5 / 140
第一章
第5話 【今後について・1】✤
しおりを挟む
エルドさんと別れた後、俺は30分程寮の散策をして寮の構造を把握した。
そして、寮の入口で時間を潰していると寮の管理人さんから声を掛けられ、掃除が終わったと伝えられた。
「最初、入った時も綺麗だったけど、更に綺麗になったな……」
たった30分で部屋の清掃が終わってる事に対し、若干驚きつつ俺は改めて部屋を見て回った。
そしてリビングに置いてあった椅子に座り、見て回って来た寮の事を思い浮かべた。
「流石はこの周辺国で一番の商会の寮だったな、土地の広さからヤバさを感じたな……」
ルクリア商会の寮は、まず職場である商会の建物の裏にあり通いやすさは抜群。
商会の建物があるのは商業区で近くには沢山のお店があり、何か必要な物があれば直ぐに買いに行ける。
更に寮の奥には広場があり、寮住まいの人達の体を動かす場所まで揃っていた。
「王都の、それも貴族区に並んで土地の価値が高い商業区にこの大きな敷地とはルクリア商会の凄さを感じたな……」
そして大事な寮の設備だが、それもまた凄かった。
寮の建物は三階建てで上階は全て居住区となっており、一階部分は全部共同スペースとして色んな設備が整っていた。
「その中でもやっぱり、風呂場は凄かったな」
寮には大きな大浴場があり、シャワーだけでも二十人は同時に使えるスペースがあり、浴槽もかなり広かった。
清掃途中だった為、そこまで詳しく見てないが今日の夜には入れるので、その時にまた見よう。
「それにしても、本当に凄い場所だよ。ルクリア商会と聞いた時からずっと思ってるけど、俺がここに居ても良いのかな……」
俺は急に不安に感じ、気持ちが沈んだ。
「……いや、こんな考えていても仕方ない。エルドさんの役に立てるように、俺は自分に出来る事をやろう」
気持ちが沈んでいても良い事に進まないと思い、俺は気持ちを切り替えた。
そして俺はそのまま、散策時に見つけた広場に移動した。
行く前にちゃんと管理人さんに広場で剣とか振っても良いのか聞くと、そういう使い道も出来るように広くとっていると教えられた。
「よしっ、まずは自分のステータスの確認からだな」
ステータス、それは自身の能力を見る事の出来る神様から現世に住まう者達に平等に与えられた力。
本にはそう書かれていて、ステータスだけは生まれた時から見る事が出来る。
✤
名 前:アルフレッド
年 齢:16
種 族:ヒューマン
身 分:平民
性 別:男
レベル:10
筋 力:78
魔 力:91
敏 捷:54
運 :91
スキル:【経験値固定:/】
加 護:Error
✤
ステータスを表示すると、俺の名前と身分が以前の表記とは変わっていた。
名前を名乗らない様に身分証すら新しくされて、家から追放されたのだから当たり前か。
「……それにしても、レベルが低いな」
15歳になるまで、俺は基本的な生活は家の中で過ごす感じだった。
無能と知られる前までは、長男としてノルゼニア家を継ぐために色んな事を学ばされていた。
その為、時間が限られていてレベル上げ等といった事は出来なかった。
「今思えば、もう少しレベルを上げていればって後悔するな……」
そう俺は自分のレベルの低さに落胆しつつ、ステータスの下の方にある【加護】と場所に視線を移動させた。
「これだけは昔から謎なんだよな。俺以外が見ても、俺には加護は無いって言われるしな……」
ステータスは、任意の相手に見せる事が出来る。
その為、この〝Error〟という表記が気になった俺は、クラリスに見てもらったが何も書かれていないと言われた。
その後、父や母にもステータスを見せる機会があったが、全員が口を揃えて「何も書かれていない」と言われた。
「本当に謎だよな……でも、今考えるとこの表記があった時点で俺は無能になる運命だったのかもしれないな」
ステータスがおかしくなるなんて、普通は無い筈なのに俺は生まれた時点からおかしかった。
「……さてと、現状確認は終わりにして今後についてだな。俺が授かった【経験値固定】はこの表記通りなら、レベルが上がるようなスキルでは無い事は分かる」
スキルには二種類ある。
一つはレベルがあり、1から10と10段階で別れている。
レベルが上がればその分、そのスキルが強化されていく。
そして二つ目は、俺のスキルと同じように〝/〟と表示されてレベルが無いスキルだ。
「本の知識通りなら、レベル表記が無いスキルは強力なスキルって事らしいけど……」
本で得た知識によると、レベル表記の無いスキルはどれも強力なスキルらしい。
例えば代表的なスキルだと、勇敢な心を強め力を増幅する【勇気】というスキル。
強化系魔法の中でも強く、所持していれば冒険者として上位を目指せると言われている。
そんな感じでレベル表記のないスキルは強いと言われているが、俺はこのスキルが強いのか弱いのか、未だに分かっていない。
「謹慎生活中は、自由に訓練も出来なかったからな。ただ部屋の中で大人しく生活しろと命令されてたからな」
謹慎生活中、俺は自由に部屋の出入りは禁止され、部屋の中で出来る運動しか出来なかった。
謹慎前は勉強漬けの毎日だったから、多少でも運動が出来る日々のおかげで謹慎前よりも体力はついた。
だけど、スキルに関してこれといって分かった事は一つも無い。
ただ名前から察するに、経験値が固定化されるというスキルなのは間違いないが……。
「経験値が固定化されて、何が変わるんだ?」
と、俺はこの謎に約一年間悩まされている。
それからステータスの確認を終え、久しぶりに真面な運動をしようと広場を走り始めた。
