【完結】侯爵令嬢ガブリエラの災難な結婚 ~ふわふわ王太子に見初められたので婚約破棄を目指します!

三矢さくら

文字の大きさ
46 / 62

44. 解放の命令を下させる

カタリン様、レオノーラ様、それにエルジェーベト様に内廷女官たちも加えて、密かに協議を続ける。


「花冠巡賜を終え、すでに男性と会うこと自体は問題ないと思うわよ?」


カタリン様の言葉に、内廷女官たちが先例を引いて確かめてくれる。

ワルデン公国に、わたし自身が乗り込みたいという意向を伝えると、みなが頭をひねってくれている。

わたしは、アルパード殿下の妃になりたいのだ。

窮屈で堅苦しくても、先例第一のヴィラーグ王国で、大きく先例を踏み外す行いはできない。

花乙女宮にあるまま王権代行者となる、すでに先例にない存在であるわたしなだけに、ここは慎重に検討したかった。


「……いちばんは、王権代行ですわね」


と、レオノーラ様が眉間にシワを寄せ、先例集と睨めっこしてくださる。

国王陛下が外遊される際にも、王妃陛下が王権代行者をお務めになられる。

わたしがワルデン公国に赴いたら、王権代行者を別に置くべきだけど、有資格者がいない。

その上、わたしが何の資格でワルデン公に面会を求めるのか、意味の分からないことになる。


「やあやあ我こそは、王太子アルパード殿下の王太子妃になる予定の者なり!」


外交シーンとして、意味不明に過ぎる。

それに王権代行者の肩書きが取れたら、わたしはホルヴァース侯爵家の令嬢ということになり、国軍を動かす権能も喪失する。


「まあ、でも、ガブもここまでよく我慢したんだし、最後は自分の手でアルパード殿下を取り戻したいよな?」


というリリの言葉に、皆さんが苦笑い気味にうなずいてくださって〈使える先例〉がないか、懸命に探してくださる。

兄ヴィルモシュの卑劣な行いが露見したエルジェーベト様は、肩身が狭そうにされているけど、

カタリン様が背中をバシバシ叩かれては、


「ま、お互いアルパード殿下からのフラれ仲間ってとこでしょ? 仲良くやりましょうよ!」


と、ミア夫人のズケズケがうつったのかというような言葉で、みなを苦笑いさせながら、エルジェーベト様を励まされている。

なんだか、わたしの方が肩身が狭い気がしてしまうので、やめてほしい。

やがて、イロナがホルヴァース侯爵家の先例集から、古い先例の一文を探りあてた。


「……他国に攻め入る奇襲作戦を敢行された、3代王が、王権代行者を置かずに国外に出られています」

「そりゃ、奇襲だものねぇ。わざわざ王権代行者を置いたりしたら『いまから行きます』って言ってるようなもんだし……」


と、カタリン様がうなずかれた。

奇襲……。


「それで、いくか……」


と、わたしもうなずいた。


  Ψ


至急、軍旅のドレスをあつらえる。

腰上がふわっと膨らむバッスルスタイルの白いシルクのティアードスカートは、大海原の波を思わせる。

その上にあわい青色をしたリネンのオーバースカートを重ね、襟元の高いスタンドカラーから、繊細なレースが胸元まで続き、優美な曲線を描き出す。

あわい青。勿忘草の花の色。

袖口には、ふんだんにレースがあしらわれたベルスリーブが、まるで鳥の羽のようにひらひらと揺れる。

ウエストをほそく際立たせるベルトには、アルパード殿下の瞳を思わせる透んだすみれ色のアイオライトをあしらった。

そして、左胸にはわたしが騎士座にあることを示す徽章が輝く。


「おおっ! 凛々しくて優美だな」


と、リリにからかわれながら、ヴェーラ陛下をお見送りする喧騒にまぎれ、密かに王都を出発する。

王家の国軍1万にも鎧を着けさせない旅装で王都を発たせた。

ホルヴァース侯爵家領で、みなと落ち合い、リュビア公国の港から回漕させていた軍船に乗り込む。


「大丈夫です、ヴェーラ陛下。大きな船は揺れませんから」


と、船酔いに弱いヴェーラ陛下を押し込んで、夜間、ひと目につかないように出港した。

2日の航海で、ワルデン公国に到着し、やはり夜間を選んで河を遡上して、夜明けと同時に主城の前に到着した。

選帝侯カミル閣下からの抗議への対応を協議するため、急きょ帰国していたワルデン公は、兵の大半を東方に残して本領に戻っていると、潜入させていた騎士から報告を受けていた。

