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第二十一夜 勇者に勇者
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第二十一夜 勇者に勇者
「…実は?」
「ラストでびっくり展開! なんとトドメを刺されたボスの変化がとけてエルに変わる。なんと凶悪なボスモンスターかと思っていた緑ヤロウは、俺と行動を共にしていた獣人エルだった…。哀れ、獣人エルは勇者の手によって倒れたのだった。完。」
「ちょっとぉぉぉ!! 俺やっぱり死んでるじゃんんん!! 実はの、伏線回収雑過ぎじゃんんん!!」
うわーんと嘘泣きしながら俺をギュウギュウと抱きしめる。いや、ちょ、おま! 鎧痛いからっ!
「冗談だから! つーか鎧痛いから!」
「あ、ごめん。」
エルは装備をいつもの軽装備に戻した。
「はあ、痛かった…。えっとな、さっきの話だが、緑ヤロウが倒されてまではマジな話な。で、倒された後に獣人アバに戻るもやるけど、これは青月が解けた後。異世界ラノベっぽくエルが呪いで緑ヤロウになってたって感じにする。さらにエルには異世界転移してきた元勇者の設定も上乗せ。」
「えっ、勇者被り? その設定斬新すぎない?」
「ポイントは元だよ、元。前、ラノベで読んだ事あるんだけど、壊滅一歩手前の不毛な王国に無理やり召喚された勇者の話でさ。仲間にも恵まれずチート一筋死に物狂いで冒険して、やっと魔王退治を終わらせた勇者が自力帰還魔法で地球に帰ろうとするが、悲しい事に失敗してまた別な異世界に飛ばされるんだ。が、飛ばされた先もまた魔王退治の世界。」
「おー、なんかしんどい系だね。」
そうそう、めっちゃ序盤がしんどい。召喚先でほぼ扱いが戦闘奴隷。色々縛りがあるから召喚先に逆らえないとかさ…、設定エグいんだよなぁ。創作とは言えども、この異世界仕事はじめてからそのエグさがよりリアルに感じる。あんな世界に絶対召喚されたくないぜ…。
「でも安心しろ。シリアスは最初だけだ。笑える事にうっかり味方になる側を間違えて元勇者が魔王になっちゃうギャグものだ。その元勇者と新勇者が対決するまでのハイテンションストーリーでさ、だいたい勘違いアホネタなんだわ。序盤のシリアスどこ行ったよってね。いやぁ、でもあのラノベ、結構街づくり要素とか国盗り要素とかサイドストーリーが面白かったんだよ。あと元勇者がイケメンな割に魔族女子にモテなくて、周りが見渡す限り暑苦しい筋肉ダルマしかいないハーレム主人公ゼロ感に好感が持てんだよね。ちな元じゃない勇者はイケメンチーレム主人公なんだわー。」
「サイ、途中からラノベの感想になってるんだけど…。」
エルが若干ひいていた…。
おっと、早口オタクのサガが出てしまった!
「あー、脱線ごめん。途中の魔王アホネタは忘れてくれい。で、とりあえずだな。エルは異世界から飛ばされてきた魔王退治した元勇者役で、倒されてから無事改心して元勇者知識を生かした勇者君のサポキャラになる、だ。勇者被りは採用するがこれなら魔王と何かあっても元勇者って免罪符で表だって魔王退治も許されるはず。しかも自然に勇者パーティーと合流しても違和感ないだろ。」
ちょっとネタ仕込み過ぎだが、俺達も和平会議に呼ばれた身なのでいっそ第三勢力キャラを作っていったほうが対処しやすい。
あ、お義母様に勇者ネタ伝えないと…! ハーフって誤魔化したもんな。
「うーん、ざっくり理解した。とりあえず勇者ムーブしとけって事ね。ところで俺が勇者ならサイはどうするの? 今のところ、勇者君の中では攫われたエルフ様になってるけど?」
「あー、俺かー。…えーと、アレだ、そのアレです。えーと、エルの召喚に巻き込まれてたオマケの一般エルフ枠で…。」
俺のポジション全然考えてなかったね!
「ちょ、サイがオマケ枠はないでしょ~?!」
「こまけぇこたぁいいんだよぉ! ダイジョーブ!」
なぜなら俺は目立ちたくないからな!
「それよりエル、青月終わったら勇者の演技頑張ってな。優しく頼りになる先輩勇者風吹かせて、勇者君に擦り寄ってこー!! 」
あの天然勇者君なら擦り寄っても疑わないさ!
「えええ、めっちゃ偽勇者臭半端ないんだけど! ざまぁされそうなんだけど!」
「こまけぇ事を気にしたら試合終了だ、エル。…ふふ、でもほんとに頼りにしてるんだぜ? 俺の勇者様♡」
必殺、エルフ顔で小首をコテンにキュルーンと上目遣い! エルにはよく効くお薬(?)です!
「もう! 可愛くお願いしたらすぐ許されると思って! 許す!」
マジで効いたな…。チョロインか…。
「よし、じゃあ演技任せた。…さあて、魔力回復してきたから…、」
残りの回復薬をグビっとあおる。
「部屋の片付けすっか…。一応、ここシェイプシフターの部屋だしな…。」
「…あー、確かに。シェイプシフター、リスポーンしたら置物のゴーレムとか髑髏スタンドになっちゃいそうだもんね…。ボスなのに…。」
「ウケる。髑髏スタンドのラスボス。」
さあ部屋のお片付けしますよ、っと!
ダラダラとインテリア談義をしながら部屋を片付けてたら丁度いい時間になった。
「さ、エル、スタンバイ。もう一度、緑ヤロウに装備かえて。青月解けてアイツらが起き上がったら光の精霊で包んで光らせる。光が消える時に装備を戻してな。あとは俺がエルに駆け寄って説明セリフする。それに合わせて元勇者として目覚めよ~ってな。」
「オッケー。」
エルは鎧姿に戻ってガシャコンと床に横たわりスタンバイした。
脳内にカウントが出てた。
「"ーーー3、2、1、0"、青月終了、エル始めるよ!」
少しの間を置いて、勇者君達が我に帰ったように起き上がる。辺りを見まわし、倒れたエルに気づく。
「…た、倒したのか?!」
よっしゃ、俺の出番だー!
「…("光の司"、光を灯せ。)」
エルが光の精霊に包まれぶあああと発光した。
…あ、ちょっと眩しすぎたな。勇者君達が目がぁぁ?!ってなってしまった。ごめんて…。
ちょっとの間発光させてから光の精霊を呼び戻すと、エルは指示どおりいつものアバに戻っていた。
「えっ?! この人は?!」
「…ああっ、勇者っ!! やっと呪いが解けた!!」
ダダーッとエルに走り寄って、よっこいせと抱き起こす。
「「「「勇者?」」」」
一瞬勇者パーティーは勇者君をバッと見やり、またエルにバッと視線を戻す。突然の勇者に勇者の勇者渋滞に勇者パーティーは頭にでっかいハテナを浮かべた。
ハイッ、いい反応頂きましたぁー!
「…実はこの方も勇者なのです。じつは俺達、別な世界からここに飛ばされて…。この世界の者ではない異世界の者なのです…。彼はそちらの世界の勇者なんです。」
少し悲しげに俯いてエルの手をそっと握る。
…おいエル、恋人繋ぎにしようとすんな! まだ気を失ったふりしろ! おバカ!
「別な世界?! えっ、じゃあエルフ様も俺みたいにここへ召喚されたんですか?!」
おっと勇者君、食いつくとこそこじゃないぞ!
もっと勇者(エル)に興味を持って!! コイツ、異世界勇者(偽物だけど)だよ?!
「い、いえ、こちらの召喚ではないんです。彼は俺の世界の勇者として召喚されました。そして努力の末魔王を倒した後、俺の帰還魔法で彼を元の世界へ送る直前に、魔王の残留思念が現れ最後の力で呪いをかけ彼を恐ろしい魔人に…。そして発動していた帰還魔法にまで干渉し、俺達は全く知らない世界に放り出されました…。」
「帰還魔法に干渉…、どんな術式かわからないが空間を捻じ曲げるなんて…。残留思念になっても恐ろしい力…。」
「エルフ様まで巻き添えに…。酷い…。」
魔法使い君が難しい顔をしている。多分、頭の中で空間に関する魔法ネタを考察してるのだろう。
そして勇者、お前はエルフしかないのか?
「こちらに来てからしばらくは俺が彼の呪いを抑えていたのですが、とうとう俺の力が呪いに負け…、「緑ヤロウになってエルフ様にあんな無体を…! なんて最低な呪いだ!」、…あ、ええ、まあ最低な呪いでしたね…。」
いや、だから被ってまで食いつくとこ違う。
いまエルフ違う。勇者だ、勇者よ。
「えっと…、皆様彼を救っていただきありがとうございます。彼もこれで正気を取り戻すでしょう。」
さ、エル起きろ。元勇者の出番だ。
膝でぐいっとエルの背中を押してやる。
「…はっ、ここは?!」
「ああ勇者、良かった…。あの呪いは無事解けた。あちらの方々が俺達を救ってくれたんだよ。」
ほらあちらの方々と手で指し示し、いい感じの微笑みを投げた。
おし、俺の説明セリフいい感じにまとまったぜ。
異世界出身の勇者以外は若干異世界転移話についていけてない感はあったが、人助けヒーロー扱いにまんざらでもない表情を浮かべていた。
「なんと…、彼らがあの忌まわしい呪いを…。ありがとう、…この世界の勇者達。」
エルがゆっくりと半身を起こし、胸に手を当て勇者君達に感謝を伝える。よし、擦り寄り! 擦り寄り!
「えっ、そんな勇者って! 勇者さんに勇者って…、えへへ、なんか照れるな!」
勇者君はモジモジしながらも勇者設定にぱああっと笑顔になった。
勇者君はほんと素直でいい子だ。俺が近所のオバちゃんだったら飴ちゃんあげちゃうレベルだよ。
「ふふ、君は間違いなく立派な勇者だよ。呪いで魔人堕ちした俺を聖剣で浄化したし、俺の愛する嫁も助けてくれたんだ。感謝しても感謝しきれない。」
「は、嫁?!」「嫁?!」
ちょ、おま、ドサクサに紛れて何言ってんの?!
<次回予告>
異世界で彼と彼は出会う。それは選ばれし彼らの必然なのだ。
次回、その力とは、『第二十二夜 運命の力』
お楽しみに。
「定時の掟は、俺が守る!」
※次回予告はあんまり本編に関係ありません。
「…実は?」
「ラストでびっくり展開! なんとトドメを刺されたボスの変化がとけてエルに変わる。なんと凶悪なボスモンスターかと思っていた緑ヤロウは、俺と行動を共にしていた獣人エルだった…。哀れ、獣人エルは勇者の手によって倒れたのだった。完。」
「ちょっとぉぉぉ!! 俺やっぱり死んでるじゃんんん!! 実はの、伏線回収雑過ぎじゃんんん!!」
うわーんと嘘泣きしながら俺をギュウギュウと抱きしめる。いや、ちょ、おま! 鎧痛いからっ!
「冗談だから! つーか鎧痛いから!」
「あ、ごめん。」
エルは装備をいつもの軽装備に戻した。
「はあ、痛かった…。えっとな、さっきの話だが、緑ヤロウが倒されてまではマジな話な。で、倒された後に獣人アバに戻るもやるけど、これは青月が解けた後。異世界ラノベっぽくエルが呪いで緑ヤロウになってたって感じにする。さらにエルには異世界転移してきた元勇者の設定も上乗せ。」
「えっ、勇者被り? その設定斬新すぎない?」
「ポイントは元だよ、元。前、ラノベで読んだ事あるんだけど、壊滅一歩手前の不毛な王国に無理やり召喚された勇者の話でさ。仲間にも恵まれずチート一筋死に物狂いで冒険して、やっと魔王退治を終わらせた勇者が自力帰還魔法で地球に帰ろうとするが、悲しい事に失敗してまた別な異世界に飛ばされるんだ。が、飛ばされた先もまた魔王退治の世界。」
「おー、なんかしんどい系だね。」
そうそう、めっちゃ序盤がしんどい。召喚先でほぼ扱いが戦闘奴隷。色々縛りがあるから召喚先に逆らえないとかさ…、設定エグいんだよなぁ。創作とは言えども、この異世界仕事はじめてからそのエグさがよりリアルに感じる。あんな世界に絶対召喚されたくないぜ…。
「でも安心しろ。シリアスは最初だけだ。笑える事にうっかり味方になる側を間違えて元勇者が魔王になっちゃうギャグものだ。その元勇者と新勇者が対決するまでのハイテンションストーリーでさ、だいたい勘違いアホネタなんだわ。序盤のシリアスどこ行ったよってね。いやぁ、でもあのラノベ、結構街づくり要素とか国盗り要素とかサイドストーリーが面白かったんだよ。あと元勇者がイケメンな割に魔族女子にモテなくて、周りが見渡す限り暑苦しい筋肉ダルマしかいないハーレム主人公ゼロ感に好感が持てんだよね。ちな元じゃない勇者はイケメンチーレム主人公なんだわー。」
「サイ、途中からラノベの感想になってるんだけど…。」
エルが若干ひいていた…。
おっと、早口オタクのサガが出てしまった!
