愛したい、愛されたい。

ミヒロ

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「買い取りだけじゃない、家賃やら食費、相当な金額を使わせてるね...きっと」

セイヤさんと一緒に湯船に浸かっていた。

「気にしなくていいよ、使い道のない金を持て余すより全然いい」

と湯船のお湯を俺にかけた。

「わっ」

「お前の笑顔がもっと見たい」

セイヤさんが微笑んだ。釣られるように俺も笑う。

「セイヤさんが笑えば俺も笑うよっ」

俺もセイヤさんにお湯をかけ、

「やったなー!」

子供に戻ったみたいにお湯の掛け合いをした。

「...本当にありがとう、セイヤさん」

セイヤさんの胸にもたれかかった。

「セイヤでいいよ、カイ」

「でも8つも違うよ?」

「歳は関係ない、ほら上がるぞ」

うん、と一緒に風呂を上がった。

この日、初めて、売春部屋のあのマンションの一室ではなく、セイヤさんに抱かれた。

セイヤさんの香りのする部屋...。

「好きだよ、カイ」

胸がグッと熱くなる。

泣きそうになった。

いや、涙は零れた。

「痛い?」

俺は抱かれながら首を横に何度も振った。

「悲しくなくっても涙が出るんだね」

「嬉し泣きっていうんだよ」

俺の頬に伝う涙を指で掬ってくれた。

セイヤさん...いや、セイヤの背中にしがみついた。

ふと瞼が開いた。

セックスの後、いつの間にか眠っていたみたいだ。

ベッドの中でセイヤがLINEしている背中を見た。

携帯の明かりに照らされる、細身ながら力強く感じる背中。

「セイヤ...?」

「起きちゃったか、カイ」

セイヤが俺の方を向くと困った顔をした。

「どうしたの...?」

「いや...思いがけない展開になってさ」

スマホを近くのテーブルに置くと腕枕してくれた。

「一緒にいるから絶対に幸せとは限らない、わかる?カイ」

「どういう意味?」

うーん、とセイヤが唸った。

「例えば...いや、はっきり言うよ。リョウはお前の父さんが好きなんだってさ」

「...リョウが!?まさか!」

「一緒にいるうちにさ、そうなっちゃったみたい、片思いらしいけどさ...」

俺は愕然とした。

正直、あんな父親だけど、嫌いになれない自分もいるからだ。

「そっか...だったら、父さんの傍にいるのがリョウの幸せ、てことか」

「そうなるな」

しょんぼりしてる俺を抱き寄せ、キスしてくれた。

それからは、俺はセイヤの甲斐甲斐しい妻のように家事をこなした。

セイヤはみんなの勉強を見てあげたり...。

それから2年。

俺は16になった。

みんな高校認定試験で合格し、それぞれの夢を1つのマンションで抱え、仲良く暮らしています。

俺は初めて人を愛すること、セイヤに愛される喜びや幸せを噛み締めてます。

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