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14.依頼とダンジョンと①
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どうやら依頼の中には、ダンジョンにしか居ない魔物の素材の納品とやらもあるらしい。
「へ~、一石二鳥だな」
ダンジョンとやらに行けばレジェンダリー? とやらも手に入る可能性があるだろうし、自身の修行にもなる。
「オレも戦いたくて仕方ねぇ。受けようぜ」
「ふーーん、……ってA級の依頼なんですけど!?」
「あら。S級二人が居るパーティーですもの。構いませんわよ」
いや、理論上そうだとしてもですよお姉さん!?
俺E級。戦闘経験ほぼ無し。
お荷物確定でしょ!
「まぁまぁ。私達もおりますし。修行の一環だと思って頂ければ」
その修行がハード過ぎるんだって!
「お前の実力なら正直問題ないと思うぜ? 自分の実力を確認するいい機会じゃねぇか」
あぁ、ダメだ。この人ら何言っても聞いてくれない。
「はぁ……、分かったよ。んで? どんな魔物が対象なんだ」
「なんだ、オールドワイバーンじゃねぇか。楽勝だろ」
「本当ね」
いや、名前からしてヤバイだろ。
「こいつ、ダンジョンにも生息してんのか」
「炎系のブレスが厄介だったかしら?」
「だな。まぁ、オレが斬れば問題ないだろ」
会話に着いていけない。
「えーーっと、その他にはどんな魔物が出るか図書館で調べたりとかーー」
「そんな事したことねぇな」
「一々気にしてませんわねぇ」
デスヨネ。
◆
受注の意を示すと受付の人に何とも言えない表情をされた。
そうだよな、E級が受けるなんて本当は止めたいけど、後ろの二人見たら止められないよな。
どうやらダンジョンに行くには別で申請がいるらしく、そちらも同時に手続してくれた。
「おーー」
以前にベリーエンテを求めてやってきた北の森。
この辺りには水源があり、西へと川がのびているのだろう。
緑豊かな場所だ。
前回よりも更に奥深くへと入っていく。
目印なのか、所々ダンジョンへの道しるべもあった。
「久しぶりに来ましたわねぇ」
さわさわと、どこか水の音が聞こえる程奥深くまでやってきた。
とある一か所に差し掛かると、まるで教会に来たかのような静寂と共に、魔法陣があった。
結構リアル志向でこの世界を過ごしていたが、こういう所はゲームっぽい。
「ってか、炎系の魔物が居るようには見えねぇがな」
確かに。
この辺で炎の息とやらをぶっ放せば、文字通り大火事だ。
「……異常繁殖? だから、間引きの意味での素材依頼?」
「オレもこの間討伐依頼受けたぜ? 炎系の魔物が増えてんのか?」
「へーー」
何か色々大変なんだな。
「まぁ、行ってみれば分かるでしょう」
「だな」
「はぁ」
俺、対魔物って意味ではほとんど実戦経験ないんですけど……。
たぶん何言っても「何とかなるだろ」で終わりそうだ。
自分で考えて動くしかないな。
「おおお」
ルルやグレイにならって魔法陣の上へと乗ってみる。
すると、魔法陣が反応しどこかへと転送されているようだ。
「これぞファンタジー……!」
「「?」」
それはほんの一瞬の出来事で、先程居た場所とは全く違う。なんだろう。聖域のような場所に飛ばされていた。
雰囲気自体は似ている。
緑が濃い森で、周辺には小規模の泉が所々湧き、花や薬草。
そう、元いた森よりも……より神聖な奥深くの森。って感じだ。
だが、こちらも同様に道順という程ではないが人が通るであろうスペースがきれいに整備されている。
人が通っている証拠だ。
「何か、ブレスを吐くような魔物が居ると思えないんだが……」
ワイバーンっていうからには、竜だろ?
背の高い木々も生い茂る場所。とてもじゃないが空を飛ぶには向いていない。
「まぁ、ダンジョンってのはアルバ・ダスクと近い……、一節には神の御業とも言われているしな。大昔の大魔導師とやらは、神に匹敵する力を持っていたんだと」
「我々の知るような生態系とは、また違った空間なのかもしれませんわね」
「ふえーー」
元居た世界の浅い知識だと、少なくとも技術や人類の発展てものは現在に近い程最新で、大昔に栄えていたっていうのはあくまで技術的な面を除いてだ。
だが、こちらの世界ではその技術すら昔の方が発展していたという。
きっと魔力ってものがあるからだろうが、想像もつかないな。
「それにしても静かですわね」
「対象が出るのは二層か?」
「ええ。ここにはデスアント、ワイルドボアといったC級くらいの魔物が出ると思うんだけれど」
うわ、名前からして強そう。
ていうか確実に俺よりランク上じゃん。
「ここ、何て名前だっけ?」
「青翠の森ですわ」
うん、名前的にはぴったりだ。
「ーーあら、やっとお出まし?」
「はっ! 準備運動にもなりゃしねぇ」
それまで静寂を保っていた森は、やっと刺客を寄越してきた。
うーーん、見た目からデスアントってやつか?
めちゃめちゃ大きい、……蟻だよなぁ。
「スキル使うまでもねぇぜ!」
突撃隊長、もとい前衛のグレイが颯爽と駆ける。
本人に言う通り、デスアントとやらも魔力を上手く使う種ではないらしい。
その鋭い歯や、手? 足? を攻撃の要としている。
が、グレイにとっては無いのも同然の如くバッサバッサと斬り倒していく。
えぐい。
『風の刃』
ルルはと言えば、器用に敵の周りにだけ強靭な風の刃を繰り出し、こちらもバッサバッサと切り倒していく。
えぐい。
俺も参戦せねば、とスキルを発動させる。
【ユニークスキル:早気】
【クラススキル:胴造り・自動】
【クラススキル:弓構え・魔】
早気の効果で瞬時に効率よく体内を魔力が巡り、手元には魔矢が装填済みの魔弓が形成された。
今はグレイが前を張ってくれているので、素早さには魔力を割いていない。
「よしっ」
一瞬で対象が定まる。
それに向けて強化された肉体が、一瞬の内に魔力の矢を放つ。
グレイの視界の外から攻撃しようとした蟻の頭を、ピンポイントで射抜いた。
「ん?」
だが、いくら実力に差があるとはいえ、スキルも使っていないグレイのように一撃では沈まない。
「頭が固いのか? それとも」
俺の攻撃は、確かに中っている。が、着弾し貫通しきる前に霧散した。
「俺の魔矢に込める魔力が足りない?」
そう考えれば辻褄が合う。
デスアントとやらは魔力を外へは放出していない代わりに、防御に振っているかもしれない。
グレイの剣はレジェンダリーで効果付き。スキルがなくとも実力も相まって十分対処可能なのだろう。
だが俺は相手との力量の差も分からなければ、魔矢の性能も未知数。
調整相手には、丁度いい……か?
今度はもう少し魔力を矢に集中して込めてみる。
そして同様に、別の個体の頭を射抜いた。
「いけたかっ」
今度は上手く射抜けた。
つまり、俺が省エネを心がけ過ぎて出力が足りていなかった訳だ。
「まぁ、ハヤト様。頭を射抜けるなんて、さすがですわ!」
「え”」
予期せぬ言葉を掛けられる。
「こいつらは魔力を頭に集中させる代わりに他の防御力が低いんだ。基本はそっちを優先して破壊だな」
「そ、そうなんだ……」
なんだか、遠回りをしていたらしい。
で、あれば。
少ない出力でもいいなら、逆に数を増やせないか……?
省エネしてもしなくても一緒なら、強化した魔矢と同等の魔力を使って手数を増やした方がいい。
うんうん頭を捻っていると、またもや頭に何かが浮かんだ。
【クラススキル:会・魔眼】
【クラススキル:離れ・星霜】
うわ。また一気にスキル覚えちゃったよ、おい。
しかも前に聞いた魔眼ってやつと……、今度は射法八節の内、離れか。
ってことは、矢を放った後の効果か?
ええい、もう全部使ってしまえい!
半ばやけくそでスキルを発動する。
すると、恐らく魔眼の効果だろうか?
周辺の魔力が、自分の魔力とぶつかる感覚がする。
それはセンサーのように、相手と自分との距離を確かめ、把握し、その情報を元に魔矢が自動でロックオンし始めた。
もちろん見知った魔力……、二人には中らないような軌道を描くイメージで。
「これで……?」
もう一個のスキルは離れの後、つまり矢を放った後に発動でいいんだよな?
ひとまずデスアントのとあるご一行様を狙いに定め、その内の一匹へと魔矢を放つ。
「今だ……!」
放った瞬間にスキルを使用。
すると、俺が魔眼で認識したデスアントご一行様、計六体全てに向け元は一本だった魔矢が自動で六本へと派生した。
そして、的確に魔力の薄い個所へとヒットする。
うん、弓職でこれはチートだわ。
ご一行様を掃討していると、他のやつらも二人が片付けてくれた。
ふう。何とか倒したか?
「ハヤト! 何だ今の!?」
ものすごーーく興奮気味にグレイが駆け寄ってくる。
さすが戦闘狂。戦ってる最中なのに良く見てらっしゃる。
「自分の考えが上手く機能するスキルを覚えたみたいだ……、えーーっと。ステータス」
【クラススキル:会・魔眼】【Lv10】
【矢を放つ、その相手を見定める。己の気を周囲に巡らせ、索敵にも応用可能。※早気の効果で瞬時に発動可能だが、併用するとスピードの倍率が下がる代わりに弱点を見抜くことができる】
【クラススキル:離れ・星霜】【Lv10】
【つがえた魔矢を、離れの瞬間増殖させることが可能。※早気と魔眼の効果で瞬時に必要数生成】
うん? スピードの倍率……、つまり胴造りによる肉体操作の恩恵? ……あれで下がってたんか?
というかここに来てスキルの併用による恩恵が出て来たな。
早気と特に相性が良いのが魔眼だろうか。相手の魔力が薄い、弱点を見抜きつつ、その空間で把握している対象全てを瞬時に物見を定めると……。
「やりすぎでは?」
「やっぱりレベル十ですの?」
「あ、うん。そうみたいだな」
「ハヤトと手合わせする日も近いかぁ?」
「無理だろ……」
とにかく、またもや便利なスキルを覚えたみたいだ。
「へ~、一石二鳥だな」
ダンジョンとやらに行けばレジェンダリー? とやらも手に入る可能性があるだろうし、自身の修行にもなる。
「オレも戦いたくて仕方ねぇ。受けようぜ」
「ふーーん、……ってA級の依頼なんですけど!?」
「あら。S級二人が居るパーティーですもの。構いませんわよ」
いや、理論上そうだとしてもですよお姉さん!?
俺E級。戦闘経験ほぼ無し。
お荷物確定でしょ!
「まぁまぁ。私達もおりますし。修行の一環だと思って頂ければ」
その修行がハード過ぎるんだって!
「お前の実力なら正直問題ないと思うぜ? 自分の実力を確認するいい機会じゃねぇか」
あぁ、ダメだ。この人ら何言っても聞いてくれない。
「はぁ……、分かったよ。んで? どんな魔物が対象なんだ」
「なんだ、オールドワイバーンじゃねぇか。楽勝だろ」
「本当ね」
いや、名前からしてヤバイだろ。
「こいつ、ダンジョンにも生息してんのか」
「炎系のブレスが厄介だったかしら?」
「だな。まぁ、オレが斬れば問題ないだろ」
会話に着いていけない。
「えーーっと、その他にはどんな魔物が出るか図書館で調べたりとかーー」
「そんな事したことねぇな」
「一々気にしてませんわねぇ」
デスヨネ。
◆
受注の意を示すと受付の人に何とも言えない表情をされた。
そうだよな、E級が受けるなんて本当は止めたいけど、後ろの二人見たら止められないよな。
どうやらダンジョンに行くには別で申請がいるらしく、そちらも同時に手続してくれた。
「おーー」
以前にベリーエンテを求めてやってきた北の森。
この辺りには水源があり、西へと川がのびているのだろう。
緑豊かな場所だ。
前回よりも更に奥深くへと入っていく。
目印なのか、所々ダンジョンへの道しるべもあった。
「久しぶりに来ましたわねぇ」
さわさわと、どこか水の音が聞こえる程奥深くまでやってきた。
とある一か所に差し掛かると、まるで教会に来たかのような静寂と共に、魔法陣があった。
結構リアル志向でこの世界を過ごしていたが、こういう所はゲームっぽい。
「ってか、炎系の魔物が居るようには見えねぇがな」
