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1話前編
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[????]
日本固有の考えの一つに「物には魂が宿る」と言うものがある。
なぜそんな考えが広まったのか、それはやはり実際に魂が宿るからだろう。
例えば作られたばかりのパソコン。
これを良い心を持った人が使えば善き魂になる。
逆に悪い心を持った人が使えば悪しき魂になる。
ちなみに「変異」が存在する。
「変異」は魂が抜けた、いわば魂の抜け殻。
善も悪も無く、ただただ周りに影響を与える。
善悪の区別が無いので善と悪でバランスを保っているこの世界では最早何よりも凶悪だ。
ま、今それは関係無いんだけど。
私はそっと目の前の鉛筆削りを持つ。
この鉛筆削りは買ってから一度も使われなかったコ。
物にとって使われるのが本望だ。
一度も使われないと言うのはこれ以上ない屈辱である。
そんな屈辱が悪しき魂となってしまったのだろう。
私は小さく語りかける。
「もう大丈夫だよ」
私は可哀想な悪しき魂を封印するためにいる。
物達は何も悪くないんだ。
[美川 三梨](以下、三梨)
おそらく私は学校の屋上にいる。
なぜこんな所にいるのだろう。
そんな疑問をそっちのけで、シーンは進む。
「巫梅さん、その上乗ったら危ないっすよ」
そう話す人間を見ると、クラスメイトの内田司だった。
その隣にも知らない男子が立っている。
制服的には私の学校のものらしいけど…知らない。
まだ一年も通っていない学校でも先輩含め顔に見覚えがあるはずだけど…
さらに話の対象を見ると、
スタイル抜群の女子高生が周りより一段高い屋上の縁のところに立っている。
内田の隣の男子同様、うちの制服を着ているが知らない。
スタイル抜群で顔もいいこんな人は忘れないはずなのに。
すると女子高生はニヒっと笑ったと思えば、落ちた。
落ちた⁉
そして私は悟る、これは夢なんだと。
「三梨~朝よ」
「…」
「三梨~朝よ」
「…」
リピート。
目をこすりながら起きてきた私に向かって、ママは言った。
「18回ね」
何数えてんのよ。
「はゎゎゎゎ~」
どうせ、ママしか見てないので遠慮のないあくびをした。
「そうそう、急がないと遅れるわよ」
時計を見る、7:30を切ったところだ。
「ちょ、先言ってよ!」
そうして急いで身支度をする。
パンを咥えて、自転車に乗って学校へ向かう。
走っていると、T字路が見えてくる。
ここを通ると少女漫画のテンプレを思い出す事がある。
『いっけなーい遅刻遅刻』のやつ。
『あぶなーい』からのT字路でごっつん。
そんな事を考えてT字路に差し掛かった。
すると、右側の道から自転車が飛び出してきた。
自転車に乗っているのはスタイル抜群の少女。
可愛いと思いつつも我に帰る。
まてまて、あれは徒歩(走)であるから面白いわけで、自転車同士なら大怪我になりうる。
『あぶなーい』で済まされないやつだ…
と思ったのも一瞬、ワープしたように移動した。
おかげでぶつからずに済んだが…
今のは…見間違いか!
