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タチの扉
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「じゃ、がんばってー!」
タチ。
そうユウトは、宣言していた。
軽やかな声に背中を押され、扉の奥へおずおずと足を踏み入れていく。
そして彼は、息を呑む。
そこには柔らかな灯りの中で、愛らしい容姿をした小柄な男がぽつんと全裸で立っていたのだから。
「わっ……、すみません!」
だが目を逸らす最中に、虹色に煌めくその光を見つけてしまう。
男の胸元と股間には、ユウトが強く求めていた、あの“びんびんどろっぷしぃる”がその輝きを辺りに放つかのように存在感を示していたのだ。
「なるほど、今夜はそうきたか。……僕、ミチルっていいます!よろしくお願いしまーす!」
そして、ユウトの目がその肌に慣れるまで、ミチルはにこやかな笑みを浮かべて語り出す。
その屈託のない笑みと和やかな雰囲気に、いつしかユウトの警戒心も溶けていく。
ミチルは大手シール会社に勤めおり、安価でそのシールを手に入れることができるのだと微笑んだ。
「まさか、こんなに人気になるとは僕も思わなくってさー。でも……、本当はこうして使ってもらいたかったんだよ?ねえ、見てよ。びんどろしぃる貼った僕、かわいい?」
そう言って、わずかに照れたように首を傾げる。
そして、悩まし気に胸元を寄せては次々と美しいポージングを決めていく。
ユウトは、ごくりと喉が鳴るのを止めることができずにいた。
思わず胸元のシールへと手を伸ばすものの、呆気なくその手は取られてしまう。
「だーめ♡僕をいっぱい気持ちよくさせてくれたら、このシール……。ぜーんぶあげてもいいんだよ?」
不敵な笑みを浮かべて、ミチルはその小さな唇をユウトのものへと重ねていく。
ちゅっ♡
その一瞬で、ユウトの頭から本来の目的はすっかり消え去ってしまうのだ。
ちゅっ♡ちゅっ♡むちゅっ♡
熱い舌を絡めて、目の前に差し出されたそのぬくもりと、高鳴る鼓動と、確かにそこにあるミチルの不思議な存在にいつしか心は囚われていく。
「んんう♡ちゅうっ♡上手だねっ♡はあっ♡むちゅっ♡」
ユウトはその指で、左右の胸元に輝くぷっくりとしたシールの輪郭をなぞる。
こりっ♡こりっ♡
「んんうっ♡ああっ♡♡」
絹のような白い肌に貼られた、まるで子ども向けとは思えないほどに無防備であるその輝き。
リボンやユニコーンといったその柄は、まるでその先にある秘密を隠すための仮面であるかのようにも見えていた。
「……可愛いな」
自然と、口から言葉が溢れていた。
それはシールに対してではない、ミチルの切なげな反応にその心は動いていくのであった。
ぐりっ♡ぐりっ♡
「あああっ♡だめぇっ♡♡」
押し潰すように刺激を与えては、やがてシールの端に指先をかける。
かりっ♡かりっ♡
「まだぁ♡だめえっ♡もっと♡もーっといじってえ♡♡」
しかしミチルのその声は、もはやユウトの耳に届いてなどいなかった。
ぴりっ♡ぴりっ♡
すぐさまシールを剥がしては、ぷっくりと立ち上がった薄桃色の突起を躊躇なく口に含む。
ちゅばっ♡ちゅばっ♡ちゅばっ♡ちゅばっ♡
本能のまま、ユウトはそれを吸い上げた。
こりっ♡こりっ♡かりっ♡こりっ♡
もう片方の突起は、容赦なく撫で回されてしまう。
「ああんっ♡ちょっとっ♡あっ♡ああっ♡まってよぉ♡♡」
「待てない」
ぢゅるるるるう♡♡ちゅばっ♡ちゅばっ♡
「ああああっ♡♡」
ユウトは、もう止まることなどできずにいた。
娘が産まれてからここ数年、そういった行為からもご無沙汰であったのだ。