確かに。
この辺で炎の息とやらをぶっ放せば、文字通り大火事だ。
「……異常繁殖? だから、間引きの意味での素材依頼?」
「オレもこの間討伐依頼受けたぜ? 炎系の魔物が増えてんのか?」
「へーー」
何か色々大変なんだな。
「まぁ、行ってみれば分かるでしょう」
「だな」
「はぁ」
俺、対魔物って意味ではほとんど実戦経験ないんですけど……。
たぶん何言っても「何とかなるだろ」で終わりそうだ。
自分で考えて動くしかないな。
「おおお」
ルルやグレイにならって魔法陣の上へと乗ってみる。
すると、魔法陣が反応しどこかへと転送されているようだ。
「これぞファンタジー……!」
「「?」」
それはほんの一瞬の出来事で、先程居た場所とは全く違う。なんだろう。聖域のような場所に飛ばされていた。
雰囲気自体は似ている。
緑が濃い森で、周辺には小規模の泉が所々湧き、花や薬草。
そう、元いた森よりも……より神聖な奥深くの森。って感じだ。
だが、こちらも同様に道順という程ではないが人が通るであろうスペースがきれいに整備されている。
人が通っている証拠だ。
「何か、ブレスを吐くような魔物が居ると思えないんだが……」
ワイバーンっていうからには、竜だろ?
背の高い木々も生い茂る場所。とてもじゃないが空を飛ぶには向いていない。
「まぁ、ダンジョンってのはアルバ・ダスクと近い……、一節には神の御業とも言われているしな。大昔の大魔導師とやらは、神に匹敵する力を持っていたんだと」
「我々の知るような生態系とは、また違った空間なのかもしれませんわね」
「ふえーー」
元居た世界の浅い知識だと、少なくとも技術や人類の発展てものは現在に近い程最新で、大昔に栄えていたっていうのはあくまで技術的な面を除いてだ。
だが、こちらの世界ではその技術すら昔の方が発展していたという。
きっと魔力ってものがあるからだろうが、想像もつかないな。
「それにしても静かですわね」
「対象が出るのは二層か?」
「ええ。ここにはデスアント、ワイルドボアといったC級くらいの魔物が出ると思うんだけれど」
うわ、名前からして強そう。
ていうか確実に俺よりランク上じゃん。
「ここ、何て名前だっけ?」
「青翠の森ですわ」
うん、名前的にはぴったりだ。
「ーーあら、やっとお出まし?」
「はっ! 準備運動にもなりゃしねぇ」
それまで静寂を保っていた森は、やっと刺客を寄越してきた。
うーーん、見た目からデスアントってやつか?
めちゃめちゃ大きい、……蟻だよなぁ。
「スキル使うまでもねぇぜ!」
突撃隊長、もとい前衛のグレイが颯爽と駆ける。
本人に言う通り、デスアントとやらも魔力を上手く使う種ではないらしい。
その鋭い歯や、手? 足? を攻撃の要としている。
が、グレイにとっては無いのも同然の如くバッサバッサと斬り倒していく。
えぐい。
『風の刃』
ルルはと言えば、器用に敵の周りにだけ強靭な風の刃を繰り出し、こちらもバッサバッサと切り倒していく。
えぐい。
俺も参戦せねば、とスキルを発動させる。
【ユニークスキル:早気】
【クラススキル:胴造り・自動】
【クラススキル:弓構え・魔】
早気の効果で瞬時に効率よく体内を魔力が巡り、手元には魔矢が装填済みの魔弓が形成された。
今はグレイが前を張ってくれているので、素早さには魔力を割いていない。
「よしっ」
一瞬で対象が定まる。
それに向けて強化された肉体が、一瞬の内に魔力の矢を放つ。
グレイの視界の外から攻撃しようとした蟻の頭を、ピンポイントで射抜いた。
「ん?」
だが、いくら実力に差があるとはいえ、スキルも使っていないグレイのように一撃では沈まない。
「頭が固いのか? それとも」
俺の攻撃は、確かに中っている。が、着弾し貫通しきる前に霧散した。
「俺の魔矢に込める魔力が足りない?」
そう考えれば辻褄が合う。
デスアントとやらは魔力を外へは放出していない代わりに、防御に振っているかもしれない。
グレイの剣はレジェンダリーで効果付き。スキルがなくとも実力も相まって十分対処可能なのだろう。
だが俺は相手との力量の差も分からなければ、魔矢の性能も未知数。
調整相手には、丁度いい……か?
