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約束
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**杏奈
「むむ?」
突然に、ズンが鼻の穴を膨らませた。
「今度は何?」
「黒耀様の気配が致します。ですが、どこかおかしい・・フンフン、フンフン。」
「ズンって、鼻から気配を感じるの?」
「ええ、この鼻は私の自慢でございます。杏奈様のこともこうして・・」
「ああもういいわ。それよりおかしいって?」
鼻がいいってこういうことか。自分の気配もこうやって探されていると思うと鳥肌が立つ。想像したくなくて話の続きを促した。
「ええ、ええ。以前私、黒耀様の気配が遠くにあると申しましたよね。それが違うかもしれないと思いまして。」
「でも微弱な気配を感じたのでしょう?」
「ええ、ええ、そうです。微弱なのです、気配が。だから遠いと思っていたのですが、遠くにしては鮮明、と申しますか、ぼやけていなくて。」
「つまり?」
「近いかもしれません、ただ力が薄れていらしゃる。」
「それって・・」
思い当たることが・・ある。ここしばらくの間、どんなに頑張っても黒耀を探し出せなかった。たまたま施設で会ったときは、近付いて初めて、僅かに感じた。
「わざと、気配を消しているのではなくて?」
ズン真面目な顔で声を潜めた。
「消しても消せない匂いがございます。」
ズン・・・何ていうか、なんか・・やだ。
「杏奈様、近ければ辿れます。行きましょう。」
「え、ええ。」
ズンの後を追って、右に左に後ろに前へ・・
「ねぇ、ズン、本当に・・、あっ・・」
「ぐぇっ、」
慌ててズンの後ろ襟を掴むと、カエルが潰れたような音がした。
「いた。見つけた、黒耀だわ。」
「ゲコッ、ゴホッ、むむ・・むむ?あれが黒耀様ですか?」
「ええ。」
「随分とまぁ・・・お変わりになられて・・、あんなでしたっけ?身なりも随分ですが。」
「理由は知らないけど確かに黒耀よ。」
前から歩いてくる黒耀は何か考え込んでいるようで、私に気付きもしない。わざと進行方向に立ちはだかって様子を探ってみた。あら?ちょっと痩せ過ぎじゃないかしら?人間の身体だから?それにしても・・・
「うわ。・・・杏奈。」
ぶつかりそうになって、初めて黒耀は顔を上げた。気配よりも、臭いがきつい。思わず顔をしかめた。
「うわ、じゃないわよ。何その格好?酷すぎるわよ。」
「あー・・・、ちょっと、な。」
「ちょっとじゃないでしょう。ちょちょ、ちょっと、置いて行かないでよっ。」
去ち去ろうとする黒耀に付いて行こうと追いかけると、不機嫌そうに睨まれた。
「何で付いて来るんだ?」
「だ、だって私、あっ、そうだ。これ!見てっ、ほらっ」
私はいつも持ち歩いている、大事な1枚の紙切れを目の前に持っていった。書類上では一応、彼は私の所有物だ。
**海(菫)
碧に会った日、夜遅くまで祈りすぎて翌朝は寝坊してしまった。慌てて時計を見て、もうどれだけ急いでも今日は十夜さんとの朝の約束に行けないことが分かり落胆した。今日はついていない。
落ち込んだ気持ちのまま学校へ行くと、何だか周りがざわついていた。席につきながら先に来ていた瑠璃さんに訳を聞いてみると、隣のクラスに転入生が来たのだと言う。瑠璃さんも廊下ですれ違ったと興奮して教えてくれた。
「転入生って珍しいものなの?」
「いいえ、普通だったらこんなに騒がないわよ。でもね、顔がものすごく美形なのよ。あ、勿論 菫さんの時も大騒ぎだったわよ。」
「え、そうなの?」
