99 / 140
第二章
第99話 【次の目標へ・1】✤
しおりを挟む合宿が終わった翌日、久しぶりに師匠と二人で広場に集まっていた。
「こうして訓練するのも、なんだかんだ久しぶりだな」
「そうですね。最初の頃は学園に行って無かったので毎日してましたけど、学園がある日は訓練も中々出来ませんでしたからね。それに前よりも、家族の時間が必要になりましたしね」
赤ちゃんが生まれてから、父親である師匠はほぼウィストの街の自宅で過ごしていた。
ただ毎週の学園が休みの日は、何か問題が起きない限りは迷宮へと連れて行ってもらいレベル上げをしていた。
「さてと、久しぶりという事だし、まずは訓練の前にアルフのステータスを確認しようと思うんだが良いか?」
「はい。分かりました」
師匠の言葉に俺はそう返事をして、師匠にも見えるようにステータスを表示した。
✤
名 前:アルフレッド
年 齢:16
種 族:ヒューマン
身 分:平民
性 別:男
レベル:100
筋 力:9845
魔 力:13247
敏 捷:9458
運 :91
スキル:【経験値固定:/】【剣術:10】 【属性魔法(7):/】
【魔力制御:10】【従魔:10】 【調理:10】
【指導:10】 【並列思考:10】【身体強化:10】
【信仰心:5】 【気配察知:10】【魔力探知:10】
【夜目:10】 【集中:10】 【冷静:10】
【認識阻害:10】【鑑定:10】
加 護:Error
✤
✤
水属性魔法:10
土属性魔法:10
火属性魔法:10
風属性魔法:10
光属性魔法:10
氷属性魔法:10
炎属性魔法:10
✤
長期休みに入る前、迷宮には何度も通いその度に目標を決めてレベル上げをしていた俺はレベル100となった。
「お~、俺が見てない間にまた魔力を上げたみたいだな」
「はい。アリス達に魔法の訓練を教える際、一緒に訓練をしていたので自ずと上がってました」
アリス達に訓練を付けてる際も俺は自分の訓練も忘れず、絶えず意識しながらアリス達と訓練をしていた。
そのおかげで魔力もかなりあがり、訓練していた属性魔法のスキルレベルも全部10にする事が出来た。
「それにしても、いつ見てもアルフのステータスは笑いたくなる程におかしいよな……その歳でそのレベルって時点でもおかしいが、スキルの数も異常だし、殆どがスキルレベル10になってるからな」
「頑張る分だけ自分の力となるので、惜しみなく訓練したおかげですね。まあ、でも正直な所で言うと【経験値固定】はズルだと自分でも思いますね。こんな簡単にレベルが上がっていいのかなって……」
「ズルだと思うかも知れないが、それを神様から授かったのはアルフだからな。使うのはアルフの勝手だ」
師匠はそう言うと、俺の頭に手を置くとワシャワシャと髪を撫でた。
それから、訓練を始める前の準備運動から始めた。
「なあ、アルフ【信仰心】だけスキルレベルの上がりが遅いみたいだが、実際の所どうなんだ?」
「そうですね。多分、遅い理由ですが、やり方が明確化されてないからだと思います。他のスキルに関しては、師匠がそれに合った訓練方法を教えてくれましたが【信仰心】はただ祈ってるだけですから」
「まあ、確かにな、本当は本職の奴等に教わるのが良いんだが……アルフの事を見せたら、あいつらがどう動くか分からんからな。万が一、ステータスを見られることがあったら大変な事になるからな」
少し前までなら少し強いで済んだが、今の俺のステータスは誰が見ても異常。
それを隠す為、師匠から【認識阻害】のスキル習得を指示され、それのスキルレベルを上げる為に【鑑定】のスキルも習得した。
ちなみにこの二つのスキルは、【鑑定】で自分を調べ【認識阻害】で弾くという訓練方法で効率的に上げ、経った三日でレベル10にした。
「本当はもっと強い阻害系スキルを教えたいが、俺の知ってる阻害系スキルで訓練で手に入れられるのはそれだったからな」
師匠は俺にもっと強い阻害系スキルを習得させたいが、それらの訓練方法は明確化されていない。
その為、教える事が出来ずその事を悔やんでいる。
俺としては阻害系を一つ手に入れられたから、少し安心してるが師匠やエルドさんはそうじゃないみたいだ。
その後、準備運動を終えた俺は久しぶりに師匠との訓練を始めた。
「魔法に関しては、もうほぼ上位の冒険者と戦っても勝てるレベルになって来たな」
「本当ですか? でも、まだ一度も魔法戦で師匠に勝てた事はありませんよ?」
「俺はその上位の中でも更に上だからな、俺に勝つにはまだまだ訓練が必要だよ」
そう笑いながら言った師匠に、俺は「頑張って追いつきます!」と言ってその後も訓練を続けた。
そうして一日訓練した俺は、師匠と一緒に風呂に入る事にした。
624
あなたにおすすめの小説
なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる