63 / 104
王子様の取り扱い方
しおりを挟む
その日の朝も、目を覚ますと、花咲きさんが同じベットで眠っていた。
これまで何度も同じ目に遭っているが、いまだに慣れない。
ていうかこれですよ。仮にも乙女と一緒のベッドで平気で眠るあたりが、異性として意識されていないということなのでは? と私は思うわけですよ。
それとも私の存在自体を忘れてる? 昨日も遅くまでお仕事していたようだし。判断力が低下して、何も考えずにベッドで寝てしまったとか? だったらまだましというものだ。
本来なら嫁入り前の乙女として抗議するべきところなのだろうが、近くで眠れるのは嬉しくもあり、指摘することでそれが叶わなくなるのでは、と思うと言い出せないでいる。
でも、そうしたら、このまま曖昧なままで時が過ぎて行くのかなあ……。
それはそれで嫌だなあ……。
とりあえず、ため息をひとつつくと、カツサンドを作るためにベッドから這い出たのだった。
◇◇◇◇◇
いつも通りの場所にカツサンドの詰まったランチボックスを置くと、寝室にちらりと目を向ける。
ドアの開く気配はない。この分だと「いってきますのはぐはぐ」は諦めるしかないか。
外へ出て、日傘をくるくると回しながら道を歩いていると、前方の建物の陰から不意に人影が現れた。私はぶつからないように慌てて立ち止まる。
び、びっくりした……。
よく見れば、人影の正体は茶色の髪に犬の耳をのぞかせた女性。フリージアさん。
「おはようユキちゃん。今ちょっといいかな?」
「ええと、歩きながらでしたら大丈夫ですけど」
な、なんの用だろう。まさかまた深夜の世直しツアーのお誘いじゃないだろうな……。
おそるおそる並んで歩き出すと、フリージアさんが早速口を開く。
「ユキちゃん、ウチらの殿下に変な遊び教えないで貰えねっか?」
「変な遊び? と言いますと?」
なんかしたっけ? 心当たりがない。
「屋台で綿あめ食べたんだって? 来週も待ち合わせの約束したって聞いたでや。でも、正直あんまり殿下に変なもの食べさせないで欲しいんだよね。特に屋台の食べ物なんて何があるかわからないしけ」
変なものって……酷いなあ。
「私だって好きで約束したわけじゃないですよ。断ったら私が『アラン・スミシー』だってバラされそうになったから……それこそフリージアさん達が諌めてくださいよ! 王子様らしからぬ卑怯な手段を使うなって!」
それを聞いたフリージアさんが
「そういう事か」
と額に手を当て空を仰ぐ。
「確かにそれは殿下が悪いね。あの方にも困ったもんだ。実は例の世直しも殿下が言い出した事でさ、付き合わされるウチらは、殿下に傷ひとつつけないようにって必死だよ」
そうなのか……フリージアさん達も苦労してるんだな。
「王子様ってそんなに暇なんですか? 公務とかは?」
「それもほっぽり出すからタチが悪いんさ。どうも殿下にしか知らない抜け道があるみたいで、いつのまにかそこから城外へ出ていっちゃうんよ。そんなだから継承権で……っと、これはユキちゃんには関係ないか。なんかごめんね。いつのまにかウチのほうが愚痴っちゃって」
「い、いえ、お仕事大変なんですね」
それだけユージーンさんがめんどくさい人物だという事か。
「一応殿下を説得してみるけど、ダメだったら付き合ってあげて貰えないかな? さっきも言った通り、いつのまにか抜け道で城下に出て行く可能性も高いし」
そ、そんな……フリージアさんにも、どうにもできそうにないとは。
「それならせめて銀貨とか銅貨とか、細かいお金を持たせてあげて貰えませんか? あの人、この間も綿あめを金貨で買おうとしてたんですよ」
「そういうところ、殿下は常識ないんだよねえ。ウチらが甘やかしたのがいけないのかもしれないけど」
フリージアさんは、そのくせ毛の頭髪をもさもさとかく。
「わかった。次回は金貨以外も持たせるしけ。そのかわり殿下のこと頼んだよ。もしも腹でも壊すようなことがあったら覚悟しといてな」
えっ、酷い。なんという理不尽。私の屋台選びスキルも試されるという事か……。
そんなことを考えているうちにお店に着いた。
「それじゃ、ユキちゃん、今日もお仕事頑張ってな」
フリージアさんは軽く手を挙げると、いつかのように自然に人混みへと紛れていった。
◇◇◇◇◇
「これより第5回銀のうさぎ亭二号店発展会議を行う」
言いながらレオンさんが私達を見回す。
前回の発展会議からあまり間がない。今度こそ何か問題が起きたんだろうか?
レオンさんの言葉を待っていると、不意に彼がこちらを見た。
「この間のネコ子のカツサンドを食ってから、ずっと考えてた。ウチの店には手軽に食えるようなメニューが無いって。それってなかなか致命的じゃねえか? 客の中には小食な奴だっているかもしれねえのに」
それを聞いて私は手を挙げる。
「だからってカツサンドはダメですよ。私の専売特許なんですから」
「わかってるって。だから代わりに何かいいメニューは無いかってお前らに聞いてんだ」
またまた無茶振りを。
「それなら普通のサンドイッチは駄目なのでしょうか?」
クロードさんのもっともな意見に、レオンさんは首を振る。
「そんなのパン屋のサンドイッチの方が美味いに決まってる。客だって、パン屋以下のサンドイッチが出てきたらがっかりするだろ」
うーん、なかなか難しいな……。
ノノンちゃんに目をやれば
「わたし、お料理のことはよくわからなくて……すみません」
あ、逃げた。ずるい。
ともあれ、サンドイッチ以外の軽食にふさわしい料理。何かあったかなあ……ファミレスのメニューにありそうだけど……
わたしは必死でファミレスのメニューを思い浮かべる。
フルーツパフェ……アイスクリーム……ハニートースト……は大きすぎるし……。
あ。
「フレンチトーストなんてどうでしょう」
レオンさんが胡散臭そうな視線を私に向ける。
「フレンチトースト? なんだそりゃ」
「私の国にあった料理です。卵と牛乳と砂糖を混ぜたものにパンを浸して――って、百聞は一見にしかずです。今から作ってみましょう」
私は厨房に立つと、卵と砂糖を混ぜ合わせる。そして牛乳を足してさらに混ぜる。
そうしてできた液体に、食べやすい大きさにスライスした食パンを浸してしばし待つ。
背後ではレオンさんの他にもクロードさんやノノンちゃんまで、私の手元を覗き込んでいる。
なんだかやりづらいなあ……。
熱したフライパンにバターを入れると、液体を吸い込んだ食パンを投入してゆく。
頃合いを見計らって裏返して暫く焼けば完成だ。
三人の前に、それぞれフレンチトーストの乗ったお皿を置くと、みんな無言でナイフを入れる。
「ど、どうでしょうか。お味の方は」
しばらくして返ってきた答えは
「美味いじゃねえか。パンの大きさも調整すれば良さそうだし」
「ええ、とても美味しいですね」
レオンさんとクロードさんがそれぞれ答える。
ノノンちゃんは?
「……おいしいです…………悔しいけど」
なんだか後半不穏な言葉が聞こえたような気がするけど……。
「よし、それじゃあこのフレンチトーストってやつは採用だ。早速正式名を決めねえとな……『黄金色の甘いハーモニー』なんてどうだ?」
出た、このお店特有の独特メニュー名。
「え、ええと、よろしいんじゃないでしょうか」
下手に反論して「それじゃあお前が考えろ」とか言われても困る。
私達は大人しくフレンチトーストもとい『黄金色の甘いハーモニー』を受け入れたのだった。
これまで何度も同じ目に遭っているが、いまだに慣れない。
ていうかこれですよ。仮にも乙女と一緒のベッドで平気で眠るあたりが、異性として意識されていないということなのでは? と私は思うわけですよ。
それとも私の存在自体を忘れてる? 昨日も遅くまでお仕事していたようだし。判断力が低下して、何も考えずにベッドで寝てしまったとか? だったらまだましというものだ。
本来なら嫁入り前の乙女として抗議するべきところなのだろうが、近くで眠れるのは嬉しくもあり、指摘することでそれが叶わなくなるのでは、と思うと言い出せないでいる。
でも、そうしたら、このまま曖昧なままで時が過ぎて行くのかなあ……。
それはそれで嫌だなあ……。
とりあえず、ため息をひとつつくと、カツサンドを作るためにベッドから這い出たのだった。
◇◇◇◇◇
いつも通りの場所にカツサンドの詰まったランチボックスを置くと、寝室にちらりと目を向ける。
ドアの開く気配はない。この分だと「いってきますのはぐはぐ」は諦めるしかないか。
外へ出て、日傘をくるくると回しながら道を歩いていると、前方の建物の陰から不意に人影が現れた。私はぶつからないように慌てて立ち止まる。
び、びっくりした……。
よく見れば、人影の正体は茶色の髪に犬の耳をのぞかせた女性。フリージアさん。
「おはようユキちゃん。今ちょっといいかな?」
「ええと、歩きながらでしたら大丈夫ですけど」
な、なんの用だろう。まさかまた深夜の世直しツアーのお誘いじゃないだろうな……。
おそるおそる並んで歩き出すと、フリージアさんが早速口を開く。
「ユキちゃん、ウチらの殿下に変な遊び教えないで貰えねっか?」
「変な遊び? と言いますと?」
なんかしたっけ? 心当たりがない。
「屋台で綿あめ食べたんだって? 来週も待ち合わせの約束したって聞いたでや。でも、正直あんまり殿下に変なもの食べさせないで欲しいんだよね。特に屋台の食べ物なんて何があるかわからないしけ」
変なものって……酷いなあ。
「私だって好きで約束したわけじゃないですよ。断ったら私が『アラン・スミシー』だってバラされそうになったから……それこそフリージアさん達が諌めてくださいよ! 王子様らしからぬ卑怯な手段を使うなって!」
それを聞いたフリージアさんが
「そういう事か」
と額に手を当て空を仰ぐ。
「確かにそれは殿下が悪いね。あの方にも困ったもんだ。実は例の世直しも殿下が言い出した事でさ、付き合わされるウチらは、殿下に傷ひとつつけないようにって必死だよ」
そうなのか……フリージアさん達も苦労してるんだな。
「王子様ってそんなに暇なんですか? 公務とかは?」
「それもほっぽり出すからタチが悪いんさ。どうも殿下にしか知らない抜け道があるみたいで、いつのまにかそこから城外へ出ていっちゃうんよ。そんなだから継承権で……っと、これはユキちゃんには関係ないか。なんかごめんね。いつのまにかウチのほうが愚痴っちゃって」
「い、いえ、お仕事大変なんですね」
それだけユージーンさんがめんどくさい人物だという事か。
「一応殿下を説得してみるけど、ダメだったら付き合ってあげて貰えないかな? さっきも言った通り、いつのまにか抜け道で城下に出て行く可能性も高いし」
そ、そんな……フリージアさんにも、どうにもできそうにないとは。
「それならせめて銀貨とか銅貨とか、細かいお金を持たせてあげて貰えませんか? あの人、この間も綿あめを金貨で買おうとしてたんですよ」
「そういうところ、殿下は常識ないんだよねえ。ウチらが甘やかしたのがいけないのかもしれないけど」
フリージアさんは、そのくせ毛の頭髪をもさもさとかく。
「わかった。次回は金貨以外も持たせるしけ。そのかわり殿下のこと頼んだよ。もしも腹でも壊すようなことがあったら覚悟しといてな」
えっ、酷い。なんという理不尽。私の屋台選びスキルも試されるという事か……。
そんなことを考えているうちにお店に着いた。
「それじゃ、ユキちゃん、今日もお仕事頑張ってな」
フリージアさんは軽く手を挙げると、いつかのように自然に人混みへと紛れていった。
◇◇◇◇◇
「これより第5回銀のうさぎ亭二号店発展会議を行う」
言いながらレオンさんが私達を見回す。
前回の発展会議からあまり間がない。今度こそ何か問題が起きたんだろうか?
