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健全黒字経営目指します!
もてるんです
しおりを挟む第39話 もてるんです
いくら首を捻っても首筋は全く見えないが、言われれば凄くチュウチュウ吸われた記憶が遥か遠く異世界の彼方にあった気がする…!
まさかアレがキスマーク付け、だと…?
俺のファーストキスマーク…、こんなとこで奪われてた…。しかも年下の男に…。なんだろう、年下に男とつくだけで全然楽しくない響き。
「へえ、バカとは面白え。じゃあもっと増やすかな。(チュッ)」
「ンあっ!」
首筋にまた吸い付くおバカ発生!!
「や、やめろ!増やすなッ!!!!」
ジタバタとレオさんの腕の中で必死でもがく。だが筋肉の前ではやはり無力で、しっかりと抱き抱えられる。
「ほんと初心いな!」
笑いながら腰をグリっと押し付けられた。
「ひっ!!ちょっ、何盛ってんだ?!やめろ、当てんのやめ!!」
「…さっきの石鹸なら少しほぐせるか?」
ツツっと尻の割れ目に固いアレが滑っていく。
何をほぐす気だ、お前!そこにほぐす場所なんてないぞ!!
つーか、異世界人盛りすぎ!!性欲増強の魔法でもあんのか?!
「…やめ!俺、そう言うの無理だから!街で娼のお姉さんにやってもらって!!」
お気にの子に頼めよ!お願い!頼んでください!!
「暴れんなよ。ほら、先っぽ入っちまうぞ?」
グリグリと穴の付近に凶器が押し付けられる。
「ぎゃー!!ケツ壊れる!!」
「ははっ、確かにそのまま俺のぶっ込んだら壊れちまうかもな?」
「ヒッ…!!」
温かい湯にいるはずなのに、俺の背筋が瞬間冷凍される。
あんな凶器を突っ込まれたら大惨事しかない!
汚い話だが、生まれてこの31年間あんなデカさのブツをケツからひり出した事はない!
出した事もないのにそんなん入れられたら、絶対裂けて痔主確定だろ!ケツ死んじゃう!
もうなり振り構ってられない。使える手は使う!
「…ぐす、ごめんなさい…。俺、尻は処女なんで…。ほんと無理なんです…。許して…。」
な、泣き落とし…!
これで引いてくれ…!
「…は?処女?」
こくんと頷く。
ほんとに処女です。男で処女って言うのもアレだけど、ほんと処女だから…。
「処女だからこんな所で…。ほんとムリです…。すいません…。」
未だ抱っこされたままだが、土下座の勢いの半泣きで謝った。タスケテ…、尻神さま…。
「マジかよ…。最高だな…。」
は?最高?何が?
振り返ろとした途端、ギュッと抱きしめられ耳朶をはまれる。
「ひぁっ!!」
「泣かせちまって悪かったな。そんな怖がらせるつもりはなかった。まさかコウが処女なんてよ…。」
チュッチュッと首や頬に優しくキスされる。
だが未だ腕の中から解放されないし、ケツの近くにいるゴリゴリな凶器もそのままである。
うえええん尻神さま、まだ祈り足りないのですかー!!コレ、何か場に捨てなきゃいけないカードとかあるんですかー!!処女カードは捨てたくないんですがー!!
「そ、そろそろお風呂上がりましょ?のぼせちゃうから…、ね?」
矛先をずらす!ケツからずらす!
とりあえず密着してるのがアカン。せめて膝から降りないと、また何かされちゃう…。
「ん?のぼせる…?のぼせるって、どう言う事…だ…?…あ、」
ずる。
レオさんの腕から少し力が抜け、拘束されてた腹まわりが自由になる。
チャーーーーンス!!!!
するりと膝から抜け出し、風呂の縁へ逃げ出した!
「やっと抜けた~!!もう、風呂で変な事しな…って、レオさんんん?!?!」
レオさんがズルズルと湯船に沈んでいく所です…、ってマジのぼせてるー!!!!アカーン!!!!
「ギャー!ちょっと、レオさんしっかり?!」
ヤバい!この筋肉、重くて引き上げきれないよ?!レオさん溺死フラグなの?!
「…あー、やべえ…、すげえぼんやりする…。」
「わあああ気をしっかりーーーッ!!」
なんとか風呂の縁にレオさんの上半身を引っ掛けた。溺死は防いだ。だが、まだだ。まだレオさんの体が湯に浸かっている。
俺の力では、この筋肉の塊をどうする事も出来ない。これはもう風呂を解体するしか…。
俺は急いで風呂からあがり、タブレットを持って戻る。
「ええい、俺のヒノキ風呂サヨナラー!!」
ヒノキ風呂の側面を壊し湯を抜く。
ざぱーーーっ
湯は抜け、レオさんは無事打ち上げられた魚になったのでした…。はあ、デケえ魚だよ…。マグロかな…。
「レオさん、とりあえず水。」
バケツに水を汲み手渡すと、ぼんやりした顔で水をバケツから飲む。
俺ももうひとつのバケツに水を汲み、タオルで冷たいおしぼりを作ってやった。
「あー…、冷え…。」
そのまま空の浴槽に横たわる。
まさか本当に風呂でのぼせるとは思わなかったですよ…。やはり風呂初心者に熱めの湯は難易度が高かった…。
「だから変な事するなって言ったんです!」
…さて、このマグロどうしよう?
このまま寝かせていたら風邪ひくよなぁ。
ふとタブレットの画面に目をやると…、
肌色グラのレオさんが風呂に倒れてた。
「…もしかして、持てる?」
箱庭で地味に凄い機能のひとつ。
オブジェクトならなんでもひとつは掴める。
例え超重量の岩でも、大型ベッドでも、片手でヒョイなのだ。
ドキドキしながらレオさんに箱庭の自身の手グラを重ねる。
ヒョイ。
「ああああ?!?!」
レオさんが宙に浮いた 笑。
マジかー、レオさん掴めるんだー 笑。
俺自身の手はリアルには表示されないようなので、レオさんが何かに掴まれたように斜めに浮いてた。
よし、このままリビングまで運ぶ!
「運ぶのでそのまま動かないでくださいよ~!」
レオさんを持って移動する。箱庭の仕様上持って歩くモーションになるので、ちょっと上下に振られてるが仕方ないよネ!
「…うう、こんな魔法初めてだ…。」
リビングのラグに置いてあげました。
さすがにのぼせた上に振られたから具合悪そうだな…。でも、風呂でおイタした罰です!諦めて!
「はい、水とタオル。これで体拭いて。俺、風呂から服とってくるから。少し横になって休んで下さいよ。」
ストレージから大判タオルを出してレオさんに渡す。俺も真っ裸なので腰に巻いて風呂に戻った。
「…しかし、まさか人体持てるとは思わなかったわ…。」
改めてタブレットチートの凄さを噛み締める。
コレ、マジでチートだよ。世界を変えるの嘘じゃないわ。俺自身にはチート付加されてないけどな…。
ひとしきりタブレットチートに感心した後、脱衣所で部屋着を出して着替えた。レオさんの服をバスケットから取り出して、少しはたいて土埃を落としてやる。
はあ、汚れモンだらけだ…。まるで男子高生の息子がいる主婦になった気分だよ…。
洗濯機は早急に取り付けなきゃダメだな、これは。
服を抱えてリビングに戻る。
「レオさーん、生きてる?」
「…おう、死んでねえよ。だが、まだ頭がぼんやりすんな…。」
なかなかぐったりのご様子。
「ベッドをこの部屋に置くので、今日はここで休んで。」
「…おう。」
服をレオさんの横に置いて、コンソールがある部屋に戻る。
ポチポチとベッドを合成してリビングに配置。
そうそう、冷蔵庫もリビングに入れてしまおう。アッチが生活の拠点になるしな。
こちらの部屋にある家財道具を一旦ストレージに戻して、電気配線の引き直しをする。ついでに俺の部屋になる空き部屋も廊下を繋げて整えて置く。今日はリビングにレオさん寝かすから客間は後でだな。作業机からタブレットを外しストックに戻した。
リビングで寝てるレオさんの横で冷蔵庫や電子レンジ、その他家具を配置し、俺の部屋も作業机やらベッドを置いてなんとなくのお部屋完成。
さてと、次は…、
「…あー、まだ服着てない。まあ、いいです。さっさとベッドに入って!」
「添い寝歓迎。」
「しません。」
キッパリお断りして、ベッドにのぼせマグロを追い立てた。丸出しはもう勘弁なので、ストレージからタオルケットを出して掛けてやった。
やっと、一息つける。
冷蔵庫からちょろよい(いちご)を取り出して、プハーする。あー、うまい…。このご褒美が疲れた俺にちょろっと良いんだ…。なーんて、ちょろよいのCMの真似してしまうぐらい沁みたね!
ちょろよい片手にラグに座りこみ、タブレットを眺める。
時計はすでに20時になるところだ。
ポチりとデリバリーを押して、夜メシに軽めのサンドイッチを注文した。これならレオさんも起きた時に食えるだろうからな。
応援ありがとうございます!
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