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***リサ視点***
シンさんを連れて、私は王宮にやってきた。
アリア様に色々聞かれてしゃべった事が、陛下にばれていないかと、心配で堪らない。
重い足取りで向かえば、アリア様のお部屋に通された。そこには陛下もいらっしゃって、ドキドキしたけど責められることもなかったので安心した。
アリア様の衣装と装身具へのこだわりは熱烈で、陛下はすぐに飽きたご様子で退室なさり、その後、側近のオーウェンさんに話しかけられて肝が冷えた。
冷や汗をかきながら用事を伺うと、後でシンさん連れて陛下のお部屋に来るように、との事だった。
お嬢様にも衣装と衣装に合わせた装身具を作りたいのだそうで、私は再び胸を撫で下ろしたのだった。
***レイラ視点***
突然陛下が部屋に入ってきた。
私はだらしなくソファーでごろごろと本を読んでいたところで、慌てて起き上がろうとして、本を床に落とした。
「わわっ、あ。」
「ふん、何を遊んでいる。」
ジュリは今のところはまだ黙ってくれていて、陛下はいつもの様に鼻で笑った。急に入って来られても、もう以前の様な恐怖はない。寧ろ、ジュリに言われて目覚めてしてしまった期待と想いが、胸を膨らませようとする。
この感情を言葉にするならば、好き というのだろうか。心の中で呟いてみた。
でも、今は駄目。座ったまま、ぐっ、とお腹に力を込めた。
「お忙しいのではなかったのですか?」
「ふん。」
ずかずかと寄ってきて、私の横にどかっと座った。ソファーが沈む。
「、、、」
「、、、」
少しそわそわとしていた。何か言いたげなのに、何も言わなくて、暫く沈黙続いた。耐えきれずに声をかけてみた。
「、、、何か、ご用ですか?」
「うん、、、あ、ああ、聞きたい事がある。」
「何でしょう?」
「ああ。」
「、、、?」
「レイラは、、」
「はい。」
「レイラは、そのピアスが気に入っているか?」
「え? ええ。綺麗で、気に入っています。」
私の耳には先日、陛下に付けてもらったピアスが揺れている。思い出すだけでくすぐったい。
「それを作った、職人が来ている。」
「ええっっ!?」
物凄く大きな声が出た。陛下が目を見開いて私を見る。
「どうしてそんなに驚く?」
「えっ、あっ、すみません。びっくりしちゃって、つい、、、あ、ええと、陛下が買い取りたいと仰っていたから、、ええと、すみません。」
自分で、言っていることがよく分からなくなって、口を閉じた。動揺しすぎて変なことを口走ったりしたら大変だ。
シンが、近くまで来ている、、。
「ふん。 、、、レイラは、ああいうのを衣装と合わせて作る事をどう思う?」
「え? ええと、素敵だと思います。」
「欲しいか?」
「、、、ええと、、」
返答に悩んだ。欲しいと言ったらシンに会える? でも危険かしら、、、
「欲しいか?」
もう一度聞かれて、私は戸惑いながら頷いた。
「可能ならば、欲しい、と思います。」
「そうか。」
陛下が満足そうに頷いた。
私は、欲しい、と言った。この返事によって、どうなるのか、どきどきする。
会えるのだろうか、会えるならばいつだろうか、もしかして今から? でもまさかそんな急に、、
急過ぎて心の準備が出来ていない。
けれど預かった物を返す事ばかりが頭を廻り、気が急いた。
もう、早く死にたい訳じゃなくて、この場所で生きる意味を見つけることが出来そうだから。
頭が一杯で、陛下がじっと見ていた事に気付かなかった私は 鎖骨を指で触られて初めて気付き、びくっとした。指はそのまま肌を滑って私の顎を斜めに持ち上げた。視線が陛下とぶつかった。いつの間にか、もう一方の腕は、私の腰を抱え込んでいる。
「何を考えているんだ?」
息がかかりそうなくらいの距離で恥ずかしくて目をそらしたいと思ったけれど、顔がしっかりと固定されていて、叶わなかった。
「え、ええと、、、あの、想像していました。その、綺麗だろうな、と、思って、」
咄嗟に誤魔化した。
「そうか。」
ふっ、と微笑まれて、きゅぅ、と胸が締め付けられた。早く想いを告げたくなる。
私が好きだと伝えたら、この人はどんな顔をするんだろう。
その時、コンコン と、突然ドアがノックされ、ドキンと心臓が鳴った。まさかシン?
