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【三】漆黒の魔術師
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少し余念を入れて準備をし、日が暮れる前に帰還できるよう、討伐対象の居る渓谷へとやってきた。
川を囲うようにして両側が切り立った崖となり、冒険者でもなければ中々来る機会もないはずだ。
「ルナどうだ、居るか?」
身軽で脅威の身体能力を持つラークと、魔法で自身を強化することを得意とする私が崖を駆け上がり、上から対象を捕捉しようとしているところだ。
「うーん、見当たりませんわね……」
「……」
周囲を伺うよう見回していると、こちらを見るレーヴと目が合った……気がした。
実際には前髪に隠され分からない。
「?」
「ルナライト、一度下で落ち合おう」
ラークが反対側から声を掛ける。
討伐対象に悟られぬよう、本来であれば反響する場所での大声はご法度だ。
だが、入り口付近はそこまでの横幅もなく、大声を出さずとも聞こえた。
「ええ」
ひょいっ。とでも聞こえそうな、軽快な足取りで降りてくる私を、やはりレーヴは見ている。
「……? どうかしましたの、レーヴ」
さすがに気のせいでは無いはず。
それとなく、理由を尋ねる。
「いや、聖女殿が勇者殿に補助魔法をかければ、ルナが危険な真似をする必要などないと思っただけだ」
いつもながら、ド直球。
「はぁ!?」
「な、何言ってるの!? リーダーなんだから、何かあってからでは遅いのよ!?」
そ、そういう理由でしたのね……。
てっきり、補助魔法も満足に使えず、ヴィッツに至っては面倒だから押し付けているかと思ってましたが。
まぁ、理由があるのでしたら、それは良かったですわ。
「リーダー……。将というものは、最適を見極め、的確に指示をする者ではないのか?」
「な、なんだ!? 俺に何か、文句でもあるっていうのか!?」
ヴィッツにしては珍しく狼狽している。
いつもであれば、少し言い返して、すぐルーチェと二人の世界に入って現実逃避をするのであるが。
「いや、率直な意見を述べているだけだ。そこにはヴィッツに対する否定も、肯定もない」
レーヴという者のことはまだ未知数なところが多いが、それにしたって不思議な人物だ。
他人に進んで興味を示す訳ではないが、大局のために個人を分析する、という点では非常に優れている。
前のパーティーではリーダーを務めていたのだろうか?
「~~、くそっ。気分わりぃ。行くぞ!!」
「ヴィッツ、待って!」
気分を害したであろうヴィッツは、状況を整理する間も無く先へ先へと進んで行った。それを追うルーチェ。
「はぁ……。貴方の前任者も同じようなことを言ってたから、図星だったのかしら?」
「なるほど、賢者殿は優れた術者だったか。惜しいな」
「え?」
「いや」
何やら思惑のような言葉が聞こえたが、今はとにかく先へ進んだヴィッツへと追いつかねばーー。
「きゃーーーー!!!!」
「ルーチェ!?」
三人であとを追っていると、前方からルーチェの悲鳴が聞こえた。
ああ、だから勝手な行動は控えて欲しかったのに……。
起こってしまったことに対して責を問うのはあとにして、今はとにかく追いつくことが先決だ。
『風のように、駆けよ』
風の魔法の応用。
自身を風と見立て、身に受ける空気の抵抗を減らし、追い風をおこし、総合的な移動速度を上げるオリジナルの魔法。
それを、レーヴとラークにも纏わせる。
「ほう」
「ったく、世話の焼ける奴らだ」
「行きますわよ!」
勢いづいた私達は、あっという間に悲鳴のあがった場所へ辿り着いた。
「ヘルティラノ……!」
やはり、多少予想はしていたが。
討伐対象である炎の竜種、ヘルティラノ一体が現れた。体躯はゆうにヒトの何倍もある。
ルーチェを庇うようにして、ヴィッツが前に出ている。
対して相手はグルルと喉を鳴らし、目の前のヒトを獲物と捉えているようだ。
全身が赤黒い、大きく太い尻尾が特徴の、飛べない竜種。
顎が発達しているようで、同様に歯の一本一本がヒトの頭一つ分くらいだ。
「お手並み拝見といこうか」
