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第3話 聖女さまに乾杯
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聖女さまの存在は、私も存じておりました。亡くなった際は、盛大な儀式をもって埋葬されたことも。聖女さまは偉大なる力を有しており、亡くなった後もその加護によって国を守ってくれるのだそうです。存命の間に後継者が見つかれば良いのですが、聖女を選定するのはあくまでも神であり、その神眼に認められるほどの逸材は、そうそう現れず。万が一の場合は、神が地上の私たちを守ってくれるそうですが、神はそこまで地上に干渉することが出来ない。だからこそ、聖女の存在は国の存亡に関わるくらい、重要なものなのです。
「改めまして、聖女ユリナさま。このたびは、ご就任おめでとうございます」
いつの間にか、神殿の大広間にて、盛大にお祝いをされていました。
「あ、あの……」
私が戸惑った声を出すと、
「どうされましたか? ハッ……もしや、聖女になるのがお嫌とか……」
「いえ、そんなことは……ただ、あまりにも急なことだったので、困惑してしまって」
「左様でございますか。それは無理もないことでございます」
「それにこんなことを言うのもなんですが、ちょうど婚約破棄をされて家を追われた身。この先、下手をすれば路頭に迷うと思っていた矢先に、自分の居場所を与えてもらえて……とても嬉しく思っています。恐れ多いくらいに」
「恐れ多いのは私どもの方でございます。何せ、ユリナさまは偉大なる聖女なのですから」
神官長のオクトレイル様がおっしゃいます。
「我々、神職はいつも厳かに、礼儀正しく過ごさねばなりません。しかし、今日この時くらいは、盛大に盛り上がりましょう」
そう言って、ワインが注がれたグラスを渡してくれます。
私はそれを受け取って、ニコリと微笑みます。
「正直、まだ自分にそんな力があるのか、半信半疑ですが……1度はあきらめて捨てようとしたこの人生、みなさまのお役に立てることに大いなる喜びを感じております。これからどうぞ、よろしくお願いします」
私がそう言って頭を下げると、みなさんが拍手をしてくれます。
「では、新たなる聖女、ユリナ様の誕生を祝して、乾杯!」
「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」
こうして、私は聖女となりました。
「改めまして、聖女ユリナさま。このたびは、ご就任おめでとうございます」
いつの間にか、神殿の大広間にて、盛大にお祝いをされていました。
「あ、あの……」
私が戸惑った声を出すと、
「どうされましたか? ハッ……もしや、聖女になるのがお嫌とか……」
「いえ、そんなことは……ただ、あまりにも急なことだったので、困惑してしまって」
「左様でございますか。それは無理もないことでございます」
「それにこんなことを言うのもなんですが、ちょうど婚約破棄をされて家を追われた身。この先、下手をすれば路頭に迷うと思っていた矢先に、自分の居場所を与えてもらえて……とても嬉しく思っています。恐れ多いくらいに」
「恐れ多いのは私どもの方でございます。何せ、ユリナさまは偉大なる聖女なのですから」
神官長のオクトレイル様がおっしゃいます。
「我々、神職はいつも厳かに、礼儀正しく過ごさねばなりません。しかし、今日この時くらいは、盛大に盛り上がりましょう」
そう言って、ワインが注がれたグラスを渡してくれます。
私はそれを受け取って、ニコリと微笑みます。
「正直、まだ自分にそんな力があるのか、半信半疑ですが……1度はあきらめて捨てようとしたこの人生、みなさまのお役に立てることに大いなる喜びを感じております。これからどうぞ、よろしくお願いします」
私がそう言って頭を下げると、みなさんが拍手をしてくれます。
「では、新たなる聖女、ユリナ様の誕生を祝して、乾杯!」
「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」
こうして、私は聖女となりました。
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