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番外編 伊賀崎朔視点
幼馴染と離れたくない。
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「ごめんなさい、この子ったら寝ちゃって」
母親の腕に抱かれている男の子。
初めて会った時、優希はぐっすりと寝ていた。
伊賀崎家と谷口家は仲が良い。母親同士が高校の同級生で、親友だとか。
その交友関係は子供が生まれてからも。
最近越して来た、谷口家のお母さんと当時5歳の優希は挨拶をしにやって来た。
けれど、優希は車での移動中に寝てしまっただとか。
母親たちは何か積もる話があるのか、ずっと喋っていた。
俺は暇していた。遊び相手が寝ていたから。
でも、親同士で話している間、俺は優希のそばにいた。
当時俺も5歳だったけど、優希の寝顔が可愛いなんて思った。
起こさないようにと、そっと触ったほっぺはもちもちしていた。
どんな子なんだろう。何が好きなんだろう。
可愛いな。この子のこと守ろう。
胸がどきどきとする。
楽しみとは違う。
優希との出会いが一番のイベント。
あの時きっと運命を感じた。けれど、当時5歳だった俺は言葉に表せなかった。
**********
それから年月が経ち、俺と優希は出会ってから小中高ずっと一緒だった。
小さい頃は少し甘えただった優希は、月日が経つにつれ、ツンツンとした性格になった。
「・・・待てって言ったのはお前だろ。」
「・・・うざ。帰る。」
けど、それも可愛いく思えてしまうんだ。
そう幸せを感じてたある日の帰り。
「・・・?」
優希から微かに香った匂いに心臓がギュッとなる。
この匂い・・・好きだな。
βの優希からフェロモンの匂いがした。
優希はΩになるんだ。
優希と一緒にいられる。これからも。
**********
優希の全てが愛おしい。
番になれた今もそう思う。
あぁ、もうずっと、離れたくない
俺は優希がβでもΩでも関係なく、一緒にいたい。幼馴染以上の関係になりたいと思っていた。
だが、そういう雰囲気を出せなかったというか。
自分の曖昧な行動ばかりで、優希を傷つけたりもした。
案外俺はヘタレだと思う。
「・・・ぎゅって、して」
恥ずかしげに目を逸らして優希が言った。
不意にされる甘えも愛おしい。
そうされると歯止めが効かなくなりそうだけれど。
「本当さぁ、やばいって・・・」
「は?なっ、ちょっ、どこ触ってっ」
母親の腕に抱かれている男の子。
初めて会った時、優希はぐっすりと寝ていた。
伊賀崎家と谷口家は仲が良い。母親同士が高校の同級生で、親友だとか。
その交友関係は子供が生まれてからも。
最近越して来た、谷口家のお母さんと当時5歳の優希は挨拶をしにやって来た。
けれど、優希は車での移動中に寝てしまっただとか。
母親たちは何か積もる話があるのか、ずっと喋っていた。
俺は暇していた。遊び相手が寝ていたから。
でも、親同士で話している間、俺は優希のそばにいた。
当時俺も5歳だったけど、優希の寝顔が可愛いなんて思った。
起こさないようにと、そっと触ったほっぺはもちもちしていた。
どんな子なんだろう。何が好きなんだろう。
可愛いな。この子のこと守ろう。
胸がどきどきとする。
楽しみとは違う。
優希との出会いが一番のイベント。
あの時きっと運命を感じた。けれど、当時5歳だった俺は言葉に表せなかった。
**********
それから年月が経ち、俺と優希は出会ってから小中高ずっと一緒だった。
小さい頃は少し甘えただった優希は、月日が経つにつれ、ツンツンとした性格になった。
「・・・待てって言ったのはお前だろ。」
「・・・うざ。帰る。」
けど、それも可愛いく思えてしまうんだ。
そう幸せを感じてたある日の帰り。
「・・・?」
優希から微かに香った匂いに心臓がギュッとなる。
この匂い・・・好きだな。
βの優希からフェロモンの匂いがした。
優希はΩになるんだ。
優希と一緒にいられる。これからも。
**********
優希の全てが愛おしい。
番になれた今もそう思う。
あぁ、もうずっと、離れたくない
俺は優希がβでもΩでも関係なく、一緒にいたい。幼馴染以上の関係になりたいと思っていた。
だが、そういう雰囲気を出せなかったというか。
自分の曖昧な行動ばかりで、優希を傷つけたりもした。
案外俺はヘタレだと思う。
「・・・ぎゅって、して」
恥ずかしげに目を逸らして優希が言った。
不意にされる甘えも愛おしい。
そうされると歯止めが効かなくなりそうだけれど。
「本当さぁ、やばいって・・・」
「は?なっ、ちょっ、どこ触ってっ」
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