魔物になろうズ!

鳥ふみと

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門《ゲート》からの声

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「ん、まぁ。気を取り直して! お互いの特徴について語ろうぜ!」


 なんだかやけくそ気味に吉田さんが話題を変えてきた。


「まず! トップバッターはゴブリン吉田から行くぜ! 特殊能力は多分なし! 装備は腰布! 以上!」 


「なによ? 私がなにか悪い事言った?」

「いあいあ、大丈夫っす」



 フォローにならない合いの手を、俺は反射的に入れたが。

 まさか森山さんに、その『敵』って俺たちと同じ人間かもとか言えないし……。


「自分はえーと、ちょっと飛べます。あとは牙が生えています。以上!」

「ふーん。でも佐嶋君は、たぶん他にも気がつかないだけで、いろいろ能力あると思うよ」

「俺もそう思う。佐嶋氏は勝ち組」

 そうだと良いな~。

 口にはしなかったけど。みんなの言う通り。勝ち組俺TUEEE状態なら、まぁ良いかな~とか思ったり。


「じゃ、次は森山氏にお願いするぜ!」

「はーい。 私はデスナイト。剣を持っていて力は強いみたい。あとやたらと身長が伸びた。以上」

「うーん。佐嶋氏と森山氏は、俺と違って、なんらかの能力があるよな」

「私たちはゴブリンと違うし……。一緒にしないで」

「も、森山さん。ご、ゴブリンだって素敵な力がたぶんありますよ。繁殖力旺盛とか」

「……吉田さんは、私の半径2メートル以内に近づかないで」

「おいおい、なんだよ。おい」



 そんな事をしている時に。

 ふと俺は視線を感じた。

 凱旋門の向こう側の室内に、誰かが立っている。


 なにかこちら側と、向こう側にちょっとした膜でもあるように、良く見えないが。

 たぶん女の人だ。

 そしてコウモリっぽい羽が背中から生えているように見える……。


「悪いが、そろそろ門ゲートから出てくれないか?」

「え? えっ?」

「おいおい、なんだよ」


 どういう力なのか、俺たちは門の中に吸い込まれ。

 向こう側の室内に放り出された。
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