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3章
9.ご褒美3-3
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「っ……」
その時、近くで小さく息を呑む声が聞こえる。そして、先ほどまで俺の中を蹂躙していたアルヴェンの動きが止まる。
やっと与えられた休息を味わうように肩を上下させながら、歪んだ視界でアルヴェンを見た。その瞬間、ぞくりと背筋が震えて全身の肌が粟立つのを感じた。
「──ああ」
アルヴェンの口元が緩んで、熱を孕んだ呼気が漏れる。こちらを捉える金の瞳の奥には荒れ狂うような熱が渦巻いている。それは普段より濁っていて、見つめるだけで取り込まれてしまいそうな恐ろしさがあった。
「そうやって、泣いてくれ……俺は、そういうあんたが見たい」
アルヴェンの頬は仄かに赤く染まり、万人が魅了されるような艶やかな微笑みを浮かべる。しかし、口にした言葉から嗜虐性を感じ取れて、俺は非難を込めて睨みつけることしかできない。ただ潤んだ瞳で睨みつけても迫力がないのは自分でもわかっている。
アルヴェンはそんな俺の目線を受け、小さく笑うと同時にベッドに押し付けた。
「あ……ぁっ!」
ベッドの上に仰向けで組み敷かれ、足を大きく開かれたまま覆いかぶさってくるアルヴェンの重みが俺にかかる。先ほどの体勢よりはマシだが、アルヴェンの性器が奥まで入ってくるのは変わらない。
それに足を開かれた格好のまま、アルヴェンに見下ろされるのは先ほどよりも恥ずかしい。耐えきれなくなって顔を横に逸らすが、アルヴェンに顎先を掴まれ強引に前へ向かされる。そして、彼は何を思ったのか、俺の目尻を舐め始めた。
「っふ……何して、るんだ。やめ……ろっ」
思ったより優しく、丹念に俺の流した涙を舌先で舐めて拭う。必死に逃げようにも、既に力が入らない体では何もできない。
「俺のために流してくれた涙だろ……だったら、全部欲しい。これも俺のものだ、っ」
「……お前は、犬か……っやめ、ひぁっ!」
俺がやめろと言い切る前に、アルヴェンが抽挿を開始する。肌がぶつかり合う音と卑猥な水音が再び室内に響き渡る。先程と変わらず暴力的な快楽を与えられると、俺は背を反らして口からは甘い嬌声が零れる。
「っふ……もっと、泣いてくれ。泣き顔を見せてくれ……っ」
「あぁ、あっ! ひ……それいじょう、むりっ、ぁあ、っ」
腰を掴まれ、肌を叩きつけるように突き上げられて、止まらない気持ちよさに俺の頭は馬鹿になりそうだ。一度涙腺が緩んだせいか、涙が次々と溢れてくる。その度にアルヴェンが舐めて、拭う。その際に額に汗を浮かべながら、欲情しきった表情を浮かべて近づいてくる。
「サタリア……っ、サタリア」
眉を顰めながら余裕のないアルヴェンの声が俺の名前を何度も呼ぶ度に、愛していると言われているような錯覚に陥る。その度に俺の心臓がきゅっと締め付けられて、堪らなくなる。
わかっている。もう認めよう。
演技が好きだとしても、俺の出来る範囲は決まっている。こんな風にアルヴェンを受け入れられるのも、受け入れたいのも。
──俺が、アルヴェンを好きになったからだ。
でもそれを、口にする訳にはいかない。この想いはこれから先の没落には必要のないものだから。そして、俺は器用じゃないから口にしてしまえばそれが枷になって、これから先邪魔になるかもしれない。
だから、もしそれを言えるとすれば、それはきっとラクトフェル家が没落した後だろう。
──全部終わっても、アルヴェンが俺の側にいてくれるなら、その時は。