湧き上がる欲望を心の奥底にしまい込み、常に、愛される夫であり愛されるべき父親であることを選び続けてきたのだ。
その戦士の鎧が、この場においては、シールの輝かしい光によって音もなく外れていくようでもあった。
ユウトが持つその勇ましい剣は、すでに万全の体勢となっており、未だスーツをその身に着けているというのに恥もなくミチルの身へと擦り付けられていたのだから。
ミチルの先端で輝く、最後の一枚のシールが震えていた。
もこもことしたクマのイラストが、そこには描かれていた。
先端に鎮座するそのクマの輪郭から、透明な液体が溢れ出る。
「ああんっ♡見ちゃだめぇ♡♡」
張り詰めたミチルの熱にそっと手を伸ばし、ユウトは静かに撫で上げた。
くちゅっ♡くちゅっ♡
「でちゃうからっ♡だめぇ♡♡はがしちゃ♡だめぇ♡♡」
「邪魔だな、これ」
ぴりっ♡♡
「やああああっ♡♡」
勢いよく剥がされたその瞬間、ユウトの視界に白濁が広がる。
ぴゅっ♡ぴゅっ♡
「だめだって♡いったのにぃ♡♡ううっ♡ひぐうっ♡」
ついにはミチルは泣き出してしまい、ユウトは慌てて我に返る。
「その、……すみません……」
***
しばらくして、ミチルは頬を膨らませたままユウトのことを睨みつけていた。
「もう、これだから慣れてない人は!……いい?僕のことを気持ちよくしないと、このシールは没収!わかった?」
「はい」
ユウトは肩を落としながら、没収という言葉に項垂れてしまう。
しかしミチルは、そのようなユウトを気にすることなく脚をM字に広げていく。
「じゃ♡さっさとぶちこんでよ♡♡前戯はもういいからさ♡」
「……えっ?」
「なに、その顔。……もしかして、初めて?やだ、度胸あるね♡かわいい♡♡」
挑発的なその言葉に、ユウトの何かがぶちりと切れる。
ずぶりっっ♡
「あーっ♡♡♡そうだよっ♡これっ♡これぇ♡♡」
ずぶっ♡ずぶっ♡ずぶっ♡ずぶっ♡
無意識のうちに、ユウトは腰を振っていた。
自らが今、何をしているのか。何のために、ここに来たのか。
その一切を、思い出せぬままに。
ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡んあっ♡♡」
ただ一心不乱に、欲望のまま腰を振り続けていたのである。
ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡
「いくうっ♡♡いっちゃうううっ♡♡♡」
やがて灯りが滲み、時間の感覚が溶けていったころ。
ユウトは一枚一枚、シーツに散らばったシールを丁寧に剥がし、自らのピンクのシール帳へと収めていた。
その姿を、ミチルはやけにすっきりとしたような顔をして、にこやかに見つめていた。
「娘さん、喜ぶといいですね」
「……ありがとう」
「いいなあ、素敵なパパさん。……羨ましい」
そのように目を伏せるミチルの頬に向けて、ユウトは軽く唇を押し当てた。
ちゅっ♡
「必要になったら……。また、……ここに来てもいいですか?」
頬を赤く染めて告げられたその言葉に、ミチルは満面の笑みを浮かべていた。
「もちろん!まだまだ、いろんなシールがありますからね?」
静かに衣服を整えて、ユウトはその場を立ち去った。
その胸の奥には、ほのかな甘さと、わずかな痛みが残っていた。
しかし、こうしてはいられない。
ユウトの顔は、再び戦士の顔つきへと戻っていくのであった。
「あら、もう帰っちゃうのー?」
「寂しいわー」
「娘ちゃんに、よろしくねぇー」
「また、いつでも来てね?」
「ありがとうございました」
外に出れば、夜風が優しく吹いていた。
わずかに熱を秘めるその頬を、静かに冷ましていくかのように。
明日の朝。
あの小さな手に、この虹色に輝く愛らしいシールを渡したら。
娘は、どのような顔をして笑ってくれるのだろうか。
