した。
「お前はあいなじゃない。アイツは今、医務室に運ばれているはずだからな」
もしかしたらまた偽者(にせもの)かもしれない。四人は警戒した。
「皆、そんな恐い顔しないで?今度こそ本物の私だよ」
「あいな様、ですね……。さきほどのように他者の魔力を感じません。間違いないです」
冷静な面持ちのままあいなに近付いたルイスは、半透明になった彼女の体にそっと視線をやる。
「私達はあなたを助けたい。そのためにここを訪れました。どうか、元のお体にお戻り下さい」
「ルイスはもう充分私を助けてくれたよ。ありがとう。もういいんだよ。今までたくさん無理させてごめんね。私のことは気にせず幸せになってほしい。ルイスはいつまでも大切な人だから」
困ったように笑うあいなを見て、ルイスの心臓は激しく痛んだ。彼女への想いはリバイバル発動の代償で失ったはずなのに、彼女と過ごしたあたたかく切ない時間を生々しく思い出してしまう。肌が、心が、彼女との時間をはっきり記憶していた。
「……これは!っ……!」
リバイバルで失ったものが体中に流れ込んでくる。深く愛し、それゆえに得た嫉妬や悲しみ、罪悪感、独占欲、愛しさを、ルイスは一瞬で思い出した。
「立場も省(かえり)みず、私はあなたを好きになってしまいました。許して下さい……。そのせいで取り返しのつかないことになってしまいました。私が自分の気持ちを殺していられさえすればあなたが危険な目にあうこともなかったのに……!」
「そんな風に思ってないよ。謝らなきゃいけないのは私。私はずっと、ルイスの優しさに甘えてた。こうなったのも自業自得。ルイスの気持ちを、シャルに向き合えないことの言い訳にしてた。一番したらいけないことを、私はしたんだよ……」
苦しみに顔を歪めるあいなを抱きしめようとしたが、ルイスの両腕は空気を掴(つか)むだけだった。今目の前にいるあいなは霊体のような存在だったのである。
「あいな様は何も悪くありません!」
ルイスはその場で膝(ひざ)をつき、あいなに向かって頭を下げた。泣きたくなるのを必死に我慢して。
「私は全て分かっていました。あの夜あなたが私のために流して下さった涙の意味も、あなたの想いがシャル様に注がれているということも……!」
「そっか……。ルイスは、私ですら気付かなかったことを全て知ってたんだね」
「はい……。それでも私は、あなたと積み重ねる時間に都合の良い未来を映し、あなたの特別な存在になりたいと願ってしまったのです。早くに気持ちを殺しておけば、あいな様はそのような状態にならなかったかもしれない!」
「そんな悲しいこと言わないで?私は怒ってないしルイスを責めるつもりもないよ。だって、私はルイスといる時間に癒されていたから。どんな時もルイスがそばにいてくれたから私は笑っていられた。ルイスに愛されて幸せだった。心細くならずに済んだ。だから、ルイスには絶対に幸せになってほしい。もう、楽になっていいんだよ」
「あいな様……!?っ……」
ルイスはその場で胸を押さえて倒れ、気を失った。シャルとエルザはルイスに寄りそう。
「ルイス、しっかりしろ…!やっぱり、リバイバルの影響が!?」
「リバイバルとは?」
「そうか、エルザは知らないんだよな……。ルイスは自分の想いと引き替えにリバイバルという禁断魔法を使いエトリアの指輪を修復したんだ。これはその副作用かもしれない」
「そのようなことがあったのですね……。どうしたらいいのでしょう……」
エルザはその時、あることに気付いた。ルイスとあいなの胸元で光るネックレス。それを交互に見て寂しげにうつむく。
「あいなさんのつけている物と同じですね。愛らしい色をしています……。淡い桃色の石。ルイスが抱くあいなさんへの想いをそのまま映したかのようですね」
ネックレスのことはシャルも気付いていて、正直なところ嫉妬心が湧いた。しかし、ルイスとあいなが最後のデートの記念として買ったものに口を出すなど、やはりシャルには出来なかったのである。
「ルイス。あいなは死なせない。俺が必ず幸せにする。それが、ライバルとしての礼儀だよな…?だから、お前も目を覚ましてくれ……」
かろうじて、ルイスの呼吸はあった。ホッとしたがまだ安心はできない。
不安げにルイスを見守るシャルとエルザを横目に、ハロルドはあいなに近付いた。
「あいな。普段の体じゃないとはいえ、こんなところに一人で居たら寒くない?一緒に城内に戻ろうよ」
「ハロルド……」
あいなの瞳は悲しげに揺れる。ハロルドは懸命に語りかけた。
「君は僕を変えてくれた特別な友達だよ。また、バロニクス城に遊びにおいで?シャルやルイスも連れてきていいから。甘いものと一緒にお茶を飲んだり、プールで遊んだり、あいなの手料理囲んで楽しくお話したりして過ごそうよ」
「私……」
そんな風に歓迎される身分なのだろうか?揺れるあいなの気持ちを見透かし、ハロルドは穏やかに言葉をかけた。
「出生にどんな事情があったって君は君だよ。キラキラした星の持ち主で、強くて、ちょっと鈍くて、誰よりも優しい、友達想いで純粋な、そんな女の子でしょう?」
「ありがとう。私もハロルドのこと、大切な友達だし、昔からの幼なじみみたいに感じる。ただ……」
切なく笑い、あいなはハロルドに手のひらを翳(かざ)した。
「私はそこまで言ってもらえる素晴らしい人間じゃない。自分の心を守るためにルイスの気持ちを利用してシャルを遠ざけた。ハロルドにもいつかひどいことをしてしまうかもしれない。だから……!」
「あいな……。それも君だよ。そんなことで僕は君を嫌いになんてならない。君は僕の星読みの力を認めてくれた最初の人なんだ。だから、僕もありのままの君を受け入れていくつもりだよ」
求めるように優しいハロルドの視線を、あいなは拒否した。
「ハロルドの力はすごいと思うし認めてる。でも、もう誰のことも傷付けたくないの……!」
「……あい、なっ……」
ルイスと同じく、ハロルドも胸を押さえてその場に倒れた。息はあるが、苦しげな表情で気を失っている。
「ハロルド!?」
シャルはあいなに問いかけた。
「あいな、お前がやってるのか?」
「……………」
シャルと目を合わせず、半透明のあいなは彼に背を向ける。
「何がそんなにお前を苦しめている?実の母親のことか?それとも、俺か?皆、お前を大切に思ってる。心を閉ざさず、話をしてほしい」
熱く語りかけるシャルの前に出て、エルザが口を開いた。貴族の中でも際立って美しいと評判のエルザの表情は穏やかだが、そこにはあいなを牽制(けんせい)する感情もわずかながら浮かんでいる。
「あいなさん。落ち着いて聞いて下さい。カロス様から聞きました。あなたは昔、孤児だったそうですね」
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