陰陽のアカイイト

あた

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交尾

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 夜の熱が、部屋を満たしている。寝台が軋む音が、永凛の鼓膜を刺激していた。
「ん、も、う、こわれ、る」

 自分のものとは思えない、媚びた声が唇から漏れる。はだけた着物が、勃ちあがった性器に触れると、それだけで達しそうになる。どこもかしこも熱くて、じんじんと痺れている。一番熱いのは、男を飲み込んでいる部分。蜜に濡れた後ろの孔を、絶え間なく塞ぐ凶暴なもの。

 永凛を犯している男が、熱く囁く。

「やめてほしいのか? そうは見えないが」
「ん、あ」
 長い指先が、永凛の乳首をつまんだ。すると、後ろの孔がきゅん、と締まる。こんなところをいじられただけで、たまらなく身体が熱くなるのはなぜだろう。
「淫乱な私の番い」
 男は永凛の乳首を捏ねながら、目を細める。
「こんなに勃起させて、舐めてほしいのか?」
「あ、あ……舐め、んな」

 薄い胸に、艶やかな髪が降りる。胸の突起を舐めまわされて、永凛は腰を浮かせた。浅黒い肌や鋭い目付きからは、想像もできない艶めいた声が漏れる。
「あ、あ、っ……ん」
 永凛の腰を撫でながら、男がささやく。
「貧民街のスリとは思えぬ妖艶さだ」
「う、るせ、あ、あ」

 ぐぷん、と強く打擲される。質量をもった雄に翻弄されて、ただ永凛は鳴く。
「口の利き方に気をつけろ。おまえは私の番い。緋家の跡取りを産むのだから」
 男なのに子を埋めと言われ、毎晩のように犯されている。望んではいないのに、広げられた部分はひくついて、強請るように雄に絡みつく。己の性器は反り返り、ふるふる揺れながら、透明なつゆを滴らせていた。

(俺、どうなっちゃったんだ)

 部屋には、甘い香の匂いが漂っている。緋家の屋敷に来るまで、香の匂いなど嗅いだことがなかった。いま、永凛の尻に敷かれ、しとどに濡れている寝具も、着物も、売れば一月は楽に暮らせるほどの高級品だ。

 しかし、何より高級なのは、目の前にいるこの男かもしれない。永凛を、運命の番いだと呼び、無理やり身体をつなげるこの男。端正な顔だちは、今年38だという年齢を感じさせない。
 彫像のように引き締まった身体は、汗が滲んで光っている。彼には似つかわしくない、醜い怒張は、永凛を容赦無く穿つ。

 美しく、冷たく、永凛とは別の世界に生きている。燕清明。

 彼に出会って、永凛の世界は変わったのだ。満たされたい。たくさん、注がれたい。冷たい清明の、熱いものが欲しい。

 以前は生きることに精一杯だった永凛が、今はただ快楽に溺れている。

「清明、も、いきたい」
「もっとはしたなく強請れ」
「なかに、ください、いっぱい、だして」
 永凛の子宮が──男にはあるはずのない器官が疼く。蜜が溢れ出し、女のように濡れる。押し広げられた媚肉が、その奥が、迸りを欲しがっているのだ。

 清明が腰を揺すりたてると、永凛の奥が収縮した。達したのに、いけなかった。清明の長い指が、永凛のものに絡みつく。しごき上げられて、こみ上げる。雌の感覚と、雄の感覚が、永凛のなかで暴れまわる。

 清明に初めて犯されてからずっとこうだ。戸惑って、嫌なのに、どうしようもなく感じる。もっとという欲が、頭の奥を焼く。

「永凛……もっと、いけ」
 清明が最奥を突き、永凛のものを強く擦り上げた。
「あ、あ、っ……ああっ」
 永凛は熱い襞のなかに精を受けながら、己の白濁に濡れた。
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