まだ寝ぼけてるみたいだ…
[山本裕](以下、裕)
僕は恐る恐る教室に入る。
先を行く同じ転校生の絶世の美女ーさっき名前を教えてもらった、河合巫梅(かわい ふうめ)らしいーに倣って自己紹介を始める。
「今日からこの嵐ヶ丘中学校に通うことになりました、河合巫梅です。よろしくお願いします」
「あ、えーと山本裕です…よ、よろしくお願いします」
緊張して言葉が詰まる。
僕の足はわずかに震えていた。
そりゃそうだ、心の準備もせずに入ってきてしまったのだから。
なぜかって?河合さんが先にズカズカ入っていったからだ。
遅れて入ったら不自然に思われると思って腹を括って入ったのだ。
この自己紹介は担任の谷先生が終わらせた。
「自己紹介ご苦労様。河合さんは窓側の1番後ろのあの席に座って、山本くんはその隣ね」
苦労したことに気づいていたのか…と何故か冷や汗をかいてしまった。
「はい」
谷先生の説明に対して河合さんは元気よく返事した。
そして僕は…
「わかりました」
と答えたのだ。
[三梨]
転校生は2人だった。
朝来た時に私の後ろと右後ろに新しく席が置いてあったから、もしかして…と思っていたけどやっぱりか。
1人は堂々と、もう1人は1人目に続いて恐る恐る入ってきた。
最初に入ってきたのは河合巫梅という子だった。
名前から和風の物を思い浮かぶがその容貌は洋風の物だ。
第一印象は“まるで天使”だった。
短い銀髪、整った顔、豊満な胸、私と同じくらいに短いミニスカ、そして美脚。
どこを抜き取っても私と同等かそれ以上の見た目をしている。
私も見た目には自信があったけど…勝てないなと思ってしまうレベルだった。
彼女は私にはさっきの自転車少女と重なった。
「あっ」
思わず声に出してしまったものの誰にも気づかれなくてよかった。
彼女についてはこんなところ。
次の男子、山本裕についてはあまり多くの印象を受けなかった。
“弱そう”と髪が僅かに青いかなという程度。
染めている様子は無いから地毛なんだろう。
レアではあるがすごくというほどでも無い。
2人は席についた。
[内田司](以下、司)
朝礼が終わる、俺はすぐさま後ろのやつに声をかけた。
「初めまして、だ」
これに恐る恐る答える。
「あ…初めまして、です」
「俺は内田司、よくある内田司だ。よろしく」
なんか嫌なやつに見えないかな、とヒヤヒヤしたがそうは思われていないみたいだ。
「よろしく、です」
「もうちょい話してみたいが生憎この学校の休み時間は異常に短い、早く準備した方が良いぞ」
親切心で教えたのだが納得できなかったようだ。
「前の学校も同じ10分だけど」
「ならそっちも異常だ、急げ」
と、言ったものの10分が普通なのか…と思ってしまう。
[裕]
昼休みになった。
「初めまして、やまび じんと…山陽新幹線の山陽に人が二つで山陽人人だ、よろしく」
「変わった名前ですね」
「まぁな、それとタメ口で良いぞ」
「わかり…わかった」
「それでさ・・・」
という感じで続く。
ロッカーで彼にちょっとだけ質問されたがひと段落ついた所で弁当を食べようと席に戻る。
弁当を開こうとした所で声をかけられた。
「どうだ、一緒に食べない?」
内田司だった。
部活棟、4階連絡通路から東階段を上り、屋上に入った。
「ここ、入って大丈夫なとこですか」
「グレーだね、それとタメ口でいいよ」
グレーって…
「入るなとは言われていないが鍵は生徒には貸し出されていない」
それはアウトなのでは。
真っ向から否定するのはアレなので言わないでおく。
まぁ先生がわざわざ来ることもないだろう。
と、楽観したのも束の間。
僕たちに電撃が走る。
「な、なぁ司!開くぞ」
僕が名前呼びしていることにも気づかずに司も気がついた。
「扉が…開く」
[三梨]
私たちは昼食を部活棟東の3.5階、階段の少し広がっているところで窓で窪んでいるところ(文脈では一ミリも理解できないこれなんていうの?)に座って取る。
背からガラスを通り太陽光線がさす。
「転校生、どう思う?」
大親友、東綾が話しかけてくる。
「なんかひ弱そうな感じ?」
するとアヤは目を大きく開いてこう言った。
「そっち?」
あ。
アヤは巫梅さんの方を聞いたらしい。
「もしかして…ミリ、気が合ったりして…」
そんなわけない、全力で否定する…
「違う、違う」
それに対してアヤは意味ありげにいう。
「ふーん」
突然、話にあがっていた巫梅さんが階段を駆け上がっていた。
部活棟4階は虚無と言われ4階の連絡通路を使う時にしか使わない。
私たち中2は基本使うことはない。
3年生の所に行くにしても相当な遠回りになる。
中央棟の2ーBがよく使う西階段が使えなかったのか?
いや東階段を使えばいいだけの話だ。
不可解だ…
好奇心に駆られアヤにこう言った。
「ちょっとここで待ってて」
話を逸らされたと思われただろうか。
行ってしまったからには仕方がない。弁当をアヤに託して私も駆け上る。
巫梅さんが向かったのは…
え?屋上?
