外れスキルと馬鹿にされた【経験値固定】は実はチートスキルだった件

霜月雹花

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第二章

第115話 【新学期に向けて・1】

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 フローラさんから剣術を教わり始めてから二週間程が経ち、学園の長期休暇も終わりが近づいてきていた。

「一ヵ月ぶりだけど、なんだか随分と会ってなかったみたいな気持ちだよ」

「私も、レインとは家も近いからよく会ってたけど、アルフ君達とは全く会ってなかったもんね」

 学園が始まると直ぐにテストが行われる。
 本当はアリスと二人でテスト勉強をしていたが、レイン達も誘った方が良いなと思ってレイン達を誘った。
 レイン達は俺達の誘いに直ぐに返事を送り、今日久しぶりにレイン達と顔を合わせた。

「商会に遊びに来ても良かったのにと言いたいけど、自分達から来るのはやっぱりまだ緊張する感じ?」

「それもあるけど、アルフ君が訓練に集中してるだろうから時間を邪魔したらいけないなって思って、来るのを躊躇ってたんだよね」

「別にレイン達が来てくれる事に対して、邪魔だなんて思わないよ? それに、四六時中訓練をしていた訳でも無いからね。前半は確かに冒険者活動をする為にウィストの街に行ってたから無理だったと思うけど、後半は王都に戻って来て剣の訓練をしつつ、アリス達とも訓練をしていたからね」

「剣の訓練って、アルフ君本格的に剣士にでもなるの?」

 俺が剣の訓練をしていると言うと、レインは不思議そうな顔をしながらそう言った。

「いや、実は剣術の師匠が新しく出来てね。それで真剣に今は剣に向き合ってる所なんだ。別に魔法を捨てたわけでもないよ」

「剣術の師匠ってエリスさんじゃなかったの?」

「今は狂剣のフローラが俺の剣の師匠だよ」

 レインとリサに俺の剣の師匠がフローラさんだと教えると、二人は驚いた顔をして「ええ!?」と大きな声を出した。

「狂剣ってあの?」

「白金級冒険者のフローラで間違いないよ。今は謹慎中で商会に戻って来てて、それで俺の師匠になったんだ」

「魔法はアレンさんから、剣はフローラさんからってアルフ君って本当に凄いね……」

「この場合、凄いのはルクリア商会の気もするけど……でもやっぱりその二人が弟子にしようと考えたアルフ君は凄いよね」

 それから近況報告を終えた後、早速テストに向けて勉強を始めた。
 久しぶりに皆と会えて、勉強が本来の目的ではあったが、勉強しつつ話したりして、その日は勉強に集中はあまり出来なかった。

「久しぶりに会えて楽しかったけど、勉強はあまり進まなかったね」

「まあ、休みの間も宿題は無いけどちゃんと予習とかはしてたみたいだから、そう酷い点数は取らないとは思うよ。でも、明日の勉強会はもう少し集中してやろうか」

 そう俺達は、反省会を最後にしてその日は皆と解散した。
 翌日、昨日の反省も踏まえて皆と集まった後、俺達は真面目に勉強会を行った。
 昨日とは違ってレイン達は凄く集中して勉強に取り組み、かなりテスト勉強は進んだ。

「久しぶりにこんな真面目に勉強して、疲れちゃった……」

「私も~……アルフ君達は全く疲れてないけど、休みの間も勉強してたの?」

 勉強会二日目、昼休憩に入るとレイン達は疲れた表情をしていた。
 しかし俺、アリス、クラリスは特に疲れた表情はしていなかった。

「まあ、毎日クラリスの受付業務の勉強に付き合いつつ、自分の勉強もしてたからね」

「私もアルフ君が隣街に冒険者活動をしてる間は勉強はあまりしてなかったけど、こっちに戻って来てからは訓練の合間とかに時間を作ってもらって訓練したり、勉強もしてたから苦しくはないかな?」

「兄さんが言いましたけど、私は受付の勉強をしてたのでそこまで疲れてはないですね。リサちゃん達は、お家で勉強はしてなかったかですか?」

「少しはしてたけど、ここまでガッツリとはしてなかったかな……」

 長期休暇で、宿題に関しては前半で全て終わらせていた。
 そうなると、自主的に勉強をしない限りは勉強する機会もない。
 それにレインとリサは、それぞれ自分の目標に向かって時間を使っていたんだろう。

「まだ学園が始まるまで数日あるから、それまでに勉強の感覚を取り戻せばいいよ」

 そう俺は言って、あまり疲れてるなら午後は少し体を動かそうと言って、午後は訓練場へと行き運動をする事にした。

「あら、アルフ君達じゃない? 今日は勉強会じゃなかったの?」

「はい。そうですけど、ちょっと体を動かそうかなと思って広場に来たんです。訓練をしてたんですか?」

「ええ、私のやる事はこれくらいしか無いもの。それより、折角来たんなら私の相手になってくれないかしら? 学友の子達もアルフ君の剣術がどれだけ成長したか、見たいんじゃない?」

 フローラさんがそう言うと、アリス達は俺の剣術がどれだけ成長しているのか気になっていたみたいで、その言葉に頷いた。
 この流れで断るのも、と思った俺は「わかりました」と言って俺は準備運動を始めた。
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