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吉田さんが言うには
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……あとで、ゴブリンの吉田さんから聞いたのだが。
俺は三日ほど。
森山さんの鎧の中から出てこなかったそうだ。
ああ。朝日が黄色く見える……。
なんてことは無く俺は、この世界に来て一番の絶好調だった。
なにかが満ち溢れてくる感じ?
森山さんから力をもらった気がして嬉しい。
どういう訳か、森山さんの中で起きたこと大半の記憶は無いのだが。
たまに鮮明にその時のことが頭に浮かんだりする。
森山さんと二人で視界を共有しながら。
ゴブリンの生態などを見て、面白おかしく話し合ったり……。
そしてまた二人で暗闇にどこまでも沈んでいったり……。
そんな映像が頭に浮かんだり消えたり。
ともかく。
何かに落ち着いた森山さんに鎧から出してもらった俺は。
薄暗いゴブリンの小屋で、吉田さんと話している。
なんだか、久しぶりに会ったような気分だ。
「佐嶋氏が森山氏の鎧に吸い込まれてからの、森山氏の目の点滅具合がヤバかったぞ……」
恐ろしい体験を語るように吉田さんが言う。
「夜とか、すげー勢いでピカピカ光るのでゴブリンどもがビビってな。森山氏は、夢魔王がゴブリンを守るために村に召喚した呪いの鎧……ってことになっている」
「……吉田さんが、そう言ったんですか?」
「いやいや俺じゃない。これは村のゴブリンの精霊使い達がゴブリンどもに宣言したことだ。で、俺がこの呪われた鎧を支配している勇者という事になっている……」
「……つまり、ゴブリンは誤解した。吉田さんは訂正しなかった。……ってことですよね?」
「え? だってみんなスゲー喜んでいるだぜ! 言えるかよ」
吉田さんの言う『みんな』は当然ゴブリンどもの事である。
ゴブリンに乗せられて、勇者になってしまったというゴブリンの吉田さん。
「そうですかー。森山さんも喜んでくれると良いですね。みんな喜んでいるって、伝えてあげてください」
「……」
ジワジワと吉田さんの額に脂汗が浮かび。ゴブリンたちに勘違いさせたままにしている現在のリスクについて気がついたらしい。
はっきり言って、森山さんは吉田さんを本当にゴブリン程度にしか思っていない可能性が高い。
知らないからね。後で、森山さんに真っ二つにされても。
「ううう。そういう状況だから、佐嶋氏の方から森山氏に協力してもらえるように話してくれるとありがたい。と言うか、してくれないと俺は泣いちゃう」
「えー?」
……確かに、ゴブリン吉田さんが、デスナイト森山さんを支配下に置いている設定を知れば。デスナイトは集落ごとゴブリン(吉田さん含む)を消滅させるかもしれない……
「うーん。でも、まぁ。わかりました」
たぶん。俺が言えば、森山さんは聞いてくれると思う。
……たぶん。
「感謝する佐嶋氏……」
ゴブリンの勇者は命拾いしたようだった。
ようやく笑顔がもどりいつもの吉田さんらしくなってくる。
「しかし、とりあえずなんだ……佐嶋氏も卒業したか……」
「なにをですか?」
「いやいや。わかる隠すな。俺もそんな時代があった……」
「え! 吉田さんにもそういう時代が!?」
「……」
俺は、小屋を出て森山さんを探しに行くことにした。
夜が深みを増していく。
森山さんに吉田さんの勇者就任について話そう。
……聞いてくれるといいな。
俺は三日ほど。
森山さんの鎧の中から出てこなかったそうだ。
ああ。朝日が黄色く見える……。
なんてことは無く俺は、この世界に来て一番の絶好調だった。
なにかが満ち溢れてくる感じ?
森山さんから力をもらった気がして嬉しい。
どういう訳か、森山さんの中で起きたこと大半の記憶は無いのだが。
たまに鮮明にその時のことが頭に浮かんだりする。
森山さんと二人で視界を共有しながら。
ゴブリンの生態などを見て、面白おかしく話し合ったり……。
そしてまた二人で暗闇にどこまでも沈んでいったり……。
そんな映像が頭に浮かんだり消えたり。
ともかく。
何かに落ち着いた森山さんに鎧から出してもらった俺は。
薄暗いゴブリンの小屋で、吉田さんと話している。
なんだか、久しぶりに会ったような気分だ。
「佐嶋氏が森山氏の鎧に吸い込まれてからの、森山氏の目の点滅具合がヤバかったぞ……」
恐ろしい体験を語るように吉田さんが言う。
「夜とか、すげー勢いでピカピカ光るのでゴブリンどもがビビってな。森山氏は、夢魔王がゴブリンを守るために村に召喚した呪いの鎧……ってことになっている」
「……吉田さんが、そう言ったんですか?」
「いやいや俺じゃない。これは村のゴブリンの精霊使い達がゴブリンどもに宣言したことだ。で、俺がこの呪われた鎧を支配している勇者という事になっている……」
「……つまり、ゴブリンは誤解した。吉田さんは訂正しなかった。……ってことですよね?」
「え? だってみんなスゲー喜んでいるだぜ! 言えるかよ」
吉田さんの言う『みんな』は当然ゴブリンどもの事である。
ゴブリンに乗せられて、勇者になってしまったというゴブリンの吉田さん。
「そうですかー。森山さんも喜んでくれると良いですね。みんな喜んでいるって、伝えてあげてください」
「……」
ジワジワと吉田さんの額に脂汗が浮かび。ゴブリンたちに勘違いさせたままにしている現在のリスクについて気がついたらしい。
はっきり言って、森山さんは吉田さんを本当にゴブリン程度にしか思っていない可能性が高い。
知らないからね。後で、森山さんに真っ二つにされても。
「ううう。そういう状況だから、佐嶋氏の方から森山氏に協力してもらえるように話してくれるとありがたい。と言うか、してくれないと俺は泣いちゃう」
「えー?」
……確かに、ゴブリン吉田さんが、デスナイト森山さんを支配下に置いている設定を知れば。デスナイトは集落ごとゴブリン(吉田さん含む)を消滅させるかもしれない……
「うーん。でも、まぁ。わかりました」
たぶん。俺が言えば、森山さんは聞いてくれると思う。
……たぶん。
「感謝する佐嶋氏……」
ゴブリンの勇者は命拾いしたようだった。
ようやく笑顔がもどりいつもの吉田さんらしくなってくる。
「しかし、とりあえずなんだ……佐嶋氏も卒業したか……」
「なにをですか?」
「いやいや。わかる隠すな。俺もそんな時代があった……」
「え! 吉田さんにもそういう時代が!?」
「……」
俺は、小屋を出て森山さんを探しに行くことにした。
夜が深みを増していく。
森山さんに吉田さんの勇者就任について話そう。
……聞いてくれるといいな。
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