日本固有の考えの一つに「物には魂が宿る」と言うものがある。
なぜそんな考えが広まったのか、それはやはり実際に魂が宿るからだろう。
例えば作られたばかりのパソコン。
これを良い心を持った人が使えば善き魂になる。
逆に悪い心を持った人が使えば悪しき魂になる。
ちなみに「変異」が存在する。
「変異」は魂が抜けた、いわば魂の抜け殻。
善も悪も無く、ただただ周りに影響を与える。
善悪の区別が無いので善と悪でバランスを保っているこの世界では最早何よりも凶悪だ。
ま、今それは関係無いんだけど。
私はそっと目の前の鉛筆削りを持つ。
この鉛筆削りは買ってから一度も使われなかったコ。
物にとって使われるのが本望だ。
一度も使われないと言うのはこれ以上ない屈辱である。
そんな屈辱が悪しき魂となってしまったのだろう。
私は小さく語りかける。
「もう大丈夫だよ」
私は可哀想な悪しき魂を封印するためにいる。
物達は何も悪くないんだ。
[美川 三梨](以下、三梨)
おそらく私は学校の屋上にいる。
なぜこんな所にいるのだろう。
そんな疑問をそっちのけで、シーンは進む。
「巫梅さん、その上乗ったら危ないっすよ」
そう話す人間を見ると、クラスメイトの内田司だった。
その隣にも知らない男子が立っている。
制服的には私の学校のものらしいけど…知らない。
まだ一年も通っていない学校でも先輩含め顔に見覚えがあるはずだけど…
さらに話の対象を見ると、
スタイル抜群の女子高生が周りより一段高い屋上の縁のところに立っている。
内田の隣の男子同様、うちの制服を着ているが知らない。
スタイル抜群で顔もいいこんな人は忘れないはずなのに。
すると女子高生はニヒっと笑ったと思えば、落ちた。
落ちた⁉
そして私は悟る、これは夢なんだと。
「三梨~朝よ」
「…」
「三梨~朝よ」
「…」
リピート。
目をこすりながら起きてきた私に向かって、ママは言った。
「18回ね」
何数えてんのよ。
「はゎゎゎゎ~」
どうせ、ママしか見てないので遠慮のないあくびをした。
「そうそう、急がないと遅れるわよ」
時計を見る、7:30を切ったところだ。
「ちょ、先言ってよ!」
そうして急いで身支度をする。
パンを咥えて、自転車に乗って学校へ向かう。
走っていると、T字路が見えてくる。
ここを通ると少女漫画のテンプレを思い出す事がある。
『いっけなーい遅刻遅刻』のやつ。
『あぶなーい』からのT字路でごっつん。
そんな事を考えてT字路に差し掛かった。
すると、右側の道から自転車が飛び出してきた。
自転車に乗っているのはスタイル抜群の少女。
可愛いと思いつつも我に帰る。
まてまて、あれは徒歩(走)であるから面白いわけで、自転車同士なら大怪我になりうる。
『あぶなーい』で済まされないやつだ…
と思ったのも一瞬、ワープしたように移動した。
おかげでぶつからずに済んだが…
今のは…見間違いか!