突然現れた旅装の軍1万に、街の者たちが驚きの声をあげるなか、ワルデン公国の主城へと入城した。

兵に軍装をとらせなかったのは、侵攻ではなく外交的な訪問であると、ギリギリ言い張れるようにするためだ。

けれど、ワルデン公の主城を守るのは、わずかな衛兵。

城門を閉じる隙さえ与えなかった。

いまごろ、ヴィラーグの王都では、わたしの〈奇襲作戦〉が成功したと布告されているはず。

あとは、ワルデン公に、アルパード殿下の解放を約束させるだけだと、

わたしは意気揚々と乗り込んだ。


  Ψ


わたしとヴェーラ陛下、それにブリギッタ様とで、謁見の間に敷かれた深紅の絨毯を静かに進む。

ブリギッタ様はエルジェーベト様のお母上で、ワルデン公の妹君。道先案内を務めてくださったのだ。


「兄の〈吠え面〉を拝まなくては」


と、快く引き受けてくださった。

3人並んでまっすぐに進み、

ヴェーラ陛下の後ろには、ミア夫人がレトキの紋様が刻まれた弓矢を掲げて付き従われ、

ブリギッタ様の後ろには、ご長男ラヨシュ様が従われている。

まだ11歳のラヨシュ様。

緊張しながら、お母上の近侍を務めようと懸命なお姿が可愛らしい。

そして、わたしの背後には、王笏を緋色のベルベットに包んで捧げ持つ侍女長のイロナが付き従い、

さらにバルバーラがわたしの騎槍ランスを、シャルロタが剣を掲げる。

ワルデン公国の宰相から、


「せめて会見は少人数で……」


と、いまにも泣き出しそうな勢いで頼み込まれたので、ヴェーラ陛下のお取り成しもあって、兵は外に待たせた。

とはいえ、その数1万。

ワルデン公国の主城は、わたしが制圧したも同然の状況だ。

御座でふんぞり返ってわたしを見下ろす、中年の男。

目鼻立ちは整っているけど、ひとつひとつのパーツが大き過ぎる。目は焦点が合っておらず、しまりのない表情。

尊大ぶっていながら組んだ脚をせわしなく揺らす様が、なんとも無様。

両脇にならぶ近侍の騎士たちが青白い顔をして、わたしを睨んでいる。

アルパード殿下を罠に嵌め、あまつさえ捕囚の憂き目にまであわせた謀主、


ワルデン公。


白々しい声を、うわずらせた。


「これはこれは……、レトキのヴェーラ陛下に、わが妹君ブリギッタ。これは一体、なんの騒ぎかな?」


この期に及んで、中央に立つわたしを無視してみせるワルデン公。

ヴェーラ陛下が、可憐な微笑みを浮かべられた。


「ワルデン公、久しいですわね」

「う、うむ……」

「公の目には入らぬようですから、私からご紹介させていただきましょう。……こちらが、ヴィラーグ王国のガブリエラ陛下ですわ」

「さ、左様でありますか」

「公……。いかがなさいますか?」

「いかがとは、……なんですかな?」

「我らはこの場ですべて詳らかにすることも、やぶさかではございませんが……、帝国貴族にして領邦君主たる公の名誉に傷を入れるのは忍びないと、ガブリエラ陛下が申されているのですよ?」

