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この気持ちは何だろう
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十日後の作戦実行へ向け、それぞれが自分の役割を果たすべく動き出していた。
ガストンさんは、ギルドへ向かい、作戦に参加する冒険者たちの選定をしにいったみたいだ。果たして、どれだけの冒険者が力を貸してくれるのか……少し不安ではあるけれど、信じて待つしかない。
エスピアさん率いる密偵部隊は、昨夜、アビフ様たちと共にコボルト集落へ向けて出発した。目的は、現地までの道のりの確認だ。予定通りに進めば、明日には戻ってくるらしい。
皆が、それぞれのやり方で前へ進んでいる。ならば俺も、俺にできることを一つずつ、愚直にこなしていこう。
今日も昨日に続き、団子作りの手伝いだ。デュプリケーターできびだんごを複製するには、まず元となる団子を百個ほど用意しなくてはならない。数が多いので少し不安だったけれど、料理に興味を持ったのか、ララも手伝ってくれると言ってくれた。人手が多いに越したことはない。素直に助かる。
「おっはよー、太郎。昨日はホント大変だったんだよ、まったく~」
「す、すみませんでした……」
ふくれっ面で、わざと怒ってみせるチャットさん。そのふざけたような仕草が、なんだか格好よくて、でも可愛くて……。
昨夜の失態への申し訳なさと照れが入り混じって、まともに顔を見られなかった。
「まぁ、初めてのお酒だったし、勧めた僕も悪かったよ。ごめんね、太郎」
「い、いえ、そんな——」
「おはようでーす、チャット!」
「おはよう、ララ」
……えっ⁉ え、えっ⁉ ちょ、なに⁉ なんで二人とも呼び捨て⁉ 俺、まだ呼び捨てしたことないのにぃ~。
「今日はララにも、お団子作り、手取り足取り教えてくださいです~」
「オーケー。じゃあ頑張ろうね!」
そう言って、二人は両手のひらをパチンと合わせあった。
ななな、なんだよそれ……。なんでそんなに仲良い感じになってるんだ⁉
てか……さっきのやつ、俺もやりたいなぁ……なんて。いや、でも俺なんかとはしてくれないか……はぁ~。
自分だけ仲間外れにされたような気がして、急に寂しくなった。けれど、それもほんの一瞬の杞憂だった。
「ほら、大将! 大将も手を出してください! 三人でハイタッチするですよ!」
(きゅわわわ~ん)
ララに促されるまま、両手を前に出した。三人で片手ずつを合わせて、ハイタッチをした。笑顔で手を重ね合ったその瞬間——心の奥がふわっと温かくなった。
あぁ……なんだろう、この気持ち——
「どうしたです、大将? ……ま、いっか。チャット、ララは何すればいいですかー?」
「そうだねー、まずは——」
仲良く団子作りを始めた二人を見て、俺は何とも言えない幸せな気分になった。この感情は何なんだろうか? 友情とも違う感情……もっと柔らかく、温かく包み込まれるような気持ち。
——そうか、これが『愛』なんだ!
今まで『愛』ってのは、特別な誰かを恋しく想う、そんな気持ちだと思っていた。でも、今は違うと分かる。『愛』っていうのは、年齢も性別も立場も超えて、ただ誰かを大切に思う心のことなんだ。
もっとたくさんの『愛』を見つけられるように、これからも頑張っていこう。
その為にも、俺なりの愛情をいっぱい込めて、今日も団子を作っていこう!
「チャット……さん(やっぱ呼び捨てはムリだ……)。今日もよろしくお願いします!」
「うん、よろしくね、太郎!」
ガストンさんは、ギルドへ向かい、作戦に参加する冒険者たちの選定をしにいったみたいだ。果たして、どれだけの冒険者が力を貸してくれるのか……少し不安ではあるけれど、信じて待つしかない。
エスピアさん率いる密偵部隊は、昨夜、アビフ様たちと共にコボルト集落へ向けて出発した。目的は、現地までの道のりの確認だ。予定通りに進めば、明日には戻ってくるらしい。
皆が、それぞれのやり方で前へ進んでいる。ならば俺も、俺にできることを一つずつ、愚直にこなしていこう。
今日も昨日に続き、団子作りの手伝いだ。デュプリケーターできびだんごを複製するには、まず元となる団子を百個ほど用意しなくてはならない。数が多いので少し不安だったけれど、料理に興味を持ったのか、ララも手伝ってくれると言ってくれた。人手が多いに越したことはない。素直に助かる。
「おっはよー、太郎。昨日はホント大変だったんだよ、まったく~」
「す、すみませんでした……」
ふくれっ面で、わざと怒ってみせるチャットさん。そのふざけたような仕草が、なんだか格好よくて、でも可愛くて……。
昨夜の失態への申し訳なさと照れが入り混じって、まともに顔を見られなかった。
「まぁ、初めてのお酒だったし、勧めた僕も悪かったよ。ごめんね、太郎」
「い、いえ、そんな——」
「おはようでーす、チャット!」
「おはよう、ララ」
……えっ⁉ え、えっ⁉ ちょ、なに⁉ なんで二人とも呼び捨て⁉ 俺、まだ呼び捨てしたことないのにぃ~。
「今日はララにも、お団子作り、手取り足取り教えてくださいです~」
「オーケー。じゃあ頑張ろうね!」
そう言って、二人は両手のひらをパチンと合わせあった。
ななな、なんだよそれ……。なんでそんなに仲良い感じになってるんだ⁉
てか……さっきのやつ、俺もやりたいなぁ……なんて。いや、でも俺なんかとはしてくれないか……はぁ~。
自分だけ仲間外れにされたような気がして、急に寂しくなった。けれど、それもほんの一瞬の杞憂だった。
「ほら、大将! 大将も手を出してください! 三人でハイタッチするですよ!」
(きゅわわわ~ん)
ララに促されるまま、両手を前に出した。三人で片手ずつを合わせて、ハイタッチをした。笑顔で手を重ね合ったその瞬間——心の奥がふわっと温かくなった。
あぁ……なんだろう、この気持ち——
「どうしたです、大将? ……ま、いっか。チャット、ララは何すればいいですかー?」
「そうだねー、まずは——」
仲良く団子作りを始めた二人を見て、俺は何とも言えない幸せな気分になった。この感情は何なんだろうか? 友情とも違う感情……もっと柔らかく、温かく包み込まれるような気持ち。
——そうか、これが『愛』なんだ!
今まで『愛』ってのは、特別な誰かを恋しく想う、そんな気持ちだと思っていた。でも、今は違うと分かる。『愛』っていうのは、年齢も性別も立場も超えて、ただ誰かを大切に思う心のことなんだ。
もっとたくさんの『愛』を見つけられるように、これからも頑張っていこう。
その為にも、俺なりの愛情をいっぱい込めて、今日も団子を作っていこう!
「チャット……さん(やっぱ呼び捨てはムリだ……)。今日もよろしくお願いします!」
「うん、よろしくね、太郎!」
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