すると馴染みの声が聞こえて、ジュリがひょっこり顔を覗かせ、
「お嬢様、リサさんがいらっしゃいましたよ、、、あっ陛下っ、しっ失礼しました。いらっしゃるとは思わず。」
慌ててドアを閉じた。私達は密着し過ぎていたのだ。顔を赤らめながら、なんだリサさんかと半分ほっとして、半分がっかりした。
「ああ、すぐに行く。」
何事もなかったかの様に、陛下が立ち上がり、私も後に続いて、部屋の外へ一歩踏み出した。
次の瞬間、目に映った光景に頭を殴られた様な衝撃が走った。
シンだ。 シンがいる。
シンがリサさんと並んで立っていた。目に見える姿は違うけれど、間違いなくシンだ。
一瞬で、思考が冷静を失った。
すぐに返したい。早く重荷を下ろしたい。私は後先考えずに駆け寄った。
胸ぐらを掴んで唇を押し付けた。この行為を一般的に何というのかなんて、周りがどのように見ているかなんて、考えもしなかった。
シンが抵抗しても離さなかった。
ただ、無我夢中で。
熱い塊が、シンの口へと移されていく。
今まで、よほど我慢していたらしい。思いがけず、この瞬間までの、恐怖、屈辱、戸惑い、辛かった事、芽生えた感情、全てがぐちゃぐちゃになって溢れてきた。唇を離した時、涙で前が見えないくらい泣いていた。
「馬鹿っっ! シンの馬鹿っっ! 酷すぎる」
「駄目だっ、レイラ、死んで欲しくないっっ!」
シンが本来の姿に戻っていく。縋るシンを、力一杯叩いた。こんなんじゃ足りない。もう一度、腕を振り上げた時、その腕をぐい、と掴まれた。
「ひゃっ、え?、やっ、痛いっっ」
「オーウェン! そいつを取り押さえろ!」
陛下だった。私の腕を痛いくらいに掴み、引っ張りながらオーウェンさんに指示を出す。
「えっっ!? どうして!? 」
何が起き始めたのか混乱した。
「レイラっっっ!!!」
オーウェンさんに捕らえられたシンが私を捕まえ様と手を伸ばした。
「待って! その人を離してっ!」
「連れていけ!」
陛下が怒鳴る。私は焦った。こんなつもりじゃなかったのに。シンが連れて行かれてしまう。
「やだ、止めてっ! 離してっっっ!」
私は泣き叫びながら、全ての魔力を振り絞り、シンが逃げられる様に風を起こした。
すぐにシンの周りに風の壁が出来た。
「早くっっ! 行って! 早くっ!!」
じゃないと、魔力が切れてしまう、、、
私の思いは虚しく、シンは何処にも行かなかった。ついに魔力も切れ、意識がもうろうとする。
陛下は乱暴に私の部屋を開け、力任せに私を部屋に放り込んだ。
足がもつれて床に倒れた。
「うぅっ、、つ」
床についた手が変に曲がって、手首に痛みが走ったと同時にドアがバタンと閉められた。
「待って、違う、、こんな、、」
意識が消えそう。
「さっさと連れていけ! 皆出ていけ!! すぐだ!」
遠くで陛下の叫び声が聞こえる。
やがてバタバタと動き回る音が消え、部屋が静まり返るのを感じた
シンさんを連れて、私は王宮にやってきた。
アリア様に色々聞かれてしゃべった事が、陛下にばれていないかと、心配で堪らない。
重い足取りで向かえば、アリア様のお部屋に通された。そこには陛下もいらっしゃって、ドキドキしたけど責められることもなかったので安心した。
アリア様の衣装と装身具へのこだわりは熱烈で、陛下はすぐに飽きたご様子で退室なさり、その後、側近のオーウェンさんに話しかけられて肝が冷えた。
冷や汗をかきながら用事を伺うと、後でシンさん連れて陛下のお部屋に来るように、との事だった。
お嬢様にも衣装と衣装に合わせた装身具を作りたいのだそうで、私は再び胸を撫で下ろしたのだった。
***レイラ視点***
突然陛下が部屋に入ってきた。
私はだらしなくソファーでごろごろと本を読んでいたところで、慌てて起き上がろうとして、本を床に落とした。
「わわっ、あ。」
「ふん、何を遊んでいる。」
ジュリは今のところはまだ黙ってくれていて、陛下はいつもの様に鼻で笑った。急に入って来られても、もう以前の様な恐怖はない。寧ろ、ジュリに言われて目覚めてしてしまった期待と想いが、胸を膨らませようとする。
この感情を言葉にするならば、好き というのだろうか。心の中で呟いてみた。
でも、今は駄目。座ったまま、ぐっ、とお腹に力を込めた。
「お忙しいのではなかったのですか?」
「ふん。」
ずかずかと寄ってきて、私の横にどかっと座った。ソファーが沈む。
「、、、」
「、、、」
少しそわそわとしていた。何か言いたげなのに、何も言わなくて、暫く沈黙続いた。耐えきれずに声をかけてみた。
「、、、何か、ご用ですか?」
「うん、、、あ、ああ、聞きたい事がある。」
「何でしょう?」
「ああ。」
「、、、?」
「レイラは、、」
「はい。」
「レイラは、そのピアスが気に入っているか?」
「え? ええ。綺麗で、気に入っています。」
私の耳には先日、陛下に付けてもらったピアスが揺れている。思い出すだけでくすぐったい。
「それを作った、職人が来ている。」