「は、はて……、なんの話であろうか?」


顎をしゃくり、声をうわずらせたワルデン公が近侍の騎士に目をやった。

刹那。騎士が抜いた剣を、両断する。

次々に抜かれるワルデン公の騎士たちの剣を、1本ずつ丁寧に叩き斬り、すべて投げ上げて、

ワルデン公の足元に突き刺してやった。

シャルロタから剣の鞘を受け取りながら、冷えた視線をワルデン公に突き刺す。


「お初にお目にかかります。ガブリエラにございます。貴公は騎士にもロクな剣を持たせておられぬご様子。これでは、戦場での働きも知れようというものですわね」

「ぬ……、ぐっ」

「公……、わたしは怒っております。今すぐ、アルパード殿下解放のお指図を」


剣を鞘にしまい、ワルデン公をツンと睨みつける。

ブリギッタ様が、フフンと笑われた。


「兄上? なにを往生際の悪い。ガブリエラ陛下は、アルパード殿下さえ解放すれば、兄上の犯した愚かな罪は不問にしても良いと仰ってくださっているのですよ?」

「ぐっ……。ブリギッタ、お前それが兄に対する口のきき方か?」

「口のきき方などと言うのは、中身が薄っぺらな証拠のようなもの」

「なんだと?」

「……ここにおるのは、可憐な女子のみに幼い甥がひとり。それを、騎士に剣を振るわせ言うことをきかせようとは、みっともないにも程があります。まして、すべてガブリエラ陛下に叩き折られたとは末代までの恥。オステンホフ家の名に泥を塗ったも同然でございます」

「ブリギッタ様、お言葉ですがそれは違います」


と、わたしは真面目な顔を向けた。


「わたしは叩き折ったのではなく、叩き斬ったのです」

「あら、これは失礼を」

「ホルヴァース侯爵家が誇る名剣。なまくらの剣を何本斬ろうとも、斬れ味が落ちることはございません。たとえ、あといくつか首を落とそうとも」


ニッコリと微笑む。

分かりやすく品のない脅しだけど、ワルデン公とその騎士たちには効果てきめんだ。

その場でカタカタと震えはじめた。


「あらあら、私も弓矢の腕前を披露出来るかと思っておりましたのに、ガブリエラ陛下の速さには敵いませんでしたわ」


と、ヴェーラ陛下が奥ゆかしい微笑みを浮かべられる。


「それはまたぜひ、狩りでもご一緒に」

「あら、嬉しい。ぜひ一度、レトキの山々にも足をお運びくださいませ。アルパード殿下もご一緒に」

「はいっ! それは楽しみになりました!」

「肉厚な、野生のトナカイが狩れますのよ?」

「トナカイですかぁ~!?」

「脂身が少なくて、美容にも良いとされていますの」


キャッキャっと、女子のお喋りを見せつけて、ワルデン公の反応を窺う。

けれど、身体を小刻みを震わせ、わたしを睨みつけたまま動こうとしない。


――脅しが過ぎたか?


アルパード殿下が、ここにはいらっしゃらないことは分かっている。

ワルデン公から配下の者に、解放の命を発せさせないといけない。

しかも、ワルデン公はエルハーベン帝国の領邦貴族。皇帝の臣下だ。

事態をこれ以上に拡大させないよう、迅速に事を決する必要がある。

次はどう説得し交渉しようかと、わたしがヴェーラ陛下と目配せし合ったとき、

わたしたちの背後から、やさしく慈悲深い声が吹き抜けていった。


「ワルデン公に掛け合っても、無駄なことのようです」


たなびくハニーブロンド。

国に残られたはずのエルジェーベト様のお姿に、


――罠だったか?


と、わたしは身構えた。

けれど、ヴェーラ陛下は落ち着いたご様子で、恭しく会釈をされる。


「これはこれは、シュルテン公妃のヨゼフィーネ妃殿下ではございませんか?」


シュルテン公妃?

