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虹色の献花
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「危ない杉尾っ!」
レノアの声と共に放たれる五月雨式のボーガンの矢!
そのうちの1つが、運よくミニゴーレムの赤コアに突き刺さり、ミニゴーレムは静かに崩れ落ちる……。
「ナイスレノア!」
「うん! あ、杉尾もこれ……」
俺は駆け寄ってきたレノアから、レノア特製ハイポーションを手渡される。
「うん、ありがとう……」
「ねえ? 少し、岩陰で休憩しよ?」
「ウォン!」
「そうだな……」
と、いう事で俺達は麻のシートを雪の上に敷き更には毛布をひいて、そのうえに座り休憩する。
「しかし、この感じだと他にも色んなゴーレムが出てきそうだよな……」
(正直ファンタジー世界あるあるで、この手の場所ってゴーレムが墓守になってるんだよなあ)
「そうだね、ただ生き物じゃないのでパターンさえ分かれば楽に倒せるのはいいよね」
「はは、違いない……」
俺達はハイポーションをがぶ飲みしながら、タッパに詰めていたシシ肉ジャーキーを美味しく食べていく。
「ああ、戦闘と登山の疲れが取れていく気がするな……」
「だね……」
「ウォン……」
「あ……見て? 雪がチラついてきた……」
曇り空を見つめると、レノアの言う通り、ちらりちらりと粉雪が静かに舞い落ちてきている……。
「仕方ねえ、雪が激しくなる前に行くか……!」
「ウォン……」
こうして雪が少しチラつく中、しばらく休憩してはまた進み、ミニゴーレム達と戦闘しては休憩しを俺達は繰り返していく……。
それから数時間後……。
「なんだここは……?」
「す、凄い……」
「ウ、ウォン……」
そう、俺達の前には青、赤、黄、緑など無数のカラフルな花が咲く花畑がそこには広がっていたのだ!
そして何故か、そこからは雪が一切振っていないし、積もっていないという、不思議空間……。
頂上は無数の岩肌に囲まれた、広大な花畑の楽園だったのだ……。
ちなみにその広さは、商業都市の領主の土地くらいはありそうだ……。
「……レノア確か、食材はベレス山の氷と花々だったよな?」
幸い氷は休憩中にリュックにアホみたいに詰め込んである。
「そう……ここの花々はとっても繊細だから、根本まで掘ってね?」
「ああ……」
俺達はリュックから軽くて丈夫な花壇用ドラゴニウム鉱製ミニスコップを取り出し、採取していく。
近くで見ると分ったが、ここの花はまるで雪の結晶の様な形をしており、少し綺麗な透明色だった……。
「……レノアこの花の名前って?」
「虹色雪月花……。本来鎮魂用に植えられる、雪国の繊細な花々……」
なるほど、よく見ると、花の色が時間と共に変わっていくのが分る。
具体的な例を挙げると、赤からオレンジにオレンジから黄色に……とね。
「この場所に虹色雪月花が沢山植えられているのは、戦争で亡くなったバグナウ族を弔う、献花ってわけか……」
「そうだね、多分バグナウ族の生き残りが管理しているのかもね……」
「そっか、バグナウ族ならゴーレムは襲ってこなそうだしな……」
(きっとゴーレム達の言う主人ってバグナウ族の末裔だろうし)
俺達は黙々と虹色雪月花を土とベレス山の氷ごとシートに包み、リュックに放り込んでいく。
それからしばらくして……。
「よし、食材はもういいよ!」
「うん」
「あとは鉱石だけど……?」
「どうしたレノア?」
周囲をくまなく見渡すレノア。
「うーん? ないね?」
「どんな特徴の鉱石なんだ?」
「それがね、『何でもいいから頂上にあるめぼしい鉱石を1つ』なんだよね……?」
「サクッと帰りたいし、端っこのこの岩石は駄目?」
「めぼしくないから絶対駄目! 見たら一目でわかるってナーガンは言ってたしね」
「うーん、指示内容がザックリだなあ……」
「あ、まあ、保険をかけてさっきのミニゴーレム達の砕けたコアはあらかた回収してるけどね?」
「マジっすか……」
「ほらほら! このスタールビーの欠片とか凄い値打ちありそうだしね……」
うっとりとしたにやけ顔でスタールビーを見つめるレノアさん……。
流石レノアさん、商魂たくましい……。
(俺も大商人を目指す立場だし、ここいらは見習った方がいいかもな……)
俺は大きなため息をつきながら、遠目に見える数メートルはある細長い石碑にふと気が付く……。
「なあ? レノアあれ?」
「えっ! あっ⁈ 可笑しいな? さっきまではあんな石碑見つけれなかったのに……?」
(あれ? このやり取り、何処かで……?)
俺はふと、レノアと昔行って俺が探し当てたラウディ山のゴールドリリーを思い出してしまう。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男の勘レベル15】にアップ! ???』
(そうか! じゃあ、あの石碑に俺達の求めている物があるという事でいいんだな?)
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男の勘レベル16】にアップ! ???』
「行こう、レノア! 俺の勘じゃ、俺達の求める物はあの石碑にある!」
「うん!」
俺達は様々な思いを秘めつつ、その石碑にゆっくりと近づいて行く。
レノアの声と共に放たれる五月雨式のボーガンの矢!
