もう一度、誰かを愛せたら

ミヒロ

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変化

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制服で登校前の朝食の時間。

いつもは俊也と二人で食べていたのに、目の前には涼太。

俊也の手紙を読んだから、あまり気にはならない。

涼太と俊也は笑顔で会話してるけど。

ふと。

突然、隣に座る俊也がテーブルの下にある俺の手を握ってきた。
指を絡ませ、所謂、貝殻繋ぎ。

涼太に気づかれないかと涼太を見たけど、会話に夢中で気づいてない様子にホッとする。

「ところでさー、樹」

「はいっ!?」

思わず、飛び上がりそうになり素っ頓狂な返事をしてしまい、涼太が怪訝な眼差し、そして笑った。

「なに、ウケるー、寝ぼけてた?」

「う、うん。昨日、あんま寝つけなくって」

「そうなんだー」

そして、俊也と繋いでいた手を離し、誤魔化すように水を飲んだ。

「あれ?」

頬杖をついた涼太が俺の手首に目を留めた。

「そんなブレスレット、付けてたっけ?」

「え。あ、う、うん。最近、買ったんだ」

「へー!」

困ったことに涼太は興味津々で俺の腕を掴み、まじまじとブレスレットを眺め、ヒヤヒヤした。

「すっごい、綺麗!何処で買ったの?」

「え、えっと...」

「あ、もしかして、前に俺が教えた通販サイト?」

思いがけず、俊也が助け舟を出してくれた。

「う、うん、そう」

「いいじゃん。似合ってる」

にこっと俺の手首のブレスレットを見て、微笑んだ。
優しい瞳が俺の瞳とぶつかり、ドキッとした。

「えー、なんてサイト?俺にも教えてよ、俊也」

....いつの間にか、俊也くん、だったのに、呼び捨てになってる。

「別にいいけど?」

「やったー!」

一瞬、ふう、と小さく俯き気味に俊也が小さくため息をついた。

「どしたのー?朝からため息とか」

「あ?あー、だりーな、て思っただけ、今日の小テスト」 

「あー、わかるー!休みたくなるよね!」

「かなりな、つか、もう行こうぜ。遅刻する」

そうして、三人で寮を出て、登校。
涼太は真ん中で、俺と俊也によく喋りかけ、俊也は笑顔だけど。

なんだか、俺に向ける笑顔とはたまに違う、たまにそっぽを向いたり、話しを逸らしたり。

豊との三人とはかなり違うものに感じた。
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