そして、寮の入口で時間を潰していると寮の管理人さんから声を掛けられ、掃除が終わったと伝えられた。
「最初、入った時も綺麗だったけど、更に綺麗になったな……」
たった30分で部屋の清掃が終わってる事に対し、若干驚きつつ俺は改めて部屋を見て回った。
そしてリビングに置いてあった椅子に座り、見て回って来た寮の事を思い浮かべた。
「流石はこの周辺国で一番の商会の寮だったな、土地の広さからヤバさを感じたな……」
ルクリア商会の寮は、まず職場である商会の建物の裏にあり通いやすさは抜群。
商会の建物があるのは商業区で近くには沢山のお店があり、何か必要な物があれば直ぐに買いに行ける。
更に寮の奥には広場があり、寮住まいの人達の体を動かす場所まで揃っていた。
「王都の、それも貴族区に並んで土地の価値が高い商業区にこの大きな敷地とはルクリア商会の凄さを感じたな……」
そして大事な寮の設備だが、それもまた凄かった。
寮の建物は三階建てで上階は全て居住区となっており、一階部分は全部共同スペースとして色んな設備が整っていた。
「その中でもやっぱり、風呂場は凄かったな」
寮には大きな大浴場があり、シャワーだけでも二十人は同時に使えるスペースがあり、浴槽もかなり広かった。
清掃途中だった為、そこまで詳しく見てないが今日の夜には入れるので、その時にまた見よう。
「それにしても、本当に凄い場所だよ。ルクリア商会と聞いた時からずっと思ってるけど、俺がここに居ても良いのかな……」
俺は急に不安に感じ、気持ちが沈んだ。
「……いや、こんな考えていても仕方ない。エルドさんの役に立てるように、俺は自分に出来る事をやろう」
気持ちが沈んでいても良い事に進まないと思い、俺は気持ちを切り替えた。
そして俺はそのまま、散策時に見つけた広場に移動した。
行く前にちゃんと管理人さんに広場で剣とか振っても良いのか聞くと、そういう使い道も出来るように広くとっていると教えられた。
「よしっ、まずは自分のステータスの確認からだな」
ステータス、それは自身の能力を見る事の出来る神様から現世に住まう者達に平等に与えられた力。
本にはそう書かれていて、ステータスだけは生まれた時から見る事が出来る。
✤
名 前:アルフレッド
年 齢:16
種 族:ヒューマン
身 分:平民
性 別:男
レベル:10
筋 力:78
魔 力:91
敏 捷:54
運 :91
スキル:【経験値固定:/】
加 護:Error
✤
ステータスを表示すると、俺の名前と身分が以前の表記とは変わっていた。
名前を名乗らない様に身分証すら新しくされて、家から追放されたのだから当たり前か。
「……それにしても、レベルが低いな」
15歳になるまで、俺は基本的な生活は家の中で過ごす感じだった。
無能と知られる前までは、長男としてノルゼニア家を継ぐために色んな事を学ばされていた。
その為、時間が限られていてレベル上げ等といった事は出来なかった。
「今思えば、もう少しレベルを上げていればって後悔するな……」
そう俺は自分のレベルの低さに落胆しつつ、ステータスの下の方にある【加護】と場所に視線を移動させた。
「これだけは昔から謎なんだよな。俺以外が見ても、俺には加護は無いって言われるしな……」
ステータスは、任意の相手に見せる事が出来る。
その為、この〝Error〟という表記が気になった俺は、クラリスに見てもらったが何も書かれていないと言われた。
その後、父や母にもステータスを見せる機会があったが、全員が口を揃えて「何も書かれていない」と言われた。
「本当に謎だよな……でも、今考えるとこの表記があった時点で俺は無能になる運命だったのかもしれないな」
ステータスがおかしくなるなんて、普通は無い筈なのに俺は生まれた時点からおかしかった。
「……さてと、現状確認は終わりにして今後についてだな。俺が授かった【経験値固定】はこの表記通りなら、レベルが上がるようなスキルでは無い事は分かる」
スキルには二種類ある。
一つはレベルがあり、1から10と10段階で別れている。
レベルが上がればその分、そのスキルが強化されていく。
そして二つ目は、俺のスキルと同じように〝/〟と表示されてレベルが無いスキルだ。
「本の知識通りなら、レベル表記が無いスキルは強力なスキルって事らしいけど……」
本で得た知識によると、レベル表記の無いスキルはどれも強力なスキルらしい。
例えば代表的なスキルだと、勇敢な心を強め力を増幅する【勇気】というスキル。
強化系魔法の中でも強く、所持していれば冒険者として上位を目指せると言われている。
そんな感じでレベル表記のないスキルは強いと言われているが、俺はこのスキルが強いのか弱いのか、未だに分かっていない。
「謹慎生活中は、自由に訓練も出来なかったからな。ただ部屋の中で大人しく生活しろと命令されてたからな」
謹慎生活中、俺は自由に部屋の出入りは禁止され、部屋の中で出来る運動しか出来なかった。
謹慎前は勉強漬けの毎日だったから、多少でも運動が出来る日々のおかげで謹慎前よりも体力はついた。
だけど、スキルに関してこれといって分かった事は一つも無い。
ただ名前から察するに、経験値が固定化されるというスキルなのは間違いないが……。
「経験値が固定化されて、何が変わるんだ?」
と、俺はこの謎に約一年間悩まされている。
それからステータスの確認を終え、久しぶりに真面な運動をしようと広場を走り始めた。
1,153
あなたにおすすめの小説
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる