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164.賑わい大浴場(2)
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「お、お三方には【重臣会同】に出席していただきます……」
と、俺の上を滑らせるアスマ達に告げた。
――ぽにゅ(背中/上)。
――むにんっ(左腕/下)。
――ぱむっ(右腕/下)。
「すまんが……」
と、アスマが言った。
「会同とは何だ?」
――むにんっ(左腕/上)。
「あ、ですよね。実は俺もよく分かってないんですけど、要するに会議です。ジーウォの重臣10名が集まって話し合う会議のことです」
――ぱむっ(右腕/上)。
「ジーウォ公は、よく分からない言葉を使っているのか……?」
と、マリームが怪訝そうに尋ねた。
――ぱむっ(右腕/下)。
「あ、うん。前は【三卿一亭の会同】って言って、もっと訳が分からなかったんだけど、城の皆さんには馴染のある言葉みたいだし、無理して変えることないかなって思って」
「なんと……」
――ぱむっ(右腕/上)。
「いい加減な……」
と、マリームは呆れたように言った。
「ははっ。そうだね。だけど、何もかも俺基準に変えてしまわなくても、いいと思うんだ。ちゃんと意味を聞いてない俺もいい加減だけど、皆が大事に守って積み重ねてきたことだと思うから、変えなくてもいいことは、変えずに置いておきたかったんだよ」
――むにんっ(左腕/上)。
「うむ。さすが、ジーウォ公」
と、アスマが感慨深げに頷いた。
――むにんっ(左腕/下)。
「ご自身の考えを押し通すだけではなく、相手の大切にしてきたものも、一緒になって大切になされる」
アスマは何度も小さく頷きながら滑らせてる。
――むにんっ(左腕/上)。
「私は、そういうところに惚れたのだ」
「え?」
「あ……」
はさんだままで固まったアスマと目が合った。
ポンッと、アスマの顔が真っ赤に染まった。
いやいや、そんな……。いやいや、そんな……。はさんだままで、急にそんなこと言われましてもですね……。
と、その時シーシが、泡だらけのままでアスマに後ろから抱き着いた。
「ニシシッ!」
「なっ……!」
「大丈夫なのだ! 大浴場にいる皆、マレビト様のことが大好きなのだ!」
シーシはアスマの背中で、くにっくにっと、俺にするように泡だらけの身体を滑らせてる。
「初めは皆、シキタリに従ってただけなのだ! けど、今は違うのだ! 皆、マレビト様のことが大好きで、マレビト様に身体を捧げることは、心からの望みになってるのだ! 女王様が惚れても、なんの問題もないのだ! ニシシ」
「そ、そうか……」
「でも、なかなか純潔は受け取ってもらえないのだ」
「う、うむ……」
「でも、そんなマレビト様だから、皆、もっと好きになってしまうのだ! ニシシ」
「こ……、これは……」
と、アスマが身体を密着させてるシーシの方に、少し顔を向けた。
「……なんなのだ?」
「乙女の柔肌が滑るというのは……、気持ちの良いものなのだな……」
……じょ、女子同士で、……そういうの。
「そうなのか? ボクはやってもらったことがないから、分からないのだ」
「じゃあ、私がやったげるね! シーシ様!」
と、いつの間にか近付いていたメイファンが、シーシの後ろから抱き着いて、泡だらけの身体を上に下に滑らせ始めた。
「……う、うん! ほ、ほんとだったのだ! き、気持ちいいのだっ!」
シーシさん、赤くなって固まってるじゃないスか……。
……って、マリームの後ろにはシュエンが抱き着いてるし、ラハマの後ろにはユーフォンさんが抱き着いてるし。
ていうか、大浴場中で女子同士が、むにゅん、むにゅう、泡だらけに滑らせ合ってキャッキャやり始めてるし……。
……な、なんだこれ。スゴい景色のような気もするんですけど。
