乙女の涙と悪魔の声

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 ◆

 バアルはレイチェルを抱え、宙空を飛んでいた。彼女はハンカチに包んだルイスの灰を、大事そうに抱えている。
 ルイスが叩いたらしい頬は赤く腫れている。

 ――指輪の魔力に滅ぼされる前に、この手で殺してやればよかった。
 本当は取り上げて投げ捨ててやりたかったが、彼女に泣かれると困るので我慢する。玄関ポーチに降り立つと、気配を聞きつけたらしいバラムが、呼び鈴を鳴らす前に現れた。
 レイチェルを見上げ、つぶらな瞳を見開く。レイチェルは泣きはらした顔で笑みを浮かべる。
「ただいま、バラム」 

 とたんに、つぶらな瞳がうるうるしだす。
 バラムはレイチェルの足にしがみつき、わんわん泣いた。それはひどく耳障りな泣き声で、バアルは耳をふさぎたくなったが、レイチェルはしゃがみこんで、優しく子ぐまの背中を撫でていた。

「ごめんなさい、あの帽子、ルイスに取られてしまったの」
 レイチェルの言葉に、バラムはぶんぶん首を振った。すん、と鼻をならし、彼女の頬を撫でる。眉を下げて、首をかしげた。
「大丈夫よ、痛くないから」
「バラム、冷やすものを」
 バアルがそう言うと、子ぐまは慌てて奥へ引っ込んだ。

 レイチェルが、バアルを横目で見る。
「なんだ?」
「まだバラムに命令してるの?」
「癖だ」
「もう……そういうところは変わらないわね」
 ため息をついたレイチェルがふらついた。バアルは腕を伸ばして支える。
「休んだほうがいい。二階へ」
「平気よ、一人で歩けるから……」

 レイチェルの細い身体を支えながら、バアルは二階へ向かう。階段をゆっくり上がっていると、彼女がくすりと笑う。
「なに?」
「思い出したの。ここに来た最初の晩、あなたが犬に化けて、私を慰めてくれたこと」
「……君は僕を嫌ってた」

 別に人間になんと思われようとかまわない。ただ、レイチェルには利用価値がある。だから機嫌をとっておこう。懐柔すればいずれ言うことを聞くようになるかもしれない。そう思っていたのに。 

「だって、最初のあなたは、ちょっとルイスに似てたから」
 あの男は、結局レイチェルを手に入れたかっただけなのか、それとも、屋敷や地位がほしかっただけか。腹が立ったのは、自分に近いものを感じたからなのかもしれない。
「そうだな」
 レイチェルは慌てて否定した。
「違うの、あなたをよく知らなかったから、誤解してただけで」
「謝らなくていい。僕は悪魔なんだ。君を泣かせて、利用しようとしたこともあった」
「……もう忘れたわ」

 バアルは部屋のドアを開けて、レイチェルを支えたまま部屋に入る。ベッドに彼女を座らせた。彼女はチェストの上に、灰を包んだハンカチを置く。それを見ていると、またいらだってしまいそうになった。

「バラムが来たら、手当を受けて」
 そう言って、部屋を出ようとすると、レイチェルがくい、と袖を引いた。振り向くと、グリーンアイズがこちらを見上げていた。
「なに?」
「あの……」

 レイチェルは頬を赤らめ、唇を震わせた。かと思ったらぶんぶん首を振り、早口で言う。
「ど、どうして、言葉が通じるのかしら!」
 バアルは目を瞬いた。
「どうしてって……」
「バベルの塔は、壊れてしまったのに」
「でも、君はこちらにこれたんだろう?」
「まだ、塔は機能してるってこと……?」
「ああ」

 そうなの、とレイチェルはつぶやいた。バアルは、真っ赤な瞳で、掴まれたままの袖口を見下ろす。
「離してもらっていい?」
「え、ええ」
 彼女が袖を離す。まだ何か言いたげにしているレイチェルの髪を撫で、バアルは部屋を出た。


 ◇


 ――あなたが好きって、言えなかった。レイチェルはベッドに座り、自分の膝に置いた手を開閉していた。ノックの音がして、慌てて返事をする。
「はい」

 洗面器を抱えたバラムが、トコトコ中に入ってくる。冷やした水に布をひたし、絞ってレイチェルに差し出す。
「ありがとう」
 レイチェルはそれを受け取って、頬にあてた。――きもちいい。 