レーヴは大して驚いた様子もなく、淡々としている。
「お、おい! さっさと援護しろ!」
火属性の魔法剣が得意なヴィッツには、相性のわるい相手。
確かに一人で討伐するには骨が折れるかもしれない。だが、それにしてもその態度は如何なものか。
「先に聖女殿の力を見せてくれないか? 私が手を出すと、すぐに片付いてしまう」
「はぁ!? この状況でどうしろっていうのよ!」
「例えばそこの壁役に、身体強化の魔法でもかけてやればいいのでは?」
「っ! ヴィ、ヴィッツ」
「ああ、やってくれ! 目にものを見せてやろう!」
「あ、」
それはまずい。
非常にまずいですわ。
ヴィッツはルーチェを大事にする余り、聖女としての問題点に気付けていない。
何せ、これまでパーティーでかけてきた強化魔法は全てーー。
「うおおおおおおお!!!!」
斬りかかる、その様がスローモーションのように映る。
魔法剣ではなく、鍛えられたその剣本来の強度と、魔法による強化。
ヴィッツの元々の筋力に加え、魔法による強化。
それが合わさったとしても。
「----いってええええええええ!?」
金属が弾ける音と共に、剣の半身がくるくると宙を舞い、地面へと突き刺さった。
同じく反動で飛ばされたヴィッツは、訳が分からないといった様子で地面に伏した。
「なるほどな、合点がいった」
「これが現状だ」
冷静に分析する二人と、結末が見えていた私。
「はぁ……」
もう何度目かのため息かも忘れたほどだ。
ルーチェは、その稀な光属性に対する適性に横着して、自身の実力を伸ばそうとはしなかったのだ。
己の生まれ持った先天属性、それに対する適性が光というのは珍しい。
それだけでも冒険者であれば引く手数多だろう。
だが、それに甘えて他の魔法や属性を、鍛えようともしなかった。
よって、これまでヴィッツの中で、ルーチェが行っていたと思っていた補助の魔法は全て、私がかけていたものだった。
そもそも、ヘルティラノであれば私とラークからすれば、『余裕』というやつだ。
ヴィッツはルーチェに盲目的になるあまり、パーティーメンバーの実力すら把握できていなかった。
「で? 終わりか?」
更に煽りそうな勢いのレーヴ。
いいぞもっとやれ、というのは胸にしまい、当然次はレーヴの実力にも興味が湧く。
「じゃあレーヴの番ですわね、楽しみ」
正直、前回は私とラークで蹴散らしたため、ほとんど実力を把握できていない。
前衛ながら彼のことは放っておいたため、無傷で帰還できる彼を、自衛ができる魔術師。という認識でいた。
元騎士がそれはどうなんだ、というのは重々承知しているが、何せこのパーティーの主力二人=お荷物なのだ。
「そう期待されては仕方ない、応えよう」
普段あれだけ冷静ながら、どこか楽しげに見えるレーヴは、その頭部が秘められたフードをメンバーの前では初めて下した。
「----うそでしょ」
思わず言ってしまった、とばかりにハッとするルーチェ。
何を意味しているかは知らないが、確かに目を奪われた。
艶やかな黒髪は以前からものぞかせていたが、フードにて圧されていた前髪を両脇に払い、初めてその顔が露わになった。
ヴィッツも整った顔立ちをしているが、レーヴは、何と言うのだろう。
彫刻、とでも芸術とでもいうような、見る者を魅了する美しさだった。
漆黒の瞳はまるで夜空のように吸い込まれそうになる。
透き通る肌の白さは、夜空に煌めく星のようだ。
切れ長の眼は、いつもの淡々とした歯切れの良さも納得に、相手を正確に射抜く。
肩よりも長めな長髪だというのも、初めて分かった。
「水の槍」
水魔法を修めている者ならば、誰もが知る魔法。
それ自体に驚きはないが、その数が異常だった。
「あ、有り得ないわ」
詠唱もなく、ただその名を呼んだだけでは通常一本。水に適性のある者ならば片手で数えることの出来る本数を呼ぶことは出来るだろう。
しかし目の前のヘルティラノ目掛けて構えられた水槍は、ゆうに二十本はある。
「さらばだ」
そう呟いたと同時、水槍がヘルティラノ目掛けて上下左右、あらゆる方向から断罪した。
雄叫びにも似た咆哮が聞こえ、その巨大な体躯は地に伏す。
