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第1章 乗っ取られた分身を取り戻せ!
6.仲裁の申し出
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立ち塞がる男たちをなぎ倒したリードだったが、ライカを捕まえることはできなかった。
男たちをなぎ倒した後に、温泉宿のオーナーが立ちふさがったのだ。
「あんた、金払ってないね」
「う、それは…」
リードは外から女湯の露天風呂に忍び込み、ライカが来るまで待ち伏せしていた。
窮地に追い詰められたリードは、倒した男達に目を付ける。
1人を締めあげて、
「男呼ばわりしたから、宿代出してくれていいよ?」
「え…」
慰謝料を請求した。
男が渋ると、腕を鳴らした。
「出してくれないなら、もっとサービスするよ」
「出します!出します!」
リードはオーナに向き直り、
「こいつが払います」
と笑顔で答えた。
こうして、窮地を脱したリードは倒したマリクに駆け寄る。
「そうだ。お前に借りを返さなとな」
リードは笑顔でいって、倒した他の男達に鋭い視線を送る。
「お兄さんたち、奢ってくれるよね?」
男たちは涙ながらに頷いた。
こうして、リードは久々の宿と食事にありつけることとなった。
豪勢な夕食にマリクを招待した。
「先日の礼だ。食っていいぞ」
リードは焼き鳥を頬張りながら、縮こまっているマリクに食事を勧めた。
「…‥‥いただきます…」
マリクは気が進まないようだったが、少しずつ料理に手をつけた。
金を巻き上げられた男たちが恨めしそうにこちらを見ている。
リードは気にせず、ガツガツ食事を貪る。
『ふん、魔女に鼻の下伸ばして、肩入れした罰だ!!』
心の中で毒づきながら、やけ食いする。
男どもの邪魔が入ったせいで、ライカを捕まえられなかった。
そのイライラを食事で解消する。
「ああ、食った、食った!温泉の後の食事は最高!!」
温泉旅館の食事は美味で、リードの腹と心を満たした。
「本当です。ご馳走様でした」
マリクも遠慮しながらも、そこそこ食べていた。
「借りは返した、じゃあな」
リードは満たされた腹をさすりながら、上機嫌で背を向けた。
マリクとはこれでお別れだ。
明日からの追跡に備えて、久しぶりの布団で次は睡眠を貪る。
「待ってください、リードさん!」
マリクが引き留めてきた。
リードが振り返ると、真剣な顔があった。
「なぜ、あの子を追ってるのか、お話を聞かせてもらえませんか?」
上機嫌だった気分が一気に冷めていった。
マリクの表情から察するにライカに気があるようだ。
事情を話したところで、マリクがリードの味方になってくれるとは到底思えなかった。
少し迷ったが、
「ここじゃ、何だから部屋で話してやるよ」
とマリクを部屋に誘った。
部屋は和室で、ちゃぶ台が中央に置いてあった。
リードとマリクはそこに向かい合って座る。
「あの子は盗人だって、言ってましたよね?何を盗んだんですか?盗みをするような子には見えませんでしたが…」
マリクが早速口火を切ってきた。
リードはため息を吐く。
盗まれたものを聞いて、マリクは信じてくれるだろうか?
確か、魔術師だと言っていた。
「私の体」
リードは短く答えてマリクを観察する。
「え?‥体?・・・リードさんの‥?」
案の定、マリクは困惑していた。
「正確にいうと、私の分身だ。あいつ、私が作り出した分身を乗っ取りやがったんだ」
「え!?リードさんの分身!?じゃ、あの子の正体は!?」
マリクは仰天している。
「生霊さ。きれいな女の顔してるけど、男か女かもわからない。ただ言えるのは、魔法の扱に相当手慣れてるってことかな」
マリクは考え込んでいる。
「もし、リードさんの言うことが本当なら、かなり高位の魔法使いですね…」
リードは目を丸くした。
「へぇ、信じるのか?」
「え、ええ…まさか、嘘だったんですか?」
「いや、お前、あの魔女に気があるから、信じないと思ってた」
マリクの顔が赤くなる。
「‥‥気があるのは認めます。ですが、それとこれとは話は別です。あの子が悪いことをしたのなら、ちゃんと改めるべきです…」
真剣に答えるマリクを見て、リードは好感を持った。
「お前、面白いな」
「からかわないでください。こっちは真剣なんですから。あの子にもきっと何か事情があるんですよ。その話をどうか聞いてくれませんか?」
「…聞いて、どうするんだ?」
「それは話を聞いたリードさんが決めてください。僕はただの部外者です。あの子とリードさんの間を取り持つことしかできません」