「ええっっ!?」
物凄く大きな声が出た。陛下が目を見開いて私を見る。
「どうしてそんなに驚く?」
「えっ、あっ、すみません。びっくりしちゃって、つい、、、あ、ええと、陛下が買い取りたいと仰っていたから、、ええと、すみません。」
自分で、言っていることがよく分からなくなって、口を閉じた。動揺しすぎて変なことを口走ったりしたら大変だ。
シンが、近くまで来ている、、。
「ふん。 、、、レイラは、ああいうのを衣装と合わせて作る事をどう思う?」
「え? ええと、素敵だと思います。」
「欲しいか?」
「、、、ええと、、」
返答に悩んだ。欲しいと言ったらシンに会える? でも危険かしら、、、
「欲しいか?」
もう一度聞かれて、私は戸惑いながら頷いた。
「可能ならば、欲しい、と思います。」
「そうか。」
陛下が満足そうに頷いた。
私は、欲しい、と言った。この返事によって、どうなるのか、どきどきする。
会えるのだろうか、会えるならばいつだろうか、もしかして今から? でもまさかそんな急に、、
急過ぎて心の準備が出来ていない。
けれど預かった物を返す事ばかりが頭を廻り、気が急いた。
もう、早く死にたい訳じゃなくて、この場所で生きる意味を見つけることが出来そうだから。
頭が一杯で、陛下がじっと見ていた事に気付かなかった私は 鎖骨を指で触られて初めて気付き、びくっとした。指はそのまま肌を滑って私の顎を斜めに持ち上げた。視線が陛下とぶつかった。いつの間にか、もう一方の腕は、私の腰を抱え込んでいる。
「何を考えているんだ?」
息がかかりそうなくらいの距離で恥ずかしくて目をそらしたいと思ったけれど、顔がしっかりと固定されていて、叶わなかった。
「え、ええと、、、あの、想像していました。その、綺麗だろうな、と、思って、」
咄嗟に誤魔化した。
「そうか。」
ふっ、と微笑まれて、きゅぅ、と胸が締め付けられた。早く想いを告げたくなる。
私が好きだと伝えたら、この人はどんな顔をするんだろう。
その時、コンコン と、突然ドアがノックされ、ドキンと心臓が鳴った。まさかシン?
すると馴染みの声が聞こえて、ジュリがひょっこり顔を覗かせ、
「お嬢様、リサさんがいらっしゃいましたよ、、、あっ陛下っ、しっ失礼しました。いらっしゃるとは思わず。」
慌ててドアを閉じた。私達は密着し過ぎていたのだ。顔を赤らめながら、なんだリサさんかと半分ほっとして、半分がっかりした。
「ああ、すぐに行く。」
何事もなかったかの様に、陛下が立ち上がり、私も後に続いて、部屋の外へ一歩踏み出した。
次の瞬間、目に映った光景に頭を殴られた様な衝撃が走った。
シンだ。 シンがいる。
シンがリサさんと並んで立っていた。目に見える姿は違うけれど、間違いなくシンだ。
一瞬で、思考が冷静を失った。
すぐに返したい。早く重荷を下ろしたい。私は後先考えずに駆け寄った。
胸ぐらを掴んで唇を押し付けた。この行為を一般的に何というのかなんて、周りがどのように見ているかなんて、考えもしなかった。
シンが抵抗しても離さなかった。
ただ、無我夢中で。
熱い塊が、シンの口へと移されていく。
今まで、よほど我慢していたらしい。思いがけず、この瞬間までの、恐怖、屈辱、戸惑い、辛かった事、芽生えた感情、全てがぐちゃぐちゃになって溢れてきた。唇を離した時、涙で前が見えないくらい泣いていた。
「馬鹿っっ! シンの馬鹿っっ! 酷すぎる」
「駄目だっ、レイラ、死んで欲しくないっっ!」
シンが本来の姿に戻っていく。縋るシンを、力一杯叩いた。こんなんじゃ足りない。もう一度、腕を振り上げた時、その腕をぐい、と掴まれた。
「ひゃっ、え?、やっ、痛いっっ」
「オーウェン! そいつを取り押さえろ!」
陛下だった。私の腕を痛いくらいに掴み、引っ張りながらオーウェンさんに指示を出す。
「えっっ!? どうして!? 」
何が起き始めたのか混乱した。
「レイラっっっ!!!」
オーウェンさんに捕らえられたシンが私を捕まえ様と手を伸ばした。
「待って! その人を離してっ!」
「連れていけ!」
陛下が怒鳴る。私は焦った。こんなつもりじゃなかったのに。シンが連れて行かれてしまう。
「やだ、止めてっ! 離してっっっ!」
私は泣き叫びながら、全ての魔力を振り絞り、シンが逃げられる様に風を起こした。
すぐにシンの周りに風の壁が出来た。
「早くっっ! 行って! 早くっ!!」
じゃないと、魔力が切れてしまう、、、
私の思いは虚しく、シンは何処にも行かなかった。ついに魔力も切れ、意識がもうろうとする。
陛下は乱暴に私の部屋を開け、力任せに私を部屋に放り込んだ。
足がもつれて床に倒れた。
「うぅっ、、つ」
床についた手が変に曲がって、手首に痛みが走ったと同時にドアがバタンと閉められた。
「待って、違う、、こんな、、」
意識が消えそう。
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