大浴場、始まって以来の賑わいの中、俺だけ、ちょっぴり置いてけぼりにされてた――。
みんな、楽しそうだし、ま、いっか……。
と、俺の上を滑らせるアスマ達に告げた。
――ぽにゅ(背中/上)。
――むにんっ(左腕/下)。
――ぱむっ(右腕/下)。
「すまんが……」
と、アスマが言った。
「会同とは何だ?」
――むにんっ(左腕/上)。
「あ、ですよね。実は俺もよく分かってないんですけど、要するに会議です。ジーウォの重臣10名が集まって話し合う会議のことです」
――ぱむっ(右腕/上)。
「ジーウォ公は、よく分からない言葉を使っているのか……?」
と、マリームが怪訝そうに尋ねた。
――ぱむっ(右腕/下)。
「あ、うん。前は【三卿一亭の会同】って言って、もっと訳が分からなかったんだけど、城の皆さんには馴染のある言葉みたいだし、無理して変えることないかなって思って」
「なんと……」
――ぱむっ(右腕/上)。
「いい加減な……」
と、マリームは呆れたように言った。
「ははっ。そうだね。だけど、何もかも俺基準に変えてしまわなくても、いいと思うんだ。ちゃんと意味を聞いてない俺もいい加減だけど、皆が大事に守って積み重ねてきたことだと思うから、変えなくてもいいことは、変えずに置いておきたかったんだよ」
――むにんっ(左腕/上)。
「うむ。さすが、ジーウォ公」
と、アスマが感慨深げに頷いた。
――むにんっ(左腕/下)。
「ご自身の考えを押し通すだけではなく、相手の大切にしてきたものも、一緒になって大切になされる」
アスマは何度も小さく頷きながら滑らせてる。
――むにんっ(左腕/上)。
「私は、そういうところに惚れたのだ」
「え?」
「あ……」
はさんだままで固まったアスマと目が合った。
ポンッと、アスマの顔が真っ赤に染まった。
いやいや、そんな……。いやいや、そんな……。はさんだままで、急にそんなこと言われましてもですね……。
と、その時シーシが、泡だらけのままでアスマに後ろから抱き着いた。
「ニシシッ!」
「なっ……!」
「大丈夫なのだ! 大浴場にいる皆、マレビト様のことが大好きなのだ!」
シーシはアスマの背中で、くにっくにっと、俺にするように泡だらけの身体を滑らせてる。
「初めは皆、シキタリに従ってただけなのだ! けど、今は違うのだ! 皆、マレビト様のことが大好きで、マレビト様に身体を捧げることは、心からの望みになってるのだ! 女王様が惚れても、なんの問題もないのだ! ニシシ」
「そ、そうか……」
「でも、なかなか純潔は受け取ってもらえないのだ」
「う、うむ……」
「でも、そんなマレビト様だから、皆、もっと好きになってしまうのだ! ニシシ」
「こ……、これは……」
と、アスマが身体を密着させてるシーシの方に、少し顔を向けた。
「……なんなのだ?」
「乙女の柔肌が滑るというのは……、気持ちの良いものなのだな……」
……じょ、女子同士で、……そういうの。
「そうなのか? ボクはやってもらったことがないから、分からないのだ」
「じゃあ、私がやったげるね! シーシ様!」
と、いつの間にか近付いていたメイファンが、シーシの後ろから抱き着いて、泡だらけの身体を上に下に滑らせ始めた。
「……う、うん! ほ、ほんとだったのだ! き、気持ちいいのだっ!」
シーシさん、赤くなって固まってるじゃないスか……。
……って、マリームの後ろにはシュエンが抱き着いてるし、ラハマの後ろにはユーフォンさんが抱き着いてるし。
ていうか、大浴場中で女子同士が、むにゅん、むにゅう、泡だらけに滑らせ合ってキャッキャやり始めてるし……。
……な、なんだこれ。スゴい景色のような気もするんですけど。
大浴場、始まって以来の賑わいの中、俺だけ、ちょっぴり置いてけぼりにされてた――。
みんな、楽しそうだし、ま、いっか……。
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