だが、それ以上に目の前のレーヴという魔術師の方から目が離せない。一言でいえば、規格外。
「レ、レーヴ……、貴方いったい」
何者。という言葉が紡がれる前に、何故かご機嫌なルーチェが間に割って入った。
川を囲うようにして両側が切り立った崖となり、冒険者でもなければ中々来る機会もないはずだ。
「ルナどうだ、居るか?」
身軽で脅威の身体能力を持つラークと、魔法で自身を強化することを得意とする私が崖を駆け上がり、上から対象を捕捉しようとしているところだ。
「うーん、見当たりませんわね……」
「……」
周囲を伺うよう見回していると、こちらを見るレーヴと目が合った……気がした。
実際には前髪に隠され分からない。
「?」
「ルナライト、一度下で落ち合おう」
ラークが反対側から声を掛ける。
討伐対象に悟られぬよう、本来であれば反響する場所での大声はご法度だ。
だが、入り口付近はそこまでの横幅もなく、大声を出さずとも聞こえた。
「ええ」
ひょいっ。とでも聞こえそうな、軽快な足取りで降りてくる私を、やはりレーヴは見ている。
「……? どうかしましたの、レーヴ」
さすがに気のせいでは無いはず。
それとなく、理由を尋ねる。
「いや、聖女殿が勇者殿に補助魔法をかければ、ルナが危険な真似をする必要などないと思っただけだ」
いつもながら、ド直球。
「はぁ!?」
「な、何言ってるの!? リーダーなんだから、何かあってからでは遅いのよ!?」
そ、そういう理由でしたのね……。
てっきり、補助魔法も満足に使えず、ヴィッツに至っては面倒だから押し付けているかと思ってましたが。
まぁ、理由があるのでしたら、それは良かったですわ。
「リーダー……。将というものは、最適を見極め、的確に指示をする者ではないのか?」
「な、なんだ!? 俺に何か、文句でもあるっていうのか!?」
ヴィッツにしては珍しく狼狽している。
いつもであれば、少し言い返して、すぐルーチェと二人の世界に入って現実逃避をするのであるが。
「いや、率直な意見を述べているだけだ。そこにはヴィッツに対する否定も、肯定もない」
レーヴという者のことはまだ未知数なところが多いが、それにしたって不思議な人物だ。
他人に進んで興味を示す訳ではないが、大局のために個人を分析する、という点では非常に優れている。
前のパーティーではリーダーを務めていたのだろうか?
「~~、くそっ。気分わりぃ。行くぞ!!」
「ヴィッツ、待って!」
気分を害したであろうヴィッツは、状況を整理する間も無く先へ先へと進んで行った。それを追うルーチェ。
「はぁ……。貴方の前任者も同じようなことを言ってたから、図星だったのかしら?」
「なるほど、賢者殿は優れた術者だったか。惜しいな」
「え?」
「いや」
何やら思惑のような言葉が聞こえたが、今はとにかく先へ進んだヴィッツへと追いつかねばーー。
「きゃーーーー!!!!」
「ルーチェ!?」
三人であとを追っていると、前方からルーチェの悲鳴が聞こえた。
ああ、だから勝手な行動は控えて欲しかったのに……。
起こってしまったことに対して責を問うのはあとにして、今はとにかく追いつくことが先決だ。
『風のように、駆けよ』
風の魔法の応用。
自身を風と見立て、身に受ける空気の抵抗を減らし、追い風をおこし、総合的な移動速度を上げるオリジナルの魔法。
それを、レーヴとラークにも纏わせる。
「ほう」
「ったく、世話の焼ける奴らだ」
「行きますわよ!」
勢いづいた私達は、あっという間に悲鳴のあがった場所へ辿り着いた。
「ヘルティラノ……!」
やはり、多少予想はしていたが。
討伐対象である炎の竜種、ヘルティラノ一体が現れた。体躯はゆうにヒトの何倍もある。
ルーチェを庇うようにして、ヴィッツが前に出ている。
対して相手はグルルと喉を鳴らし、目の前のヒトを獲物と捉えているようだ。
全身が赤黒い、大きく太い尻尾が特徴の、飛べない竜種。
顎が発達しているようで、同様に歯の一本一本がヒトの頭一つ分くらいだ。
「お手並み拝見といこうか」
レーヴは大して驚いた様子もなく、淡々としている。
「お、おい! さっさと援護しろ!」
火属性の魔法剣が得意なヴィッツには、相性のわるい相手。