その想像だけを胸に、ユウトは夜の街を後にした。
END
タチ。
そうユウトは、宣言していた。
軽やかな声に背中を押され、扉の奥へおずおずと足を踏み入れていく。
そして彼は、息を呑む。
そこには柔らかな灯りの中で、愛らしい容姿をした小柄な男がぽつんと全裸で立っていたのだから。
「わっ……、すみません!」
だが目を逸らす最中に、虹色に煌めくその光を見つけてしまう。
男の胸元と股間には、ユウトが強く求めていた、あの“びんびんどろっぷしぃる”がその輝きを辺りに放つかのように存在感を示していたのだ。
「なるほど、今夜はそうきたか。……僕、ミチルっていいます!よろしくお願いしまーす!」
そして、ユウトの目がその肌に慣れるまで、ミチルはにこやかな笑みを浮かべて語り出す。
その屈託のない笑みと和やかな雰囲気に、いつしかユウトの警戒心も溶けていく。
ミチルは大手シール会社に勤めおり、安価でそのシールを手に入れることができるのだと微笑んだ。
「まさか、こんなに人気になるとは僕も思わなくってさー。でも……、本当はこうして使ってもらいたかったんだよ?ねえ、見てよ。びんどろしぃる貼った僕、かわいい?」
そう言って、わずかに照れたように首を傾げる。
そして、悩まし気に胸元を寄せては次々と美しいポージングを決めていく。
ユウトは、ごくりと喉が鳴るのを止めることができずにいた。
思わず胸元のシールへと手を伸ばすものの、呆気なくその手は取られてしまう。
「だーめ♡僕をいっぱい気持ちよくさせてくれたら、このシール……。ぜーんぶあげてもいいんだよ?」
不敵な笑みを浮かべて、ミチルはその小さな唇をユウトのものへと重ねていく。
ちゅっ♡
その一瞬で、ユウトの頭から本来の目的はすっかり消え去ってしまうのだ。
ちゅっ♡ちゅっ♡むちゅっ♡
熱い舌を絡めて、目の前に差し出されたそのぬくもりと、高鳴る鼓動と、確かにそこにあるミチルの不思議な存在にいつしか心は囚われていく。
「んんう♡ちゅうっ♡上手だねっ♡はあっ♡むちゅっ♡」
ユウトはその指で、左右の胸元に輝くぷっくりとしたシールの輪郭をなぞる。
こりっ♡こりっ♡
「んんうっ♡ああっ♡♡」
絹のような白い肌に貼られた、まるで子ども向けとは思えないほどに無防備であるその輝き。
リボンやユニコーンといったその柄は、まるでその先にある秘密を隠すための仮面であるかのようにも見えていた。
「……可愛いな」
自然と、口から言葉が溢れていた。
それはシールに対してではない、ミチルの切なげな反応にその心は動いていくのであった。
ぐりっ♡ぐりっ♡
「あああっ♡だめぇっ♡♡」
押し潰すように刺激を与えては、やがてシールの端に指先をかける。
かりっ♡かりっ♡
「まだぁ♡だめえっ♡もっと♡もーっといじってえ♡♡」
しかしミチルのその声は、もはやユウトの耳に届いてなどいなかった。
ぴりっ♡ぴりっ♡
すぐさまシールを剥がしては、ぷっくりと立ち上がった薄桃色の突起を躊躇なく口に含む。
ちゅばっ♡ちゅばっ♡ちゅばっ♡ちゅばっ♡
本能のまま、ユウトはそれを吸い上げた。
こりっ♡こりっ♡かりっ♡こりっ♡
もう片方の突起は、容赦なく撫で回されてしまう。
「ああんっ♡ちょっとっ♡あっ♡ああっ♡まってよぉ♡♡」
「待てない」
ぢゅるるるるう♡♡ちゅばっ♡ちゅばっ♡
「ああああっ♡♡」
ユウトは、もう止まることなどできずにいた。
娘が産まれてからここ数年、そういった行為からもご無沙汰であったのだ。
湧き上がる欲望を心の奥底にしまい込み、常に、愛される夫であり愛されるべき父親であることを選び続けてきたのだ。
その戦士の鎧が、この場においては、シールの輝かしい光によって音もなく外れていくようでもあった。
