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第二章
第90話 【規格外の兄妹・5】
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その後、一緒に昼食を食べる事になり、レオルドは部屋に食事を届けて貰い、俺はいつも通り弁当を取り出して食べ始めた。
「アルフ。その弁当だけど、本当に自分で作ったの?」
「そうだよ。口に合うか分からないけど、食べてみる?」
「良いの!? じゃあ、その卵焼きを——」
許可が出るのを待っていたのか、俺の言葉を聞いたレオルドは弁当に何個か入っている卵焼きを一つサッと取り、そのまま口に入れた。
「ッ! めちゃくちゃ美味しい! アルフって、こんなに料理が得意だったっけ?」
「商会に行ってから勉強したんだよ。口にあったみたいで良かったよ。王族のレオルドからの評価は素直に嬉しいよ」
「口に合うってレベルじゃないよ? 正直、普段王城で食べてる料理よりも美味しかったかもしれない……冷めていてあの美味しさという事は、出来立てはもっと美味しかった筈だし」
レオルドは顎に手を置き、暫く悩むと俺の方を向いて突然変な事を言いだした。
「本当は冒険者じゃなくて、料理人になるつもりじゃないの?」
「冒険者だよ。最近は、レベル上げも頑張ってるんだからね? 料理は、まあ趣味の一つだよ。冒険者としては料理の腕も少しは無いと、野営の時とかに困るからね」
「趣味でこのレベルって……」
その後、一つだけでは満足出来なかったレオルドは料理の交換をお願いして来た。
俺はいつも食べてるし、レオルドが欲しいならと思い自分の弁当をレオルドに渡し、レオルドに届けられた料理を俺が食べた。
食後、少しだけレオルドと雑談をしてから教室に戻って来た。
そうして授業が一通り終わり馬車で寮に帰宅すると、既にレオルドの馬車も到着していて顔合わせ会を行う事になった。
「はじめまして、アリスさん。レオルド・フォン・ベリアナです」
顔合わせ会にはエルドさん、俺、アリス、レオルドの4名が参加する事になった。
そして、会が始まって直ぐにレオルドはアリスに自己紹介をした。
しかし、その自己紹介をされたアリスは挨拶を返せず、椅子に座ったまま微動だにしていない。
「アリス。挨拶をしなさい」
「あっ! は、はじめ、まして! あ、アリス・ルクリアです……」
エルドさんからボソッと指摘をされたアリスは、ピンッと背筋を立ててレオルドに挨拶を返した。
この感じ、クラリスみたいに直ぐには打ち解けるのは難しそうだな……。
「お、お爺ちゃん。何で、ここに王子様が?」
「レオルド王子は、アルフの友人という事はアリスも知ってるな?」
エルドさん言葉にアリスは、学園で俺とレオルドの関係性を伝えていたので頷い反応した。
「レオルド王子は魔法の伸びに悩んでいるらしくてな、それの突破口としてアルフに鍛えて貰いたいと打診が来た。しかし、アルフはアリスやクラリスに訓練をつけていて、学園が休みの日は自身の訓練を行っていて時間が無い。そこで、今アリス達が訓練をしている時間にレオルド王子も参加したいと申し出をされた」
「……お、王子様と一緒に訓練?」
アリスは緊張のあまりか小さく震え、その様子を見たレオルドは不安気な表情を浮かべていた。
「だが、この訓練もアリス次第ではレオルド王子とアリス達が一緒に訓練する事は無い。しかし、その場合はアリス達の訓練日を削って、レオルド王子とアルフが訓練をする日を設ける事になる」
「訓練日がこれ以上減ったら、一緒に居られる時間が……」
エルドさんの話を聞いたアリスは顔を下に向け、聞き取れない程の小さな声で何やらぶつぶつと言うと。
アリスはバッと顔を上げ、「一緒に訓練しても大丈夫!」といきなり大声でそう言った。
「本当に良いのか? レオルド王子には人見知りはしないという事か?」
アリスが許可を出した事に俺達は驚き、エルドさんは再確認と為にもう一度聞いた。
「王子様には今も目を合わせられない位、緊張してるよ。でも、それを言うと学園でも緊張する相手が居るけど、勉強や訓練に集中してるから王子様が参加しても訓練に集中すれば大丈夫だと思うの」
「確かにそう言われたら、学園ではアルフのおかげで勉強を出来るようになったからな……分かった。たがアリスが無理そうなら、いつでもいうんだぞ?」
エルドさんはアリスにそう言うと、優しくアリスの頭を撫でた。
その後、レオルドが訓練に参加するのは明日からで、顔合わせ会で疲れたのかアリスは今日の訓練はお休みにして欲しいと言って来た。
まあ、あんなに緊張していたら疲れもするか。
「分かった。それじゃ、今日はゆっくりと休むんだよ」
「うん。アルフ君、おやすみなさい」
そう言ってアリスはいつもはエリックさんが迎えに来るが、少し早めに帰るという事でマリアさんが迎えに来て、俺はアリスを見送った。
