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21 ゆる薬膳コース、ふるまいましょう①
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一旦おやつに持ってきていたクッキーで買収……いや、手なずけ……これも違う。
和解? して、互いに自己紹介をして、警戒心が少しほぐれたところ教えてくれた。
「なるほど、妹のためにか」
「う、うん……」
「危険を承知で来る勇気は認めるけど、勝算がないなら無謀っていうのよ。街の人が心配するでしょっ」
「っ……」
おっと、これ以上言うと泣いてしまいそうだ。
いじめダメ、ゼッタイ。
どうやら、病気の妹のために薬が欲しいらしい美少年キィル。
薬も扱う商人から、腕のいい薬師は魔法使いの集落に居ると噂を聞いて、いても立ってもいられず単身街をでたらしい。
「魔法使い、恐くないの?」
「正直、こわい……けど」
「それよりも妹を助けたい気持ちが上回ったのか。……いい兄だな」
「泣けるぜ……」
しかし、いくら魔法使いにぼったくりの精神はないとはいえ、薬はある程度高価なもの。
子供がそんなお小遣い持ってるのかな……?
「ハニティさんは、……」
「ハニティでいいよ」
「は、ハニティは、……魔女……なんだよね?」
「ん? まぁ、そうね。魔法みたでしょ」
「っ! あの! だったら! ……ぼくを、リースに連れて行ってくれませんか!」
あー、そう言われるとは思った。
困ったなぁ。
親御さんとかのことを考えたら、早くラドリスの街に帰した方がいいんだけど……。
それに。
「連れて行ったとして、お金……あるの?」
いくらわたし達が人を助ける使命があるからと言って、それは『魔物』の存在からだ。
魔力がなくても薬そのものはつくれるし、魔力がない分、医療の心得は医師の方がもちろんある。
無理して魔法使いと関わらなくても、医師を呼ぶお金に回した方がいいと思うけど……。
「魔女は……、おとこが好きと聞いています。特に、若いおとこ。……お金はないので、……ぼくのことを好きに、してもらうつもりです……」
「ええええええ!?」
「そ、そうなのか……?」
ちょっと!
魔女のイメージ戦略、間違った方向にいってるんだけど!?
だーれがショタコンだよ、確かに癒しだけども!
ダオ引いてるじゃん。
「えーっと、キィル? それは……少し違う……かなぁ?」
「ぇ……?」
「う、うーん。上手く言えないんだけど」
あんまり否定すると先人の努力が報われないので、やんわり訂正する。
「でも、……ハニティとダオさ……ダオも、そういう関係、……ですよね?」
「──はああああああああぁぁ!?」
「ははは!」
笑いごっちゃない。
あまりにもダオがかわいそう過ぎる。
彼にだって選ぶ権利あるでしょうに。
魔女ってどれだけ節操ないと思われてんだ。
「ち、ちがうねぇ」
「違うのか?」
「ちがうでしょーが!」
悪ノリのダオが始まる。
こいつ……、無垢な子供を騙すんじゃない!
「そ、そうなんですか……? でも薬師さまはお好きかも……」
「いや、知り合いだけどそんな子じゃないよ」
「え、そんな……」
あああ、まずい。
希望をなくすこと言ってしまった。
うーん、どうしよう。
……そうだ。
「薬ってほどじゃないけど、すこし元気になるものなら、わたしが力になれるかも」
「ほ、ほんとうですか!」
「おいおい、ハニティ。若い方がいいなんて……ひどいじゃないか」
「ダオは黙ってて!」
これじゃどっちが子供だか分からん。
「うん、お金も要らないよ。じっけ……じゃなかった、わたしの魔法で育てたものが、魔力のない人にも効果がアップするのか気になるし」
それらをもっと効率良く体に効くよう調合した薬の方が、良いんだろうけどね。
まぁ、原料だし大差はないでしょう。
前世の東洋医学の考え方で、『薬食同源』……口から入る食べ物はすべて薬になるって考え方あるし。
テイクアウトできそうな薬膳料理、作ってあげよう。
「あ、お腹空いてない? せっかくだし、どういう感じかキィルにもふるまってあげるよ」
「い、いいんですか……?」
「へぇ、楽しみだな」
「ダオはごはん抜きね」
「ハニティ、ひどい」
ひどいのは、お前じゃあああ!
