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脱走の計画。
しおりを挟む結局僕は、番わなかった。
番う為には、発情期に繋がりながら頸を噛まなければならないらしい。
そんなことも知らなかった僕は、本当に何も知らないのだろう。
翌日ベッドで目覚めた僕は、フォスカと番になったと勘違いして、自殺する!と言って暴れに暴れまくった。
らしい。記憶ないけど…
逃げなきゃ。今すぐ。
僕はそう、決意した。
「アビー!」
「なんですか?ルカ様。」
「ここから逃げたいんだ。助けてくれないか」
僕がそう言うと、アビーは一瞬、驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの無表情に戻った。が、
「ルカ様?貴方様の魔力を持ってすれば、この屋敷の結界など容易いのでは?」
と、とんでもない案を提示してきた。
「む、無理だって!僕の魔力では人を殺してしまう。あ、あの時だって!もう、あんな思いをするのは懲りごりなんだよ。もう二度と、ウィルを失う恐怖を味いたくはないんだ。それに、昨日フォスカにも見られてしまった。い、言っていたじゃないか。おぞましい…って!」
僕の体には、至る所に入れ墨が施されている。それは、美しかったり、おぞましかったり、模様はそれぞれだ。
だが、それすらも、体中の至る所に施されていれば、誰でも気持ち悪い。おぞましい。そう思うことだろう。
そんな事は、何度も経験してきた。学校のオメガ専用の更衣室。プール。夏服。全てが僕にとっては恐怖の対象でしかなかった。
そんな僕に希望を与えてくれたのがウィルだった。
「んーとね、兄様のもようはね、すっごい綺麗で、カッコいいんだよ!だからね、そんな悲しそうな顔、しないで?」
使用人の子供から心ない事を言われて落ち込んでいる僕を見て、6歳のウィルは可愛らしく微笑みながら、僕を慰めてくれた。
ウィルは随分と変わってしまった。
それも多分僕のせい。
この際、フォスカにも、ウィルすらにも見つからない遠いところへ逃げてしまっても良いかもしれない。
僕は、逃げよう。
そう決心した。
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