「あー、脱線ごめん。途中の魔王アホネタは忘れてくれい。で、とりあえずだな。エルは異世界から飛ばされてきた魔王退治した元勇者役で、倒されてから無事改心して元勇者知識を生かした勇者君のサポキャラになる、だ。勇者被りは採用するがこれなら魔王と何かあっても元勇者って免罪符で表だって魔王退治も許されるはず。しかも自然に勇者パーティーと合流しても違和感ないだろ。」
ちょっとネタ仕込み過ぎだが、俺達も和平会議に呼ばれた身なのでいっそ第三勢力キャラを作っていったほうが対処しやすい。
あ、お義母様に勇者ネタ伝えないと…! ハーフって誤魔化したもんな。
「うーん、ざっくり理解した。とりあえず勇者ムーブしとけって事ね。ところで俺が勇者ならサイはどうするの? 今のところ、勇者君の中では攫われたエルフ様になってるけど?」
「あー、俺かー。…えーと、アレだ、そのアレです。えーと、エルの召喚に巻き込まれてたオマケの一般エルフ枠で…。」
俺のポジション全然考えてなかったね!
「ちょ、サイがオマケ枠はないでしょ~?!」
「こまけぇこたぁいいんだよぉ! ダイジョーブ!」
なぜなら俺は目立ちたくないからな!
「それよりエル、青月終わったら勇者の演技頑張ってな。優しく頼りになる先輩勇者風吹かせて、勇者君に擦り寄ってこー!! 」
あの天然勇者君なら擦り寄っても疑わないさ!
「えええ、めっちゃ偽勇者臭半端ないんだけど! ざまぁされそうなんだけど!」
「こまけぇ事を気にしたら試合終了だ、エル。…ふふ、でもほんとに頼りにしてるんだぜ? 俺の勇者様♡」
必殺、エルフ顔で小首をコテンにキュルーンと上目遣い! エルにはよく効くお薬(?)です!
「もう! 可愛くお願いしたらすぐ許されると思って! 許す!」
マジで効いたな…。チョロインか…。
「よし、じゃあ演技任せた。…さあて、魔力回復してきたから…、」
残りの回復薬をグビっとあおる。
「部屋の片付けすっか…。一応、ここシェイプシフターの部屋だしな…。」
「…あー、確かに。シェイプシフター、リスポーンしたら置物のゴーレムとか髑髏スタンドになっちゃいそうだもんね…。ボスなのに…。」
「ウケる。髑髏スタンドのラスボス。」
さあ部屋のお片付けしますよ、っと!
ダラダラとインテリア談義をしながら部屋を片付けてたら丁度いい時間になった。
「さ、エル、スタンバイ。もう一度、緑ヤロウに装備かえて。青月解けてアイツらが起き上がったら光の精霊で包んで光らせる。光が消える時に装備を戻してな。あとは俺がエルに駆け寄って説明セリフする。それに合わせて元勇者として目覚めよ~ってな。」
「オッケー。」
エルは鎧姿に戻ってガシャコンと床に横たわりスタンバイした。
脳内にカウントが出てた。
「"ーーー3、2、1、0"、青月終了、エル始めるよ!」
少しの間を置いて、勇者君達が我に帰ったように起き上がる。辺りを見まわし、倒れたエルに気づく。
「…た、倒したのか?!」
よっしゃ、俺の出番だー!
「…("光の司"、光を灯せ。)」
エルが光の精霊に包まれぶあああと発光した。
…あ、ちょっと眩しすぎたな。勇者君達が目がぁぁ?!ってなってしまった。ごめんて…。
ちょっとの間発光させてから光の精霊を呼び戻すと、エルは指示どおりいつものアバに戻っていた。
「えっ?! この人は?!」
「…ああっ、勇者っ!! やっと呪いが解けた!!」
ダダーッとエルに走り寄って、よっこいせと抱き起こす。
「「「「勇者?」」」」
一瞬勇者パーティーは勇者君をバッと見やり、またエルにバッと視線を戻す。突然の勇者に勇者の勇者渋滞に勇者パーティーは頭にでっかいハテナを浮かべた。
ハイッ、いい反応頂きましたぁー!
「…実はこの方も勇者なのです。じつは俺達、別な世界からここに飛ばされて…。この世界の者ではない異世界の者なのです…。彼はそちらの世界の勇者なんです。」
少し悲しげに俯いてエルの手をそっと握る。
…おいエル、恋人繋ぎにしようとすんな! まだ気を失ったふりしろ! おバカ!
「別な世界?! えっ、じゃあエルフ様も俺みたいにここへ召喚されたんですか?!」
おっと勇者君、食いつくとこそこじゃないぞ!
もっと勇者(エル)に興味を持って!! コイツ、異世界勇者(偽物だけど)だよ?!
「い、いえ、こちらの召喚ではないんです。彼は俺の世界の勇者として召喚されました。そして努力の末魔王を倒した後、俺の帰還魔法で彼を元の世界へ送る直前に、魔王の残留思念が現れ最後の力で呪いをかけ彼を恐ろしい魔人に…。そして発動していた帰還魔法にまで干渉し、俺達は全く知らない世界に放り出されました…。」
「帰還魔法に干渉…、どんな術式かわからないが空間を捻じ曲げるなんて…。残留思念になっても恐ろしい力…。」
「エルフ様まで巻き添えに…。酷い…。」
魔法使い君が難しい顔をしている。多分、頭の中で空間に関する魔法ネタを考察してるのだろう。
そして勇者、お前はエルフしかないのか?
「こちらに来てからしばらくは俺が彼の呪いを抑えていたのですが、とうとう俺の力が呪いに負け…、「緑ヤロウになってエルフ様にあんな無体を…! なんて最低な呪いだ!」、…あ、ええ、まあ最低な呪いでしたね…。」
いや、だから被ってまで食いつくとこ違う。
いまエルフ違う。勇者だ、勇者よ。
「えっと…、皆様彼を救っていただきありがとうございます。彼もこれで正気を取り戻すでしょう。」
さ、エル起きろ。元勇者の出番だ。
膝でぐいっとエルの背中を押してやる。
「…はっ、ここは?!」
「ああ勇者、良かった…。あの呪いは無事解けた。あちらの方々が俺達を救ってくれたんだよ。」
ほらあちらの方々と手で指し示し、いい感じの微笑みを投げた。
おし、俺の説明セリフいい感じにまとまったぜ。
異世界出身の勇者以外は若干異世界転移話についていけてない感はあったが、人助けヒーロー扱いにまんざらでもない表情を浮かべていた。
「なんと…、彼らがあの忌まわしい呪いを…。ありがとう、…この世界の勇者達。」
エルがゆっくりと半身を起こし、胸に手を当て勇者君達に感謝を伝える。よし、擦り寄り! 擦り寄り!
「えっ、そんな勇者って! 勇者さんに勇者って…、えへへ、なんか照れるな!」
勇者君はモジモジしながらも勇者設定にぱああっと笑顔になった。
勇者君はほんと素直でいい子だ。俺が近所のオバちゃんだったら飴ちゃんあげちゃうレベルだよ。
「ふふ、君は間違いなく立派な勇者だよ。呪いで魔人堕ちした俺を聖剣で浄化したし、俺の愛する嫁も助けてくれたんだ。感謝しても感謝しきれない。」
「は、嫁?!」「嫁?!」
ちょ、おま、ドサクサに紛れて何言ってんの?!
<次回予告>
異世界で彼と彼は出会う。それは選ばれし彼らの必然なのだ。
次回、その力とは、『第二十二夜 運命の力』
お楽しみに。
「定時の掟は、俺が守る!」
※次回予告はあんまり本編に関係ありません。
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