「そりゃそうよ、って、先生が来たわよ。・・・っ!?ほらっ、見て。」
瑠璃さんの見開かれた目の先の廊下には、隣のクラスの先生に連れられて歩く転入生がいた。
「ひっ、」
思わず立ち上がってしまい、椅子がガタンと倒れた。その瞬間、クルリと顔がこちらを向いた。
「あ、海。」
私を見付けて嬉しそうに綻ぶ口元が、そう動いたように見える。そこにいるには、昨日見た姿とはまるで違う碧で・・・。
「なになに?菫さん、知り合いなの!?」
「え、えっと・・」
「どうした?早く席につきなさい。」
いつの間にか教室に来ていた十夜さんにきつい口調で言われ、あたふたと椅子を戻して座った。
「すみませんでした・・」
朝のことも怒っているのだろうか?小さくなってうつむいた・・・どうしよう。すると、雫さんが袖を引っ張ってきて、小さな声で「後で紹介してね。」と言ってきた。前の席の瑠璃さんまでもが振り返り目を輝かせてきて、ますます情けない気持ちになる。胃がキリキリと痛んだ。どうしよう、どうにかしないと。
休み時間になって、私はすぐに碧を捕まえて校舎の裏側に向かった。周りの目を気にする余裕もない。
「碧、どういうつもりなの?」
「どういうつもりって、海と話をしに来たんだろ。」
やだもう、泣きそう。
「海じゃないわっ、菫なの。ねぇ、お願いだから、元の場所に帰ってよ。」
私の幸せな世界を壊されたくなくて、必死にすがった。
「お前も一緒になら帰るけど。」
「やめてよ! 私の居場所はここなのよ!でも、碧は違うでしょ? それにその格好だって、いったいどこから・・」
「格好? 学校だからちゃんとしなきゃだろ。どうだ? 結構似合ってると思うんだけど。」
「じゃなくてっ、学費とか、すごく高いのよ。碧にそんなお金あるの?」
私も詳しくなんて知らないけど、碧はにはきっと払えない。
「金? あー・・・心配ならさ、海が出してよ。」
「何言ってるの? 出せる訳ないじゃない。」
「何で? お嬢様なんだろ?」
ギクリ、と心臓が跳び跳ねた。
「あ、碧は、私を憎んでるの?」
「憎む? 俺が? 何の為に?」
キョトン、と碧は目を丸くした。
「お、怒ってないの?」
「何故俺が怒らないといけないんだ?」
「だって、お、置いて行ってしまったし・・」
こんな会話誰にも聞かれたくなくて、自然と声は小さくなった。
「海のせいじゃないだろ、それに手紙もくれたよな。」
「あ・・・」
やっぱりあの手紙は、碧の元へ行っていたんだ。その後の碧の返事がどれだけ私を苦しめたか。思い出して顔が歪んだ。
「どうした?」
「なんでもない。けど、それじゃあどうして? 私、昔の事は知られたくないの。お願いだから・・」
「へー、そうなんだ、知られたくないのか。」
しまった、余計な事を。思った時にはもう遅く、碧はニヤリと笑んだ。
「じゃあさ、こうしよう。俺は何にも喋らない。だから海は金を持って来る、な。」
「お金?目的はお金なの? それだったら・・」
「違う。俺はただ、海と一緒にいたい。」
「・・・本当に? ただそれだけ?」
「あぁ、じゃあさ、こうしよう。金はいいからその代わり、ずっと俺と一緒にいろよ。」
「そんなの無理よ。」
「何でだ?」
「だって学校よ。授業もあるし」
「朝早くならいいのか?」
「朝は駄目、忙しいの。」
「放課後か?」
「放課後も駄目なの。」
「お前、学校に来れば話が出来るって、言ったよな?」
苛立った様子で言われ、ぎゅっ、と心臓が縮んだ。
「やや、休み時間ならっ、ほら、今みたいに。」
「・・・分かった。約束だな。今日から休み時間の度にここに来い。」
嫌。嫌だけれど、刺激して怒らせるくらいなら。
