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第四章:事件は竜巻と成る
能力
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……?
登校してすぐ、勇大はクラス内の異変に気づく。
前日と比べ、勇大と咲人を見るクラスの目がガラッと変わったのだ。
皆、気味の悪いものを見るような目で見ている。
少しすると、顔を顰めて黙っていた咲人が口を開いた。
「……勇大、これが、今まで美琴を見てきた皆の目だよ。」
A組の腫れ物ってこういうことか、と勇大は納得した。
しかし、これだけは勇大には分からない。
どうして、バラした覚えもないのに奇妙な目で
見られなくてはならないのか。
すると、咲人がつぶやいた。
その内容に、勇大は耳を疑った。
「……誰かが、俺らの能力をバラした?」
「うん。それしか考えられないでしょ。
……それに、誰がバラしたかというのも、
大体見当はついてる。」
「……アイツらか?」
「そうでしょ。」
美琴は今日は熱を出して休んだ。
今日はクラスだけでなく、校内中で針のむしろだった。
後輩も、高等部の先輩も、勇大や咲人を見て
ヒソヒソ、クスクス。
何か言いたいなら直接言えばいいのに、とも思ったが、
勇大はとにかく他のことを考えて校内の他の人の
ことなんて考えないようにした。
でも。
「……勇大君てば、私達のことを誑かして
食うつもりだったのね。」
「サイテー。妖怪が人間と同じとこに居ないでよ。」
……勇大に近づいてきた女子たちは、次々と
こんな酷い言葉を勇大にぶつける。
それはお前らの妄想に過ぎないんだ、と言いたかったが、
ここは堪えて、とっておきの笑顔を見せてやった。
そして、
「じゃあお前達が俺に近寄らなければ良いだろ。」
と言い放った。
早く咲人と合流して、美琴の見舞いがてらに
おばさん(美琴の母)に今日の事を報告しなくては。
「待ちなさいよ。」
「妖怪の力、ここで私たちに見せてから行きなさい。」
「……は?」
妖怪の能力は基本的にはとても危険で、
人間が耐えられるような力ではない。
「……お前ら死にたいのか?流石にそれは出来ない」
そう言うと女子たちは
「……」
と黙ってしまった。
「俺が妖怪だっていう話、どこから聞いた?」
「……今更違うって言うつもりなの?遅いわよ。」
「その話は本当だ。でもさ、種族が違うだけでその態度は何?後、ちゃんと質問に答えて。」
すると、その女子軍団の中で1番大人しそうなナナという子が口を開いた。
「……実は私、いつも朝早く来てるんだけど、今日はその、
朝早くに教室で予習してたらB組の小野瀬君が来てさ、
勇大君と咲人君の正体は妖怪って言ってて……」
「やっぱりアイツか。」
そしてナナは零れそうな涙をこらえながら、
「その……私のせいで勇大君達がこんな目に……
本当にごめんなさい……」
と嗚咽混じりに言った。
「ちょっと、アンタのせいでナナちゃんが!」
要らん事言ってきたから無視して、
ナナにはちゃんと言わなくてはならないことがある。
「……いや、俺らがずっと黙って何も言わずに
人間のフリしてたからこんなことが起きたんだ。
それは俺らの足りなかったとこだ。
……ちゃんと、本当の事言ってくれてありがとう。ごめんな、泣かせちゃって」
今度はちゃんとした、正真正銘の本当の笑顔で、
ナナに感謝と、謝罪の言葉。
ナナは少し驚いた顔をして、でも優しい目で、
「いえ、勇大君達が私と同じ目に合うのが、
そしてそれを見るのが、とても嫌だったんです。
それと、勇大君が炎虎族と聞きましたが…」
と言い、少し頬を赤らめ、また言った。
「……勇大君、手、温かいね。」
登校してすぐ、勇大はクラス内の異変に気づく。
前日と比べ、勇大と咲人を見るクラスの目がガラッと変わったのだ。
皆、気味の悪いものを見るような目で見ている。
少しすると、顔を顰めて黙っていた咲人が口を開いた。
「……勇大、これが、今まで美琴を見てきた皆の目だよ。」
A組の腫れ物ってこういうことか、と勇大は納得した。
しかし、これだけは勇大には分からない。
どうして、バラした覚えもないのに奇妙な目で
見られなくてはならないのか。
すると、咲人がつぶやいた。
その内容に、勇大は耳を疑った。
「……誰かが、俺らの能力をバラした?」
「うん。それしか考えられないでしょ。
……それに、誰がバラしたかというのも、
大体見当はついてる。」
「……アイツらか?」
「そうでしょ。」
美琴は今日は熱を出して休んだ。
今日はクラスだけでなく、校内中で針のむしろだった。
後輩も、高等部の先輩も、勇大や咲人を見て
ヒソヒソ、クスクス。
何か言いたいなら直接言えばいいのに、とも思ったが、
勇大はとにかく他のことを考えて校内の他の人の
ことなんて考えないようにした。
でも。
「……勇大君てば、私達のことを誑かして
食うつもりだったのね。」
「サイテー。妖怪が人間と同じとこに居ないでよ。」
……勇大に近づいてきた女子たちは、次々と
こんな酷い言葉を勇大にぶつける。
それはお前らの妄想に過ぎないんだ、と言いたかったが、
ここは堪えて、とっておきの笑顔を見せてやった。
そして、
「じゃあお前達が俺に近寄らなければ良いだろ。」
と言い放った。
早く咲人と合流して、美琴の見舞いがてらに
おばさん(美琴の母)に今日の事を報告しなくては。
「待ちなさいよ。」
「妖怪の力、ここで私たちに見せてから行きなさい。」
「……は?」
妖怪の能力は基本的にはとても危険で、
人間が耐えられるような力ではない。
「……お前ら死にたいのか?流石にそれは出来ない」
そう言うと女子たちは
「……」
と黙ってしまった。
「俺が妖怪だっていう話、どこから聞いた?」
「……今更違うって言うつもりなの?遅いわよ。」
「その話は本当だ。でもさ、種族が違うだけでその態度は何?後、ちゃんと質問に答えて。」
すると、その女子軍団の中で1番大人しそうなナナという子が口を開いた。
「……実は私、いつも朝早く来てるんだけど、今日はその、
朝早くに教室で予習してたらB組の小野瀬君が来てさ、
勇大君と咲人君の正体は妖怪って言ってて……」
「やっぱりアイツか。」
そしてナナは零れそうな涙をこらえながら、
「その……私のせいで勇大君達がこんな目に……
本当にごめんなさい……」
と嗚咽混じりに言った。
「ちょっと、アンタのせいでナナちゃんが!」
要らん事言ってきたから無視して、
ナナにはちゃんと言わなくてはならないことがある。
「……いや、俺らがずっと黙って何も言わずに
人間のフリしてたからこんなことが起きたんだ。
それは俺らの足りなかったとこだ。
……ちゃんと、本当の事言ってくれてありがとう。ごめんな、泣かせちゃって」
今度はちゃんとした、正真正銘の本当の笑顔で、
ナナに感謝と、謝罪の言葉。
ナナは少し驚いた顔をして、でも優しい目で、
「いえ、勇大君達が私と同じ目に合うのが、
そしてそれを見るのが、とても嫌だったんです。
それと、勇大君が炎虎族と聞きましたが…」
と言い、少し頬を赤らめ、また言った。
「……勇大君、手、温かいね。」
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