今度はもう少し魔力を矢に集中して込めてみる。
そして同様に、別の個体の頭を射抜いた。
「いけたかっ」
今度は上手く射抜けた。
つまり、俺が省エネを心がけ過ぎて出力が足りていなかった訳だ。
「まぁ、ハヤト様。頭を射抜けるなんて、さすがですわ!」
「え”」
予期せぬ言葉を掛けられる。
「こいつらは魔力を頭に集中させる代わりに他の防御力が低いんだ。基本はそっちを優先して破壊だな」
「そ、そうなんだ……」
なんだか、遠回りをしていたらしい。
で、あれば。
少ない出力でもいいなら、逆に数を増やせないか……?
省エネしてもしなくても一緒なら、強化した魔矢と同等の魔力を使って手数を増やした方がいい。
うんうん頭を捻っていると、またもや頭に何かが浮かんだ。
【クラススキル:会・魔眼】
【クラススキル:離れ・星霜】
うわ。また一気にスキル覚えちゃったよ、おい。
しかも前に聞いた魔眼ってやつと……、今度は射法八節の内、離れか。
ってことは、矢を放った後の効果か?
ええい、もう全部使ってしまえい!
半ばやけくそでスキルを発動する。
すると、恐らく魔眼の効果だろうか?
周辺の魔力が、自分の魔力とぶつかる感覚がする。
それはセンサーのように、相手と自分との距離を確かめ、把握し、その情報を元に魔矢が自動でロックオンし始めた。
もちろん見知った魔力……、二人には中らないような軌道を描くイメージで。
「これで……?」
もう一個のスキルは離れの後、つまり矢を放った後に発動でいいんだよな?
ひとまずデスアントのとあるご一行様を狙いに定め、その内の一匹へと魔矢を放つ。
「今だ……!」
放った瞬間にスキルを使用。
すると、俺が魔眼で認識したデスアントご一行様、計六体全てに向け元は一本だった魔矢が自動で六本へと派生した。
そして、的確に魔力の薄い個所へとヒットする。
うん、弓職でこれはチートだわ。
ご一行様を掃討していると、他のやつらも二人が片付けてくれた。
ふう。何とか倒したか?
「ハヤト! 何だ今の!?」
ものすごーーく興奮気味にグレイが駆け寄ってくる。
さすが戦闘狂。戦ってる最中なのに良く見てらっしゃる。
「自分の考えが上手く機能するスキルを覚えたみたいだ……、えーーっと。ステータス」
【クラススキル:会・魔眼】【Lv10】
【矢を放つ、その相手を見定める。己の気を周囲に巡らせ、索敵にも応用可能。※早気の効果で瞬時に発動可能だが、併用するとスピードの倍率が下がる代わりに弱点を見抜くことができる】
【クラススキル:離れ・星霜】【Lv10】
【つがえた魔矢を、離れの瞬間増殖させることが可能。※早気と魔眼の効果で瞬時に必要数生成】
うん? スピードの倍率……、つまり胴造りによる肉体操作の恩恵? ……あれで下がってたんか?
というかここに来てスキルの併用による恩恵が出て来たな。
早気と特に相性が良いのが魔眼だろうか。相手の魔力が薄い、弱点を見抜きつつ、その空間で把握している対象全てを瞬時に物見を定めると……。
「やりすぎでは?」
「やっぱりレベル十ですの?」
「あ、うん。そうみたいだな」
「ハヤトと手合わせする日も近いかぁ?」
「無理だろ……」
とにかく、またもや便利なスキルを覚えたみたいだ。
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