・・小さく頷いた。
「よしっ。いい子だ。」
クシャリと碧は私の頭に手を乗せた。その手は、不思議と優しかった。
「むむ?」
突然に、ズンが鼻の穴を膨らませた。
「今度は何?」
「黒耀様の気配が致します。ですが、どこかおかしい・・フンフン、フンフン。」
「ズンって、鼻から気配を感じるの?」
「ええ、この鼻は私の自慢でございます。杏奈様のこともこうして・・」
「ああもういいわ。それよりおかしいって?」
鼻がいいってこういうことか。自分の気配もこうやって探されていると思うと鳥肌が立つ。想像したくなくて話の続きを促した。
「ええ、ええ。以前私、黒耀様の気配が遠くにあると申しましたよね。それが違うかもしれないと思いまして。」
「でも微弱な気配を感じたのでしょう?」
「ええ、ええ、そうです。微弱なのです、気配が。だから遠いと思っていたのですが、遠くにしては鮮明、と申しますか、ぼやけていなくて。」
「つまり?」
「近いかもしれません、ただ力が薄れていらしゃる。」
「それって・・」
思い当たることが・・ある。ここしばらくの間、どんなに頑張っても黒耀を探し出せなかった。たまたま施設で会ったときは、近付いて初めて、僅かに感じた。
「わざと、気配を消しているのではなくて?」
ズン真面目な顔で声を潜めた。
「消しても消せない匂いがございます。」
ズン・・・何ていうか、なんか・・やだ。
「杏奈様、近ければ辿れます。行きましょう。」
「え、ええ。」
ズンの後を追って、右に左に後ろに前へ・・
「ねぇ、ズン、本当に・・、あっ・・」
「ぐぇっ、」
慌ててズンの後ろ襟を掴むと、カエルが潰れたような音がした。
「いた。見つけた、黒耀だわ。」
「ゲコッ、ゴホッ、むむ・・むむ?あれが黒耀様ですか?」
「ええ。」
「随分とまぁ・・・お変わりになられて・・、あんなでしたっけ?身なりも随分ですが。」
「理由は知らないけど確かに黒耀よ。」
前から歩いてくる黒耀は何か考え込んでいるようで、私に気付きもしない。わざと進行方向に立ちはだかって様子を探ってみた。あら?ちょっと痩せ過ぎじゃないかしら?人間の身体だから?それにしても・・・
「うわ。・・・杏奈。」
ぶつかりそうになって、初めて黒耀は顔を上げた。気配よりも、臭いがきつい。思わず顔をしかめた。
「うわ、じゃないわよ。何その格好?酷すぎるわよ。」
「あー・・・、ちょっと、な。」
「ちょっとじゃないでしょう。ちょちょ、ちょっと、置いて行かないでよっ。」
去ち去ろうとする黒耀に付いて行こうと追いかけると、不機嫌そうに睨まれた。
「何で付いて来るんだ?」
「だ、だって私、あっ、そうだ。これ!見てっ、ほらっ」
私はいつも持ち歩いている、大事な1枚の紙切れを目の前に持っていった。書類上では一応、彼は私の所有物だ。
**海(菫)
碧に会った日、夜遅くまで祈りすぎて翌朝は寝坊してしまった。慌てて時計を見て、もうどれだけ急いでも今日は十夜さんとの朝の約束に行けないことが分かり落胆した。今日はついていない。
落ち込んだ気持ちのまま学校へ行くと、何だか周りがざわついていた。席につきながら先に来ていた瑠璃さんに訳を聞いてみると、隣のクラスに転入生が来たのだと言う。瑠璃さんも廊下ですれ違ったと興奮して教えてくれた。
「転入生って珍しいものなの?」
「いいえ、普通だったらこんなに騒がないわよ。でもね、顔がものすごく美形なのよ。あ、勿論 菫さんの時も大騒ぎだったわよ。」
「え、そうなの?」
「そりゃそうよ、って、先生が来たわよ。・・・っ!?ほらっ、見て。」
瑠璃さんの見開かれた目の先の廊下には、隣のクラスの先生に連れられて歩く転入生がいた。