和解? して、互いに自己紹介をして、警戒心が少しほぐれたところ教えてくれた。
「なるほど、妹のためにか」
「う、うん……」
「危険を承知で来る勇気は認めるけど、勝算がないなら無謀っていうのよ。街の人が心配するでしょっ」
「っ……」
おっと、これ以上言うと泣いてしまいそうだ。
いじめダメ、ゼッタイ。
どうやら、病気の妹のために薬が欲しいらしい美少年キィル。
薬も扱う商人から、腕のいい薬師は魔法使いの集落に居ると噂を聞いて、いても立ってもいられず単身街をでたらしい。
「魔法使い、恐くないの?」
「正直、こわい……けど」
「それよりも妹を助けたい気持ちが上回ったのか。……いい兄だな」
「泣けるぜ……」
しかし、いくら魔法使いにぼったくりの精神はないとはいえ、薬はある程度高価なもの。
子供がそんなお小遣い持ってるのかな……?
「ハニティさんは、……」
「ハニティでいいよ」
「は、ハニティは、……魔女……なんだよね?」
「ん? まぁ、そうね。魔法みたでしょ」
「っ! あの! だったら! ……ぼくを、リースに連れて行ってくれませんか!」
あー、そう言われるとは思った。
困ったなぁ。
親御さんとかのことを考えたら、早くラドリスの街に帰した方がいいんだけど……。
それに。
「連れて行ったとして、お金……あるの?」
いくらわたし達が人を助ける使命があるからと言って、それは『魔物』の存在からだ。
魔力がなくても薬そのものはつくれるし、魔力がない分、医療の心得は医師の方がもちろんある。
無理して魔法使いと関わらなくても、医師を呼ぶお金に回した方がいいと思うけど……。
「魔女は……、おとこが好きと聞いています。特に、若いおとこ。……お金はないので、……ぼくのことを好きに、してもらうつもりです……」
「ええええええ!?」
「そ、そうなのか……?」
ちょっと!
魔女のイメージ戦略、間違った方向にいってるんだけど!?
だーれがショタコンだよ、確かに癒しだけども!
ダオ引いてるじゃん。
「えーっと、キィル? それは……少し違う……かなぁ?」
「ぇ……?」
「う、うーん。上手く言えないんだけど」
あんまり否定すると先人の努力が報われないので、やんわり訂正する。
「でも、……ハニティとダオさ……ダオも、そういう関係、……ですよね?」
「──はああああああああぁぁ!?」
「ははは!」
笑いごっちゃない。
あまりにもダオがかわいそう過ぎる。
彼にだって選ぶ権利あるでしょうに。
魔女ってどれだけ節操ないと思われてんだ。
「ち、ちがうねぇ」
「違うのか?」
「ちがうでしょーが!」
悪ノリのダオが始まる。
こいつ……、無垢な子供を騙すんじゃない!
「そ、そうなんですか……? でも薬師さまはお好きかも……」
「いや、知り合いだけどそんな子じゃないよ」
「え、そんな……」
あああ、まずい。
希望をなくすこと言ってしまった。
うーん、どうしよう。
……そうだ。
「薬ってほどじゃないけど、すこし元気になるものなら、わたしが力になれるかも」
「ほ、ほんとうですか!」
「おいおい、ハニティ。若い方がいいなんて……ひどいじゃないか」
「ダオは黙ってて!」
これじゃどっちが子供だか分からん。
「うん、お金も要らないよ。じっけ……じゃなかった、わたしの魔法で育てたものが、魔力のない人にも効果がアップするのか気になるし」
それらをもっと効率良く体に効くよう調合した薬の方が、良いんだろうけどね。
まぁ、原料だし大差はないでしょう。
前世の東洋医学の考え方で、『薬食同源』……口から入る食べ物はすべて薬になるって考え方あるし。
テイクアウトできそうな薬膳料理、作ってあげよう。
「あ、お腹空いてない? せっかくだし、どういう感じかキィルにもふるまってあげるよ」
「い、いいんですか……?」
「へぇ、楽しみだな」
「ダオはごはん抜きね」
「ハニティ、ひどい」
ひどいのは、お前じゃあああ!
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