 バラムはベッドにぴょん、と飛び乗って、レイチェルの背中や腕に触れる。それから、泣く真似をしてみせた。「他にケガしていないか」と聞きたいらしい。
「だいじょうぶよ」

 本当はルイスに引っ張られた頭皮がずきずき痛んでいたが、そんなことを言ったらバラムが心配するから黙っておく。
 冷やした布を洗面器に戻すと、バラムが首を振って、布をあてる。

「もっと冷やせってこと?」
 こくこく頷いたバラムに頬を緩め、レイチェルは子ぐまを抱きしめた。バラムは照れくさそうにもがく。
「だいすきよ、バラム」
 バラムには、簡単に言えるのに。
「どうして言えないのかな」

 子ぐまは不思議そうにこちらを見ている。レイチェルはじっとバラムを見つめ、
「大好きよ、バアル」
 言ってから、かあっと顔が熱くなる。バラムも顔を赤くして、顔を覆った。

「ご、ごめんね」
 レイチェルはそう言って、バラムを離した。子ぐまはぴょん、とベッドから降りて、レイチェルを見上げる。
 レイチェルは指を立て、
「今の、バアルには秘密よ」
 子ぐまは口に手を当て、こくこく頷いた。





 翌朝起きだしたレイチェルは、怒った猫のような声を聴いて、窓の外を見た。頭が二つの鳥が、やかましく鳴いている。レイチェルと目があうと、より一層鳴き声がひどくなった。もしかして、威嚇しているんだろうか……。敵意がないことを示してみよう。

 レイチェルが笑みを浮かべて手を振ると、鳥が鳴きやんだ。なんだかぼうっとした目でこちらを見ている。――すごく見られてて気まずいし、着替えるからカーテンを閉めよう。
 とりあえず、とレイチェルは思う。
 帰ってきたのだ、バビロンに。


 階下に降りていくと、バアルがすでに席についていて、紅茶を飲んでいた。
「おはよう」
 挨拶すると、ルビーのような瞳がこちらを向く。
「ああ」
「今日は早いのね」
「鳥がやかましくて目を覚ました」
 バアルはそう言って、パンに手を伸ばす。
「あの鳥、なんていう悪魔なの?」
「ストラス」

 へえ、そうなの。相槌を打ちかけて、レイチェルは口を閉ざす。──聞かないと。私、ここにいていい? あなたの側にいていい? あなたがすきなのって、言わないと。
「あの」

 レイチェルが口を開きかけたとき、バラムが皿を手にててて、と寄ってきた。レイチェルとバラムに、それぞれ手渡す。レイチェルは皿を受け取り、ありがとう、と微笑んだ。
 ──無事を確かめるために来たんだろう。早く人間界に帰れ。
 そう言われたらどうしよう。さっきまで言おうとしていた言葉が消えていってしまうようだ。

 レイチェルとバアルは、朝食を終え、食後のお茶を飲んでいた。二人きりだと妙に緊張してしまい、レイチェルは皿洗いを終えたバラムを膝に乗せていた。ふわふわで癒される。バアルは横目でこちらを見て、
「なんども言うが、それは君のぬいぐるみじゃない」
「いいじゃない。私はバラムが好きなの」
 バアルの眉が少し寄る。

「……バラム、洗濯は終わったのか?」
 慌てて膝から降りようとしたバラムを、レイチェルはぎゅっと抱きしめた。
「バラムに命令しないで。あとで私がやるわ」
「君は客だ。その必要はない」
「だってかわいそうだわ、休む暇もなくて」
「なるほど、君には一日中熊を見てる暇があるからな」
「なに、その言い方」

 言い合いを始めたバアルとレイチェルを、バラムがハラハラと見ている。
 その時、険悪な空気を打ち破るように、ノックの音がした。バラムがレイチェルの膝から降りて、ててて、と玄関に向かう。しばらくして、背の高い男を伴い戻ってくる。

「やあやあこんにちは!」
 男が陽気に手を挙げた。視線を動かしたバアルが、目を見開く。
「おまえ……」
「どうも! 悪魔建築士のマルファスです」
  レイチェルはやけに賑やかな男を見ながらバアルに視線を向けた。

「知り合い?」
「ソロモン七二柱のひとりだ。序列39位のマルファス。職能は建築──人間の世界で建築詐欺を働いてたんじゃないのか?」
 ――え? 詐欺?