シュルテン公国は、ここからずっと北にある帝国の領邦だったはず。

そして、ブリギッタ様も女性に恭しく拝礼を捧げられた。


「……お初にお目にかかります。さきのカールマーン公爵ガーボルの継室、ブリギッタと申します」

「そう、貴女が……」

「ガーボルの妹君、ジュゼフィーナ様にございますわね?」


ブリギッタ様が〈ジュゼフィーナ〉と呼ばれたハニーブロンドの女性が、寂しげに微笑まれた。


「……その名で呼ばれるのは久しぶりです。いまは、シュルテン公妃ヨゼフィーネと名乗っておりますの」


エルジェーベト様に瓜二つの慈悲深い微笑みで応えられる、ジュゼフィーナ様。


――カールマーン家のジュゼフィーナ殿は他国に嫁がれ、その後は一度も帰国されておらぬ。名も当地風に改められたと聞く。


フランツィスカ陛下が儚げにつぶやかれたお言葉が、耳に蘇る。

エルジェーベト様の叔母にあたられる、ジュゼフィーナ様は眉根を寄せられ、ご表情に愁嘆の色を明らかにされた。


「けれど……、フランツィスカ陛下は私の大切な友。そのご子息の受難に駆け付けた私は、ジュゼフィーナなのでしょう」

「……慈悲深きお心。フランツィスカ陛下も、さぞお喜びになられることでしょう」


ブリギッタ様のお言葉に表情を和らげられたジュゼフィーナ様が、わたしに視線を向け、カーテシーの礼を執ってくださった。


「ガブリエラ陛下ですわね。ヨゼフィーネ・フルスタール、……嫁ぐ前のもとの名はジュゼフィーナ・カールマーンにございます」


そして、上げられたジュゼフィーナ様のお顔は険しく怜悧だった。


「……卑劣漢ワルデン公は、すでにアルパード殿下の身柄を売り渡しました」

「えっ!? ……売った!? 誰に!?」


エルジェーベト様によく似た慈悲深いお顔立ちに、憤怒の色が乗る。

すさまじい迫力に、一瞬、わたしまで気圧されてしまった。


「ワルデン公が売り渡した先は……エルハーベン皇帝、アルブレヒト3世陛下。その人にございます」

「皇帝……陛下、に……、売った」


わたしは、愕然と立ち尽くした。
感想 3

あなたにおすすめの小説

地味で役に立たないと言われて捨てられましたが、王弟殿下のお相手としては最適だったようです

阿里
恋愛
「君は地味で、将来の役に立たない」 そう言われ、幼なじみの婚約者にあっさり捨てられた侯爵令嬢の私。 社交界でも忘れ去られ、同情だけを向けられる日々の中、私は王宮の文官補佐として働き始める。 そこで出会ったのは、権力争いを嫌う変わり者の王弟殿下。 過去も噂も問わず、ただ仕事だけを見て評価してくれる彼の隣で、私は静かに居場所を見つけていく。 そして暴かれる不正。転落していく元婚約者。 「君が隣にいない宮廷は退屈だ」 これは、選ばれなかった私が、必要とされる私になる物語。

魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――

ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。 魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。 ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。 誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。

一度目で黒狼公に討たれた私ですが、二度目の夜はお父様のそばでしか眠れません

師走
恋愛
八歳の冬、リリア・ヴァルグレイは父に殺された。 王国最強の討魔貴族――黒狼公レオンハルト・ヴァルグレイ。 人にも魔にも容赦のないその男は、黒花の災厄に呑まれかけた実の娘を、自らの手で討ったのだ。 けれど次に目を覚ました時、リリアは赤ん坊に戻っていた。 もう二度と、お父様に剣を向けられたくない。 そう願うのに、夜になるとまた黒花の囁きが忍び寄る。甘くやさしいその声は、孤独な心に触れて、静かに破滅へと導こうとする。 そして、その囁きがぴたりと止むのは――世界でいちばん怖いお父様のそばだけだった。 一度目の父は、同じ城で暮らしていても遠い人だった。 リリアを見ない。抱かない。呼びもしない。 そのくせ二度目の父は、相変わらず冷たいまま、なぜか夜ごとリリアを放っておいてくれない。侍女を替え、部屋を守らせ、怯えて眠れない娘を黙って自分の近くへ置いてしまう。 人にはあれほど容赦がないのに、リリアにだけ少しずつおかしくなっていく。 怖い。近づきたくない。 それでも、その腕の中でしか眠れない。 またあの冬が来る。 また同じように、黒花はリリアを呑み込もうとするかもしれない。 今度こそ囁きに負けないために。今度こそ父に剣を抜かせないために。 一度目で父に討たれた娘は、二度目の人生でもっとも恐ろしいその人のそばへ、自分の意志で手を伸ばしていく。 小説家になろう様でも掲載中

【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない

ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。 公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。 旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。 そんな私は旦那様に感謝しています。 無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。 そんな二人の日常を書いてみました。 お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m 無事完結しました!

【完結】「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

〖完結〗終着駅のパッセージ 

苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。 その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。 婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。 孤独な結婚生活を送る中。 ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。 始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。 他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。 そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。 だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。 それから一年ほどたった冬の夜。 カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。 そこには彼の想いが書かれてあった。 月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。 カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。 ※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。 ※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。 稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。

婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~

白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」  枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。  土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。  「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」  あなた誰!?  やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!  虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。

「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い

腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。 お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。 当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。 彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。