その日はアリスは居ないが、クラリスと夕食まで訓練を行い。
明日も学園があるから早めに寝た方が良いのだが、クラリスの勉強に付き合ってから俺は寝た。
「アルフ。その弁当だけど、本当に自分で作ったの?」
「そうだよ。口に合うか分からないけど、食べてみる?」
「良いの!? じゃあ、その卵焼きを——」
許可が出るのを待っていたのか、俺の言葉を聞いたレオルドは弁当に何個か入っている卵焼きを一つサッと取り、そのまま口に入れた。
「ッ! めちゃくちゃ美味しい! アルフって、こんなに料理が得意だったっけ?」
「商会に行ってから勉強したんだよ。口にあったみたいで良かったよ。王族のレオルドからの評価は素直に嬉しいよ」
「口に合うってレベルじゃないよ? 正直、普段王城で食べてる料理よりも美味しかったかもしれない……冷めていてあの美味しさという事は、出来立てはもっと美味しかった筈だし」
レオルドは顎に手を置き、暫く悩むと俺の方を向いて突然変な事を言いだした。
「本当は冒険者じゃなくて、料理人になるつもりじゃないの?」
「冒険者だよ。最近は、レベル上げも頑張ってるんだからね? 料理は、まあ趣味の一つだよ。冒険者としては料理の腕も少しは無いと、野営の時とかに困るからね」
「趣味でこのレベルって……」
その後、一つだけでは満足出来なかったレオルドは料理の交換をお願いして来た。
俺はいつも食べてるし、レオルドが欲しいならと思い自分の弁当をレオルドに渡し、レオルドに届けられた料理を俺が食べた。
食後、少しだけレオルドと雑談をしてから教室に戻って来た。
そうして授業が一通り終わり馬車で寮に帰宅すると、既にレオルドの馬車も到着していて顔合わせ会を行う事になった。
「はじめまして、アリスさん。レオルド・フォン・ベリアナです」
顔合わせ会にはエルドさん、俺、アリス、レオルドの4名が参加する事になった。
そして、会が始まって直ぐにレオルドはアリスに自己紹介をした。
しかし、その自己紹介をされたアリスは挨拶を返せず、椅子に座ったまま微動だにしていない。
「アリス。挨拶をしなさい」
「あっ! は、はじめ、まして! あ、アリス・ルクリアです……」
エルドさんからボソッと指摘をされたアリスは、ピンッと背筋を立ててレオルドに挨拶を返した。
この感じ、クラリスみたいに直ぐには打ち解けるのは難しそうだな……。
「お、お爺ちゃん。何で、ここに王子様が?」
「レオルド王子は、アルフの友人という事はアリスも知ってるな?」
エルドさん言葉にアリスは、学園で俺とレオルドの関係性を伝えていたので頷い反応した。
「レオルド王子は魔法の伸びに悩んでいるらしくてな、それの突破口としてアルフに鍛えて貰いたいと打診が来た。しかし、アルフはアリスやクラリスに訓練をつけていて、学園が休みの日は自身の訓練を行っていて時間が無い。そこで、今アリス達が訓練をしている時間にレオルド王子も参加したいと申し出をされた」
「……お、王子様と一緒に訓練?」
アリスは緊張のあまりか小さく震え、その様子を見たレオルドは不安気な表情を浮かべていた。
「だが、この訓練もアリス次第ではレオルド王子とアリス達が一緒に訓練する事は無い。しかし、その場合はアリス達の訓練日を削って、レオルド王子とアルフが訓練をする日を設ける事になる」
「訓練日がこれ以上減ったら、一緒に居られる時間が……」
エルドさんの話を聞いたアリスは顔を下に向け、聞き取れない程の小さな声で何やらぶつぶつと言うと。
アリスはバッと顔を上げ、「一緒に訓練しても大丈夫!」といきなり大声でそう言った。
「本当に良いのか? レオルド王子には人見知りはしないという事か?」
アリスが許可を出した事に俺達は驚き、エルドさんは再確認と為にもう一度聞いた。
「王子様には今も目を合わせられない位、緊張してるよ。でも、それを言うと学園でも緊張する相手が居るけど、勉強や訓練に集中してるから王子様が参加しても訓練に集中すれば大丈夫だと思うの」
「確かにそう言われたら、学園ではアルフのおかげで勉強を出来るようになったからな……分かった。たがアリスが無理そうなら、いつでもいうんだぞ?」
エルドさんはアリスにそう言うと、優しくアリスの頭を撫でた。
その後、レオルドが訓練に参加するのは明日からで、顔合わせ会で疲れたのかアリスは今日の訓練はお休みにして欲しいと言って来た。
まあ、あんなに緊張していたら疲れもするか。
「分かった。それじゃ、今日はゆっくりと休むんだよ」
「うん。アルフ君、おやすみなさい」
そう言ってアリスはいつもはエリックさんが迎えに来るが、少し早めに帰るという事でマリアさんが迎えに来て、俺はアリスを見送った。
その日はアリスは居ないが、クラリスと夕食まで訓練を行い。
明日も学園があるから早めに寝た方が良いのだが、クラリスの勉強に付き合ってから俺は寝た。
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