レオンさんの言葉を待っていると、不意に彼がこちらを見た。
「この間のネコ子のカツサンドを食ってから、ずっと考えてた。ウチの店には手軽に食えるようなメニューが無いって。それってなかなか致命的じゃねえか? 客の中には小食な奴だっているかもしれねえのに」
それを聞いて私は手を挙げる。
「だからってカツサンドはダメですよ。私の専売特許なんですから」
「わかってるって。だから代わりに何かいいメニューは無いかってお前らに聞いてんだ」
またまた無茶振りを。
「それなら普通のサンドイッチは駄目なのでしょうか?」
クロードさんのもっともな意見に、レオンさんは首を振る。
「そんなのパン屋のサンドイッチの方が美味いに決まってる。客だって、パン屋以下のサンドイッチが出てきたらがっかりするだろ」
うーん、なかなか難しいな……。
ノノンちゃんに目をやれば
「わたし、お料理のことはよくわからなくて……すみません」
あ、逃げた。ずるい。
ともあれ、サンドイッチ以外の軽食にふさわしい料理。何かあったかなあ……ファミレスのメニューにありそうだけど……
わたしは必死でファミレスのメニューを思い浮かべる。
フルーツパフェ……アイスクリーム……ハニートースト……は大きすぎるし……。
あ。
「フレンチトーストなんてどうでしょう」
レオンさんが胡散臭そうな視線を私に向ける。
「フレンチトースト? なんだそりゃ」
「私の国にあった料理です。卵と牛乳と砂糖を混ぜたものにパンを浸して――って、百聞は一見にしかずです。今から作ってみましょう」
私は厨房に立つと、卵と砂糖を混ぜ合わせる。そして牛乳を足してさらに混ぜる。
そうしてできた液体に、食べやすい大きさにスライスした食パンを浸してしばし待つ。
背後ではレオンさんの他にもクロードさんやノノンちゃんまで、私の手元を覗き込んでいる。
なんだかやりづらいなあ……。
熱したフライパンにバターを入れると、液体を吸い込んだ食パンを投入してゆく。
頃合いを見計らって裏返して暫く焼けば完成だ。
三人の前に、それぞれフレンチトーストの乗ったお皿を置くと、みんな無言でナイフを入れる。
「ど、どうでしょうか。お味の方は」
しばらくして返ってきた答えは
「美味いじゃねえか。パンの大きさも調整すれば良さそうだし」
「ええ、とても美味しいですね」
レオンさんとクロードさんがそれぞれ答える。
ノノンちゃんは?
「……おいしいです…………悔しいけど」
なんだか後半不穏な言葉が聞こえたような気がするけど……。
「よし、それじゃあこのフレンチトーストってやつは採用だ。早速正式名を決めねえとな……『黄金色の甘いハーモニー』なんてどうだ?」
出た、このお店特有の独特メニュー名。
「え、ええと、よろしいんじゃないでしょうか」
下手に反論して「それじゃあお前が考えろ」とか言われても困る。
私達は大人しくフレンチトーストもとい『黄金色の甘いハーモニー』を受け入れたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
湊一桜
恋愛
王宮薬師のアンは、国王に毒を盛った罪を着せられて王宮を追放された。幼少期に両親を亡くして王宮に引き取られたアンは、頼れる兄弟や親戚もいなかった。
森を彷徨って数日、倒れている男性を見つける。男性は高熱と怪我で、意識が朦朧としていた。
オオカミの襲撃にも遭いながら、必死で男性を看病すること二日後、とうとう男性が目を覚ました。ジョーという名のこの男性はとても強く、軽々とオオカミを撃退した。そんなジョーの姿に、不覚にもときめいてしまうアン。
行くあてもないアンは、ジョーと彼の故郷オストワル辺境伯領を目指すことになった。
そして辿り着いたオストワル辺境伯領で待っていたのは、ジョーとの甘い甘い時間だった。
※『小説家になろう』様、『ベリーズカフェ』様でも公開中です。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる