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第十夜 束の間の

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第十夜 束の間の



「…ごめん、全然わかんない。ナイミリ的に言えば疑わしきボスはボコれ、かな。」

「…えええ。」

 ナイミリ攻略的にはだけど!
 今メリットがあるかどうかの話だぞ、エル…。

 半眼でエルに呆れるが、エルさんはいい笑顔で何故か頬にキスしてきた…。これ、なんのタイミング…。

「はー、早く帰ってサイのご飯食べたいなぁ。」

 飽きたので帰りたいタイミングでした…。
 まあ、俺もそろそろ腹すいてきたかな。メシのいい香りが…、

「あっ!!」

「どうしたの?」

「…アイツ、そういや食人植物系モンスターだった。クィーンアルラウネってモンスター覚えてるか?」

「地獄華の女王のヤツ? 魅了とか幻覚使うめんどくさいボス?」

「それ。アイツっていい香り出して敵を誘き寄せ、幻覚の花粉撒き散らすんだ。幻覚でいい気分にさせて美味しく頂くって確か図鑑に載ってた。ヘルメーウがクィーンアルラウネ系ならそろそろ出るぞ、アレが…、」

ゴクリ。


「………『触手』がな。」


「ウアアアアアアア?! な、何コレエエエえええッ!!」

 勇者君はヌルッヌルッで卑猥な触手に無事に絡め取られました…。

「…マジかぁ。エロ漫画のテンプレ踏みすぎだろぉ。」

 エルは遠い目をした。

 クィーンアルラウネ(クィーンだけど男な!)に姿を変えたヘルメーウ卿は勇者や仲間に触手を絡め、ヌルッヌルッなエロ締めを始めた。

 …全員に乳首攻めとか媚薬系体液経口摂取とか、どこまでもエロテンプレすぎてお腹いっぱいなんですが…。はあ…。

「サイ、アレどうすんの…。あのまま触手プレイさせっぱ?」

「…いや、このままだと全員エロ堕ちしちゃうから止めるよ…っと、魔法使い君がなんか仕掛けるみたいだな?」

 魔法使い君から閃光が出て、彼の体に巻き付いた触手が吹っ飛ぶ。

「ああ、そういえば魔法使い君の神殿アイテムって魔力アップ系だっけ。」

「だったな。…しかし、なんで魔力アップで服まで弾け飛んじゃうかなぉ。このサービスショット誰需要だよ…。」

 魔法使い君は格闘漫画よろしくな半裸に。と言うか首輪とパンイチの変態ルックなんだが? しかも黒のスケスケ総レースなパンツなんだが?

「…神官君かな? 触手に巻かれながらグッジョブしてるよ?」

「あー、早く帰ってメシ食いてえ…。」

 俺 の こころ が おれた!


 変態ルックに超進化したスーパー魔法使い君がヘルメーウ卿を攻略。
 変態ルックだがさすが賢者の一族だけあって攻略は的確だ。ソロでもいいトコまでやれてる。植物系が苦手とする火属性、花粉飛散等を無効にする風属性、異常系デバフも使い所が上手いが…、
 
 触手プレイでヒンヒン言わされてる仲間達が無事解放、仲間も出揃いそろそろヘルメーウ卿戦も佳境と言う所でイベントが突然始まった。

「…我が息子よ、その手でこの母を殺すと言うのか?」

「俺を捨てたヤツが今更母親ヅラするな!!」

 お母さん発生しました。

「…えええ、ヘルメーウ卿は魔法使い君の母かよ! 裏設定になかったんだけど!」

 魔法使い君の母、一般人ってあったけどめっちゃ貴族(但し魔族の)じゃん!

「あー、でもめっちゃ王道テンプレじゃん。親子の確執みたいなの。」

 あ、確かに王道ですね…。母、男ですけど…。

 うーむ、テンプレ的に言えば、正体を隠したヘルメーウ卿が人族の国に偵察にきたら魔法使い父に惚れ盛り上がってヤっちまったら魔法使い君ができたけど、ヘルメーウ卿は魔族ゆえ魔国に帰らなきゃならないから父の所に幼い魔法使い君を泣く泣く置いてきたってとこだろうか…?

「お、お義母様?!」

 …おや? 神官君の様子が?

 先程まで戦闘モードだった神官君が突然身なりを正し、半死のボロボロお義母様と魔法使い君の間に割り込んだ!

「…サイ、なんか神官君が手土産出してお義母様に魔法使い君とのお付き合い報告始めたんだけど…。これ、何?」

「…親御さんに挨拶して結婚ルートのハッピーエンドかな…。」

 恋愛乙女BLゲーフラグ回収…。
 こんな局面で…。

 魔法使い君はシリアスをぶち壊され盛大にぶち切れしてたが、神官君とお義母様は手土産片手に恋バナ和解した…。それでいいのか、魔王軍外交長官…。
 ちなみに蚊帳の外だった勇者と王子は、触手プレイで盛り上がったらしく柱の影で致していた。バカか、お前ら…。


「…エル、俺転職したい。」

「奇遇だ。俺もだよ。」

 こうして策略のヘルメーウ卿戦は幕を閉じたのであった…。



 しかし疲れ切った我々にご褒美タイムがきた!
 魔王軍本陣に向かう前にヘルメーウ卿が所有している温泉地へ魔王様に内緒で一泊二日ご招待されたのである。お義母様、息子夫婦(?)に意外と優しい。

 城からひと山越えた所に温泉地はあった。めっちゃ歓楽街。めっちゃ観光地。さすがに人族はいなかったが、戦争中の割に観光客でかなり賑わっていた。
 勇者パーティーはお義母様から頂いた姿変えのアイテムで魔族に、俺とエルはアバに変え温泉地を歩く。エルの獣人は魔族に近い種類がいるので特に問題はなかったが、エルフは少し目立つらしく周りからジロジロと見られた。

「うーむ、やっぱ隠密でくれば良かったかな。なんかやたら見られてる…。」

「エルフはあんまり魔族っぽくないからね。ま、でもその見られてるのってサイが美人さんだからだと思うよ?」

「ううう、確かにこのアバ、めっちゃ美形にしたからなぁ。」

 姿隠しの隠密はあるが、認識阻害のアイテムはナイミリにはないからこう言う時ちょい不便。一応シーフ職ならあるんだけどね。

「それに隠密じゃ温泉デート出来ないじゃん。」

 チュッと頬にキスされた。

「こらっ、こんなトコで!!」

「アイツらもイチャイチャしてるから目立たないもーん。」

 目の前の勇者御一行様はめっちゃイチャイチャしていた。と言うか周りもそんな感じだった…。
 カップルが仲睦まじく腕を組み、キャッキャウフフな雰囲気で街歩きしている。

 あー、もしかしてココは新婚旅行の聖地的な…。

「ほら、サイ。あそこ、温泉饅頭売ってるよ。俺達も半分こして食べよ?」

「…剣と魔法の世界に温泉饅頭。…世界観無茶苦茶だなぁ。」

 相変わらず設定ガバガバで呆れたが、結局温泉饅頭屋でエルと半分こした。
 ホカホカの温泉饅頭、こし餡で大変お美味しゅうごさいました!

 その後、温泉観光地デートを楽しんだ勇者パーティーはお義母様直営の超高級温泉旅館にチェックインしたので、俺達も札束ゴリ押し(経費)で同じ宿に潜り込んだ。た、高え! めっちゃリゾート価格!
 離れ式の宿だったので勇者部屋に監視ドローンを飛ばし、俺達も自分達の部屋で寛ぐ事になった。

「さすがに和室じゃなかったね。」

「でもめっちゃスイートルームやん…。」

 案内された部屋は海外の高級コテージみたいだった。
 ネットで見かける海の上のコテージみたいなちょっとアジアンな雰囲気があるヤツ。違いがあるとしたら併設されてるのが海やプールじゃなく、和風露天風呂ってとこだ。

「わー、俺外の風呂は初めてだよ。と言うか俺の世界じゃ温泉は有毒になっちゃってたから、温泉自体初めて。」

「へえ、そうなんだ。エルの世界って結構大変な事になってんだな。」

「まあね。世界的に地震がいっぱいあってそこから少し環境が変わってね。」

「地震か。…俺のトコでも大きなのあったよ。」

 都市が一瞬で壊滅する直下型の大きいのが。

 …俺の死因になった大地震。


「サイの世界もあったんだ。地震怖いよねえ…。でもそのおかげでVRとか普及したから悪い事ばかりじゃないよ。ゲーム内でサイに会えたしね。」

 ギュッと背中から抱きしめられる。

「でも現実のサイにこうして会えたから、あっちはもうどうでもいい。」

「…俺も。」

 回された腕を上から抱きしめる。
 くるりと身体の向きを入れ替えられ、正面から浅いキスを交わす。

「サイ…、」

 俺を名を囁く碧い目がトロリとして、浅いキスが深くなる。
 そろそろエルの手が欲を持って俺の身体に触れ始めた。だが、

「あ…っん、エル、エル、待って。…俺、する前に露天風呂に入りたい。…ダメ?」

 …する前に入らないと、温泉入らず一泊終わっちゃう。絶対。エルだし。
 高級宿の高級露天風呂、入らないのはダメ絶対! あと高級夜ご飯も食べるのだ!

 今はエルフアバなので美形全開で、あざとく上目遣いでお願いしちゃう。

「……うううう、青月の賢者様フェイスぅ! めっちゃエロあざといから! …くぅっ、サイ、風呂入ったら覚悟してね?!」

 エルの狼耳はペターンとなったけど、尻尾は振りっぱなしである。獣人アバ、そう言うのダダ漏れなのが可愛いよな。

「じゃ、早速露天風呂入っちゃお! 異世界温泉レッツゴー!」



<次回予告>

幼き心に深く刻まれた復讐心は真の愛の前に倒れた。
だが癒されるには少しの休息があってもいい…。
次回、湯煙に。『第十一夜 星空と』
お楽しみに!

「給料明細は信じられますか?」

※次回予告はあんまり本編に関係ありません。
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