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しおりを挟む兄のファーストキスの相手について、恭一さんだけでなく、大貴さん、慶太さんも協力してくれるとのこと。
兄がしっかりして来たのともしかしたら関係あるのかもしれない、と踏んだ僕にはかなり有難い。
不意打ちで、
「奏斗、入るぞー」
お兄ちゃんが入ってきて慌ててスマホの画面を伏せ、勉強机に置いた。
「....どうした?LINE?」
「あ、ううん、動画見てた」
どことなく、そわそわモジモジとたじろぐ奏斗に俺、優斗は、はっとした。
「あ、ごめんな」
小首を傾げる奏斗。
奏斗も年頃だ。
俺には言えない、エッチな動画を見ることもあるのかもしれない。
「にしてもさ、登下校、いつも一緒なのに、私服で二人で出かけるって久しぶりだったな」
一層、奏斗の目が丸くなり、うん、と頷いた。
「確かにそうだね...」
(デートってしたことないけど、デートみたいだったね、行き先は病院だったけど)
と言いかけ、奏斗は思わず、言葉を飲み込んだ。
代わりに羞恥で伏せた耳が赤いのを俺、優斗は見逃さなかった。
(あ、もしかして、動画の続きを見たいのかな...)
「あ、その、母さんが昼飯、作ってくれてたからさ、終わったら一緒に食べよっか」
その兄の言葉にピクリ、とする。
(....終わったら...)
....ま、まさか、僕がお兄ちゃんのファーストキスの相手を探っているのが、ば、バレてる....?
奏斗は青ざめ、脂汗が滲み出た。
そんな奏斗を赤くなったり、青くなったり、どうしたんだ?
と不審に俺、優斗は眉を下げ、首を傾げ、見つめた。
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