俺は両腕を、アルヴェンの方へと伸ばして縋りつく。
「ぁ、あっ、ある、アルヴェン……っ!」
アルヴェンと目が合った瞬間、一瞬だけ苦しそうに眉を顰めてから大きく口を開いて俺の首筋に噛みつく。鋭い痛みを感じるが、おかしくなった頭と体はそれすらも快楽として処理する。更に、アルヴェンの手が俺の性器を握って擦り上げる。
「それ……されたら、イくっ、出る出ちゃうからぁ、っ!」
「っく、俺も、出るから……っ」
涙声になりながら必死に訴えると、余裕のないアルヴェンの声が返ってきて心臓がきゅっと締まる。段々と激しくなる抽挿に、がくがくと体を揺さぶられながら俺は必死にアルヴェンに縋りついて迫りくる絶頂に、足の指先を丸めて震える。
「あっ……あ、ああっあ!」
「……っあ、く」
俺はイク瞬間に背を反らして、全身を震わせながら性器から白濁の液を吐き出した。先ほど出したせいか勢いはそこまでなかったが、吐き出した精液はアルヴェンの手を汚していく。同時に中へと吐き出されたアルヴェンの精液を感じて、思わず鼻から抜ける声が出る。
暫くは互いの荒い呼吸だけが聞こえなくて、思考もどこか鈍い。呆然としていると、腹部がじんわりと熱くなるのを感じた。
「……ぁっ、腹が、熱い……」
アルヴェンに出された精液のせいだが、思わずそれが口からついて出た。その時、ふと気づいた。
「っひ、お前、待て、無理だ……っ」
「……っふ、何が無理なんだ。サタリア」
「なんで、大きくなってるんだ、この……んぁ、あっ!」
俺の中に収まっていたアルヴェンの性器の質量が段々と増していき、硬度さえも取り戻しているのがわかって俺は恐怖から背筋が震える。対してアルヴェンはどこか楽しそうな声で、一気に俺の中から性器を引き抜いた。
その衝撃に、俺の体は小さく跳ねて一瞬意識が遠のく。その間に、アルヴェンは何を思ったのか俺の体をひっくり返すと、再び伸し掛かってくる。
「……ぁ、うそ。むり、やめろ……っ」
俺は足を閉じてうつ伏せにベッドに寝転がったままで見えないが、後孔に押し付けられた硬い熱がなんなのか、もう知っている。
そのまま入口を抉じ開けながら、先ほどよりもゆっくりと中に入ってくる。そのせいでアルヴェンの形がよくわかって、無意識にきゅっと締めつけてしまう。
「んん……あ、あ、あっ」
寝転がったままで背後から体重をかけられているせいで、どこにも逃げられない。ベッドに顔を埋めながら籠った声が辺りに響く。
「っは……全部、入った」
「ふ……っぁ、んんっ、あっ」
奥まで入りきったアルヴェンの熱が苦しくて、心地がいい。気持ち良さが脳内まで侵攻してきて、思考がまとまらない。そんな俺を正気に戻すかのようにぴりっとした痛みを背中に感じた。そこをアルヴェンが噛んだんだと、その痛みをまるで他人事のように理解した。
「ほんとに……もっ、むりだから……ひ、あっ! あっ!」
やはりアルヴェンは俺の言葉を一切聞かない。自分が止まらないことをわからせるように、俺の言葉を遮り動き始める。アルヴェンが上から、俺の奥へ叩きつけるような動きは、気持ち良さしか感じない。
今のアルヴェンは檻から出した獣そのものだ、自分が満足するまで止まる気がないのだとわかる。
でも、きもちいい。きもちいい。だめだこれ、馬鹿になる。
シーツを縋るように握りしめながら、はくはくと必死に息を吸う。そして、頭の中は快楽を追うことしか考えられなくなっていく。
「俺の手の中にあるのは、あんただけでいい。全部……ぜんぶ、だから……っ」
アルヴェンのそんな言葉が聞こえたが、快楽に飲まれていった俺にはその先の言葉は頭に入らなかった。
ただ覚えているのは、そのアルヴェンの声があまりにも悲痛なものに聞こえて、抱きしめてやりたかったことだけだった。
その時、近くで小さく息を呑む声が聞こえる。そして、先ほどまで俺の中を蹂躙していたアルヴェンの動きが止まる。
やっと与えられた休息を味わうように肩を上下させながら、歪んだ視界でアルヴェンを見た。その瞬間、ぞくりと背筋が震えて全身の肌が粟立つのを感じた。
「──ああ」
アルヴェンの口元が緩んで、熱を孕んだ呼気が漏れる。こちらを捉える金の瞳の奥には荒れ狂うような熱が渦巻いている。それは普段より濁っていて、見つめるだけで取り込まれてしまいそうな恐ろしさがあった。
「そうやって、泣いてくれ……俺は、そういうあんたが見たい」
アルヴェンの頬は仄かに赤く染まり、万人が魅了されるような艶やかな微笑みを浮かべる。しかし、口にした言葉から嗜虐性を感じ取れて、俺は非難を込めて睨みつけることしかできない。ただ潤んだ瞳で睨みつけても迫力がないのは自分でもわかっている。
アルヴェンはそんな俺の目線を受け、小さく笑うと同時にベッドに押し付けた。
「あ……ぁっ!」
ベッドの上に仰向けで組み敷かれ、足を大きく開かれたまま覆いかぶさってくるアルヴェンの重みが俺にかかる。先ほどの体勢よりはマシだが、アルヴェンの性器が奥まで入ってくるのは変わらない。
それに足を開かれた格好のまま、アルヴェンに見下ろされるのは先ほどよりも恥ずかしい。耐えきれなくなって顔を横に逸らすが、アルヴェンに顎先を掴まれ強引に前へ向かされる。そして、彼は何を思ったのか、俺の目尻を舐め始めた。
「っふ……何して、るんだ。やめ……ろっ」
思ったより優しく、丹念に俺の流した涙を舌先で舐めて拭う。必死に逃げようにも、既に力が入らない体では何もできない。
「俺のために流してくれた涙だろ……だったら、全部欲しい。これも俺のものだ、っ」
「……お前は、犬か……っやめ、ひぁっ!」
俺がやめろと言い切る前に、アルヴェンが抽挿を開始する。肌がぶつかり合う音と卑猥な水音が再び室内に響き渡る。先程と変わらず暴力的な快楽を与えられると、俺は背を反らして口からは甘い嬌声が零れる。
「っふ……もっと、泣いてくれ。泣き顔を見せてくれ……っ」
「あぁ、あっ! ひ……それいじょう、むりっ、ぁあ、っ」
腰を掴まれ、肌を叩きつけるように突き上げられて、止まらない気持ちよさに俺の頭は馬鹿になりそうだ。一度涙腺が緩んだせいか、涙が次々と溢れてくる。その度にアルヴェンが舐めて、拭う。その際に額に汗を浮かべながら、欲情しきった表情を浮かべて近づいてくる。
「サタリア……っ、サタリア」
眉を顰めながら余裕のないアルヴェンの声が俺の名前を何度も呼ぶ度に、愛していると言われているような錯覚に陥る。その度に俺の心臓がきゅっと締め付けられて、堪らなくなる。
わかっている。もう認めよう。
演技が好きだとしても、俺の出来る範囲は決まっている。こんな風にアルヴェンを受け入れられるのも、受け入れたいのも。
──俺が、アルヴェンを好きになったからだ。
でもそれを、口にする訳にはいかない。この想いはこれから先の没落には必要のないものだから。そして、俺は器用じゃないから口にしてしまえばそれが枷になって、これから先邪魔になるかもしれない。
だから、もしそれを言えるとすれば、それはきっとラクトフェル家が没落した後だろう。
──全部終わっても、アルヴェンが俺の側にいてくれるなら、その時は。
俺は両腕を、アルヴェンの方へと伸ばして縋りつく。
「ぁ、あっ、ある、アルヴェン……っ!」
アルヴェンと目が合った瞬間、一瞬だけ苦しそうに眉を顰めてから大きく口を開いて俺の首筋に噛みつく。鋭い痛みを感じるが、おかしくなった頭と体はそれすらも快楽として処理する。更に、アルヴェンの手が俺の性器を握って擦り上げる。
「それ……されたら、イくっ、出る出ちゃうからぁ、っ!」
「っく、俺も、出るから……っ」
涙声になりながら必死に訴えると、余裕のないアルヴェンの声が返ってきて心臓がきゅっと締まる。段々と激しくなる抽挿に、がくがくと体を揺さぶられながら俺は必死にアルヴェンに縋りついて迫りくる絶頂に、足の指先を丸めて震える。
「あっ……あ、ああっあ!」
「……っあ、く」
俺はイク瞬間に背を反らして、全身を震わせながら性器から白濁の液を吐き出した。先ほど出したせいか勢いはそこまでなかったが、吐き出した精液はアルヴェンの手を汚していく。同時に中へと吐き出されたアルヴェンの精液を感じて、思わず鼻から抜ける声が出る。
暫くは互いの荒い呼吸だけが聞こえなくて、思考もどこか鈍い。呆然としていると、腹部がじんわりと熱くなるのを感じた。
「……ぁっ、腹が、熱い……」
アルヴェンに出された精液のせいだが、思わずそれが口からついて出た。その時、ふと気づいた。
「っひ、お前、待て、無理だ……っ」
「……っふ、何が無理なんだ。サタリア」
「なんで、大きくなってるんだ、この……んぁ、あっ!」
俺の中に収まっていたアルヴェンの性器の質量が段々と増していき、硬度さえも取り戻しているのがわかって俺は恐怖から背筋が震える。対してアルヴェンはどこか楽しそうな声で、一気に俺の中から性器を引き抜いた。
その衝撃に、俺の体は小さく跳ねて一瞬意識が遠のく。その間に、アルヴェンは何を思ったのか俺の体をひっくり返すと、再び伸し掛かってくる。
「……ぁ、うそ。むり、やめろ……っ」
俺は足を閉じてうつ伏せにベッドに寝転がったままで見えないが、後孔に押し付けられた硬い熱がなんなのか、もう知っている。
そのまま入口を抉じ開けながら、先ほどよりもゆっくりと中に入ってくる。そのせいでアルヴェンの形がよくわかって、無意識にきゅっと締めつけてしまう。
「んん……あ、あ、あっ」
寝転がったままで背後から体重をかけられているせいで、どこにも逃げられない。ベッドに顔を埋めながら籠った声が辺りに響く。
「っは……全部、入った」
「ふ……っぁ、んんっ、あっ」
奥まで入りきったアルヴェンの熱が苦しくて、心地がいい。気持ち良さが脳内まで侵攻してきて、思考がまとまらない。そんな俺を正気に戻すかのようにぴりっとした痛みを背中に感じた。そこをアルヴェンが噛んだんだと、その痛みをまるで他人事のように理解した。
「ほんとに……もっ、むりだから……ひ、あっ! あっ!」
やはりアルヴェンは俺の言葉を一切聞かない。自分が止まらないことをわからせるように、俺の言葉を遮り動き始める。アルヴェンが上から、俺の奥へ叩きつけるような動きは、気持ち良さしか感じない。
今のアルヴェンは檻から出した獣そのものだ、自分が満足するまで止まる気がないのだとわかる。
でも、きもちいい。きもちいい。だめだこれ、馬鹿になる。
シーツを縋るように握りしめながら、はくはくと必死に息を吸う。そして、頭の中は快楽を追うことしか考えられなくなっていく。
「俺の手の中にあるのは、あんただけでいい。全部……ぜんぶ、だから……っ」
アルヴェンのそんな言葉が聞こえたが、快楽に飲まれていった俺にはその先の言葉は頭に入らなかった。
ただ覚えているのは、そのアルヴェンの声があまりにも悲痛なものに聞こえて、抱きしめてやりたかったことだけだった。
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