ユウトが持つその勇ましい剣は、すでに万全の体勢となっており、未だスーツをその身に着けているというのに恥もなくミチルの身へと擦り付けられていたのだから。
ミチルの先端で輝く、最後の一枚のシールが震えていた。
もこもことしたクマのイラストが、そこには描かれていた。
先端に鎮座するそのクマの輪郭から、透明な液体が溢れ出る。
「ああんっ♡見ちゃだめぇ♡♡」
張り詰めたミチルの熱にそっと手を伸ばし、ユウトは静かに撫で上げた。
くちゅっ♡くちゅっ♡
「でちゃうからっ♡だめぇ♡♡はがしちゃ♡だめぇ♡♡」
「邪魔だな、これ」
ぴりっ♡♡
「やああああっ♡♡」
勢いよく剥がされたその瞬間、ユウトの視界に白濁が広がる。
ぴゅっ♡ぴゅっ♡
「だめだって♡いったのにぃ♡♡ううっ♡ひぐうっ♡」
ついにはミチルは泣き出してしまい、ユウトは慌てて我に返る。
「その、……すみません……」
***
しばらくして、ミチルは頬を膨らませたままユウトのことを睨みつけていた。
「もう、これだから慣れてない人は!……いい?僕のことを気持ちよくしないと、このシールは没収!わかった?」
「はい」
ユウトは肩を落としながら、没収という言葉に項垂れてしまう。
しかしミチルは、そのようなユウトを気にすることなく脚をM字に広げていく。
「じゃ♡さっさとぶちこんでよ♡♡前戯はもういいからさ♡」
「……えっ?」
「なに、その顔。……もしかして、初めて?やだ、度胸あるね♡かわいい♡♡」
挑発的なその言葉に、ユウトの何かがぶちりと切れる。
ずぶりっっ♡
「あーっ♡♡♡そうだよっ♡これっ♡これぇ♡♡」
ずぶっ♡ずぶっ♡ずぶっ♡ずぶっ♡
無意識のうちに、ユウトは腰を振っていた。
自らが今、何をしているのか。何のために、ここに来たのか。
その一切を、思い出せぬままに。
ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡んあっ♡♡」
ただ一心不乱に、欲望のまま腰を振り続けていたのである。
ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡
「いくうっ♡♡いっちゃうううっ♡♡♡」
やがて灯りが滲み、時間の感覚が溶けていったころ。
ユウトは一枚一枚、シーツに散らばったシールを丁寧に剥がし、自らのピンクのシール帳へと収めていた。
その姿を、ミチルはやけにすっきりとしたような顔をして、にこやかに見つめていた。
「娘さん、喜ぶといいですね」
「……ありがとう」
「いいなあ、素敵なパパさん。……羨ましい」
そのように目を伏せるミチルの頬に向けて、ユウトは軽く唇を押し当てた。
ちゅっ♡
「必要になったら……。また、……ここに来てもいいですか?」
頬を赤く染めて告げられたその言葉に、ミチルは満面の笑みを浮かべていた。
「もちろん!まだまだ、いろんなシールがありますからね?」
静かに衣服を整えて、ユウトはその場を立ち去った。
その胸の奥には、ほのかな甘さと、わずかな痛みが残っていた。
しかし、こうしてはいられない。
ユウトの顔は、再び戦士の顔つきへと戻っていくのであった。
「あら、もう帰っちゃうのー?」
「寂しいわー」
「娘ちゃんに、よろしくねぇー」
「また、いつでも来てね?」
「ありがとうございました」
外に出れば、夜風が優しく吹いていた。
わずかに熱を秘めるその頬を、静かに冷ましていくかのように。
明日の朝。
あの小さな手に、この虹色に輝く愛らしいシールを渡したら。
娘は、どのような顔をして笑ってくれるのだろうか。
その想像だけを胸に、ユウトは夜の街を後にした。
END
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