「ひっ、」
思わず立ち上がってしまい、椅子がガタンと倒れた。その瞬間、クルリと顔がこちらを向いた。
「あ、海。」
私を見付けて嬉しそうに綻ぶ口元が、そう動いたように見える。そこにいるには、昨日見た姿とはまるで違う碧で・・・。
「なになに?菫さん、知り合いなの!?」
「え、えっと・・」
「どうした?早く席につきなさい。」
いつの間にか教室に来ていた十夜さんにきつい口調で言われ、あたふたと椅子を戻して座った。
「すみませんでした・・」
朝のことも怒っているのだろうか?小さくなってうつむいた・・・どうしよう。すると、雫さんが袖を引っ張ってきて、小さな声で「後で紹介してね。」と言ってきた。前の席の瑠璃さんまでもが振り返り目を輝かせてきて、ますます情けない気持ちになる。胃がキリキリと痛んだ。どうしよう、どうにかしないと。
休み時間になって、私はすぐに碧を捕まえて校舎の裏側に向かった。周りの目を気にする余裕もない。
「碧、どういうつもりなの?」
「どういうつもりって、海と話をしに来たんだろ。」
やだもう、泣きそう。
「海じゃないわっ、菫なの。ねぇ、お願いだから、元の場所に帰ってよ。」
私の幸せな世界を壊されたくなくて、必死にすがった。
「お前も一緒になら帰るけど。」
「やめてよ! 私の居場所はここなのよ!でも、碧は違うでしょ? それにその格好だって、いったいどこから・・」
「格好? 学校だからちゃんとしなきゃだろ。どうだ? 結構似合ってると思うんだけど。」
「じゃなくてっ、学費とか、すごく高いのよ。碧にそんなお金あるの?」
私も詳しくなんて知らないけど、碧はにはきっと払えない。
「金? あー・・・心配ならさ、海が出してよ。」
「何言ってるの? 出せる訳ないじゃない。」
「何で? お嬢様なんだろ?」
ギクリ、と心臓が跳び跳ねた。
「あ、碧は、私を憎んでるの?」
「憎む? 俺が? 何の為に?」
キョトン、と碧は目を丸くした。
「お、怒ってないの?」
「何故俺が怒らないといけないんだ?」
「だって、お、置いて行ってしまったし・・」
こんな会話誰にも聞かれたくなくて、自然と声は小さくなった。
「海のせいじゃないだろ、それに手紙もくれたよな。」
「あ・・・」
やっぱりあの手紙は、碧の元へ行っていたんだ。その後の碧の返事がどれだけ私を苦しめたか。思い出して顔が歪んだ。
「どうした?」
「なんでもない。けど、それじゃあどうして? 私、昔の事は知られたくないの。お願いだから・・」
「へー、そうなんだ、知られたくないのか。」
しまった、余計な事を。思った時にはもう遅く、碧はニヤリと笑んだ。
「じゃあさ、こうしよう。俺は何にも喋らない。だから海は金を持って来る、な。」
「お金?目的はお金なの? それだったら・・」
「違う。俺はただ、海と一緒にいたい。」
「・・・本当に? ただそれだけ?」
「あぁ、じゃあさ、こうしよう。金はいいからその代わり、ずっと俺と一緒にいろよ。」
「そんなの無理よ。」
「何でだ?」
「だって学校よ。授業もあるし」
「朝早くならいいのか?」
「朝は駄目、忙しいの。」
「放課後か?」
「放課後も駄目なの。」
「お前、学校に来れば話が出来るって、言ったよな?」
苛立った様子で言われ、ぎゅっ、と心臓が縮んだ。
「やや、休み時間ならっ、ほら、今みたいに。」
「・・・分かった。約束だな。今日から休み時間の度にここに来い。」
嫌。嫌だけれど、刺激して怒らせるくらいなら。
・・小さく頷いた。
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