Black Angel ~SECOND~

ミヒロ

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「だからぁ。名前です。ほら、こういち、とか、こうすけ、とか」

「あー」

ビールグラス片手に天井を見上げ、口を開けてるコウ。

(...イケメンっちゃイケメンなんだけど、たまにバカっぽいんだよな。サトルは完全にバカだけど)

声にせずとも、ユウもダイチもそう考えながら、次、何食べる?とメニューを見合った。

「こうじ。光るに司、て書いて」

途端、すごーい!と光が甲高い声を上げた為にユウとダイチだけではなく、光やコウの周りも一瞬、体がビクッと跳ねた。

「一緒だ!俺もヒカル、て光る、のヒカルなんです!」

「え、あ、そう...」

光、と言えば、その漢字しか浮かばないが、と周囲は思ったに違いない。

「ユウさんは?ユウさんはなんですか?名前」

突如、光に振られ、

「俺?」

と、ユウから素っ頓狂な声が出た。

うんうん、と酒で少しピンクがかった笑顔でしきりに頷いている光がいる。

その隣のコウはそんな光をまじまじと見ているが。

「俺はゆうき。オスの雄に樹木の樹」

「オス?」

光がきょとん、とした後、屈託なく笑った。

「オスって!面白ーい!ユウさん!」

きゃはは、と笑う光はホント可愛いなあ、とユウもまた見つめた。

「飲みすぎなんじゃねーの、光。酒、弱い癖に」

ダイチの醒めた声に、ユウの顔が強ばった。

「...随分、光くんに詳しいみたいな言い方」

「そりゃ...友達だから...?」

元彼だからだろ、とユウはダイチの冷酒を取り上げ、睨みつける。

「あー、光はバーで勤めてたよね?今度、行こうかな」

コウがにこやかに光に話しかけた。

「いいですけど。二丁目ですよ?新宿二丁目」

しん、とその場が静まった。

ユウとダイチ、コウと光以外はそれぞれ酔っ払い、聞いてはないが。

「し、新宿二丁目...?」

「はい。あ、でも、売りとかそんなんじゃなくってー。料理も美味しいですよ、カクテルも豊富だしー。ママはよく喋るけど」

「ま、ママ」

ケラケラと笑う光と違い、コウが固まってしまっている。

「ママ、て言っても男なんですけどね、あ、ママに知られたら怒られちゃう」

きゃは、と光は笑い、お代わりくださーい!と店員に声をかけた。

「...ねえ、ダイチ。光くん、てあんな感じなんだね...意外」

「...酔うと、ああ。普段は...そこまで変わらないか。ちょっと我儘なくらいで」

「ふうん...可愛いと得だな」

「可愛い?あいつが?」

うん、と冷酒を小さく飲み、頷く。

「...可愛いのはお前の方じゃん?」

途端、顔から火が出たかと思ったユウだった。
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