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110.立ち昇る熱気(1)
タシュッ! タシュッ! タシュッ! タシュッ!
俺が構えた連弩から放たれた矢が、次々に的を射抜くと、大きなどよめきが起きた。
次に、一見すると荒事とは縁遠く見える、スリットの入った紫のドレス姿のツイファさんに、試射をお願いする。
タシュッ! タシュッ! タシュッ! タシュッ!
同じ様に的が射抜かれ、どよめきは、さらに大きなうねりとなって広がった。
宮城の南側にある広場に、ジーウォ城に残る住民と剣士、総ての人に集まってもらっている。
皆は知らないけど、実はメチャクチャに強いツイファさんに試射をお願いしたのは、少しインチキのような気もする。
けど、連弩の威力を知ってもらうには最高のパフォーマンスになった。
大浴場でシーシにお願いした日から、昼間はずっとシーシの工房に籠りきりで、連弩づくりに明け暮れた。
弓に箱が付いてるって、おぼろげな記憶だけが頼りで始めた連弩づくりだけど、当然、なかなか上手くいかない。
ダンボールとかあれば試作もしやすいんだけど、そんなものはない。いちいち、木を切り出して組み立てる。
「結局、弦をどう引くかだね」
と、シーシが言ったのは工房に籠って2日目のことだった。
毎朝の大浴場でも、背中で滑るシーシと、あーでもない、こーでもないと議論しながら、左腕はメイファン、右腕はミンユーにはさまれて、弓のことを教えてもらう。
担当が固定されると、皆がヤキモチを焼くのでは? なんて思ったけど、完全に自意識過剰だった。皆、いつも通りキャッキャしている。少し、恥ずかしい。
メイファンとミンユーに教えられて、狩人さんたちが使ってる弓は全部、自分に合せて作った手製だということを初めて知った。
それも、結構、手が込んでる。木材だけじゃなくて、動物の腱や、骨を貼り合わせた複雑な構造をしていた。
シーシも初めて知るらしく、目を輝かせて聞いていたけど、本来の作り方だと貼り合わせるノリを乾かすのに数ヶ月かかることもあるらしい。
ただ、そこは天才ツルペタ姉さん。やや性能は劣るけど、ほぼ同等のモノをあっという間に作ってくれた。
広いシーシの工房の中では、ミンリンさんが考案してくれた、車輪付きの荷運び櫓も組み上げられていく。
櫓と呼んでるけど、出来上がってみれば日本でよく見かける工事用の足場のような外見に仕上がっていく。木材の使用を極力節約してくれていることが分かる。
俺が工房に籠って3日目には、短弓隊が20小隊編成されて、短弓が使える狩人さんは、ほぼフル稼働になった。
これ以上に小隊を編成するには、素人が短弓を使えるようになるか、連弩を完成させるかしかない。
大浴場では背中にシーシ、左腕にメイファン、右腕にミンユーという日々が続いたけど、湯船に浸かるときには出来るだけ皆と話をするように心がけた。
湯船に浸かるクゥアイは、今日もニコニコと健康的に可愛らしい――。
俺が構えた連弩から放たれた矢が、次々に的を射抜くと、大きなどよめきが起きた。
次に、一見すると荒事とは縁遠く見える、スリットの入った紫のドレス姿のツイファさんに、試射をお願いする。
タシュッ! タシュッ! タシュッ! タシュッ!
同じ様に的が射抜かれ、どよめきは、さらに大きなうねりとなって広がった。
宮城の南側にある広場に、ジーウォ城に残る住民と剣士、総ての人に集まってもらっている。
皆は知らないけど、実はメチャクチャに強いツイファさんに試射をお願いしたのは、少しインチキのような気もする。
けど、連弩の威力を知ってもらうには最高のパフォーマンスになった。
大浴場でシーシにお願いした日から、昼間はずっとシーシの工房に籠りきりで、連弩づくりに明け暮れた。
弓に箱が付いてるって、おぼろげな記憶だけが頼りで始めた連弩づくりだけど、当然、なかなか上手くいかない。
ダンボールとかあれば試作もしやすいんだけど、そんなものはない。いちいち、木を切り出して組み立てる。
「結局、弦をどう引くかだね」
と、シーシが言ったのは工房に籠って2日目のことだった。
毎朝の大浴場でも、背中で滑るシーシと、あーでもない、こーでもないと議論しながら、左腕はメイファン、右腕はミンユーにはさまれて、弓のことを教えてもらう。
担当が固定されると、皆がヤキモチを焼くのでは? なんて思ったけど、完全に自意識過剰だった。皆、いつも通りキャッキャしている。少し、恥ずかしい。
メイファンとミンユーに教えられて、狩人さんたちが使ってる弓は全部、自分に合せて作った手製だということを初めて知った。
それも、結構、手が込んでる。木材だけじゃなくて、動物の腱や、骨を貼り合わせた複雑な構造をしていた。
シーシも初めて知るらしく、目を輝かせて聞いていたけど、本来の作り方だと貼り合わせるノリを乾かすのに数ヶ月かかることもあるらしい。
ただ、そこは天才ツルペタ姉さん。やや性能は劣るけど、ほぼ同等のモノをあっという間に作ってくれた。
広いシーシの工房の中では、ミンリンさんが考案してくれた、車輪付きの荷運び櫓も組み上げられていく。
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俺が工房に籠って3日目には、短弓隊が20小隊編成されて、短弓が使える狩人さんは、ほぼフル稼働になった。
これ以上に小隊を編成するには、素人が短弓を使えるようになるか、連弩を完成させるかしかない。
大浴場では背中にシーシ、左腕にメイファン、右腕にミンユーという日々が続いたけど、湯船に浸かるときには出来るだけ皆と話をするように心がけた。
湯船に浸かるクゥアイは、今日もニコニコと健康的に可愛らしい――。
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