「まさか! ここ、バビロンこそが我がホーム。ああ友よ、今こそ君の力が必要なんです」
「誰が友だ、気色が悪い」
 バアルは冷たい声で言う。マルファスはにこやかに、
「相変わらず照れ屋ですね! おや」
 レイチェルを見た。

「おやおやおや、可愛らしいお嬢さんだ。悪魔らしく人間界から強引に攫ってきたんですね、さすが地獄の王バアル、情熱的だ! よろしくお嬢さん」
 差し出された手を、レイチェルは握ろうとしたが、バアルに阻まれた。マルファスがにやにや笑う。
「おや、触るなと? 独占欲が強いですね」

「用件を言え。封印されたいか」
 バアルが指輪をはめた指を突きつけると、
「ああそれは勘弁」
 マルファスは身を震わせてソファに座り、
「バラムくん、コーヒーを頼むよ」
 バラムはバアルを困ったように見る。
「バラムはおまえより位が上なんだぞ。わかってるのか? マルファス」
「ああそうだった! あんまり可愛らしいから忘れてましたよ。じゃあまあコーヒーはいいや」
 マルファスはそう言って懐から図面を取り出し、テーブルに広げた。レイチェルは目を瞬いて、図面を見下ろす。

「これは……」
  悪魔の建築士は片目を瞑った。
「バベルの塔の設計図です☆」
「バベルの塔の設計は今まで明らかになっていなかっただろう……どうやって手に入れた?」
「えー、どうしよっかなあ、知りたい?」
「早く言え」
「企業秘密だから教えませーん」
「封印する」 
   苛ついた顔で指輪をかざしたバアルを、レイチェルは慌ててなだめる。
「ば、バアル、落ち着いて」

 マルファスはパン、と手を叩き、
「さて、設計図はあるし再建は可能なわけです。しかし問題がひとつ」
「なんだ、早く言え」
「人手がたりない、いや悪魔の手がたりないのです!」
 マルファスはハア、とため息をついた。
「どこかの誰かが何十人もの悪魔を指輪に封印したせいで……」
「喧嘩を売りにきたのか。買ってもいいが」
  向けられた指環に、
「いやいや、王に喧嘩など売りませんよ! ただあなたに協力を願いたいのです。封印した悪魔を解放し、バベルの塔の再建に力を貸すよう、命じてほしいのですよ」

 バアルは冷たい声で言う。
「で? 再建成功の暁には、おまえはバビロン政府からなにをもらう」
「そりゃあバビロン紙幣六六六億分……ってやだなあ無償ですよ無償奉仕!」
   マルファスはバアルのまとう冷気に顔をひきつらせた。
「なんでもいいが、協力はできない」
「えっ、なんでです。あなただって、バベルの塔がないと色々不便でしょう」

 バアルの赤い瞳がなぜかこちらを向いたので、レイチェルは首をかしげる。
「……とにかく協力はできない。帰れ」
「そう言わずに。きっとあなたにも報奨金が出ますよ!」
「さっき無償奉仕だと言っただろう、この嘘つきめ。──バラム」
 バアルに名前を呼ばれ、バラムは頷き、ぐいぐいマルファスの背中を押した。

「うわあ、ちょっと、何するんですか、バラム」
 私は諦めませんからね~と言いながら、マルファスは帰っていった。レイチェルはちら、とバアルを見る。
「あの……よかったの?」
「ああ。そもそも、バベルの塔は人間が置いていった遺物だ。無理に直す必要はない。それに……」
「それに?」
 彼は少し黙ったあとに口をひらき、
「悪魔は、基本的に何かを壊すだけの存在だ。人間が作ったものを治すなんて、馬鹿げてる」
「そんなことないわ」

 バアルは首を振って、ソファから立ち上がった。部屋を出て行く彼を、レイチェルはじっと見ていた。
 バラムがとことこ戻ってきて、レイチェルを見上げる。レイチェルは微笑んで、
「なに? バラム」

 こぐまはたたた、とキッチンに向かい、買い物籠を手に戻ってきた。
「買い物に行くの?」
 バラムは頷き、一緒に行こう、とでもいうように、レイチェルのスカートを引っ張る。
「ええ、そうね」
 ここでじっとしていても、きっといいことはないのだ。
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