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8話 呪いの子
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「イルド様ぁ!イルド様!!」
遠くからファランの呼ぶ声にハッとする。
…どのくらい立ち尽くしていた?
「ここだ!!!!」
ぜぇぜぇと息を切らしながら駆け寄って来る。
「さ、探しました。イルド…さまぁ…。」
「すまないな…探させてしまって。」
「はぁはぁ…。全く問題ありません。それよりご無事で何よりで御座います。」
じーんと温かなものが流れてくるような感覚がした。
このように心配してくれたのはイールしかいなかったからだ。
「さぁ戻りましょう。」
「あぁ。」
歩み始めてふとあのユーリの言葉を思い出した。
「なぁファラン。」
「なんで御座いましょうか。」
「…呪いの子…」
ピクッ
「ん?どうした?」
「…いえ…。しかしどこでそのようなお言葉をお耳に?」
眉をよせて引きつった笑顔で問いかける。
「いやさっき…運搬業者の方でそのような話を聞いてな?」
「どこまでお知りに?」
「んー、その単語を知った程度だ。」
「そうですか。なら良いのですが…。」
どういう意味なのか聞きたかったが聞いてはいけない気がして、追求をするのはやめておいた。
◇◇◇
宿に戻り、夕食の準備をする。
ここでふと僕は思った。僕以外は夕食をどうしているのかと。
第4機に食料は持たせているが
保存食なので美味しいかと言えば、美味しくない。
僕だけ宿に泊まって温かい物を食べるなど…。
そう思った僕は大量のご飯を作り、こっそり配りに行くことにした。
容器に小分けして人数分詰めていく。
「これでよし。」
部屋を出るとそこにはフェイが立っていた。
「………外には何用だ。」
今はフェイの護衛時間か?
しまった…完全に計らいをミスってしまったようだ。
「温かい夕食を届けに…。」
そう答えるとあからさまに怪訝な顔をされた。
「私たちのような下民共にそのような恩意はいらない。」
「恩意って…僕も下民と似たようなもんだろ?」
「………。」
少し考える素振りをしてからスっと道を開ける。
「…え?」
「………。」
「行っていいのか?」
「………。」
何も言わない。
行ってもいいってことかな?
そうだと信じて僕は騎士達の元へ駆け出して行った。
遠くからファランの呼ぶ声にハッとする。
…どのくらい立ち尽くしていた?
「ここだ!!!!」
ぜぇぜぇと息を切らしながら駆け寄って来る。
「さ、探しました。イルド…さまぁ…。」
「すまないな…探させてしまって。」
「はぁはぁ…。全く問題ありません。それよりご無事で何よりで御座います。」
じーんと温かなものが流れてくるような感覚がした。
このように心配してくれたのはイールしかいなかったからだ。
「さぁ戻りましょう。」
「あぁ。」
歩み始めてふとあのユーリの言葉を思い出した。
「なぁファラン。」
「なんで御座いましょうか。」
「…呪いの子…」
ピクッ
「ん?どうした?」
「…いえ…。しかしどこでそのようなお言葉をお耳に?」
眉をよせて引きつった笑顔で問いかける。
「いやさっき…運搬業者の方でそのような話を聞いてな?」
「どこまでお知りに?」
「んー、その単語を知った程度だ。」
「そうですか。なら良いのですが…。」
どういう意味なのか聞きたかったが聞いてはいけない気がして、追求をするのはやめておいた。
◇◇◇
宿に戻り、夕食の準備をする。
ここでふと僕は思った。僕以外は夕食をどうしているのかと。
第4機に食料は持たせているが
保存食なので美味しいかと言えば、美味しくない。
僕だけ宿に泊まって温かい物を食べるなど…。
そう思った僕は大量のご飯を作り、こっそり配りに行くことにした。
容器に小分けして人数分詰めていく。
「これでよし。」
部屋を出るとそこにはフェイが立っていた。
「………外には何用だ。」
今はフェイの護衛時間か?
しまった…完全に計らいをミスってしまったようだ。
「温かい夕食を届けに…。」
そう答えるとあからさまに怪訝な顔をされた。
「私たちのような下民共にそのような恩意はいらない。」
「恩意って…僕も下民と似たようなもんだろ?」
「………。」
少し考える素振りをしてからスっと道を開ける。
「…え?」
「………。」
「行っていいのか?」
「………。」
何も言わない。
行ってもいいってことかな?
そうだと信じて僕は騎士達の元へ駆け出して行った。
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