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第五章 女神解放編

閑話④ プランB 大失敗!!

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「なに? ロイスがやられただとォ!?」

 ヴェッジは大量の汗を額に浮かべながらスマホウ・フォンの奥の相手に怒鳴りつける。

 まさか、
 ロイスが敗北を喫するだなんて!
 
 その驚き故の怒り……というよりかは困惑である。

「とりあえず事情は把握した。ああ、お前は引き続き【☆マーク】の削除を続けてくれ。……ああ、古代の歴史を漁っている何者かがいると、それを悟られるわけにはいかないからな。なあに、心配には及ばん。ロイスを失ったのは痛手だが、こっちにはいくらでも駒がある。特にスラムの奴らは扱い易くていいもんだ! うむ、了解だ。そっちも上手くやれよ」

 会話の相手は、
 冒険者ギルドに所属する人間。
 本人は身分を明かさず、
 自分のことをエックスと呼んでいる。

「ふう……。ロイス、奴はよく働いてくれた。ことクオンの管理は完璧だったのに」

 と、そこでヴェッジは思い出す。
 
 今、クオンはプランB実行の真っ最中であるということを。

 取り返しのつかなくなる前に撤退させなければ!

「おい、クオン!!」

 ヴェッジは大急ぎでスマホウ・フォンのボタンを押した。

 スマホウ・フォンの奥からは、相も変わらぬ冷淡な声が聞こえてくる。

 喋る速度も遅いので、
 ヴェッジとの相性は最悪だ。
 
 ヴェッジは鈍間な人間を見るとイライラするのだ。
 
 クオンは人間ではないのだが。

「とにかく、今すぐ早急に撤退しろ! お前の大好きなロイスがやられた以上作戦は失敗だからな! 分かったか? …………おい! 分かったら返事をしろ!!」

 は~~~、
 と大きな溜息を漏らしつつ。
 ヴェッジは早速次の手立てを思案する。

 見た目に反し、
 考えることは得意なのだ。
 
 ある意味で、
 趣味と言ってもいいかもしれない。

「ノエル……必ずいつかお前を取り戻して見せるぞ」

 なにせ、古代文字を読めるのはお前だけなのだからな。
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