そのうちの1つが、運よくミニゴーレムの赤コアに突き刺さり、ミニゴーレムは静かに崩れ落ちる……。
「ナイスレノア!」
「うん! あ、杉尾もこれ……」
俺は駆け寄ってきたレノアから、レノア特製ハイポーションを手渡される。
「うん、ありがとう……」
「ねえ? 少し、岩陰で休憩しよ?」
「ウォン!」
「そうだな……」
と、いう事で俺達は麻のシートを雪の上に敷き更には毛布をひいて、そのうえに座り休憩する。
「しかし、この感じだと他にも色んなゴーレムが出てきそうだよな……」
(正直ファンタジー世界あるあるで、この手の場所ってゴーレムが墓守になってるんだよなあ)
「そうだね、ただ生き物じゃないのでパターンさえ分かれば楽に倒せるのはいいよね」
「はは、違いない……」
俺達はハイポーションをがぶ飲みしながら、タッパに詰めていたシシ肉ジャーキーを美味しく食べていく。
「ああ、戦闘と登山の疲れが取れていく気がするな……」
「だね……」
「ウォン……」
「あ……見て? 雪がチラついてきた……」
曇り空を見つめると、レノアの言う通り、ちらりちらりと粉雪が静かに舞い落ちてきている……。
「仕方ねえ、雪が激しくなる前に行くか……!」
「ウォン……」
こうして雪が少しチラつく中、しばらく休憩してはまた進み、ミニゴーレム達と戦闘しては休憩しを俺達は繰り返していく……。
それから数時間後……。
「なんだここは……?」
「す、凄い……」
「ウ、ウォン……」
そう、俺達の前には青、赤、黄、緑など無数のカラフルな花が咲く花畑がそこには広がっていたのだ!
そして何故か、そこからは雪が一切振っていないし、積もっていないという、不思議空間……。
頂上は無数の岩肌に囲まれた、広大な花畑の楽園だったのだ……。
ちなみにその広さは、商業都市の領主の土地くらいはありそうだ……。
「……レノア確か、食材はベレス山の氷と花々だったよな?」
幸い氷は休憩中にリュックにアホみたいに詰め込んである。
「そう……ここの花々はとっても繊細だから、根本まで掘ってね?」
「ああ……」
俺達はリュックから軽くて丈夫な花壇用ドラゴニウム鉱製ミニスコップを取り出し、採取していく。
近くで見ると分ったが、ここの花はまるで雪の結晶の様な形をしており、少し綺麗な透明色だった……。
「……レノアこの花の名前って?」
「虹色雪月花……。本来鎮魂用に植えられる、雪国の繊細な花々……」
なるほど、よく見ると、花の色が時間と共に変わっていくのが分る。
具体的な例を挙げると、赤からオレンジにオレンジから黄色に……とね。
「この場所に虹色雪月花が沢山植えられているのは、戦争で亡くなったバグナウ族を弔う、献花ってわけか……」
「そうだね、多分バグナウ族の生き残りが管理しているのかもね……」
「そっか、バグナウ族ならゴーレムは襲ってこなそうだしな……」
(きっとゴーレム達の言う主人ってバグナウ族の末裔だろうし)
俺達は黙々と虹色雪月花を土とベレス山の氷ごとシートに包み、リュックに放り込んでいく。
それからしばらくして……。
「よし、食材はもういいよ!」
「うん」
「あとは鉱石だけど……?」
「どうしたレノア?」
周囲をくまなく見渡すレノア。
「うーん? ないね?」
「どんな特徴の鉱石なんだ?」
「それがね、『何でもいいから頂上にあるめぼしい鉱石を1つ』なんだよね……?」
「サクッと帰りたいし、端っこのこの岩石は駄目?」
「めぼしくないから絶対駄目! 見たら一目でわかるってナーガンは言ってたしね」
「うーん、指示内容がザックリだなあ……」
「あ、まあ、保険をかけてさっきのミニゴーレム達の砕けたコアはあらかた回収してるけどね?」
「マジっすか……」
「ほらほら! このスタールビーの欠片とか凄い値打ちありそうだしね……」
うっとりとしたにやけ顔でスタールビーを見つめるレノアさん……。
流石レノアさん、商魂たくましい……。
(俺も大商人を目指す立場だし、ここいらは見習った方がいいかもな……)
俺は大きなため息をつきながら、遠目に見える数メートルはある細長い石碑にふと気が付く……。
「なあ? レノアあれ?」
「えっ! あっ⁈ 可笑しいな? さっきまではあんな石碑見つけれなかったのに……?」
(あれ? このやり取り、何処かで……?)
俺はふと、レノアと昔行って俺が探し当てたラウディ山のゴールドリリーを思い出してしまう。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男の勘レベル15】にアップ! ???』
(そうか! じゃあ、あの石碑に俺達の求めている物があるという事でいいんだな?)
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男の勘レベル16】にアップ! ???』
「行こう、レノア! 俺の勘じゃ、俺達の求める物はあの石碑にある!」
「うん!」
俺達は様々な思いを秘めつつ、その石碑にゆっくりと近づいて行く。
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