「お前、いいやつだな、気に入った」
「じゃあ…!!」
マリクの顔がパッと明るくなった。
リードはマリクの提案を受け入れた。
男たちをなぎ倒した後に、温泉宿のオーナーが立ちふさがったのだ。
「あんた、金払ってないね」
「う、それは…」
リードは外から女湯の露天風呂に忍び込み、ライカが来るまで待ち伏せしていた。
窮地に追い詰められたリードは、倒した男達に目を付ける。
1人を締めあげて、
「男呼ばわりしたから、宿代出してくれていいよ?」
「え…」
慰謝料を請求した。
男が渋ると、腕を鳴らした。
「出してくれないなら、もっとサービスするよ」
「出します!出します!」
リードはオーナに向き直り、
「こいつが払います」
と笑顔で答えた。
こうして、窮地を脱したリードは倒したマリクに駆け寄る。
「そうだ。お前に借りを返さなとな」
リードは笑顔でいって、倒した他の男達に鋭い視線を送る。
「お兄さんたち、奢ってくれるよね?」
男たちは涙ながらに頷いた。
こうして、リードは久々の宿と食事にありつけることとなった。
豪勢な夕食にマリクを招待した。
「先日の礼だ。食っていいぞ」
リードは焼き鳥を頬張りながら、縮こまっているマリクに食事を勧めた。
「…‥‥いただきます…」
マリクは気が進まないようだったが、少しずつ料理に手をつけた。
金を巻き上げられた男たちが恨めしそうにこちらを見ている。
リードは気にせず、ガツガツ食事を貪る。
『ふん、魔女に鼻の下伸ばして、肩入れした罰だ!!』
心の中で毒づきながら、やけ食いする。
男どもの邪魔が入ったせいで、ライカを捕まえられなかった。
そのイライラを食事で解消する。
「ああ、食った、食った!温泉の後の食事は最高!!」
温泉旅館の食事は美味で、リードの腹と心を満たした。
「本当です。ご馳走様でした」
マリクも遠慮しながらも、そこそこ食べていた。
「借りは返した、じゃあな」
リードは満たされた腹をさすりながら、上機嫌で背を向けた。
マリクとはこれでお別れだ。
明日からの追跡に備えて、久しぶりの布団で次は睡眠を貪る。
「待ってください、リードさん!」
マリクが引き留めてきた。
リードが振り返ると、真剣な顔があった。
「なぜ、あの子を追ってるのか、お話を聞かせてもらえませんか?」
上機嫌だった気分が一気に冷めていった。
マリクの表情から察するにライカに気があるようだ。
事情を話したところで、マリクがリードの味方になってくれるとは到底思えなかった。
少し迷ったが、
「ここじゃ、何だから部屋で話してやるよ」
とマリクを部屋に誘った。
部屋は和室で、ちゃぶ台が中央に置いてあった。
リードとマリクはそこに向かい合って座る。
「あの子は盗人だって、言ってましたよね?何を盗んだんですか?盗みをするような子には見えませんでしたが…」
マリクが早速口火を切ってきた。
リードはため息を吐く。
盗まれたものを聞いて、マリクは信じてくれるだろうか?
確か、魔術師だと言っていた。
「私の体」
リードは短く答えてマリクを観察する。
「え?‥体?・・・リードさんの‥?」
案の定、マリクは困惑していた。
「正確にいうと、私の分身だ。あいつ、私が作り出した分身を乗っ取りやがったんだ」
「え!?リードさんの分身!?じゃ、あの子の正体は!?」
マリクは仰天している。
「生霊さ。きれいな女の顔してるけど、男か女かもわからない。ただ言えるのは、魔法の扱に相当手慣れてるってことかな」
マリクは考え込んでいる。
「もし、リードさんの言うことが本当なら、かなり高位の魔法使いですね…」
リードは目を丸くした。
「へぇ、信じるのか?」
「え、ええ…まさか、嘘だったんですか?」
「いや、お前、あの魔女に気があるから、信じないと思ってた」
マリクの顔が赤くなる。
「‥‥気があるのは認めます。ですが、それとこれとは話は別です。あの子が悪いことをしたのなら、ちゃんと改めるべきです…」
真剣に答えるマリクを見て、リードは好感を持った。
「お前、面白いな」
「からかわないでください。こっちは真剣なんですから。あの子にもきっと何か事情があるんですよ。その話をどうか聞いてくれませんか?」
「…聞いて、どうするんだ?」
「それは話を聞いたリードさんが決めてください。僕はただの部外者です。あの子とリードさんの間を取り持つことしかできません」
「お前、いいやつだな、気に入った」
「じゃあ…!!」
マリクの顔がパッと明るくなった。
リードはマリクの提案を受け入れた。
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