確かに一人で討伐するには骨が折れるかもしれない。だが、それにしてもその態度は如何なものか。
「先に聖女殿の力を見せてくれないか? 私が手を出すと、すぐに片付いてしまう」
「はぁ!? この状況でどうしろっていうのよ!」
「例えばそこの壁役に、身体強化の魔法でもかけてやればいいのでは?」
「っ! ヴィ、ヴィッツ」
「ああ、やってくれ! 目にものを見せてやろう!」
「あ、」
それはまずい。
非常にまずいですわ。
ヴィッツはルーチェを大事にする余り、聖女としての問題点に気付けていない。
何せ、これまでパーティーでかけてきた強化魔法は全てーー。
「うおおおおおおお!!!!」
斬りかかる、その様がスローモーションのように映る。
魔法剣ではなく、鍛えられたその剣本来の強度と、魔法による強化。
ヴィッツの元々の筋力に加え、魔法による強化。
それが合わさったとしても。
「----いってええええええええ!?」
金属が弾ける音と共に、剣の半身がくるくると宙を舞い、地面へと突き刺さった。
同じく反動で飛ばされたヴィッツは、訳が分からないといった様子で地面に伏した。
「なるほどな、合点がいった」
「これが現状だ」
冷静に分析する二人と、結末が見えていた私。
「はぁ……」
もう何度目かのため息かも忘れたほどだ。
ルーチェは、その稀な光属性に対する適性に横着して、自身の実力を伸ばそうとはしなかったのだ。
己の生まれ持った先天属性、それに対する適性が光というのは珍しい。
それだけでも冒険者であれば引く手数多だろう。
だが、それに甘えて他の魔法や属性を、鍛えようともしなかった。
よって、これまでヴィッツの中で、ルーチェが行っていたと思っていた補助の魔法は全て、私がかけていたものだった。
そもそも、ヘルティラノであれば私とラークからすれば、『余裕』というやつだ。
ヴィッツはルーチェに盲目的になるあまり、パーティーメンバーの実力すら把握できていなかった。
「で? 終わりか?」
更に煽りそうな勢いのレーヴ。
いいぞもっとやれ、というのは胸にしまい、当然次はレーヴの実力にも興味が湧く。
「じゃあレーヴの番ですわね、楽しみ」
正直、前回は私とラークで蹴散らしたため、ほとんど実力を把握できていない。
前衛ながら彼のことは放っておいたため、無傷で帰還できる彼を、自衛ができる魔術師。という認識でいた。
元騎士がそれはどうなんだ、というのは重々承知しているが、何せこのパーティーの主力二人=お荷物なのだ。
「そう期待されては仕方ない、応えよう」
普段あれだけ冷静ながら、どこか楽しげに見えるレーヴは、その頭部が秘められたフードをメンバーの前では初めて下した。
「----うそでしょ」
思わず言ってしまった、とばかりにハッとするルーチェ。
何を意味しているかは知らないが、確かに目を奪われた。
艶やかな黒髪は以前からものぞかせていたが、フードにて圧されていた前髪を両脇に払い、初めてその顔が露わになった。
ヴィッツも整った顔立ちをしているが、レーヴは、何と言うのだろう。
彫刻、とでも芸術とでもいうような、見る者を魅了する美しさだった。
漆黒の瞳はまるで夜空のように吸い込まれそうになる。
透き通る肌の白さは、夜空に煌めく星のようだ。
切れ長の眼は、いつもの淡々とした歯切れの良さも納得に、相手を正確に射抜く。
肩よりも長めな長髪だというのも、初めて分かった。
「水の槍」
水魔法を修めている者ならば、誰もが知る魔法。
それ自体に驚きはないが、その数が異常だった。
「あ、有り得ないわ」
詠唱もなく、ただその名を呼んだだけでは通常一本。水に適性のある者ならば片手で数えることの出来る本数を呼ぶことは出来るだろう。
しかし目の前のヘルティラノ目掛けて構えられた水槍は、ゆうに二十本はある。
「さらばだ」
そう呟いたと同時、水槍がヘルティラノ目掛けて上下左右、あらゆる方向から断罪した。
雄叫びにも似た咆哮が聞こえ、その巨大な体躯は地に伏す。
だが、それ以上に目の前のレーヴという魔術師の方から目が離せない。一言でいえば、規格外。
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