まだ寝ぼけてるみたいだ…
[山本裕](以下、裕)
僕は恐る恐る教室に入る。
先を行く同じ転校生の絶世の美女ーさっき名前を教えてもらった、河合巫梅(かわい ふうめ)らしいーに倣って自己紹介を始める。
「今日からこの嵐ヶ丘中学校に通うことになりました、河合巫梅です。よろしくお願いします」
「あ、えーと山本裕です…よ、よろしくお願いします」
緊張して言葉が詰まる。
僕の足はわずかに震えていた。
そりゃそうだ、心の準備もせずに入ってきてしまったのだから。
なぜかって?河合さんが先にズカズカ入っていったからだ。
遅れて入ったら不自然に思われると思って腹を括って入ったのだ。
この自己紹介は担任の谷先生が終わらせた。
「自己紹介ご苦労様。河合さんは窓側の1番後ろのあの席に座って、山本くんはその隣ね」
苦労したことに気づいていたのか…と何故か冷や汗をかいてしまった。
「はい」
谷先生の説明に対して河合さんは元気よく返事した。
そして僕は…
「わかりました」
と答えたのだ。
[三梨]
転校生は2人だった。
朝来た時に私の後ろと右後ろに新しく席が置いてあったから、もしかして…と思っていたけどやっぱりか。
1人は堂々と、もう1人は1人目に続いて恐る恐る入ってきた。
最初に入ってきたのは河合巫梅という子だった。
名前から和風の物を思い浮かぶがその容貌は洋風の物だ。
第一印象は“まるで天使”だった。
短い銀髪、整った顔、豊満な胸、私と同じくらいに短いミニスカ、そして美脚。
どこを抜き取っても私と同等かそれ以上の見た目をしている。
私も見た目には自信があったけど…勝てないなと思ってしまうレベルだった。
彼女は私にはさっきの自転車少女と重なった。
「あっ」
思わず声に出してしまったものの誰にも気づかれなくてよかった。
彼女についてはこんなところ。
次の男子、山本裕についてはあまり多くの印象を受けなかった。
“弱そう”と髪が僅かに青いかなという程度。
染めている様子は無いから地毛なんだろう。
レアではあるがすごくというほどでも無い。
2人は席についた。
[内田司](以下、司)
朝礼が終わる、俺はすぐさま後ろのやつに声をかけた。
「初めまして、だ」
これに恐る恐る答える。
「あ…初めまして、です」
「俺は内田司、よくある内田司だ。よろしく」
なんか嫌なやつに見えないかな、とヒヤヒヤしたがそうは思われていないみたいだ。
「よろしく、です」
「もうちょい話してみたいが生憎この学校の休み時間は異常に短い、早く準備した方が良いぞ」
親切心で教えたのだが納得できなかったようだ。
「前の学校も同じ10分だけど」
「ならそっちも異常だ、急げ」
と、言ったものの10分が普通なのか…と思ってしまう。
[裕]
昼休みになった。
「初めまして、やまび じんと…山陽新幹線の山陽に人が二つで山陽人人だ、よろしく」
「変わった名前ですね」
「まぁな、それとタメ口で良いぞ」
「わかり…わかった」
「それでさ・・・」
という感じで続く。
ロッカーで彼にちょっとだけ質問されたがひと段落ついた所で弁当を食べようと席に戻る。
弁当を開こうとした所で声をかけられた。
「どうだ、一緒に食べない?」
内田司だった。
部活棟、4階連絡通路から東階段を上り、屋上に入った。
「ここ、入って大丈夫なとこですか」
「グレーだね、それとタメ口でいいよ」
グレーって…
「入るなとは言われていないが鍵は生徒には貸し出されていない」
それはアウトなのでは。
真っ向から否定するのはアレなので言わないでおく。
まぁ先生がわざわざ来ることもないだろう。
と、楽観したのも束の間。
僕たちに電撃が走る。
「な、なぁ司!開くぞ」
僕が名前呼びしていることにも気づかずに司も気がついた。
「扉が…開く」
[三梨]
私たちは昼食を部活棟東の3.5階、階段の少し広がっているところで窓で窪んでいるところ(文脈では一ミリも理解できないこれなんていうの?)に座って取る。
背からガラスを通り太陽光線がさす。
「転校生、どう思う?」
大親友、東綾が話しかけてくる。
「なんかひ弱そうな感じ?」
するとアヤは目を大きく開いてこう言った。
「そっち?」
あ。
アヤは巫梅さんの方を聞いたらしい。
「もしかして…ミリ、気が合ったりして…」
そんなわけない、全力で否定する…
「違う、違う」
それに対してアヤは意味ありげにいう。
「ふーん」
突然、話にあがっていた巫梅さんが階段を駆け上がっていた。
部活棟4階は虚無と言われ4階の連絡通路を使う時にしか使わない。
私たち中2は基本使うことはない。
3年生の所に行くにしても相当な遠回りになる。
中央棟の2ーBがよく使う西階段が使えなかったのか?
いや東階段を使えばいいだけの話だ。
不可解だ…
好奇心に駆られアヤにこう言った。
「ちょっとここで待ってて」
話を逸らされたと思われただろうか。
行ってしまったからには仕方がない。弁当をアヤに託して私も駆け上る。
巫梅さんが向かったのは…
え?屋上?
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