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第13話 面倒な男
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~アメリア視点~
ベッドの上で、吐息を荒げていました。ブリックス様が。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「……どうされたのですか? 今日はまた、随分と激しいというか……もしかして、怒ってらっしゃいます?」
「怒る? 俺が? なぜだ? 地位も名誉も金も女もある俺が怒るだと? 誰に対して?」
「いえ、それは私が問いかけて……いえ、何でもありません」
私は面倒だと思い、ニコッと笑って会話を切った。そして、思わずため息を吐きたいのをグッと堪えた。
それにしても、ブリックス様。プライドが高いことは知っていたけど、まさかここまで器の小さい男だとは……おまけに、アレも少しお粗末だし。本人は私のことがいつも気持ち良くなっていると勘違いしているみたいだけど……相手を間違えたかな?
公爵子息でルックスはまあまあだし、お金持ちだし、結婚したても甘やかしてくれそうだから、ユリナお姉さまから奪ったけど……
今日、真のイケメンを目の当たりにしてから、余計にあたしの心は乱れていた。王太子のレオルド様……見た目だけじゃなく、性格も能力も完璧な男と言われている。実際にお話したことはないし、そのお力も拝見したことはない。けど、人目見れば彼が実に優れた男だということは分かった。何よりも、イケメンだし。アレの大きさとかは分からないけど……まあでも、さすがにあれだけの上玉を落とすのは無理だろう。数多くの名だたる令嬢からの縁談を断っていると聞くし……
「おい、アメリア」
「はい?」
「お前、いま他の男のことを考えていただろ?」
「え~? そんなことないですよ~」
「本当かね?」
あたしは舌打ちをしたくなった。面倒な男だな。ていうか、結婚する前からこんな嫌気が差して大丈夫かしら? いや、結婚する相手だからこそ、そんな風に厳しい目線で見てしまうのだ。とりあえず、落ち着こう。この面倒なプライドの高さとエッチの下手さに目を瞑れば、まあ良いおサイフだし、あたしを甘やかしてくれるから。でも、エッチが下手っていうのは大きなもんだいね。浮気とかしたら、無駄に勘が良くてバレそうだし……
「おい、アメリア」
「え? もう1回します?」
「……いや、今日はもうやめておこう。疲れた」
「……そうですか」
ちっ、まだ若いのに疲れたとか言ってんじゃねえよ。
あたしは当面、この男をちょっと面倒で口やかましいおサイフ程度にしか見れないだろう。
ベッドの上で、吐息を荒げていました。ブリックス様が。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「……どうされたのですか? 今日はまた、随分と激しいというか……もしかして、怒ってらっしゃいます?」
「怒る? 俺が? なぜだ? 地位も名誉も金も女もある俺が怒るだと? 誰に対して?」
「いえ、それは私が問いかけて……いえ、何でもありません」
私は面倒だと思い、ニコッと笑って会話を切った。そして、思わずため息を吐きたいのをグッと堪えた。
それにしても、ブリックス様。プライドが高いことは知っていたけど、まさかここまで器の小さい男だとは……おまけに、アレも少しお粗末だし。本人は私のことがいつも気持ち良くなっていると勘違いしているみたいだけど……相手を間違えたかな?
公爵子息でルックスはまあまあだし、お金持ちだし、結婚したても甘やかしてくれそうだから、ユリナお姉さまから奪ったけど……
今日、真のイケメンを目の当たりにしてから、余計にあたしの心は乱れていた。王太子のレオルド様……見た目だけじゃなく、性格も能力も完璧な男と言われている。実際にお話したことはないし、そのお力も拝見したことはない。けど、人目見れば彼が実に優れた男だということは分かった。何よりも、イケメンだし。アレの大きさとかは分からないけど……まあでも、さすがにあれだけの上玉を落とすのは無理だろう。数多くの名だたる令嬢からの縁談を断っていると聞くし……
「おい、アメリア」
「はい?」
「お前、いま他の男のことを考えていただろ?」
「え~? そんなことないですよ~」
「本当かね?」
あたしは舌打ちをしたくなった。面倒な男だな。ていうか、結婚する前からこんな嫌気が差して大丈夫かしら? いや、結婚する相手だからこそ、そんな風に厳しい目線で見てしまうのだ。とりあえず、落ち着こう。この面倒なプライドの高さとエッチの下手さに目を瞑れば、まあ良いおサイフだし、あたしを甘やかしてくれるから。でも、エッチが下手っていうのは大きなもんだいね。浮気とかしたら、無駄に勘が良くてバレそうだし……
「おい、アメリア」
「え? もう1回します?」
「……いや、今日はもうやめておこう。疲れた」
「……そうですか」
ちっ、まだ若いのに疲れたとか言ってんじゃねえよ。
あたしは当面、この男をちょっと面倒で口やかましいおサイフ程度にしか見れないだろう。
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